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忘れられた宝
最終話 忘れられた宝
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「やったの!すぐる、マリーナを狙ったと見せかけて、船を破壊するとは機転が利くが、
ちょっと無茶するとは、お主らしくもない」
「まぁね、そばに空を飛べるリリスがいたからね、リリスにつかまって空から脱出するつもりだったから」
「つまり、妾をあてにしておったのだな?まぁよい!」リリスはうれしそうに顔を赤くし、口角を上げます。
「さぁ、東島の宝をさがそう!」
すぐるとリリスは、地図に記されている島の南東にある洞窟に向かい、奥へと向かっていき、
光の射す洞窟の出口を抜けると、そこは大きな入り江で、その真ん中の海に、 聖木(儀式ぎしきによって、 鉄より硬く強くなった木材)で造られた大きな箱舟だったのです。
「おお!あれが宝の船なのだな!?すぐる、行くぞ!」リリスはすぐるの手をつかんで走り出します。
「だから、引っ張らないでって!」2人が箱舟の中に入ると、中に積まれていたのは、たくさんの木箱や タル等です。リリスが右側に積まれている箱を開けてみました。
「なんじゃ?中に入っておるのは、麦や稲などの作物の種ばっかりじゃ・・・!」
すぐるも左側の木箱を 開けてみました。
「これは、大昔の巻物・・・!恐らく、先人たちの知識を書き記した物だね・・・!
魔力を封じた箱に保管されていたから、まだ解読できそうだ」続いて、タルの中も見てみます。
「これは、砂漠みたいに、かわいた場所でも作物が育つようになる魔法の粉だね、地面にまいて使う物だ」
2人は箱舟の中をくまなく見て回りましたが、海賊が欲しがりそうな金銀財宝は 全く見当たらなかったのです。
「なんじゃ、結局、宝はなかったのか・・・!?」しかし、すぐるは満足そうです。
「いいや、あったんだよ、『忘れられた宝』は・・・! これこそ先人たちの偉大な遺産だよ!!」
すぐるとリリスは今、スピネル王宮の玉座の間にいます。
「そうか、ついに見つかったのだな、『忘れられた宝』は・・・!」
「はい、忘れられた宝とは、『世界を支配できるほどの力』でも、『使いきれない財宝』 でもなかったんです。
『先人たちの英知』こそ、他ならない『忘れられた宝』だったんです」
すぐるがこう言うと、王様は静かにうなずきます。
「そうだったのか・・・!そなたたちが見つけた箱舟の中には、
かつて、あの地を追われた先人たちの知恵を書き記した書物、
行きついた新天地で作物が育てられるように、たくさんの種や道具がおさめられていた・・・!
なるほど、 まさに、大いなる幸福を得られる抱えきれないほどの宝と言うのは真実だったわけだ・・・!」
これに、すぐるが続けます。
「はい!ぼくたちは箱舟を見つけた後、スピネルの船に待機していた学者や使用人たちに報告し、
学者を含む何名かは、 ラグーナ諸島に残って調査を続けるそうです。
いずれ、全ての真実が明らかになるでしょう」
「うむ!よくぞ宝を手に入れてくれた!では、2人には報酬として、
合計2万ゴールドを与え、それぞれに見合った 貴重なお守りを与える!」
リリスには、『力と勇気』の象徴である、ルビーとシトリンのペンダント『力のルビー』を、
すぐるには、『知恵と正義』の象徴である、サファイアとアメジストのペンダント『正義のサファイア』をもらいました。
「やったの!すぐる!」
「リリスもありがとう!君のおかげだよ!」
「当然!妾はお主の唯一無二のパートナーじゃ!
お主には、はなむけをやろうぞ♡」リリスはすぐるのくちびるに そっとキスをしたのです。お互い向き合ってほほえみました。
ちょっと無茶するとは、お主らしくもない」
「まぁね、そばに空を飛べるリリスがいたからね、リリスにつかまって空から脱出するつもりだったから」
「つまり、妾をあてにしておったのだな?まぁよい!」リリスはうれしそうに顔を赤くし、口角を上げます。
「さぁ、東島の宝をさがそう!」
すぐるとリリスは、地図に記されている島の南東にある洞窟に向かい、奥へと向かっていき、
光の射す洞窟の出口を抜けると、そこは大きな入り江で、その真ん中の海に、 聖木(儀式ぎしきによって、 鉄より硬く強くなった木材)で造られた大きな箱舟だったのです。
「おお!あれが宝の船なのだな!?すぐる、行くぞ!」リリスはすぐるの手をつかんで走り出します。
「だから、引っ張らないでって!」2人が箱舟の中に入ると、中に積まれていたのは、たくさんの木箱や タル等です。リリスが右側に積まれている箱を開けてみました。
「なんじゃ?中に入っておるのは、麦や稲などの作物の種ばっかりじゃ・・・!」
すぐるも左側の木箱を 開けてみました。
「これは、大昔の巻物・・・!恐らく、先人たちの知識を書き記した物だね・・・!
魔力を封じた箱に保管されていたから、まだ解読できそうだ」続いて、タルの中も見てみます。
「これは、砂漠みたいに、かわいた場所でも作物が育つようになる魔法の粉だね、地面にまいて使う物だ」
2人は箱舟の中をくまなく見て回りましたが、海賊が欲しがりそうな金銀財宝は 全く見当たらなかったのです。
「なんじゃ、結局、宝はなかったのか・・・!?」しかし、すぐるは満足そうです。
「いいや、あったんだよ、『忘れられた宝』は・・・! これこそ先人たちの偉大な遺産だよ!!」
すぐるとリリスは今、スピネル王宮の玉座の間にいます。
「そうか、ついに見つかったのだな、『忘れられた宝』は・・・!」
「はい、忘れられた宝とは、『世界を支配できるほどの力』でも、『使いきれない財宝』 でもなかったんです。
『先人たちの英知』こそ、他ならない『忘れられた宝』だったんです」
すぐるがこう言うと、王様は静かにうなずきます。
「そうだったのか・・・!そなたたちが見つけた箱舟の中には、
かつて、あの地を追われた先人たちの知恵を書き記した書物、
行きついた新天地で作物が育てられるように、たくさんの種や道具がおさめられていた・・・!
なるほど、 まさに、大いなる幸福を得られる抱えきれないほどの宝と言うのは真実だったわけだ・・・!」
これに、すぐるが続けます。
「はい!ぼくたちは箱舟を見つけた後、スピネルの船に待機していた学者や使用人たちに報告し、
学者を含む何名かは、 ラグーナ諸島に残って調査を続けるそうです。
いずれ、全ての真実が明らかになるでしょう」
「うむ!よくぞ宝を手に入れてくれた!では、2人には報酬として、
合計2万ゴールドを与え、それぞれに見合った 貴重なお守りを与える!」
リリスには、『力と勇気』の象徴である、ルビーとシトリンのペンダント『力のルビー』を、
すぐるには、『知恵と正義』の象徴である、サファイアとアメジストのペンダント『正義のサファイア』をもらいました。
「やったの!すぐる!」
「リリスもありがとう!君のおかげだよ!」
「当然!妾はお主の唯一無二のパートナーじゃ!
お主には、はなむけをやろうぞ♡」リリスはすぐるのくちびるに そっとキスをしたのです。お互い向き合ってほほえみました。
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