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第2話 fire
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ノーザンズバーグ幼稚園の園児たちが一列になってバスに乗り込む様を、パトカーの中からカイルはじっと見ていた。
ダッシュボードを開くと束になった書類の上に拳銃が一丁ある。
カイルは手に取って確かめた。
オートマティックで、マガジンには六発弾が入っていた。
元通りダッシュボードに戻すと、無線機器の上に貼られた写真に目を向ける。
生まれて一、二か月くらいの赤ん坊が写っている。ジェイクの息子だ。
園児たちを乗せたバスが動き出した。
最後尾の窓からジェイクがカイルを見つめている。
カイルは手を上げて応じると、写真を指でぴんと弾いて後に続いた。
「――カイル? 聞こえるか?」
ノーザンズバーグストリートを西へ向けて走っていると、無線が入った。
「――こちらカイル。デブの脂っこい声が聞こえる。あと前方の送迎バス車内に怪しげな黒人が一人いる。どうぞ」
「――ふざけるな。今のところ不審車両はないな?」
「――ない。面白くない」
言った直後に子どもたちの大声が聞こえ、カイルは顔をしかめた。
「――うっせえな、黙らせろや」
「――無理言うな。お巡りさんは未来ある子どもたちの味方だ」
「――その中から将来どれだけ犯罪者が出るか楽しみだな」
「――お前ってマジで性格悪いよな」
赤信号でバスが停車し、パトカーがその後ろに止まった。
カイルが窓から歩道の先を見ると、そこは緑地公園になっていてテニスやバスケットボールをする若者たちの姿が見られた。
「こいつら、爆弾魔が怖くないのかね」
年々、若者たちの感性についていけなくなっている事実を、カイルは哀しくもあり、また当然のこととして受け止めていた。
ついこの間まで自分は彼ら若者たちのカテゴリーに属していたはずなのだが……。
今や彼らからすれば「おじさん」「おっさん」の部類に違いない。
この壁は如何ともし難い。
本人の想像以上に硬く高くそして分厚い壁だ。
パトカーの隣に赤いオープンカーがきて止まった。
カイルが目を向けると、金髪の女性が一人で運転している。
サングラスをかけていて、振り向いてカイルを見ると笑った。
「いい女だ」
青信号になり、バスが発進する。
カイルが後に続き、遅れてオープンカーがパトカーを追い越した。
女が助手席の下からマシンガンを取って運転席に立った。
「クソ女!」
ダダダダとバスの側面に穴が開く。
カイルはハンドルを切って車首をオープンカーのリアバンパーにぶつける。
銃口が上を向いて空に弾が放たれると同時に女が座席に引っ繰り返る。
後頭部から血を流した女はそれでもマシンガンを手に取ると今度はパトカーめがけてぶっ放す。
「クソが!!」
バリバリバリとフロントガラスが木っ端微塵に砕け散り、ハンドルの下に頭を伏せたカイルは吠えた。
「死ね!!」
アクセルを踏みしめ弾道の方向へもう一度パトカーを体当たりさせる。
ガリガリガリと中央分離帯に擦る音が響いた後、パトカーに挟まれていたオープンカーが方向を失いスピンする。
マシンガンと女の体が宙を飛んだ。
マシンガンは中央分離帯を飛び越えて落下し、女は道路上に投げ出されたところを走ってきたワーゲンに轢かれた。
轢かれる直前、割れたサングラスと血まみれの女がカイルを恨めしそうに見ていた。
ワーゲンは突然降ってきた女の頭にホイールで乗り上げ、急停止した。
カイルはスマートフォンで911に通報しつつ、パトカーから降りて歩道に乗り上げて停車しているバスに向かって走った。
「大丈夫か!?」
車内に乗り込むと子どもたちは泣いたり騒いだり興奮したり黙っていたり様々だった。
「大丈夫だ。子どもたちに怪我はねえ」
最後尾からジェイクが煙を上げているオープンカーを見て言う。
「まったくイカレた奴だぜ」
「口が悪いな巡査さん。子どもたちのお手本にならねえぞ?」
「ああ確かに。でも今は言わせてくれ。あのクソってな」
ジェイクが吐き捨てると、傍に座っていた女の子が首を傾げた。
「クソ? クソってなあに?」
「ほら早速未来ある子どもの一人が悪い言葉を覚えたぜ。どうするよお巡りさん」
「だいたいお前がクソクソ言うから悪いんだ。お前のせいだ」
「責任転嫁するお巡りは首が飛ぶぜ?」
「首が飛ぶの? ビューーンって?」
女の子が面白そうに身振り手振りをし、カイルとジェイクは顔を見合わせた。
地元の保安官事務所に緊急の協力を要請し、ジェイクが現場に残り、カイルがバスに乗った。
「あたし、アニーって言うの」
先ほどの女の子がカイルに話しかける。
「おじさんのことずっと見てた。すごくカッコよかったよ」
「そいつはどうも」
「帰ったら父と母に言うの。将来の夢はお巡りさんだって」
「やめといた方がいいと思うぜ、お嬢ちゃん。お巡りはしんどいわりに給料は貰えねえクズみたいな仕事だからよ」
「クズ? クズってなあに?」
どんだけいいとこのお嬢様なんだとカイルは心の中でツッコんだ。
「……お嬢ちゃんは知らなくていい言葉だ。とにかくお巡りだけはやめとけ。保育士とか、パティシエとか、いくらでもあるだろ?」
「アニーはお巡りさんが良いの! アニーも首飛ばしたいの!」
「……頼むから家帰ってそんなこと言うなよ? 親御さんが泣いたり怒ったりしても俺は責任持てねえからな」
「責任転嫁! 責任転嫁!」
カイルはやれやれと溜め息を吐いた。
帰りのバスは順調に走行し、次々に園児たちを家まで送り届け、アニーも山手の一軒家に無事到着した。
「お巡りさん、また乗ってくれる?」
降り際にアニーが振り向いてカイルに言う。
「残念だが、俺はお巡りじゃないし、さすがに休園になると思うから俺の出番はねえ」
「え~、つまんないつまんないつまんない!」
アニーが駄々をこねていると若い母親が頭を撫でて言う。
「アニーさんはよっぽどこのガードマンさんが気にいったみたいですね」
「いや、ガードマンでもないですから」
カイルはコートの内ポケットを探り、くちゃくちゃになった名刺を指で伸ばして渡す。
「……まあ! 私立探偵さんだったんですか!」
母親は名刺を受け取って目を丸くした。
「わたし、ミステリー小説が大好きなんです。シャーロックホームズとかエルキュールポワロとかミスマープルとか」
「念のため言っときますが、現実の探偵はそんな大層なもんじゃないですからね? ほとんどが浮気調査ですし」
「浮気調査……」
急に母親はじっと考え込んでしまった。
「カイルさん。よろしければその件で少しご相談したいことがありますので、また後日お電話差し上げてもよろしいでしょうか?」
おっと、思わぬ仕事が舞い込んだな。
カイルは内心喜びながらも、もしアニーの父親を調査することになったとしたら、複雑な事態になると思った。
「もちろん構いませんよ。いつでもどうぞ」
「バイバイ! 探偵さん!」
アニーに手を振ってカイルはバスに乗った。
最後の一人を送り届けた後、バスは園に引き返した。
途中、事故現場で降ろしてもらうと、ジェイクや保安官たちが後片付けをしていた。
「やっと戻ってきたか。もう家に帰っちまったのかと思ったぞ」
「本当は帰りたかったんだが、わざわざ戻ってきてやったんだ。礼くらい言え」
カイルも検証に立ち会った。
あらかた終わっており、事故車両と女の死体は運ばれた後だった。
「悪いが今日は長くなるぜ。ここが終わったら遺体も確認しないとな」
「とりあえず先に晩飯は食わせてほしいぜ」
「一応聞いとくが、死んだ女の顔に見覚えは?」
「ないね」
カイルはそう言って煙草に火を点けた。
ダッシュボードを開くと束になった書類の上に拳銃が一丁ある。
カイルは手に取って確かめた。
オートマティックで、マガジンには六発弾が入っていた。
元通りダッシュボードに戻すと、無線機器の上に貼られた写真に目を向ける。
生まれて一、二か月くらいの赤ん坊が写っている。ジェイクの息子だ。
園児たちを乗せたバスが動き出した。
最後尾の窓からジェイクがカイルを見つめている。
カイルは手を上げて応じると、写真を指でぴんと弾いて後に続いた。
「――カイル? 聞こえるか?」
ノーザンズバーグストリートを西へ向けて走っていると、無線が入った。
「――こちらカイル。デブの脂っこい声が聞こえる。あと前方の送迎バス車内に怪しげな黒人が一人いる。どうぞ」
「――ふざけるな。今のところ不審車両はないな?」
「――ない。面白くない」
言った直後に子どもたちの大声が聞こえ、カイルは顔をしかめた。
「――うっせえな、黙らせろや」
「――無理言うな。お巡りさんは未来ある子どもたちの味方だ」
「――その中から将来どれだけ犯罪者が出るか楽しみだな」
「――お前ってマジで性格悪いよな」
赤信号でバスが停車し、パトカーがその後ろに止まった。
カイルが窓から歩道の先を見ると、そこは緑地公園になっていてテニスやバスケットボールをする若者たちの姿が見られた。
「こいつら、爆弾魔が怖くないのかね」
年々、若者たちの感性についていけなくなっている事実を、カイルは哀しくもあり、また当然のこととして受け止めていた。
ついこの間まで自分は彼ら若者たちのカテゴリーに属していたはずなのだが……。
今や彼らからすれば「おじさん」「おっさん」の部類に違いない。
この壁は如何ともし難い。
本人の想像以上に硬く高くそして分厚い壁だ。
パトカーの隣に赤いオープンカーがきて止まった。
カイルが目を向けると、金髪の女性が一人で運転している。
サングラスをかけていて、振り向いてカイルを見ると笑った。
「いい女だ」
青信号になり、バスが発進する。
カイルが後に続き、遅れてオープンカーがパトカーを追い越した。
女が助手席の下からマシンガンを取って運転席に立った。
「クソ女!」
ダダダダとバスの側面に穴が開く。
カイルはハンドルを切って車首をオープンカーのリアバンパーにぶつける。
銃口が上を向いて空に弾が放たれると同時に女が座席に引っ繰り返る。
後頭部から血を流した女はそれでもマシンガンを手に取ると今度はパトカーめがけてぶっ放す。
「クソが!!」
バリバリバリとフロントガラスが木っ端微塵に砕け散り、ハンドルの下に頭を伏せたカイルは吠えた。
「死ね!!」
アクセルを踏みしめ弾道の方向へもう一度パトカーを体当たりさせる。
ガリガリガリと中央分離帯に擦る音が響いた後、パトカーに挟まれていたオープンカーが方向を失いスピンする。
マシンガンと女の体が宙を飛んだ。
マシンガンは中央分離帯を飛び越えて落下し、女は道路上に投げ出されたところを走ってきたワーゲンに轢かれた。
轢かれる直前、割れたサングラスと血まみれの女がカイルを恨めしそうに見ていた。
ワーゲンは突然降ってきた女の頭にホイールで乗り上げ、急停止した。
カイルはスマートフォンで911に通報しつつ、パトカーから降りて歩道に乗り上げて停車しているバスに向かって走った。
「大丈夫か!?」
車内に乗り込むと子どもたちは泣いたり騒いだり興奮したり黙っていたり様々だった。
「大丈夫だ。子どもたちに怪我はねえ」
最後尾からジェイクが煙を上げているオープンカーを見て言う。
「まったくイカレた奴だぜ」
「口が悪いな巡査さん。子どもたちのお手本にならねえぞ?」
「ああ確かに。でも今は言わせてくれ。あのクソってな」
ジェイクが吐き捨てると、傍に座っていた女の子が首を傾げた。
「クソ? クソってなあに?」
「ほら早速未来ある子どもの一人が悪い言葉を覚えたぜ。どうするよお巡りさん」
「だいたいお前がクソクソ言うから悪いんだ。お前のせいだ」
「責任転嫁するお巡りは首が飛ぶぜ?」
「首が飛ぶの? ビューーンって?」
女の子が面白そうに身振り手振りをし、カイルとジェイクは顔を見合わせた。
地元の保安官事務所に緊急の協力を要請し、ジェイクが現場に残り、カイルがバスに乗った。
「あたし、アニーって言うの」
先ほどの女の子がカイルに話しかける。
「おじさんのことずっと見てた。すごくカッコよかったよ」
「そいつはどうも」
「帰ったら父と母に言うの。将来の夢はお巡りさんだって」
「やめといた方がいいと思うぜ、お嬢ちゃん。お巡りはしんどいわりに給料は貰えねえクズみたいな仕事だからよ」
「クズ? クズってなあに?」
どんだけいいとこのお嬢様なんだとカイルは心の中でツッコんだ。
「……お嬢ちゃんは知らなくていい言葉だ。とにかくお巡りだけはやめとけ。保育士とか、パティシエとか、いくらでもあるだろ?」
「アニーはお巡りさんが良いの! アニーも首飛ばしたいの!」
「……頼むから家帰ってそんなこと言うなよ? 親御さんが泣いたり怒ったりしても俺は責任持てねえからな」
「責任転嫁! 責任転嫁!」
カイルはやれやれと溜め息を吐いた。
帰りのバスは順調に走行し、次々に園児たちを家まで送り届け、アニーも山手の一軒家に無事到着した。
「お巡りさん、また乗ってくれる?」
降り際にアニーが振り向いてカイルに言う。
「残念だが、俺はお巡りじゃないし、さすがに休園になると思うから俺の出番はねえ」
「え~、つまんないつまんないつまんない!」
アニーが駄々をこねていると若い母親が頭を撫でて言う。
「アニーさんはよっぽどこのガードマンさんが気にいったみたいですね」
「いや、ガードマンでもないですから」
カイルはコートの内ポケットを探り、くちゃくちゃになった名刺を指で伸ばして渡す。
「……まあ! 私立探偵さんだったんですか!」
母親は名刺を受け取って目を丸くした。
「わたし、ミステリー小説が大好きなんです。シャーロックホームズとかエルキュールポワロとかミスマープルとか」
「念のため言っときますが、現実の探偵はそんな大層なもんじゃないですからね? ほとんどが浮気調査ですし」
「浮気調査……」
急に母親はじっと考え込んでしまった。
「カイルさん。よろしければその件で少しご相談したいことがありますので、また後日お電話差し上げてもよろしいでしょうか?」
おっと、思わぬ仕事が舞い込んだな。
カイルは内心喜びながらも、もしアニーの父親を調査することになったとしたら、複雑な事態になると思った。
「もちろん構いませんよ。いつでもどうぞ」
「バイバイ! 探偵さん!」
アニーに手を振ってカイルはバスに乗った。
最後の一人を送り届けた後、バスは園に引き返した。
途中、事故現場で降ろしてもらうと、ジェイクや保安官たちが後片付けをしていた。
「やっと戻ってきたか。もう家に帰っちまったのかと思ったぞ」
「本当は帰りたかったんだが、わざわざ戻ってきてやったんだ。礼くらい言え」
カイルも検証に立ち会った。
あらかた終わっており、事故車両と女の死体は運ばれた後だった。
「悪いが今日は長くなるぜ。ここが終わったら遺体も確認しないとな」
「とりあえず先に晩飯は食わせてほしいぜ」
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