『完結』セプトクルール 勇者エルニスのワンダーランド

3章 第2の神器

3-2 謎の美少年

　「助けてー！」森の中で、ルイスが軍刀を持ったぼろの服を着た盗賊においまわされ、追い詰められています。

「さぁ！生かしてほしければ身ぐるみを置いていけ！」ルイスは銃を向けますが、盗賊の迫力はくりょくに押され、持つ手が震ふるえています。もうダメだと、目をぎゅっとつむったその時でした。

ガキィン！

　盗賊が振り上げた軍刀を、目の前に現れた紫のシャツとズボン、赤いマントを着用した赤毛の少年が、剣で受け止めていたのです。

　間もなく、打ち合いになりましたが、剣の腕は赤毛の少年の方が上らしく、盗賊はどんどん押されていき、下段から斜め上の剣撃が、盗賊の軍刀をはじき落とし、盗賊は恐れをなして逃げていきました。

「大丈夫かい？」振り向いた少年は、白い肌に赤い瞳を持つ、高い鼻の整った顔立ちで、色気すら感じるほどの美形でした。

「ありがとう・・・採集に来たところを襲われたんだ・・・！」
「この森を一人で歩くなんて無茶だね！それと、ボクには近づかない方がいいよ！」

　赤毛の少年はその場を去っていくと、ルイスはなぜか心臓が脈を打っていることに気づきました。