29 / 97
2章 覇気の章
工場奪還
しおりを挟む
メトロポリスに戻った三人は、地下通路の入り口から地下に入り、
地下水路を進んで行くと、奥にステンレス製の両開きの扉に出くわしました。
「さてと、これを使えば、ここから工場に入れるはずだ」
ロレンスがカードキーを取り出し、カードを扉の中央に差し込むと、
頑丈そうな金属の扉が素早く左右に開きました。
地下から工場に入ると、そこは暗い倉庫の中で、
すぐるは魔法で杖に光を灯し、先頭になって進みます。
そこには捕まったと思われし、人型から犬型などのロボットたちが
無造作に山積みにされていました。
「よくこれだけのロボットたちをあつめたの」
「でも、オレたちだけで全員は連れ出せないぞ・・・!?」
「ウェンディはどこにいるかな・・・?」
三人はとりあえず上に上がる階段を探すことにしました。
暗がりの中を、スポットライトがすべるように走っていて、
三人はライトに当たらないように進んでいましたが、
ロレンスはうっかりスポットライトに当たってしまいます。
その瞬間、白いスポットライトが赤く変色し、
辺りにけたたましい警報が鳴り響きました。
それに反応して後ろから、青いボディスーツに身を包んだ混沌の帝国の
戦闘員たちが集まり、
ロレンスは捕えられてしまいます。すぐるとリリスは助けようとしましたが、
ロレンスは首を横に振りながら叫びました。
「オレにかまうな!先に行け!」
「何を言っておる!」ロレンスを救いに行こうとするリリスの手を
すぐるはつかんでにげようとします。
「行こう!あの数だと、捕まりに行くようなものだ!」
「放せすぐる!」
工場の一階に来たすぐるとリリスは、その光景に唖然としました。
流れる床の上を、ハイテクそうな白い銃や、
何門もの砲台を装備した戦闘用
ロボットなどの兵器が流れて行き、ロボットの腕が
それらの兵器類を組み立てていたのです。
「ここは、ずいぶん物騒な物ばかり作っておるのう!」
「こんなものが町で暴れだしたりしたら、大変なことになるぞ・・・!」
リリスとすぐるが、さらに工場の奥へと進んで行くと、
そこは『ロボット改造部門』と書かれていて、
中に入ると、先ほどの混沌の帝国の戦闘員たちがいて、
何やら話をしているようでした。すぐるたちは、陰からその話を聞いています。
「よし、兵器製造は順調に進んでいるようだな。
改造作業は進んでいるか?」
「はい、獣人たちはよく働きます、いい仕事があると誘ったら、
ホイホイと寄って来ましたし。この調子なら十分稼げ、
混沌の帝国の戦力も上がりますよ」
「そうか、密入国してきた獣人たちは仕事熱心だから、利用しやすいな。
よし、クロノス博士の所から誘拐してきたこのロボットをそろそろ改造するとしよう」
それを聞いたリリスは真っ先に飛び出しました。
「待てぇい!これ以上の勝手は許さぬ!」
「ちょっと!リリス!」リリスの叫び声に、戦闘員たちはすぐさま反応します。
「何だ!?女のガキか!?」
「侵入者か!ここを知られたからには、タダでは帰さん!」
戦闘員たちは強化スチール(強度がある特殊金属)製の警棒を取り出し、
リリスに向かって行くと、すぐるもそちらに向かい、
杖から魔法のエネルギー弾を放って相手の警棒を落とし、後ろにふっとばします。
「くっ・・・魔法か・・・!ならば!」
戦闘員たちはハイテクな白い銃を取り出し、レーザー光を発射し、
すぐるの右肩をかすらせ、杖をはじき落としてしまいます。
「しまった!」すぐるは杖を拾おうとしますが、戦闘員たちが銃を向けたので動けません。
「すぐるは傷つけさせぬ!」リリスはすぐるをかばい、口を開けて炎を吐きかけます。
「うわっちいぃ!」
「ああっ!光線銃が!」リリスの炎で、戦闘員たちの銃は使い物にならなくなりました。
戦闘員たちは再び警棒を拾い、リリスに向かって行きます。
リリスが右腕に力を込めると、彼女の右腕に炎の気が集まり、炎の腕でなぎ払うと、
戦闘員の警棒を勢いよくはじき、
床に落ちた時には警棒は、赤熱しながらくの字に曲がっていたのです。
「バカな!これほどの強度を持つ警棒を、素手で曲げただと・・・!こうなったら!」
戦闘員たちは、そばにいた大きなサソリ型のロボットをけしかけてきました。
サソリ型のロボットには、リリスの炎の息も、炎の腕の一撃も効きませんでした。
「リリスのピンチだ!何とかしないと・・・!」すぐるは左手に勇者のメダルを手にすると、
消えかけていた勇気が戻り、再び杖を手にし、念を込め、杖をサソリロボに向けました。
すると、杖からは強大でまばゆい電撃が放たれ、
サソリロボは金属装甲を貫かれ大爆発し、
戦闘員たちは逃げ出しました。
「やったのう、すぐる!」すぐるとリリスは右手でハイタッチをすると、すぐるがたずねます。
「うん、リリス、さっきの技は何?」
「あれはファイアアーム、片腕を炎の気で強化する、
接近戦用(せっきんせんよう)の技じゃ」
「へえ、リリス、そんな技を持っていたんだ」
「すぐるもあんな強大な電撃の魔法を使うとはのう、まるでエルニスの様じゃ」
「そうだね・・・もしかしたら、目覚めたメダルは、
そのメダルの使徒の力を借りることが出来るのかもしれない」
喜びもつかの間、先ほどの戦闘員たちが仲間を呼び、今度は団体で押し寄せてきました。
「くそっ・・・!」
「数が多すぎるわ!」すぐるたちが部屋の隅に追いつめられてしまいました。
「すぐる、あの電撃を使うのじゃ!」
「うっ・・・!さっき使ったことで、魔法のエネルギーが切れたみたいだ・・・」
「ならば、すぐるは休んでおれ!お主は妾が守る!」
リリスは戦闘員たちに向かって行き、炎の腕で相手を突き飛ばしたり、
ナイフを弾いたり、口から炎を発したりして必死に戦いますが、
相手の数が多く、リリスは肩で息をしています。
まさに絶体絶命と思われたその時でした。
戦闘員たちの後ろで爆発が起き、戦闘員たちは混乱しています。
その場にアリシアとロレンスが現れたのです。
「アリシアさんにロレンス!」すぐるの声に希望が戻りました。
「どうやら間に合ったようだの」
「アリシアに助けてもらったんだ!今行くぞ!」ロレンスは肉体を気の力で強化し、
石斧で次々と戦闘員たちを倒していきました。
『連邦警察のロレンス刑事たちの活躍により、
メタリックロボット工場は、混沌帝国から取り戻され、
捕まっていた獣人や工場長も救い出された。
さらに、アリシアやロレンスが工場から押収した資料や
捕まっていた者たちの証言から、グリードの悪事や混沌の帝国とのつながりが証明された。
工場を取り戻せたのは、人と獣人の協力があったからという事で、
アラビンスとメトロポリスでバラバラだった連邦警察が一つになり、
念願だったグリードを捕えることに大きく近づいた』
すぐるとリリスとロレンスはクロノス博士の家に泊まっており、
三人は新聞の一面記事を見ていました。
「やっと、って感じだね」
「これで、人と獣人が一つになればよいの」
「ああ、おかげで、やっとグリードを逮捕できるぜ!」
三人がクロノス博士の家を去る時、クロノス博士は三人にお礼を言います。
「君たちとアリシアのおかげで、ウェンディは救い出され、
乗っ取られていたメタリック工場も取り戻すことが出来た・・・ありがとう!」
博士のそばにいる、ミニスカートのワンピースを着用し、
金髪のロングをツインテールにした人間にそっくりなロボット少女ウェンディもお礼を言います。
「あなたたちのおかげで、わたくしはお父様とお母様に会えました。ありがとうございました」
ウェンディは両手を添えて頭を下げました。
「どういたしまして、それじゃ、失礼します」
すぐるたちは町からグリーンパークに戻り、あのトンネルを使って、アラビンスに戻ります。
地下水路を進んで行くと、奥にステンレス製の両開きの扉に出くわしました。
「さてと、これを使えば、ここから工場に入れるはずだ」
ロレンスがカードキーを取り出し、カードを扉の中央に差し込むと、
頑丈そうな金属の扉が素早く左右に開きました。
地下から工場に入ると、そこは暗い倉庫の中で、
すぐるは魔法で杖に光を灯し、先頭になって進みます。
そこには捕まったと思われし、人型から犬型などのロボットたちが
無造作に山積みにされていました。
「よくこれだけのロボットたちをあつめたの」
「でも、オレたちだけで全員は連れ出せないぞ・・・!?」
「ウェンディはどこにいるかな・・・?」
三人はとりあえず上に上がる階段を探すことにしました。
暗がりの中を、スポットライトがすべるように走っていて、
三人はライトに当たらないように進んでいましたが、
ロレンスはうっかりスポットライトに当たってしまいます。
その瞬間、白いスポットライトが赤く変色し、
辺りにけたたましい警報が鳴り響きました。
それに反応して後ろから、青いボディスーツに身を包んだ混沌の帝国の
戦闘員たちが集まり、
ロレンスは捕えられてしまいます。すぐるとリリスは助けようとしましたが、
ロレンスは首を横に振りながら叫びました。
「オレにかまうな!先に行け!」
「何を言っておる!」ロレンスを救いに行こうとするリリスの手を
すぐるはつかんでにげようとします。
「行こう!あの数だと、捕まりに行くようなものだ!」
「放せすぐる!」
工場の一階に来たすぐるとリリスは、その光景に唖然としました。
流れる床の上を、ハイテクそうな白い銃や、
何門もの砲台を装備した戦闘用
ロボットなどの兵器が流れて行き、ロボットの腕が
それらの兵器類を組み立てていたのです。
「ここは、ずいぶん物騒な物ばかり作っておるのう!」
「こんなものが町で暴れだしたりしたら、大変なことになるぞ・・・!」
リリスとすぐるが、さらに工場の奥へと進んで行くと、
そこは『ロボット改造部門』と書かれていて、
中に入ると、先ほどの混沌の帝国の戦闘員たちがいて、
何やら話をしているようでした。すぐるたちは、陰からその話を聞いています。
「よし、兵器製造は順調に進んでいるようだな。
改造作業は進んでいるか?」
「はい、獣人たちはよく働きます、いい仕事があると誘ったら、
ホイホイと寄って来ましたし。この調子なら十分稼げ、
混沌の帝国の戦力も上がりますよ」
「そうか、密入国してきた獣人たちは仕事熱心だから、利用しやすいな。
よし、クロノス博士の所から誘拐してきたこのロボットをそろそろ改造するとしよう」
それを聞いたリリスは真っ先に飛び出しました。
「待てぇい!これ以上の勝手は許さぬ!」
「ちょっと!リリス!」リリスの叫び声に、戦闘員たちはすぐさま反応します。
「何だ!?女のガキか!?」
「侵入者か!ここを知られたからには、タダでは帰さん!」
戦闘員たちは強化スチール(強度がある特殊金属)製の警棒を取り出し、
リリスに向かって行くと、すぐるもそちらに向かい、
杖から魔法のエネルギー弾を放って相手の警棒を落とし、後ろにふっとばします。
「くっ・・・魔法か・・・!ならば!」
戦闘員たちはハイテクな白い銃を取り出し、レーザー光を発射し、
すぐるの右肩をかすらせ、杖をはじき落としてしまいます。
「しまった!」すぐるは杖を拾おうとしますが、戦闘員たちが銃を向けたので動けません。
「すぐるは傷つけさせぬ!」リリスはすぐるをかばい、口を開けて炎を吐きかけます。
「うわっちいぃ!」
「ああっ!光線銃が!」リリスの炎で、戦闘員たちの銃は使い物にならなくなりました。
戦闘員たちは再び警棒を拾い、リリスに向かって行きます。
リリスが右腕に力を込めると、彼女の右腕に炎の気が集まり、炎の腕でなぎ払うと、
戦闘員の警棒を勢いよくはじき、
床に落ちた時には警棒は、赤熱しながらくの字に曲がっていたのです。
「バカな!これほどの強度を持つ警棒を、素手で曲げただと・・・!こうなったら!」
戦闘員たちは、そばにいた大きなサソリ型のロボットをけしかけてきました。
サソリ型のロボットには、リリスの炎の息も、炎の腕の一撃も効きませんでした。
「リリスのピンチだ!何とかしないと・・・!」すぐるは左手に勇者のメダルを手にすると、
消えかけていた勇気が戻り、再び杖を手にし、念を込め、杖をサソリロボに向けました。
すると、杖からは強大でまばゆい電撃が放たれ、
サソリロボは金属装甲を貫かれ大爆発し、
戦闘員たちは逃げ出しました。
「やったのう、すぐる!」すぐるとリリスは右手でハイタッチをすると、すぐるがたずねます。
「うん、リリス、さっきの技は何?」
「あれはファイアアーム、片腕を炎の気で強化する、
接近戦用(せっきんせんよう)の技じゃ」
「へえ、リリス、そんな技を持っていたんだ」
「すぐるもあんな強大な電撃の魔法を使うとはのう、まるでエルニスの様じゃ」
「そうだね・・・もしかしたら、目覚めたメダルは、
そのメダルの使徒の力を借りることが出来るのかもしれない」
喜びもつかの間、先ほどの戦闘員たちが仲間を呼び、今度は団体で押し寄せてきました。
「くそっ・・・!」
「数が多すぎるわ!」すぐるたちが部屋の隅に追いつめられてしまいました。
「すぐる、あの電撃を使うのじゃ!」
「うっ・・・!さっき使ったことで、魔法のエネルギーが切れたみたいだ・・・」
「ならば、すぐるは休んでおれ!お主は妾が守る!」
リリスは戦闘員たちに向かって行き、炎の腕で相手を突き飛ばしたり、
ナイフを弾いたり、口から炎を発したりして必死に戦いますが、
相手の数が多く、リリスは肩で息をしています。
まさに絶体絶命と思われたその時でした。
戦闘員たちの後ろで爆発が起き、戦闘員たちは混乱しています。
その場にアリシアとロレンスが現れたのです。
「アリシアさんにロレンス!」すぐるの声に希望が戻りました。
「どうやら間に合ったようだの」
「アリシアに助けてもらったんだ!今行くぞ!」ロレンスは肉体を気の力で強化し、
石斧で次々と戦闘員たちを倒していきました。
『連邦警察のロレンス刑事たちの活躍により、
メタリックロボット工場は、混沌帝国から取り戻され、
捕まっていた獣人や工場長も救い出された。
さらに、アリシアやロレンスが工場から押収した資料や
捕まっていた者たちの証言から、グリードの悪事や混沌の帝国とのつながりが証明された。
工場を取り戻せたのは、人と獣人の協力があったからという事で、
アラビンスとメトロポリスでバラバラだった連邦警察が一つになり、
念願だったグリードを捕えることに大きく近づいた』
すぐるとリリスとロレンスはクロノス博士の家に泊まっており、
三人は新聞の一面記事を見ていました。
「やっと、って感じだね」
「これで、人と獣人が一つになればよいの」
「ああ、おかげで、やっとグリードを逮捕できるぜ!」
三人がクロノス博士の家を去る時、クロノス博士は三人にお礼を言います。
「君たちとアリシアのおかげで、ウェンディは救い出され、
乗っ取られていたメタリック工場も取り戻すことが出来た・・・ありがとう!」
博士のそばにいる、ミニスカートのワンピースを着用し、
金髪のロングをツインテールにした人間にそっくりなロボット少女ウェンディもお礼を言います。
「あなたたちのおかげで、わたくしはお父様とお母様に会えました。ありがとうございました」
ウェンディは両手を添えて頭を下げました。
「どういたしまして、それじゃ、失礼します」
すぐるたちは町からグリーンパークに戻り、あのトンネルを使って、アラビンスに戻ります。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる