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4章 幻想界世界会議

4-4 反撃の烽火

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 馬車の中でエルニスはキャンベルに話します。

「ねぇ、あのレミオンと言う人、信用していいの?」
「ええ、彼女からは悪意のオーラもウソも感じませんでしたから」

 キャンベルが話しているうちに、馬車は森を抜け、目の前に、石をくみ上げて造られた大きな城塞じょうさいが見えてきたのです。ヘリオポリスとスピネルの馬車が城門をくぐると、制服を着た衛兵えいへいたちが出迎えます。

「皆様、ようこそリュッケンシルトへ!」スピネル国王とメアリ大統領は、それぞれの馬車から降りると、テイルたちやエルニスたちに連れられて城の中へと入っていきます。

「ようこそ、リュッケンシルトへ!」ひげを蓄えたリュッケンシルト王が出迎えます。
「他の皆さんも到着とうちゃくしましたか?」メアリ大統領がたずねると、リュッケンシルト王は首をふります。

「いや、まだ聖山の竜人たちの長が来ておらぬのじゃ、『下界の事は我々には関係ない』と言ってはばからないのじゃ・・・!」

「そんな・・・!」そこに、出迎えてくれた衛兵の一人が走ってこちらにやってきました。

「王様!大変です!敵です!怪物たちの大群が迫ってきました!」
「なんだと!?」


 城門の前では、すでに兵士たちがやりを手に応戦していました。襲ってきたのは、刀やこん棒を持ったトカゲ人間のリザードマンやブタ怪人のオークなどの魔王軍の戦士で、兵士たちと交戦中です。

 そこに、空から半人半鳥のハーピーたちが迫ってきます。戸惑う兵士たちに迫ってくるよりも早く、エルニスの電撃やルイスの銃弾じゅうだんがハーピーたちをち落とします。

「おお、かたじけない!」地上で兵士たちを取り囲んでいた魔王軍の戦士も、レミオンが剣で加勢かせいし、キャンベルも魔法の花火でかくらんします。敵の方が押され気味になると、上空から声がします。

「まったく!何をてこずっている!?」目の前に、紫に輝くウロコを持ち、コウモリの翼とねじ曲がった二本の角を生やした竜が現れました。

「オレは魔王軍の幹部『ダークトライアド』が一人!グレゴリーだ!反逆分子はんぎゃくぶんしどもがリュッケンシルトに集結しているとの情報があって来てみれば、何たるていたらくだ!今度はオレが相手をしてやろう!」

「待て!」竜の姿になったエルニスが、上空のグレゴリーに向かって電撃を放つと、グレゴリーは風の渦を巻き起こし、エルニスの電撃をかき消してしまいました。

「そうか、お前が勇者エルニスか?予想以上に弱いな!よし!今回は引いてやるが、次こそはここを陥落かんらくさせてやる!」グレゴリーは、山頂にドス黒い雲がかかっている聖山の方へと消えていきました。

 城の会議室では、リュッケンシルトの王が頭を抱えていました。
「魔王軍め、こちらが動き出す前につぶしてしまおうと言う事か・・・!もしや、ここにいるレミオンと言う者のせいじゃないのか?お前、あのナイトロードから来たそうだな!?」

「違う、あれはボクの命令じゃない!」これに、ルイスがレミオンをかばって叫びます。
「レミオンは魔王軍を嫌っているんだ!」エルニスたちもレミオンをかばいます。
「みんな・・・!」これに、メアリ大統領は叫びます。

「今は内輪うちわもめしている時ではありません!皆が力を合わせるときです!」これに、みんなはかまえを解きます。

「こんな時に、竜人たちはどうして無関係と言い張るのでしょう?」

「じゃあ、ぼくたちが聖山に行って呼びかけてきます!」エルニスが叫びました。
「行ってくれるのですか!?聖山はこの町のそばにそびえたつ、高い山です!」
「あの黒い雲のかかった山か・・・!グレゴリーに勝てるかな・・・!?」
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