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2章 ドラクル伯爵の野望
バラ十字団
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シャノンとまさるは、白い服の魔法使いと赤毛の少女をホテルのロビーのテーブルに案内すると、話始めます。
「さぁ、話してちょうだい、すぐる君だったね、どうして、あんなことをしたのか・・・!?」これに、白い服の魔法使いすぐるは語気を強めて言いました。
「それは、教会が理由もなくぼくたち魔法族をいきなり捕らえ始めたからさ!まぁ、魔法族を敵視してきた教会なら、ぼくたちを目の敵にするのは分かるけど、
さすがにあの理不尽な仕打ちにはガマンならなかったから・・・!だから、罪もない仲間たちを救う事にはぼくも賛同したからだよ」シャノンは頷きます。
「確かに、いくらなんでも、何の悪事の証拠もなく捕らえるのは理不尽すぎるけど、それで、あなたはなぜ、仲間たちと一緒に逃げようとしなかったの?」すぐるは少しどもりながらも口を開きます。
「・・・それは、ぼくがいた魔法使いの組織、『バラ十字団』のすることに、疑問があったからさ」
「『バラ十字団』・・・ウワサに聞いた魔法使いたちの秘密結社・・・!麻里子から話は聞いていたけど、本当にあったんだ・・・!」すぐるは話を続けます。
「現団長のブライアンは、人間や教会を憎んでいる!教会が魔法族を迫害し、一部の愚かな人間のふるまいを見てきて、人間に対し、憎悪の心を持ってしまったんだ!」
「確かに・・・!人間の中には、人魚をつかまえて、見世物にしようとしたヤツもいる・・・!でも、全ての人間が・・・」まさるが言うと、すぐるはうなずきます。
「わかっている、だからぼくは組織を抜けたんだ。元々、バラ十字団とは、魔術を研究し、それを世の中の役に立てようとする組織だった。
しかし、ブライアンが新団長になってから、組織の目的は、人間たちを滅ぼし、魔法族だけの世界を創ることになった!
そのためにブライアンは、『賢者のジュエル』を探そうとしている。無限の魔力を得られる宝石だ!それがもし、ブライアンの手に渡ったら、もう、誰も彼を止めることができなくなってしまう・・・!」シャノンは立ち上がります。
「それは大変!ブライアンの計画を阻止しなきゃ!」
「そのためには、ジュエルの四つのかけらを集め、ブライアンよりも早く、賢者のジュエルを手に入れる必要がある」
「四つのかけら?これの事?」シャノンは人魚からもらった青いかけらを取り出しました。
「それは、『水の破片』!まぎれもなく、賢者のジュエルのかけらだ!ぼくも、教会が管理していた『土の破片』を持ち出し、組織の手に渡らないように隠していた!」すぐるも黄色い石のかけらを置きます。
「じゃあ、残り二つのかけらを見つけないと!でも、どこにあるのかな?」まさるの問いに赤毛の少女が口を開きます。
「『炎の破片』なら、我ら魔族の聖地、『地獄山』にあるぞ!」
「確かに、そこにならありそうだ!でも、君はなぜ、教会の牢屋にいたの?」
「うむ!実はその地獄山にある『竜の祭壇』から、妙な唸り声が聞こえるようになっての!それを里の者に話したら、妾のような下級魔族の言うことなど、誰も信じなかった・・・!
それで、助けを呼ぼうと、里を出て、町をさまよっておったところ、教会に捕まってしまったのじゃ・・・!」赤毛の少女は首をうなだれます。
「そうか、君は魔族なんだね、確かに、とがった長い耳、コウモリの翼に細長い尻尾があるから、人間じゃないとは思っていたけど・・・まさか魔族だなんて・・・」まさるが少し驚いてこう言うと、すぐるが首を横に振って言います。
「いや、彼女からは悪のオーラは出ていないよ、・・・確か、地獄山には、かつて、日本全土を支配しようとした悪魔、『タイラント』の手下のドラゴンが封じられていると聞いている・・・!
唸り声はおそらく、そのドラゴンのもの!封印の力が弱まっているのかもしれない!急いだほうがいいかもしれないな!」
「うむ!かたじけない!魔族の里は、この町をずっと北に行った先、『地獄山』の山ぞいにあるぞ!紹介が遅れたの!妾は魔族の『リリス・クリムゾン』と申す!」
すぐるはリリスがほおを赤らめながら自分を見つめる視線を気にしつつ、シャノンたちを連れて、ホテルの外へと駆け出します。
「さぁ、話してちょうだい、すぐる君だったね、どうして、あんなことをしたのか・・・!?」これに、白い服の魔法使いすぐるは語気を強めて言いました。
「それは、教会が理由もなくぼくたち魔法族をいきなり捕らえ始めたからさ!まぁ、魔法族を敵視してきた教会なら、ぼくたちを目の敵にするのは分かるけど、
さすがにあの理不尽な仕打ちにはガマンならなかったから・・・!だから、罪もない仲間たちを救う事にはぼくも賛同したからだよ」シャノンは頷きます。
「確かに、いくらなんでも、何の悪事の証拠もなく捕らえるのは理不尽すぎるけど、それで、あなたはなぜ、仲間たちと一緒に逃げようとしなかったの?」すぐるは少しどもりながらも口を開きます。
「・・・それは、ぼくがいた魔法使いの組織、『バラ十字団』のすることに、疑問があったからさ」
「『バラ十字団』・・・ウワサに聞いた魔法使いたちの秘密結社・・・!麻里子から話は聞いていたけど、本当にあったんだ・・・!」すぐるは話を続けます。
「現団長のブライアンは、人間や教会を憎んでいる!教会が魔法族を迫害し、一部の愚かな人間のふるまいを見てきて、人間に対し、憎悪の心を持ってしまったんだ!」
「確かに・・・!人間の中には、人魚をつかまえて、見世物にしようとしたヤツもいる・・・!でも、全ての人間が・・・」まさるが言うと、すぐるはうなずきます。
「わかっている、だからぼくは組織を抜けたんだ。元々、バラ十字団とは、魔術を研究し、それを世の中の役に立てようとする組織だった。
しかし、ブライアンが新団長になってから、組織の目的は、人間たちを滅ぼし、魔法族だけの世界を創ることになった!
そのためにブライアンは、『賢者のジュエル』を探そうとしている。無限の魔力を得られる宝石だ!それがもし、ブライアンの手に渡ったら、もう、誰も彼を止めることができなくなってしまう・・・!」シャノンは立ち上がります。
「それは大変!ブライアンの計画を阻止しなきゃ!」
「そのためには、ジュエルの四つのかけらを集め、ブライアンよりも早く、賢者のジュエルを手に入れる必要がある」
「四つのかけら?これの事?」シャノンは人魚からもらった青いかけらを取り出しました。
「それは、『水の破片』!まぎれもなく、賢者のジュエルのかけらだ!ぼくも、教会が管理していた『土の破片』を持ち出し、組織の手に渡らないように隠していた!」すぐるも黄色い石のかけらを置きます。
「じゃあ、残り二つのかけらを見つけないと!でも、どこにあるのかな?」まさるの問いに赤毛の少女が口を開きます。
「『炎の破片』なら、我ら魔族の聖地、『地獄山』にあるぞ!」
「確かに、そこにならありそうだ!でも、君はなぜ、教会の牢屋にいたの?」
「うむ!実はその地獄山にある『竜の祭壇』から、妙な唸り声が聞こえるようになっての!それを里の者に話したら、妾のような下級魔族の言うことなど、誰も信じなかった・・・!
それで、助けを呼ぼうと、里を出て、町をさまよっておったところ、教会に捕まってしまったのじゃ・・・!」赤毛の少女は首をうなだれます。
「そうか、君は魔族なんだね、確かに、とがった長い耳、コウモリの翼に細長い尻尾があるから、人間じゃないとは思っていたけど・・・まさか魔族だなんて・・・」まさるが少し驚いてこう言うと、すぐるが首を横に振って言います。
「いや、彼女からは悪のオーラは出ていないよ、・・・確か、地獄山には、かつて、日本全土を支配しようとした悪魔、『タイラント』の手下のドラゴンが封じられていると聞いている・・・!
唸り声はおそらく、そのドラゴンのもの!封印の力が弱まっているのかもしれない!急いだほうがいいかもしれないな!」
「うむ!かたじけない!魔族の里は、この町をずっと北に行った先、『地獄山』の山ぞいにあるぞ!紹介が遅れたの!妾は魔族の『リリス・クリムゾン』と申す!」
すぐるはリリスがほおを赤らめながら自分を見つめる視線を気にしつつ、シャノンたちを連れて、ホテルの外へと駆け出します。
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