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8章 真実の章
不法投棄
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最近、スピネルでは幻想界平和連盟によって、リニューアルした鉱山町『マインズ』の話題で持ち切りになりました。と言うのも連盟のおかげで、スピネル一治安の悪かったマインズが落ち着いていき、便利な道具を作る工場や遊園地が出来て行き、雇用も創出していったからです。
「連盟はやはり素晴らしい!」
「荒(あ)れていたマインズは楽しい街になった!」
「最近、広まっている連盟の悪いうわさはウソだったんだ!」
「メシア代表は最高だ!」
「オレ、便利グッズの工場の仕事が決まったんだ!」
このように、人々は連盟を大いに賞賛しました。しかしその一方で、喜んでばかりもいられない状況も起きていたのです。
「・・・うわぁ!すごいゴミの山だ!」
「・・・まったく!森はゴミ捨て場じゃないのに!本っ当に腹が立つわ!」
キーパー協会のテイルとカインのバディは今、スピネル王都の東にある恐怖の森のパトロールに来ていました。実は、連盟がマインズの開発をし始めたのとほぼ同時期に、森にゴミが大量に捨てられることが相次ぐようになり、キーパー協会やスピネルの王から何とかして欲しいと依頼を受け、パトロールに来たわけです。
今森は、鉄くず、木くず、刺激臭のする有毒廃棄物が詰まったタルなどの工場から出たと思われるゴミ、生ごみ、壊れた家具、ビンなどの町から出たゴミなどが、草地の地面が覆い隠されるほど大量に捨てられていたのです。
この事態に駆け付けたのは、テイルとカインだけではありません。同じくキーパー協会に所属するカナンとグレイのバディ、スカーレットとジェイソンのバディ、ゴミの依頼を受けてやって来たエルニスとキャンベル、すぐるとリリスはおろか、スピネル国王、クラウス王子やアイリス王女、スピネルの兵士たちまでやって来て、総がかりで森の大掃除をしています。
「・・・うっ!すごいにおいのタルだ!こんなのを捨てたら、土壌が汚染されてしまうぞ!」
すぐるが鼻をつまみながら黒い液体がしみだしているタルを見ます。このようなじかに触れそうもないゴミはキャンベルが念力で動かし、ジェイソンは持ち前の怪力で家具の粗大ごみを抱え、キーパーたちもバディで協力しながら大きなゴミを運び、二頭の馬が引く荷車に積んでいきます。そうやって皆働きますが、一向にゴミが減っていく気配がなく、国王が皆に言います。
「よし、空も暗くなってきた!今日はここまで!」
夕方、森の中に、僧服に身を包んだ者たちや鎧に身を包んだ聖戦士やシスターたちが大きな荷車を馬にひかせて現れました。そして間もなく、彼らは荷車に積んであった金属や機械のゴミ、生ごみなどが詰まった袋などをその場に放り投げはじめたのです。さらに間もなく、茂みから二人の人影が飛び出してきます。
「見つけたわ!やっぱり連盟が不法投棄の犯人だったのね!」その声に連盟の者たちが振り向きます。
「げげっ!キーパー協会のテイルとカインのバディ!見張っていたのか!?」
「ええ!連盟がマインズの開発を始めるのと同時期に森にゴミが捨てられたから、怪しいって!」
「やっぱり、ぼくの予想は当たっていたわけだ!」
「くそっ!見られたからにはタダでは帰さんぞ!」連盟の者たちが武器を取って身構えると、テイルが言いました。
「あら?私たちだけだと思った?みんな、出てらっしゃい!」テイルの掛け声とともに、連盟の者たちを取り囲むように、スピネル国王、アイリス王女、クラウス王子、スピネルの兵士たちだけでなく、キーパー協会のカナンとグレイバディ、スカーレットとジェイソンバディ、エルニスとキャンベル、すぐるとリリス、スピネル国民たちが茂みから姿を現しました。
「どうじゃ?こうなってはもう言い逃れはできんぞ!」スピネル国王が腕を組んで言います。
「くそっ!覚えていろ!」連盟は馬車を無理やり発進させ、逃げて行きました。
「こらーっ!ゴミを持って帰りなさいよ!」テイルの叫びがむなしく響きます。
森にゴミを不法投棄していた犯人は連盟だった!そのウワサは瞬く間にスピネル中に知れ渡りました。多くの目撃者たちの証言もあり、スピネル国の新聞『スピネルジャーナル』も、この事件を大々的に記事にしました。しかし、それでも連盟は森への不法投棄への関わりを全て否定し、スピネルジャーナルをフェイクニュース(ウソ、でたらめのニュース)だと宣言したのです。
「全く!この期に及んでまだシラをきる気なの!?」テイルは怒り心頭でした。
「この調子だと、連盟の工場で、便利な道具を作っておるという話も疑わしいの!」リリスも言うと、キャンベルも言いました。
「・・・そうですね、中でも怪しいのは、連盟の工場に働きに出たと言う人々がなかなか帰ってこないと言う話ですよ・・・!あのルイスさんも工場を見学したっきり帰ってこないのです・・・!」
「そうね・・・!よし!連盟の工場に忍びこみましょう!」テイルが言うと、一同は賛成しました。
「連盟はやはり素晴らしい!」
「荒(あ)れていたマインズは楽しい街になった!」
「最近、広まっている連盟の悪いうわさはウソだったんだ!」
「メシア代表は最高だ!」
「オレ、便利グッズの工場の仕事が決まったんだ!」
このように、人々は連盟を大いに賞賛しました。しかしその一方で、喜んでばかりもいられない状況も起きていたのです。
「・・・うわぁ!すごいゴミの山だ!」
「・・・まったく!森はゴミ捨て場じゃないのに!本っ当に腹が立つわ!」
キーパー協会のテイルとカインのバディは今、スピネル王都の東にある恐怖の森のパトロールに来ていました。実は、連盟がマインズの開発をし始めたのとほぼ同時期に、森にゴミが大量に捨てられることが相次ぐようになり、キーパー協会やスピネルの王から何とかして欲しいと依頼を受け、パトロールに来たわけです。
今森は、鉄くず、木くず、刺激臭のする有毒廃棄物が詰まったタルなどの工場から出たと思われるゴミ、生ごみ、壊れた家具、ビンなどの町から出たゴミなどが、草地の地面が覆い隠されるほど大量に捨てられていたのです。
この事態に駆け付けたのは、テイルとカインだけではありません。同じくキーパー協会に所属するカナンとグレイのバディ、スカーレットとジェイソンのバディ、ゴミの依頼を受けてやって来たエルニスとキャンベル、すぐるとリリスはおろか、スピネル国王、クラウス王子やアイリス王女、スピネルの兵士たちまでやって来て、総がかりで森の大掃除をしています。
「・・・うっ!すごいにおいのタルだ!こんなのを捨てたら、土壌が汚染されてしまうぞ!」
すぐるが鼻をつまみながら黒い液体がしみだしているタルを見ます。このようなじかに触れそうもないゴミはキャンベルが念力で動かし、ジェイソンは持ち前の怪力で家具の粗大ごみを抱え、キーパーたちもバディで協力しながら大きなゴミを運び、二頭の馬が引く荷車に積んでいきます。そうやって皆働きますが、一向にゴミが減っていく気配がなく、国王が皆に言います。
「よし、空も暗くなってきた!今日はここまで!」
夕方、森の中に、僧服に身を包んだ者たちや鎧に身を包んだ聖戦士やシスターたちが大きな荷車を馬にひかせて現れました。そして間もなく、彼らは荷車に積んであった金属や機械のゴミ、生ごみなどが詰まった袋などをその場に放り投げはじめたのです。さらに間もなく、茂みから二人の人影が飛び出してきます。
「見つけたわ!やっぱり連盟が不法投棄の犯人だったのね!」その声に連盟の者たちが振り向きます。
「げげっ!キーパー協会のテイルとカインのバディ!見張っていたのか!?」
「ええ!連盟がマインズの開発を始めるのと同時期に森にゴミが捨てられたから、怪しいって!」
「やっぱり、ぼくの予想は当たっていたわけだ!」
「くそっ!見られたからにはタダでは帰さんぞ!」連盟の者たちが武器を取って身構えると、テイルが言いました。
「あら?私たちだけだと思った?みんな、出てらっしゃい!」テイルの掛け声とともに、連盟の者たちを取り囲むように、スピネル国王、アイリス王女、クラウス王子、スピネルの兵士たちだけでなく、キーパー協会のカナンとグレイバディ、スカーレットとジェイソンバディ、エルニスとキャンベル、すぐるとリリス、スピネル国民たちが茂みから姿を現しました。
「どうじゃ?こうなってはもう言い逃れはできんぞ!」スピネル国王が腕を組んで言います。
「くそっ!覚えていろ!」連盟は馬車を無理やり発進させ、逃げて行きました。
「こらーっ!ゴミを持って帰りなさいよ!」テイルの叫びがむなしく響きます。
森にゴミを不法投棄していた犯人は連盟だった!そのウワサは瞬く間にスピネル中に知れ渡りました。多くの目撃者たちの証言もあり、スピネル国の新聞『スピネルジャーナル』も、この事件を大々的に記事にしました。しかし、それでも連盟は森への不法投棄への関わりを全て否定し、スピネルジャーナルをフェイクニュース(ウソ、でたらめのニュース)だと宣言したのです。
「全く!この期に及んでまだシラをきる気なの!?」テイルは怒り心頭でした。
「この調子だと、連盟の工場で、便利な道具を作っておるという話も疑わしいの!」リリスも言うと、キャンベルも言いました。
「・・・そうですね、中でも怪しいのは、連盟の工場に働きに出たと言う人々がなかなか帰ってこないと言う話ですよ・・・!あのルイスさんも工場を見学したっきり帰ってこないのです・・・!」
「そうね・・・!よし!連盟の工場に忍びこみましょう!」テイルが言うと、一同は賛成しました。
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