『完結』セプトクルール 勇者エルニスのワンダーランド

マイマイン

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6章 砂漠の強盗団

6-1 砂漠の町

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 船は嵐にあうこともなく、二日ほどで西の砂漠の国アラビンスに到着とうちゃくしました。

「わぁ、砂漠の中の町かぁ、緑豊かなスピネルがなつかしいね」
「ですが、野外市場はにぎわっていますよ!」

 エルニスとキャンベルは、船を降りて町の中に入ると、地面にシートをしいて、民芸品を売る露店ろてんや、店の入り口で最高級の赤いシルクの生地を売る猫の獣人の商人、金のブレスレットなどのアクセサリーをワゴンで売る頭にターバンを巻いた少年などが商売に精を出しており、その間を、麻の服を着た人間の旅人、犬や猫の耳や尻尾を生やした獣人といった人々が行きかっています。

「さて、この町のどこに神器があるのかな?」
「地図では、ピラミッドを指していましたね、この町のすぐ近くです」

 エルニスとキャンベルは、町のはずれにある、石をくみ上げて建てられた四角錐しかくすい型の建物、ピラミッドに向かうと、入口らしきところは石の扉が閉まっていたのです。

「ちょっとやそっとじゃ開けられそうにないなぁ・・・!」
「入口の前に窪地くぼちがありますね・・・前の石碑には『すべての生きとして生ける者たちの宝でこの『神のさかずき』を満たせ』って書いてありますよ」

「それ、どういう意味なんだろう?」
「さぁ・・・?」

 ピラミッドを離れると、岩のがけのところに差し掛かり、そこには木枠で補強された横穴が開いていました。穴を掘っていると思われる麻の服を着た人々は悩んでいました。

「どうかなさいました?」

「ああ、このあたりに水脈があることを突き止めて掘っているのだが、あと一歩のところで、硬い岩盤が邪魔していて、これ以上掘れないのだよ・・・砂漠で水は命なのに・・・!」
「北の開拓地のニトロボムがあれば、あんな岩、一発なんだが・・・!開拓地は遠いしな・・・!」

「じゃあ、ぼくたちが開拓地まで行って、ニトロボムを持ってきてあげますよ、どう行けば?」
「それなら、大陸横断鉄道に乗っていけば着くはずだよ、町の中に駅がある」
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