15 / 97
プロローグ
ボブとシェリーの旅立ち 結
しおりを挟む
翌朝、スピネル王城にやってきたボブとシェリーは玉座の間に入って、国王に昨日の出来事を話しました。
「そうか、見事、護衛の仕事を果たしてくれたのか、よくやったぞ・・・!報酬(ほうしゅう)として、合計2000Gを渡そう」ボブとシェリーは1000Gが入った袋をそれぞれ受け取りました。
「ありがとうございます、それで、『火の石』はどこに・・・?」
「ああ、残りの火の石の事なんじゃが・・・」そこに血相を変えて走ってきた兵士が現れました。
「王様、大変です!マインズの地下に封印されていた魔竜が復活してしまいました!」それを聞いた国王はハッとします。
「なにっ!?あの嵐の魔竜が・・・!?しかし、なぜ封印が・・・!あれは『火の石』の力で封印されていたはず・・・!いや、とにかく、このままではスピネルが危ない!」これにボブが尋ねます。
「王様、嵐の魔竜とは何すか?」
「奴は、かつてこのあたり一帯を荒らしまわっていた邪悪なドラゴンで、生贄を要求し、拒めば嵐と山火事を起こして人々を苦しめていたのじゃ!」
「それは大変っすね!マインズはどこにあるんスか!?」
「マインズはここより北のほうにあるクリスタル鉱山の町じゃ!」ボブとシェリーはすぐさま町を出て、マインズの町を目指します。
マインズの町は、木製の建物が目立つ鉱山町で、緑はまばらに生えている草以外ないところでした。
「スピネルにこんな町があるなんてな」
「問題の魔竜は坑道の奥にいるそうですわ」ボブとシェリーは木枠で補強された坑道の入口に入ろうとすると、突如、何かの唸り声のような音が鳴り響いたのです。
「なんだ!今の音?」
「まさか、嵐の魔竜!?」
「まさか、あいつは封印されているんだ」町の人々はパニックになっています。
「よし、今すぐにでも奴を鎮めるぞ!」
坑道のトンネルの中は、木枠で補強されている土壁の洞窟で、ところどころ、水晶の六角の結晶が顔を出しています。そんな坑道の中でまたもや唸り声の音が鳴り響きます。
「おい、奴は近いぞ!」
「ええ!」二人はさらに深く降りていくと、今度は唸り声が鮮明に聞こえます。やっと奥までたどり着くと、そこは広い空間の場所で、そこではしんやが倒れており、そばには水の石と赤い立方体が転がっていたのです。そして、目の前には黒光りするうろことこうもりのような赤い翼を持ち、頭に曲がった角をはやした巨大な肉食恐竜のような生き物でした。
「あれが嵐の魔竜なのか!?」
「まぁ、しんやさんが倒れていますわ!」
「きっと、あの魔竜にやられたんだな!でも、あいつはちょっと苦労するぞ・・・!そうだ!」ボブは水の石と火の石を拾い、ボブが持っていた風の石と土の石を取り出しました。
「本当に、うわさ通りの力があるなら、おれに、魔竜を倒せるだけの力をくれ!」ボブが念じると、四つの石は淡い光を放ち、それがボブの全身を包み、ボブは力がみなぎってくるのを感じました。
「よし、今なら奴を倒せそうだ!シェリー、しんやの手当を!」
「わかりましたわ!」魔竜は唸り声をあげ、口から炎を吐きだしてくると、ボブは刀の一振りで炎をかき消します。
「おお!この力は本物だ!よし、行くぞ!」魔竜は翼を羽ばたかせて、強風を巻き起こしますが、ボブはそれをものともせずに、一気に魔竜に接近します。そして一気にジャンプすると、魔竜の脳天に刀を突きさします。魔竜は断末魔を上げてその場に倒れ、そのまま動かなくなりました。
「やったぞ!」その瞬間、四つの石はガラスのように音を立てて砕け散ったのです。
「あっ!エレメントストーンが・・・!」シェリーのほうを見ると、しんやはいなくなっていました。
「あれ?しんやがいないぞ!?」
「しんやさんはケガがなおって、石が砕け散ったのを見た途端、何も言わずに行ってしまいましたわ」
「あいつ、お礼くらい言えよな!」ボブとシェリーは坑道を後にしました。
スピネル城の玉座の間に戻ったボブとシェリーは、国王にエレメントストーンが消滅してしまったことなどを話しました。
「そうか、四つの石は砕けてしまったのか・・・」
「あれがあれば、シェリーの願いもかなうと思ったのに・・・!くそっ!」ボブが拳を握っていると、国王は静かに言いました。
「ボブよ、考えてみるがいい、あの石を手にしたものは世界を二分するほどの強大な力を得られる。昔はその石をめぐって血で血を洗う争いが絶えなかったそうじゃ、そんなことが二度とないようにエレメントストーンは四つに分けられ、封印されていたそうじゃよ。だから、これでいいんじゃ」これに、シェリーは言いました。
「つまり、過ぎた力は人を不幸にするということかしら・・・?」
「そういうことじゃな」これにボブは気を取り直して言いました。
「じゃあ、今度はメダルを探すとしよう」
「そうか、見事、護衛の仕事を果たしてくれたのか、よくやったぞ・・・!報酬(ほうしゅう)として、合計2000Gを渡そう」ボブとシェリーは1000Gが入った袋をそれぞれ受け取りました。
「ありがとうございます、それで、『火の石』はどこに・・・?」
「ああ、残りの火の石の事なんじゃが・・・」そこに血相を変えて走ってきた兵士が現れました。
「王様、大変です!マインズの地下に封印されていた魔竜が復活してしまいました!」それを聞いた国王はハッとします。
「なにっ!?あの嵐の魔竜が・・・!?しかし、なぜ封印が・・・!あれは『火の石』の力で封印されていたはず・・・!いや、とにかく、このままではスピネルが危ない!」これにボブが尋ねます。
「王様、嵐の魔竜とは何すか?」
「奴は、かつてこのあたり一帯を荒らしまわっていた邪悪なドラゴンで、生贄を要求し、拒めば嵐と山火事を起こして人々を苦しめていたのじゃ!」
「それは大変っすね!マインズはどこにあるんスか!?」
「マインズはここより北のほうにあるクリスタル鉱山の町じゃ!」ボブとシェリーはすぐさま町を出て、マインズの町を目指します。
マインズの町は、木製の建物が目立つ鉱山町で、緑はまばらに生えている草以外ないところでした。
「スピネルにこんな町があるなんてな」
「問題の魔竜は坑道の奥にいるそうですわ」ボブとシェリーは木枠で補強された坑道の入口に入ろうとすると、突如、何かの唸り声のような音が鳴り響いたのです。
「なんだ!今の音?」
「まさか、嵐の魔竜!?」
「まさか、あいつは封印されているんだ」町の人々はパニックになっています。
「よし、今すぐにでも奴を鎮めるぞ!」
坑道のトンネルの中は、木枠で補強されている土壁の洞窟で、ところどころ、水晶の六角の結晶が顔を出しています。そんな坑道の中でまたもや唸り声の音が鳴り響きます。
「おい、奴は近いぞ!」
「ええ!」二人はさらに深く降りていくと、今度は唸り声が鮮明に聞こえます。やっと奥までたどり着くと、そこは広い空間の場所で、そこではしんやが倒れており、そばには水の石と赤い立方体が転がっていたのです。そして、目の前には黒光りするうろことこうもりのような赤い翼を持ち、頭に曲がった角をはやした巨大な肉食恐竜のような生き物でした。
「あれが嵐の魔竜なのか!?」
「まぁ、しんやさんが倒れていますわ!」
「きっと、あの魔竜にやられたんだな!でも、あいつはちょっと苦労するぞ・・・!そうだ!」ボブは水の石と火の石を拾い、ボブが持っていた風の石と土の石を取り出しました。
「本当に、うわさ通りの力があるなら、おれに、魔竜を倒せるだけの力をくれ!」ボブが念じると、四つの石は淡い光を放ち、それがボブの全身を包み、ボブは力がみなぎってくるのを感じました。
「よし、今なら奴を倒せそうだ!シェリー、しんやの手当を!」
「わかりましたわ!」魔竜は唸り声をあげ、口から炎を吐きだしてくると、ボブは刀の一振りで炎をかき消します。
「おお!この力は本物だ!よし、行くぞ!」魔竜は翼を羽ばたかせて、強風を巻き起こしますが、ボブはそれをものともせずに、一気に魔竜に接近します。そして一気にジャンプすると、魔竜の脳天に刀を突きさします。魔竜は断末魔を上げてその場に倒れ、そのまま動かなくなりました。
「やったぞ!」その瞬間、四つの石はガラスのように音を立てて砕け散ったのです。
「あっ!エレメントストーンが・・・!」シェリーのほうを見ると、しんやはいなくなっていました。
「あれ?しんやがいないぞ!?」
「しんやさんはケガがなおって、石が砕け散ったのを見た途端、何も言わずに行ってしまいましたわ」
「あいつ、お礼くらい言えよな!」ボブとシェリーは坑道を後にしました。
スピネル城の玉座の間に戻ったボブとシェリーは、国王にエレメントストーンが消滅してしまったことなどを話しました。
「そうか、四つの石は砕けてしまったのか・・・」
「あれがあれば、シェリーの願いもかなうと思ったのに・・・!くそっ!」ボブが拳を握っていると、国王は静かに言いました。
「ボブよ、考えてみるがいい、あの石を手にしたものは世界を二分するほどの強大な力を得られる。昔はその石をめぐって血で血を洗う争いが絶えなかったそうじゃ、そんなことが二度とないようにエレメントストーンは四つに分けられ、封印されていたそうじゃよ。だから、これでいいんじゃ」これに、シェリーは言いました。
「つまり、過ぎた力は人を不幸にするということかしら・・・?」
「そういうことじゃな」これにボブは気を取り直して言いました。
「じゃあ、今度はメダルを探すとしよう」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
『完結』セプトクルール 勇者エルニスのワンダーランド
マイマイン
児童書・童話
これは、すぐるがやってくる前の『幻想界』の物語です。ある日突然、平和な国『スピネル王国』にやってきた謎の少年エルニスが、平和を脅かす『魔王軍』に立ち向かう王道ファンタジーです。『セプトクルール』シリーズの始まりの物語をお楽しみください。
セプトクルール『すぐるとリリスの凸凹大進撃!』
マイマイン
児童書・童話
『引っ込み思案な魔法使い』の少年すぐると、『悪魔らしくない悪魔』の少女リリスの凸凹カップルが贈る、ドタバタファンタジー短編集です。
このシリーズには、終わりという終わりは存在せず、章ごとの順番も存在しません。
随時、新しい話を載せていきますので、楽しみにしていてください。
Radiantmagic-煌炎の勇者-
橘/たちばな
ファンタジー
全てを創世せし神によって造られた、様々な種族が生息する世界──その名はレディアダント。
世界は神の子孫代々によって守られ、幾多の脅威に挑みし者達は人々の間では英雄として語り継がれ、勇者とも呼ばれていた。
そして勇者の一人であり、大魔導師となる者によって建国されたレイニーラ王国。民は魔法を英雄の力として崇め、王国に住む少年グライン・エアフレイドは大魔導師に憧れていた。魔法学校を卒業したグラインは王国を守る魔法戦士兵団の入団を志願し、入団テストを受ける事になる。
一つの試練から始まる物語は、やがて大きな戦いへと発展するようになる──。
※RPG感のある王道路線型の光と闇のファンタジーです。ストーリー内容、戦闘描写において流血表現、残酷表現が含まれる場合もあり。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
わたしはなぜ生きているのか
るみえーる
児童書・童話
中学一年生のアカネは、夏休みに「物語部」の課題として、ひとつのまとまった話を作ることにしてみた。
素材は、小学校四年生の夏休みに体験したことで、それにとても嘘を混ぜてみた。
テーマは、当人によるとタイトルの通りで、とても恥ずかしい、らしい。
普通のヒトには見えないものが見える子が、田舎で不思議な子と出会って、失われた夜の祭りに参加する、という例のやつ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる