七海さん

ホットサン

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第2話

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「月末の土曜、柳川と横浜スタジアム行こうって話してるんだけど、洋も一緒に行こうぜ」
大学へ向かう電車の中で、陽斗は僕を誘った。
「柳川と···」
僕はボソッと言って「ベイスターズ戦か?」と聞いた。
「そうそう。中華街で昼飯食って、スタジアムで野球みて、スパに泊まって翌朝帰る計画だよ」と陽斗は言った。

陽斗とは幼稚園から高校まで一緒で、なんと大学も同じだった。
僕は医学部を目指し、この大学に入学した。
陽斗は経済学部で3つの大学を受験したが、希望する大学は合格できず、この大学だけなんとか合格することができたのだ。そして同じ大学となった。
だが学部が違うので重なっている授業は少ない。
今日の1限は2人とも履修しているドイツ語なので、毎週水曜は一緒に大学に行くのだ。
柳川は陽斗が経済学部で最近作った友達だ。
柳川は去年も大学1年で単位が足りなくて上がれなかったと聞いている。
なので、1歳上だ。
結構気が合っているようで、キャンパスで2人でいるところをよく見かける。
いや、2人ではない。大体いつも2人の周りには女子が群がっているのだ。
陽斗は高校の時も女子に告られた事もあり、まあまあモテる。しかし、柳川がかなりのイケメンなのだ!
2人でいると、あの陽斗が引き立て役になっている。
しかし2人はそんな事気にする事もなく、群がる女性達も特別親しくする訳でもなく、適当にあしらっている。
そして2人で遊ぶときは、大抵僕にも声をかけてくれるのだ。

洋は「一泊か、ちょっと考える」と返事をした。
俺は最近柳川とあそぶのが楽しい。「1年間遊ぶのに忙しくて単位落とした」と言うだけのことはあり、一緒に遊ぶと俺にとっては刺激的なのだ!
柳川は1学年上にも仲が良い友だちグループがあるようで、毎日一緒と言うわけでもないが、そのグループに紹介されたことはない。
これまで洋と2人で遊んでいたが柳川と約束することが多くなった。
それなので大体洋にも声をかけている。
柳川も文句は言わないし、どちらかと言うと俺と洋が幼馴染と聞いて関係性を察してくれたらしく、洋に気を使ってくれる。
洋は元々友達を多く作るタイプではない。
なので洋の友達は全員俺つながりだ!
(今度医学部にも友達作ってやらないと)俺は密かに思っているくらいだ。
ただ、今までとは違い「柳川と3人で」と誘うと少し躊躇する。
これまで2人で遊びに行ってスパに泊まって翌朝帰ることはよくやっていた。
むしろ洋のほうがスパが好きだ。
行ったことがない「横浜のスパ」と言えば、必ず来るはずだ。2人なら。
(柳川のどこが気に入らないんだろう)
洋の性格は熟知していると思っている。
柳川に何が引っかかってるのだろう?
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