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1章 東風の訪問者
1-4 勇気のいかずち
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良質なクリスタルが採れることで有名な鉱山町マインズは、スピネルでも治安が悪いことで有名であり、木製の家々の間を、顔に傷がある男や、目つきの悪い女性などのならず者たちがたたずんでいます。
カインの案内で、エルニスたちはとある倉庫の中に入ると、そこには金色の髪を二つにくくっている革のチョッキと黒いスパッツを着用した少女を中心に、雑貨屋で強盗を働いた不良コンビがわきを固めていました。少女の手には光り輝く結晶体が握られています。
「それは、アルケリスの結晶!と言うことは!?」
「そうさ!オレたちウルフ団の仕業さ!オレたちのジャマばかりするテイル!貴様を貶めるためさ!」これに、テイルは彼らを指さして叫びます。
「それはアンタたちが悪い事ばかりしているからでしょ!?私は悪いことを見過ごすことができない性分なの!」
「けっ!いい子ぶりやがって!だが、お前の天下もここまでだ!オレたちのボス、イザベルさんはお前よりも強いんだからな!」中央の少女は前に出て腕を組んで言いました。
「へぇ、アンタがウワサのテイル・・・!どんな女かと楽しみにしていたけど、拍子抜けね、お腹が緩んじゃいそう・・・!」テイルはムッとして言い返します。
「それはどうかしら?甘く見ていると、痛い目を見るわよ!」そばで見ていたエルニスとカインは震えています。
「上等よ!さぁ!アンタが勝てれば、石は返してやるよ!」イザベルは間髪入れずに、パンチを仕掛けてきますが、テイルは無駄な動きなくしゃがんでかわし、イザベルの腹にボディーブローを入れます。
「ぐほぉっ・・・!」イザベルは予想外の衝撃に腹をおさえます。
「このぉ!」
イザベルは再び攻撃に出ますが、テイルはパンチを左腕ではじいて右拳をイザベルの顔面にたたきつけます。そして、間髪入れずにテイルは回し蹴りを、イザベルの側頭部に叩き込みました。
「なによ!口ほどにもないわね!まともな武術を知らないみたい・・・!さぁ、石を返しなさい!」
「誰が返すもんですか・・・!みんな!やっておしまい!」イザベルの合図で、周りの木箱の陰から、ナイフや警棒で武装した不良少年たちが姿を現しました。
「ちょっと!これは卑怯じゃない!?」
「へへっ・・・!一対一とは言っていないよ!アンタは徹底的に痛めつけて・・・やる・・・!」イザベルはそう言って気を失いました。
「くそっ・・・!数が多すぎる・・・!」テイルが何人倒してもキリがなく、肩や顔に傷ができています。カインも魔法の弾丸を手から放って応戦しますが、それでも勢いは衰えません。
「どうしよう・・・!テイルのピンチだ・・・!ぼくに力があれば・・・!」
エルニスが右拳を握ると、彼の手は人のものではなく、大きく鋭いかぎ爪のある三本の指と言う、怪物のそれになっており、激しく電撃の火花がはじけています。
「あいつ!やっぱり化け物か!」エルニスが手を向けると、怪物の右手から、まばゆい稲妻がほとばしり、不良少年たちをまとめて吹っ飛ばしたのです。残っている不良少年たちも、その光景に恐れをなし、尻尾を巻いて逃げていきました。
カインの案内で、エルニスたちはとある倉庫の中に入ると、そこには金色の髪を二つにくくっている革のチョッキと黒いスパッツを着用した少女を中心に、雑貨屋で強盗を働いた不良コンビがわきを固めていました。少女の手には光り輝く結晶体が握られています。
「それは、アルケリスの結晶!と言うことは!?」
「そうさ!オレたちウルフ団の仕業さ!オレたちのジャマばかりするテイル!貴様を貶めるためさ!」これに、テイルは彼らを指さして叫びます。
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「それはどうかしら?甘く見ていると、痛い目を見るわよ!」そばで見ていたエルニスとカインは震えています。
「上等よ!さぁ!アンタが勝てれば、石は返してやるよ!」イザベルは間髪入れずに、パンチを仕掛けてきますが、テイルは無駄な動きなくしゃがんでかわし、イザベルの腹にボディーブローを入れます。
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「このぉ!」
イザベルは再び攻撃に出ますが、テイルはパンチを左腕ではじいて右拳をイザベルの顔面にたたきつけます。そして、間髪入れずにテイルは回し蹴りを、イザベルの側頭部に叩き込みました。
「なによ!口ほどにもないわね!まともな武術を知らないみたい・・・!さぁ、石を返しなさい!」
「誰が返すもんですか・・・!みんな!やっておしまい!」イザベルの合図で、周りの木箱の陰から、ナイフや警棒で武装した不良少年たちが姿を現しました。
「ちょっと!これは卑怯じゃない!?」
「へへっ・・・!一対一とは言っていないよ!アンタは徹底的に痛めつけて・・・やる・・・!」イザベルはそう言って気を失いました。
「くそっ・・・!数が多すぎる・・・!」テイルが何人倒してもキリがなく、肩や顔に傷ができています。カインも魔法の弾丸を手から放って応戦しますが、それでも勢いは衰えません。
「どうしよう・・・!テイルのピンチだ・・・!ぼくに力があれば・・・!」
エルニスが右拳を握ると、彼の手は人のものではなく、大きく鋭いかぎ爪のある三本の指と言う、怪物のそれになっており、激しく電撃の火花がはじけています。
「あいつ!やっぱり化け物か!」エルニスが手を向けると、怪物の右手から、まばゆい稲妻がほとばしり、不良少年たちをまとめて吹っ飛ばしたのです。残っている不良少年たちも、その光景に恐れをなし、尻尾を巻いて逃げていきました。
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