『完結』セプトクルール 勇者エルニスのワンダーランド

4章 幻想界世界会議

4-1 幻想界の世界会議

　「『幻想界ファンタジア世界サミ会議ット』！？」メアリ大統領の執務室しつむしつに来たエルニスとキャンベルは驚おどろきました。

「そうです！年に一度、この幻想界ファンタジアのリーダーたちが集まり、世界の今後を決める話し合いをするのですが、一番の議題ぎだいは、なんといっても例の『魔王軍』の事です！」メアリ大統領は言いました。

「聞けば、このヘリオポリスだけでなく、東のエルフたちの国アールヴヘイムにも現れたそうです、それを重く見た世界の指導者たちは、大事に至る前に力を結集し、魔王軍に反撃しようというわけです」これに、エルニスとキャンベルは頷うなずきます。

「今度はこっちから仕掛けるわけですね、わくわくしてきました！」
「それで、会場はどこですか！？」

「会場はこのヘリオポリスより東、森を抜けた先にある城塞じょうさい王国おうこく『リュッケンシルト』の大会議室です。そこで、あなた方には私の警護けいごをお願いしたいのですが・・・！」

「もちろん！やらせてもらいます！」
「もはや、わたしたちだけの問題ではないですしね」これに、メアリ大統領はお辞儀じぎをしました。

「ヘリオポリスを代表して、感謝かんしゃの意を表します・・・！それに、ちょっと気になることもありますしね」これに、キャンベルは質問しました。
「気になること、なんですか？」

「・・・最近、途中の森にバンパイアが出現するようになったそうです。魔王軍がヘリオポリスに出現したのと、ほぼ同時期に現れるようになったそうです」
「そいつは、魔王軍の手先かもしれないな・・・！」

「それが不思議なことに、そのバンパイアに出会った者はいますが、血を吸われた者や、襲われた者はいないそうです。逆にそのバンパイアに命を助けられたという者もいます」

「その者は悪い者ではないかもしれませんね、でも、用心をするに越こしたことはないでしょう」