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虹色市誕生

12話 ジーモンの悪だくみ

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 翌朝、町の中央広場では集まった人々が、壇上に上がったジーモン氏に注目していて、ジーモン氏が右手をあげると、場は静かになりました。

「親愛なる虹色市民たち、昨日、魔族の少女がこの広場で少年たちを暴行した!少女はなんだかんだで言いがかりをして、一方的に暴力ぼうりょくを振るったのである!」これに、ジーモン氏の支持者たちは口々にさけびます。

「やっぱり悪魔はタチが悪い!」
「なんて乱暴らんぼうなのかしら!」
「弱い者いじめ反対!」群衆ぐんしゅうの中にいたリリスはジーモンに食ってかかろうとしますが、すぐるが止めます。

「はなせすぐる!全部でっち上げじゃ!」
「だめだよ!何を言っても利用されるだけだ!」ジーモン氏が再び手をあげると、群衆は静まります。

「皆さまのいう事はもっともです!そういう異種族たちを野放しにしておくことは好ましくない!私が市長になったあかつきには、悪魔たちをこの島から追い出し、秩序ある社会を取り戻して見せます!」
「そうだ!やろう!」
「ジーモンさん万歳ばんざい!」
「やい、聞いているか悪魔の女め!ざまみろ!」
「スクルージの野郎やろうは市長選を降りろ!こき下ろせ!」

「・・・やっぱり、こうなったか・・・」すぐるは力なくその場を後にしました。これにリリスも続きます。
「なんじゃ!すぐるは、あの時見て見ぬふりをしていればよかったと言うのか!?」
「・・・いいや、そうじゃない、リリスは間違ったことはしていない!悪いのはあの悪ガキどもだ!」


 ジーモン氏の館では、ジーモン氏が机で不敵な笑みを浮かべています。
「くっくっく・・・!あのガキどもよくやったな!こうも早く運が向いてくるとは・・・!よし、我々も子供に負けてはおれん!いいかお前たち!できるだけ異種族たちに問題を起こさせろ!」ジーモン氏が部下の二人組に命じました。

「お任せ下さい、ジーモン様!」
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