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3章 第2の神器
3-5 レジスタンス
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親子の案内で、エルニスとキャンベルは町はずれの緑地にやって来て、母親が噴水のそばにある女神像のベルトのバックルを押すと、そばに地下への階段が現れたのです。全員が地下に下り切ると、壁にあるスイッチを押して、入口を閉じます。
そこは、石のブロックの壁に囲まれた地下道で、たいまつやキャンベルの帽子の明かりを頼りに進んでいきます。やがて突き当りに扉があり、幼い息子が扉をノックすると、扉の奥から声がします。
「合言葉は?」
「自由よ、永遠に!」扉が開くと、中から鎧を着た兵士が現れました。
「なんだ、ピートじゃないか!お連れもいるようだ、さぁ、中に入って!」
エルニスたちが部屋に入ると、そこはランプの明かりに照らされた広い地下室で、麻の服を着たヘリオポリスの国民たちや鎧を着た兵士たちがいました。ピートが言います。
「みんな、強い味方を紹介するよ!勇者のエルニスさんと魔法使いのキャンベルさんさ!」それを聞いた途端、周りの者たちは武器をかまえて、エルニスたちを取り囲みます。
「みんな!大丈夫だよ、キャンベルさんは悪い魔法使いじゃないよ!」ピートは必死に訴えますが、みんなは耳を貸さず、構えを解きません。
「魔法は人にあってはならない力です!教会は今も昔もそう教えています!」青いブレザーと白いスカートを着用した、金髪のロングヘアーの少女は弓をかまえて言い放ちました。エルニスとキャンベルが戸惑っていると、人々の奥から声が響きわたりました。
「みんな、やめなさい!」それを聞いた途端、人々はハッとします。
「おお!メアリ大統領!」人々の視線は、青いロングドレスを着た精悍な顔つきの女性に注がれました。
「みなさん!今は争う時ではありません!共に手を組む時です!いいですか!?人間も異種族も魔法族もありません!良い者か悪い者か、それだけです!その他者を認めない振る舞いが、多くの争いを生んだのです!今この場でも、同じ過ちを繰り返すのですか!?」これに、周りの者は黙り込んでしまいまいます。
「確かに、そんなに悪い人には見えない・・・!」
「キャンベルさんは、間違いなく私たち親子を救ってくれました!」これにキャンベルも言います。
「そうです、魔法が悪いんじゃなくそれを悪用する者が悪いんです!魔法は世のため人のために生かされなければなりません・・・!」
「まさに、彼女の言う通りです!さぁ、キャンベルさん、こちらに!」メアリ大統領はキャンベルを招き入れると、中で聖なる炎が燃えているダイヤ型の枠を備えた赤茶色の杖を手渡しました。
キャンベルが杖を取ると、聖火が一段と明るく輝きだしたのです。
「おお!人々を導く真の賢者のみが扱うことができるとされる神器『賢者のたいまつ』が輝きを増しました!
今、魔王軍は、このヘリオポリスのシンボルである『ヘリオスの灯台』の灯を消し去ってしまいましたが、そのたいまつの火を再び灯台に灯せば、邪気を払い、この国を取り戻す事が出来ます!」
エルニスとキャンベルは、町の南西にそびえたつヘリオスの灯台に向かいます。三つの層からなる石造りの塔で、前面を彩るステンドグラスやとんがり屋根があり、灯台と言うより城か礼拝堂のようです。
「きれいな灯台だね」
「ええ、この国の礎となった炎と太陽の神『ヘリオス』を祭る場所でもあるそうです、行きましょう!」
そこは、石のブロックの壁に囲まれた地下道で、たいまつやキャンベルの帽子の明かりを頼りに進んでいきます。やがて突き当りに扉があり、幼い息子が扉をノックすると、扉の奥から声がします。
「合言葉は?」
「自由よ、永遠に!」扉が開くと、中から鎧を着た兵士が現れました。
「なんだ、ピートじゃないか!お連れもいるようだ、さぁ、中に入って!」
エルニスたちが部屋に入ると、そこはランプの明かりに照らされた広い地下室で、麻の服を着たヘリオポリスの国民たちや鎧を着た兵士たちがいました。ピートが言います。
「みんな、強い味方を紹介するよ!勇者のエルニスさんと魔法使いのキャンベルさんさ!」それを聞いた途端、周りの者たちは武器をかまえて、エルニスたちを取り囲みます。
「みんな!大丈夫だよ、キャンベルさんは悪い魔法使いじゃないよ!」ピートは必死に訴えますが、みんなは耳を貸さず、構えを解きません。
「魔法は人にあってはならない力です!教会は今も昔もそう教えています!」青いブレザーと白いスカートを着用した、金髪のロングヘアーの少女は弓をかまえて言い放ちました。エルニスとキャンベルが戸惑っていると、人々の奥から声が響きわたりました。
「みんな、やめなさい!」それを聞いた途端、人々はハッとします。
「おお!メアリ大統領!」人々の視線は、青いロングドレスを着た精悍な顔つきの女性に注がれました。
「みなさん!今は争う時ではありません!共に手を組む時です!いいですか!?人間も異種族も魔法族もありません!良い者か悪い者か、それだけです!その他者を認めない振る舞いが、多くの争いを生んだのです!今この場でも、同じ過ちを繰り返すのですか!?」これに、周りの者は黙り込んでしまいまいます。
「確かに、そんなに悪い人には見えない・・・!」
「キャンベルさんは、間違いなく私たち親子を救ってくれました!」これにキャンベルも言います。
「そうです、魔法が悪いんじゃなくそれを悪用する者が悪いんです!魔法は世のため人のために生かされなければなりません・・・!」
「まさに、彼女の言う通りです!さぁ、キャンベルさん、こちらに!」メアリ大統領はキャンベルを招き入れると、中で聖なる炎が燃えているダイヤ型の枠を備えた赤茶色の杖を手渡しました。
キャンベルが杖を取ると、聖火が一段と明るく輝きだしたのです。
「おお!人々を導く真の賢者のみが扱うことができるとされる神器『賢者のたいまつ』が輝きを増しました!
今、魔王軍は、このヘリオポリスのシンボルである『ヘリオスの灯台』の灯を消し去ってしまいましたが、そのたいまつの火を再び灯台に灯せば、邪気を払い、この国を取り戻す事が出来ます!」
エルニスとキャンベルは、町の南西にそびえたつヘリオスの灯台に向かいます。三つの層からなる石造りの塔で、前面を彩るステンドグラスやとんがり屋根があり、灯台と言うより城か礼拝堂のようです。
「きれいな灯台だね」
「ええ、この国の礎となった炎と太陽の神『ヘリオス』を祭る場所でもあるそうです、行きましょう!」
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