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2章 ドラクル伯爵の野望

白のすぐる VS 黒のブライアン

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 両者が広間の向かいに立つと、ブライアンが言いました。

「世の中、なめられたら負けだからな!もう、勝負は決まっている!」すぐるは首を横に振って言います。
「団長は何もわかっていない・・・!みんなも見るがいいさ!戦いに身を投じるとは、相手とあらそうとはどういうことかを!」

  間もなく、ブライアンのいかづちの魔法と、すぐるの爆発ばくはつの魔法がぶつかり合い、激しく爆発します。

「・・・こっちにまで爆発の威力を感じる・・・!」
「すごいわ・・・!」そばに麻里子がいたので、シャノンはおどろきます。
「麻里子!?なぜ、あなたが組織の反乱はんらんに!?」

「話は後でするから、それにしても・・・すごいわ・・・!」
両者りょうしゃ互角ごかくみたいだね・・・!?」まさるの発言に麻里子は首を横に振ります。

「ブライアンの電撃魔法『ライトニング』は『上級』の魔法なのに、すぐるは『中級』の爆発魔法『ブラスト』で防いだ・・・!それに、すぐる君にはまだ上があるみたい・・・!相手もそれに気づいているわ」ブライアンは予想外の反撃に戸惑いを隠せません。

「バカな・・・!あいつの魔力はぼくのそれを上回るのか!?ならばブラインド!」

 ブライアンはすぐるの周りに幻惑げんわくの霧の魔法を使い、すぐるの目をくらませます。そして、ブライアンはスピードを上げる魔法を使いつつ、ライトニングの電撃で狙い撃ちします。

「ぐっ・・・!」すぐるは体に魔力を集中させ、ダメージをおさえますが、すぐるは反撃をしません。ブライアンは素早く動き回り、電撃魔法をすぐるにちまくります。しかし、すぐるは魔力を体に集中させて防御するだけで、反撃をしません。シャノンたちは不安になります。

「すぐる君は何をやっているの?あれじゃ防戦一方じゃない!?」
「なんじゃ!?あの卑怯ひきょうな戦い方は!?」
「すぐるさんって、はっきり言って魔法使いの中では弱い方じゃ?」しかし、麻里子は冷静れいせいでした。

「・・・いいえ、これは・・・!」すぐるは霧が晴れてくるのを見計らい、左手を床にかざして呪文をとなえます。

「燃え上れ、プロミネンス!」すぐるが左手をかざした床からほのおえ上がり、炎はブライアンを取りかこみます。

「くっ・・・!」これにはブライアンも身動きが取れなくなり、そのスキに、すぐるは絵筆の杖を持つ右手に集中させていた魔力を使い、爆発の魔法をブライアンに放ちました。

 いくら魔法で素早さを上げていても、周りを炎に囲まれていては移動できず、光と熱の爆発を受け、ブライアンは大きく吹っ飛ばされて行き、背中を壁にたたきつけられて倒れました。

「バカな・・・ぼくが・・・こんな優男に・・・負けた・・・だと・・・ガクッ」

「確かにぼくは争いをけてきたけど、修業しゅぎょうを避けてきたわけじゃないよ、団長と違ってね」これに、他の団員たちは喜びます。

「やった!すぐるさんが勝ったよ!」
「すぐるさんがあんなに強かったなんて・・・!」
「団長っていつも強そうにふるまっているわりにはあっけないね」
「カッコつけていたやつが負け犬になると無様だね」これにシャノンたちは言います。

「すごい・・・勝っちゃった!」
「うむ!まさに『肉を切らせて骨を断つ』じゃな!」
「前団長の孫って言うのはだてじゃなかった・・・!」
「・・・魔力だけでなく、それを生かす知恵ちえにも長けているなんて・・・!」これに、すぐるは叫びます。

「みんな!見ていたかい?!団長もボロボロだけど、ぼくもこの通り、ボロボロだ!」すぐるは両手を広げて、げ目だらけの服を見せつけると、周りはしんと静まり返ります。

「これが戦いというもの、誰かと争うと言うのはこういう事なんだよ!」これには、誰も反論はんろんすることはできませんでした。
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