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7章 王道の章
作戦会議
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あまり緑が目立たない黒い岩肌の山であるヘルズマウンテンの西のふもとに黒い石を組み上げて造られた城こそ、ナイトロード軍の基地であるノワール城です。
「ここがノワール城か・・・なんだか暗い雰囲気の城だ・・・」すぐるが城を見上げて言います。
「全てのバンパイアの始まり、『真祖』と呼ばれた初代ナイトロードの王が建造したとされる城だ」メガロが通行証のメダルを見せると、見張りの角竜の顔を持つ鎧兵が城門を開けて、メガロたちを入れてくれました。
城の中は、黒く、磨かれた石の上に、赤いカーペットが敷かれていて、思っていたよりも手入れがされているようです。中央の大広間のテーブルでは、貴族然とした青い服と白いミニスカートをまとった、赤毛のショートヘアーの整った顔をしたバンパイアの少女を中心に、角竜の兵士、黒いスーツにビロードのマントを羽織ったバンパイア、弓を持ったエルフのアーチャーたちが控えており、メガロは中心にいるバンパイア少女に話しかけます。
「待たせたな、レミアン王女」レミアン王女は両の赤い瞳をこちらに向けます。
「来てくれたんですね、メガロ団長殿・・・あ、すぐるも来てくれたんだ・・・!」
「レミオンじゃないか!突然スピネルからいなくなるから、心配したんだよ」
「ああ、父上から『混沌の帝国が再び本国に近づいてきたから、こちらに加勢してくれ』って通達が来てね、それで国に帰ったんだけど、帝国が前回を上回る戦力で襲ってきて、要所であるヘルズマウンテンを奪われ、続いて町も奪われ、父も捕まり、とうとう本城まで奪われてしまった・・・」
「そうか、それで今の戦況はどうだ?」メガロがレミアンにたずねます。
「帝国のボス、サタンは未だに本城を占拠、そして、ヘルズマウンテンの牢獄には、帝国に逆らった者たちが捕えられています、あなたの仲間、ファフナーもスパイ活動が帝国にバレて、牢の中へ・・・」それを聞いたすぐるは驚きます。
「えっ!?父さんが捕まったって!?」
「そう、それでまず、放送塔もある要所ヘルズマウンテンを取り戻そうとしていますが、山の警備は厳重です、そう簡単には乗り込めません」それを聞いたメガロが提案をしました。
「そこでまず、おれの仲間シルフィーが信号弾を使い、牢がある場所とは正反対の方角、山の南東側に警備の目を引きつけ、その隙にシルトの仲間たちが西側から掘ったトンネルを使い、山に潜入し、すぐに牢の囚人たちを逃がす、そして、他のシルトやナイトロード軍も東の登山口から山の南東に向かい、警備の者たちを足止めし、そうやって、山の警備を手薄にし、その後すぐるたちが北東の放送塔を占拠し、山を取り戻すのだ!」レミアンが言います。
「しかし、山を取り戻したところで、今の帝国の戦力はナイトロード軍の戦力を大幅に上回っています・・・」これに、メガロは話を続けました。
「・・・確かに、今の帝国の戦力は、ナイトロード軍の倍以上で一見、勝負にならないかもしれん・・・しかし、おれたちが調べたところ、混沌の帝国とは、必ずしも一枚岩ではない!やつらは、暴力と欲望が支配するかつてのナイトロードを取り戻そうと集まった、ならず者たちの群れ、一致団結することを知らん獣の群れだ。本当に帝王サタンに忠誠を誓っている者は半分もいないだろう。それに、ナイトロードの国民の過半数は、帝国を恐れ、憎んでいる者ばかり、つまり、今のナイトロードは、あふれんばかりの大量の水を湛えた巨大なダムの様なもの、だから、そのダムに亀裂を入れる、つまり、放送塔から国民たちに呼びかければ、ダムは決壊、皆、我も我もと立ち上がり、帝国は大混乱し、帝王サタンを帝国もろども洗い流すことが出来る!」それを聞いた一同は驚きました。
「おお、それならば・・・!」
「やはり、冬将軍メガロは只者じゃない・・・!」これに、レミアンは頭を下げました。
「わあ、すごい作戦だ!かつて、ナイトロードに反旗をひるがえしたあなたが、我が国のために、力を尽くしてくれるなんて・・・!」これにメガロは静かに言います。
「おれがナイトロードに角を振りかざしたのは、自由と正義をもたらすためだ、ナイトロードを滅ぼしたいのではない」
「メガロって、『牙をむける』ことを『角を振りかざす』って言うんだ・・・独特の言い方だね・・・牛かサイみたいだ・・・」すぐるは思いました。
「ここがノワール城か・・・なんだか暗い雰囲気の城だ・・・」すぐるが城を見上げて言います。
「全てのバンパイアの始まり、『真祖』と呼ばれた初代ナイトロードの王が建造したとされる城だ」メガロが通行証のメダルを見せると、見張りの角竜の顔を持つ鎧兵が城門を開けて、メガロたちを入れてくれました。
城の中は、黒く、磨かれた石の上に、赤いカーペットが敷かれていて、思っていたよりも手入れがされているようです。中央の大広間のテーブルでは、貴族然とした青い服と白いミニスカートをまとった、赤毛のショートヘアーの整った顔をしたバンパイアの少女を中心に、角竜の兵士、黒いスーツにビロードのマントを羽織ったバンパイア、弓を持ったエルフのアーチャーたちが控えており、メガロは中心にいるバンパイア少女に話しかけます。
「待たせたな、レミアン王女」レミアン王女は両の赤い瞳をこちらに向けます。
「来てくれたんですね、メガロ団長殿・・・あ、すぐるも来てくれたんだ・・・!」
「レミオンじゃないか!突然スピネルからいなくなるから、心配したんだよ」
「ああ、父上から『混沌の帝国が再び本国に近づいてきたから、こちらに加勢してくれ』って通達が来てね、それで国に帰ったんだけど、帝国が前回を上回る戦力で襲ってきて、要所であるヘルズマウンテンを奪われ、続いて町も奪われ、父も捕まり、とうとう本城まで奪われてしまった・・・」
「そうか、それで今の戦況はどうだ?」メガロがレミアンにたずねます。
「帝国のボス、サタンは未だに本城を占拠、そして、ヘルズマウンテンの牢獄には、帝国に逆らった者たちが捕えられています、あなたの仲間、ファフナーもスパイ活動が帝国にバレて、牢の中へ・・・」それを聞いたすぐるは驚きます。
「えっ!?父さんが捕まったって!?」
「そう、それでまず、放送塔もある要所ヘルズマウンテンを取り戻そうとしていますが、山の警備は厳重です、そう簡単には乗り込めません」それを聞いたメガロが提案をしました。
「そこでまず、おれの仲間シルフィーが信号弾を使い、牢がある場所とは正反対の方角、山の南東側に警備の目を引きつけ、その隙にシルトの仲間たちが西側から掘ったトンネルを使い、山に潜入し、すぐに牢の囚人たちを逃がす、そして、他のシルトやナイトロード軍も東の登山口から山の南東に向かい、警備の者たちを足止めし、そうやって、山の警備を手薄にし、その後すぐるたちが北東の放送塔を占拠し、山を取り戻すのだ!」レミアンが言います。
「しかし、山を取り戻したところで、今の帝国の戦力はナイトロード軍の戦力を大幅に上回っています・・・」これに、メガロは話を続けました。
「・・・確かに、今の帝国の戦力は、ナイトロード軍の倍以上で一見、勝負にならないかもしれん・・・しかし、おれたちが調べたところ、混沌の帝国とは、必ずしも一枚岩ではない!やつらは、暴力と欲望が支配するかつてのナイトロードを取り戻そうと集まった、ならず者たちの群れ、一致団結することを知らん獣の群れだ。本当に帝王サタンに忠誠を誓っている者は半分もいないだろう。それに、ナイトロードの国民の過半数は、帝国を恐れ、憎んでいる者ばかり、つまり、今のナイトロードは、あふれんばかりの大量の水を湛えた巨大なダムの様なもの、だから、そのダムに亀裂を入れる、つまり、放送塔から国民たちに呼びかければ、ダムは決壊、皆、我も我もと立ち上がり、帝国は大混乱し、帝王サタンを帝国もろども洗い流すことが出来る!」それを聞いた一同は驚きました。
「おお、それならば・・・!」
「やはり、冬将軍メガロは只者じゃない・・・!」これに、レミアンは頭を下げました。
「わあ、すごい作戦だ!かつて、ナイトロードに反旗をひるがえしたあなたが、我が国のために、力を尽くしてくれるなんて・・・!」これにメガロは静かに言います。
「おれがナイトロードに角を振りかざしたのは、自由と正義をもたらすためだ、ナイトロードを滅ぼしたいのではない」
「メガロって、『牙をむける』ことを『角を振りかざす』って言うんだ・・・独特の言い方だね・・・牛かサイみたいだ・・・」すぐるは思いました。
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