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争乱1 インシジャーム砂漠
百話 一時の再会-5
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「謝らないで、別に好きやっていることだから。でも、勘違いはしないのでほしいのだけれど、私は栄太君の見ている景色を少しでも理解したい。ただ、そう思っているのよ」
「たしかに、俺の価値観=異界守の常識ってわけではないよな。一般社会への影響は最小限って暗黙の了解はあるが」
軍隊みたいに統率の取れた組織ってわけではない。俺のように強制的に異界守になるほうが少数だ。それぞれに思惑がある。上層部はそれを危険視して、訓練校なんてものを運営し始めたわけだけど……。
「異界守の組織運営には、色々思うことがあるけれど、今それを議論している余裕はないわ」
サクラが、スクリーンを指さす。
詠唱を続けている俺は、全くの無防備だ。たぶん、最低限の防御策は講じているだろうけど……。どうにも俺は今も昔も自己の丈夫さを過信してしまう帰来がある。
即死を免れれば、どうにかなるって漠然とした自信があるのだ。逆に、相手が罠でも仕掛けているのではないかと疑心暗鬼に陥る局面ではあるな。
敵に余程の自信があるか、罠の可能性すら予想できないほど追いつめられていれば、迷わず仕掛けてくるとは思うけど。
「今のところ善戦していると思うけどな。予断は許さないけどさ」
もう少しだけ、話していたい。直接、口にするのは憚られるが。
「あの鬼神モードの栄太君って、最強なのよね?」
「どうかな。一応は、あの状態で四位まではいけたけど。その上とは手合わせしたこともないしな。それこそ、異界には俺より強い奴なんて山のようにいるだろうし」
ただ、あの害魔に負ける未来は想像しにくい。
「圧倒的な力を持った強者って、状況把握能力が著く低い傾向にあるのよね。慢心というわけではないのだけれど、些末なことがが視界に入らなくなってしまうのよ」
壊れかけたオルゴールのように断続的な音を発しながら、天使が突進してくる。
見ていて緊張する場面だけど、反応できない速度ではない。回避も防御動作をとらないのはより優先させる事項があるからだ。
もう少しで詠唱も終わる。カウンター狙いか。
「え?」
獣人の少女――オレリアが流星のように天使に激突した。それでも地面に沈まない天使を猛追している。
迫り出した犬歯に鋭い爪。犬度が増しているように見受けられる。これだけ接近して、動けるのはおかしい。耐性値が激的に上昇している。
急激なパワーアップ。その代償は……。
「たしかに、俺の価値観=異界守の常識ってわけではないよな。一般社会への影響は最小限って暗黙の了解はあるが」
軍隊みたいに統率の取れた組織ってわけではない。俺のように強制的に異界守になるほうが少数だ。それぞれに思惑がある。上層部はそれを危険視して、訓練校なんてものを運営し始めたわけだけど……。
「異界守の組織運営には、色々思うことがあるけれど、今それを議論している余裕はないわ」
サクラが、スクリーンを指さす。
詠唱を続けている俺は、全くの無防備だ。たぶん、最低限の防御策は講じているだろうけど……。どうにも俺は今も昔も自己の丈夫さを過信してしまう帰来がある。
即死を免れれば、どうにかなるって漠然とした自信があるのだ。逆に、相手が罠でも仕掛けているのではないかと疑心暗鬼に陥る局面ではあるな。
敵に余程の自信があるか、罠の可能性すら予想できないほど追いつめられていれば、迷わず仕掛けてくるとは思うけど。
「今のところ善戦していると思うけどな。予断は許さないけどさ」
もう少しだけ、話していたい。直接、口にするのは憚られるが。
「あの鬼神モードの栄太君って、最強なのよね?」
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ただ、あの害魔に負ける未来は想像しにくい。
「圧倒的な力を持った強者って、状況把握能力が著く低い傾向にあるのよね。慢心というわけではないのだけれど、些末なことがが視界に入らなくなってしまうのよ」
壊れかけたオルゴールのように断続的な音を発しながら、天使が突進してくる。
見ていて緊張する場面だけど、反応できない速度ではない。回避も防御動作をとらないのはより優先させる事項があるからだ。
もう少しで詠唱も終わる。カウンター狙いか。
「え?」
獣人の少女――オレリアが流星のように天使に激突した。それでも地面に沈まない天使を猛追している。
迫り出した犬歯に鋭い爪。犬度が増しているように見受けられる。これだけ接近して、動けるのはおかしい。耐性値が激的に上昇している。
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