カタルタッタ

魔女狩り

優しさ、愛...？

　「申し訳ありません京子きょうこ様っ！！！


　自分が至らないばかりに不機嫌ふきげんさせてしまいましたっ…。」


　「”申し訳ありません”…？そんなんで許されると思っているの…?


　馬鹿馬鹿ばかばかしい、そんなんだから貧乏人びんぼうにんなのよっ！！」


ふざけた謝罪しゃざいがさらに苛立たせる。


私を不機嫌ふきげんにさせてそんな軽い謝罪しゃざいで済まされるのが許さない。


苛立ちに任せてさらに使用人を叩く。これは折檻せっかんなのである。


屋敷やしきの主人が自ら使用人に仕事を教授きょうじゅしている。


雇用人こようにんへの優しさ、愛である。


　「使えないわね！！これだから貧乏人びんぼうにんは手段が汚いのよっ！！」


自分の手が赤くなっても使用人を叩いたせいか手が何倍にも腫れていた。


その代わり使用人は顔も髪も乱れていた。


スッキリした…。手が痛くなったが、貧乏人が惨みじめになるのがたまらなく嬉しい。


　「申し訳ありません…。申し訳ありません…。申し訳ありません…。」


泣きながら額を床につけて謝罪しゃざいする使用人は、


さっきよりずっと小さくなってしまった。