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4章 大志の章
南島の悪魔たち
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カインとテイルはガルダイン博士の元に残り、すぐるたち六人は南島へと航海することにしました。
すぐさま船着き場に向かい、キャンベル、すぐる、リリス、ボブ、シェリーが乗った舟はエルニスによって引かれ、
南島目指してまっしぐらに海の上を進んで行きます。しばらくすると、水平線の向こうに島が見えてきて、
エルニスは舟のロープを南島の船着き場に固定して、六人は悪魔族の村へと急ぎます。
悪魔族の村は、石の壁と木の屋根で作られた家々が目立ち、
その間を、角とコウモリの翼、尖った尻尾を生やした人型の種族、悪魔族が行きかっていました。
「ここが悪魔族の村か・・・」
「なんか、イメージしていたのと違うな・・・」
「なんだか、素朴な感じですね」
エルニスたちが村の中を歩き回っていると、悪魔族の青年がリリスを見て言いました。
「お、リリスじゃないか、もうお帰りか?」それを聞いたエルニスたちは驚きました。
「えっ?リリスってこの村の出身なの!?」悪魔族の青年は説明します。
「ああ、そうさ、角がない下級悪魔のくせに、悪魔族のイメージを変えるまでは帰らぬと大きな事言って出て行ったんだ」
「そうだったんだ・・・」
「そういえば、みんな頭に角があるけど、リリスにはないや・・・」すぐるがリリスの頭を見て言います。
「ああ、角は上級悪魔の証さ、
それなのにリリスはいつも威張ってばかりで、
まるで女王様みたいなしゃべり方するしよ、本当に乳がデカい事だけが取り柄の生意気な奴だ!」
「・・・う・・・うるさい!」リリスは顔を赤らめて言います。
「ちょっと!そんな言い方はあんまりですわ!」シェリーも食って掛かります。
「・・・お前たちは何しに来た?」
「はい、最近、流行りだした呪いの病気を治すために、薬の作り方を聞きに来ました」
「ああ、それって、村長のデモンズさんが持っているあれの事か?北側にあるひときわ大きな家が村長の家さ」
悪魔族の青年が指した先には、大きな家が建っています。エルニスは悪魔族の青年にお礼を言って村長の家へと急ぎます。
家の入り口の前に来て、ノッカーを鳴らすと、中から、羊のように曲がった太い角を二本頭に生やした立派な悪魔族の男性が現れました。
「おお、こんなところによそ者がたずねてくるなんて、久しぶりじゃのう・・・!何の用じゃ・・・?」
「北島の子供たちが謎の呪いの病気にかかってしまったんです。それで、ここに伝わる薬が必要なんです。それで・・・」
「薬の作り方を教えてほしいのか・・・?あいにく、よそ者に渡すことはできん!」村長は首をゆっくり横に振(ふ)ります。
「そんな!治すのにどうしても必要なんです!お願いします!」エルニスが深々と頭を下げますが、村長はこう言いました。
「お前たちは知っていると思うが、我々悪魔族は、古くからズルくて信用できない種族と、他の種族から忌み嫌われてきた・・・
それで我々はここにひっそりと暮らす道を選び、
他の種族の事にはかかわらないようにしてきた。そして、今もそれは変わらない・・・!
それに、あの薬はここぞという時までは使わないと言う決まりじゃ」村長が静かに言い放つと、リリスはいてもたってもいられませんでした。
「何を言っておる!北島の学校では、多くの童たちが病で苦しんでおるのだぞ!
今出さずにいつ出すのじゃ!そして、いずれここも危なくなる!そうなっては、ここはおしまいじゃ!」
「その声は・・・リリスか・・・!お前のような下級悪魔が言っても説得力がないのう!」
村長がバカにするように言うと、リリスはまっすぐ村長の顔を見据えて言います。
「村長殿(どの)!妾が一度でもウソをついたことがあるか!?」
村長がぶれることのないリリスの視線と声にしばらく考え込み、やがて口を開きました。
「・・・確かに・・・お前は一度でもウソを言った覚えはなかった・・・わかった・・・!
我が悪魔族に伝わる秘伝の薬のレシピを渡そう!」村長が一旦家の中に戻り、
しばらくして、薬の作り方が載っている巻き物をリリスに手渡しました。
「うぬ、村長殿、感謝する!」こうして、エルニスたちは、薬のレシピを持って、北島へと帰って行きました。
北島に帰って来たエルニスたちは、早速レシピをガルダイン博士に見せました。
「ほう、薬の材料や作り方、使い方が細かく載っておる・・・!
材料は『ヒーラー草・青真珠・悪魔族の毒・世界樹の実のエキス・妖精の粉』の五つじゃな・・・
この薬を使えば、この病を治せるどころか、その病にもかからなくなる!」それを聞いたリリスは言いました。
「うぬ、材料の一つに、『悪魔族の毒』と言っておったな・・・!そんな物が薬の材料になるのかのう?」
「うむ、まぎれもなく悪魔族の毒が材料の一つじゃ!他の材料と混ざることで、変化を起こすのじゃよ。
元々、魔族の毒は薄めると薬になり、時に高値が付くのじゃ」それを聞いたすぐるが言います。
「それなら、リリスの爪から出る毒がいいよ!」
「ほう、妾の毒が役にたつのだな!?」早速、シートを口にかけたビンを一つ用意しました。
「うむ、血清(毒を治す薬)を作るために毒蛇の毒を集めるときは、
こういうビンを使うのじゃ。さあリリス、ビンの口のシートに爪を立てるのじゃ!」
「うむ・・・こうかのう・・・?」リリスがシートに右手の爪を突き刺すと、
彼女の紅い爪の先から、赤っぽいピンク色の液体がしたたり落ち、ビンの中に溜まっていきました。
「へえ、リリスって、本当に毒を持っていたんだ・・・なんだかきれいな色だね・・・」エルニスがビンを見て言いました。
「でも、この毒は結構強いよ・・・!」すぐるが言います。
「お前、リリスの毒をくらったことがあるのか?」ボブがたずねます。
「・・・ああ、最近、弱めた彼女の毒を爪から定期的に注入させてもらっているんだ。
最初はわずかな量でもきつかったよ。でも、それで体を慣らしたおかげで、病気や呪いにかかりにくくなったんだ」
「へぇ、お二人はそんなことを・・・!」
「うむ、もう十分じゃろう」ガルダインが言うと、リリスは爪をシートから抜き、右手の爪をぬぐいました。
「悪魔族の毒は確保できたけど、残りの材料はどこにあるのかな?」エルニスがガルダイン博士にたずねます。
「うむ、材料の『青真珠』は東島で、『ヒーラー草』は西島で採れるのじゃ」
「そうなんだ・・・じゃあ、ここは二手に分かれて材料を探しに行こう。ぼくとキャンベルは東島に行って青真珠を採って来るよ」
「それなら、おれとシェリーは西島に行き、ヒーラー草を採って来るぜ、
すぐるたちは、治療の手伝いを!」こうして、エルニスたち四人は二手に分かれ、それぞれの材料を採ってくることにしました。
すぐさま船着き場に向かい、キャンベル、すぐる、リリス、ボブ、シェリーが乗った舟はエルニスによって引かれ、
南島目指してまっしぐらに海の上を進んで行きます。しばらくすると、水平線の向こうに島が見えてきて、
エルニスは舟のロープを南島の船着き場に固定して、六人は悪魔族の村へと急ぎます。
悪魔族の村は、石の壁と木の屋根で作られた家々が目立ち、
その間を、角とコウモリの翼、尖った尻尾を生やした人型の種族、悪魔族が行きかっていました。
「ここが悪魔族の村か・・・」
「なんか、イメージしていたのと違うな・・・」
「なんだか、素朴な感じですね」
エルニスたちが村の中を歩き回っていると、悪魔族の青年がリリスを見て言いました。
「お、リリスじゃないか、もうお帰りか?」それを聞いたエルニスたちは驚きました。
「えっ?リリスってこの村の出身なの!?」悪魔族の青年は説明します。
「ああ、そうさ、角がない下級悪魔のくせに、悪魔族のイメージを変えるまでは帰らぬと大きな事言って出て行ったんだ」
「そうだったんだ・・・」
「そういえば、みんな頭に角があるけど、リリスにはないや・・・」すぐるがリリスの頭を見て言います。
「ああ、角は上級悪魔の証さ、
それなのにリリスはいつも威張ってばかりで、
まるで女王様みたいなしゃべり方するしよ、本当に乳がデカい事だけが取り柄の生意気な奴だ!」
「・・・う・・・うるさい!」リリスは顔を赤らめて言います。
「ちょっと!そんな言い方はあんまりですわ!」シェリーも食って掛かります。
「・・・お前たちは何しに来た?」
「はい、最近、流行りだした呪いの病気を治すために、薬の作り方を聞きに来ました」
「ああ、それって、村長のデモンズさんが持っているあれの事か?北側にあるひときわ大きな家が村長の家さ」
悪魔族の青年が指した先には、大きな家が建っています。エルニスは悪魔族の青年にお礼を言って村長の家へと急ぎます。
家の入り口の前に来て、ノッカーを鳴らすと、中から、羊のように曲がった太い角を二本頭に生やした立派な悪魔族の男性が現れました。
「おお、こんなところによそ者がたずねてくるなんて、久しぶりじゃのう・・・!何の用じゃ・・・?」
「北島の子供たちが謎の呪いの病気にかかってしまったんです。それで、ここに伝わる薬が必要なんです。それで・・・」
「薬の作り方を教えてほしいのか・・・?あいにく、よそ者に渡すことはできん!」村長は首をゆっくり横に振(ふ)ります。
「そんな!治すのにどうしても必要なんです!お願いします!」エルニスが深々と頭を下げますが、村長はこう言いました。
「お前たちは知っていると思うが、我々悪魔族は、古くからズルくて信用できない種族と、他の種族から忌み嫌われてきた・・・
それで我々はここにひっそりと暮らす道を選び、
他の種族の事にはかかわらないようにしてきた。そして、今もそれは変わらない・・・!
それに、あの薬はここぞという時までは使わないと言う決まりじゃ」村長が静かに言い放つと、リリスはいてもたってもいられませんでした。
「何を言っておる!北島の学校では、多くの童たちが病で苦しんでおるのだぞ!
今出さずにいつ出すのじゃ!そして、いずれここも危なくなる!そうなっては、ここはおしまいじゃ!」
「その声は・・・リリスか・・・!お前のような下級悪魔が言っても説得力がないのう!」
村長がバカにするように言うと、リリスはまっすぐ村長の顔を見据えて言います。
「村長殿(どの)!妾が一度でもウソをついたことがあるか!?」
村長がぶれることのないリリスの視線と声にしばらく考え込み、やがて口を開きました。
「・・・確かに・・・お前は一度でもウソを言った覚えはなかった・・・わかった・・・!
我が悪魔族に伝わる秘伝の薬のレシピを渡そう!」村長が一旦家の中に戻り、
しばらくして、薬の作り方が載っている巻き物をリリスに手渡しました。
「うぬ、村長殿、感謝する!」こうして、エルニスたちは、薬のレシピを持って、北島へと帰って行きました。
北島に帰って来たエルニスたちは、早速レシピをガルダイン博士に見せました。
「ほう、薬の材料や作り方、使い方が細かく載っておる・・・!
材料は『ヒーラー草・青真珠・悪魔族の毒・世界樹の実のエキス・妖精の粉』の五つじゃな・・・
この薬を使えば、この病を治せるどころか、その病にもかからなくなる!」それを聞いたリリスは言いました。
「うぬ、材料の一つに、『悪魔族の毒』と言っておったな・・・!そんな物が薬の材料になるのかのう?」
「うむ、まぎれもなく悪魔族の毒が材料の一つじゃ!他の材料と混ざることで、変化を起こすのじゃよ。
元々、魔族の毒は薄めると薬になり、時に高値が付くのじゃ」それを聞いたすぐるが言います。
「それなら、リリスの爪から出る毒がいいよ!」
「ほう、妾の毒が役にたつのだな!?」早速、シートを口にかけたビンを一つ用意しました。
「うむ、血清(毒を治す薬)を作るために毒蛇の毒を集めるときは、
こういうビンを使うのじゃ。さあリリス、ビンの口のシートに爪を立てるのじゃ!」
「うむ・・・こうかのう・・・?」リリスがシートに右手の爪を突き刺すと、
彼女の紅い爪の先から、赤っぽいピンク色の液体がしたたり落ち、ビンの中に溜まっていきました。
「へえ、リリスって、本当に毒を持っていたんだ・・・なんだかきれいな色だね・・・」エルニスがビンを見て言いました。
「でも、この毒は結構強いよ・・・!」すぐるが言います。
「お前、リリスの毒をくらったことがあるのか?」ボブがたずねます。
「・・・ああ、最近、弱めた彼女の毒を爪から定期的に注入させてもらっているんだ。
最初はわずかな量でもきつかったよ。でも、それで体を慣らしたおかげで、病気や呪いにかかりにくくなったんだ」
「へぇ、お二人はそんなことを・・・!」
「うむ、もう十分じゃろう」ガルダインが言うと、リリスは爪をシートから抜き、右手の爪をぬぐいました。
「悪魔族の毒は確保できたけど、残りの材料はどこにあるのかな?」エルニスがガルダイン博士にたずねます。
「うむ、材料の『青真珠』は東島で、『ヒーラー草』は西島で採れるのじゃ」
「そうなんだ・・・じゃあ、ここは二手に分かれて材料を探しに行こう。ぼくとキャンベルは東島に行って青真珠を採って来るよ」
「それなら、おれとシェリーは西島に行き、ヒーラー草を採って来るぜ、
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