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新虞羊陵の戦い その三
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斯くして、陳軍五万が、城門を開けて梁軍へ攻撃を仕掛けた。
陳軍の正面にいたのは、張章率いる一万の軍勢であった。しかし、張章軍は、陳軍が動くや否や、すぐに陳軍に背を向けて、まるで盗人が逃げるかのように撤退を始めてしまった。
「何だ、あいつらは。梁の軍隊もここまで落ちぶれたのか」
あまりの手ごたえのなさに、岳丘は笑いさえこみ上げてきた。
宋嘉、田積、趙殷の三軍も、戦わずして逃げ出した。それを見た岳丘は、張章軍が逃げ出したのを見て、怖気づいたのだろうと解釈した。
「今が好機ぞ! 逃がすな!」
岳丘は、すぐさま追撃を開始した。逃げる敵を狩るのは、虎が兎を獲るよりも容易いことである。その機を、岳丘が見逃そう筈もなかった。
追いかける陳軍に、追われる梁軍。その図式が出来上がった。
その追いつ追われつが三日目の夜になった頃のことである。
「竈の数が少なくなっている」
梁軍が宿営する際、兵たちが盛り土で作って食事をしたであろう竈の数を、岳丘は調べさせていた。竈の数は、それを作って食事をする敵兵の数だからである。梁軍の竈は、ざっと見て前日の半分程度になっていた。これは、脱走や、或いは病などによる落命で、兵の数が減っていることを意味する。
「惰弱な軍だ。我らの勝利も近いな」
岳丘は、国に帰った後のことを考えた。梁軍を撃滅し、陳軍に勝利をもたらした救国の英雄たる自らの武名は、国中、いや、他国の間にさえも響き渡るであろう。思えば、周安邑など、軍の第一人者面をしてはいても、実際は単なる老いぼれではないか。これからは、自分のような若い武官の時代になるのだ。そのことを思うと、自然と笑みがこぼれた。
「騎馬の軍を編成する」
岳丘は、騎兵をまとめさせるよう指示した。歩兵を置いていき、騎馬だけの軍を率いて追撃の速度を速めようというのが、彼の考えであった。
明朝、岳丘は騎兵八千をまとめると、それを率いて追撃を開始した。歩兵の歩調に合わせる必要がない分、追撃の足は速まった。
八千の騎兵は、羊陵という土地に差し掛かった。道が狭く、険阻な山間の土地であった。
岳丘は、馬の太腹を蹴って駆けている最中もずっと、高揚感に包まれていた。最早、自軍の勝利を疑う心は、少しもなかった。
その八千の騎兵に、矢の驟雨が降り注ぐまでは。
「放て!」
左右に埋伏していた宋嘉軍の弩兵が、一斉に矢を放ったのである。矢のみではなく、丸太や岩石なども、斜面を転がって陳軍に襲いかかった。ここで初めて、岳丘は自分が罠に嵌められたことを悟った。
「総員退却!」
岳丘は慌てて指示を出した。とにかく、この険阻な道を脱して開けた場所まで退かねばならない。騎兵の足なら、多少の犠牲は仕方ないにせよ、伏兵の矢弾の届かない所まで逃れることができると踏んだ。
しかし、その見通しが甘かったことを、岳丘はすぐに知ることとなった。
「後方敵兵! 数およそ一万!」
後方の陳軍騎兵が叫んだのを聞いた岳丘は、耳を疑った。岳丘の退路を塞いだのは、張章率いる軍勢であった。
全ては、張章が仕掛けた罠であった。負傷兵を前線に出したのも、そそくさと背を向けて逃げ出したのも、竈の数を減らして兵の数を少なく見せ脱走や死亡が多く出ていると見せかけたのも、全ては陳軍を引き出して仕留めるためであった。
「かかれ! 皆殺しにせよ!」
張章軍は、混乱を来した陳軍に情け容赦のない攻撃を加えた。騎兵や弓兵弩兵が猛然と矢を射かけ、それを掻い潜った兵に戟兵隊が殺到して切り崩す。統率者である岳丘の混乱が伝染した陳軍は、ろくな反撃ができなかった。
ところが、陳軍に、その包囲を脱しようとする一隊があった。それは、周安邑の次男で、騎射の達人として知られた周玄という男の率いる三百騎の部隊であった。この部隊だけは、隊長たる周玄に対する絶対的信頼から、猛烈に抗戦したのである。
「魏令、そちらへ向かえ」
張章は、明らかに動きの違う三百騎をすぐに見定めた。そして、魏令率いる五百騎を、その一隊に向かわせてぶつけたのである。
周玄の三百騎と、魏令の五百騎は、すぐに会敵した。両隊は、猛烈な騎射の応酬を行った。数において利のある魏令隊がすぐさま周玄隊を押し包み始めたが、周玄隊もまた、確実に魏令隊を削っていった。騎兵同士の戦いは、すぐに混戦の様相を呈した。
周玄隊の一人が、敵兵の中に、一人の少年を見つけた。目立つ、というのは、その少年が澄み渡るような碧い瞳をしていたからである。
美しい。少年の目に射すくめられた周玄隊の兵は、敵ながらそう思ってしまった。そして、その時すでに、放たれた矢が、自らの体を貫いていた。
弓を引く魏令は、まさしく美しき死神であった。彼のその、冷たく光る刃の如き眼光に射すくめられた者で、命を落とさない者は一人としてなかった。
必死に抵抗した周玄隊も魏令隊の猛攻に押されて次々に倒れ、最早残るは隊長である周玄一人となってしまった。他の者は、皆矢に射倒されて地面を転げていた。周玄自身も、手持ちの矢の残数には、もう余裕がなかった。
「最早これまで、か……ならば!」
周玄は、一人でも多くの敵兵を道連れにしようと、悪鬼羅刹の如き気迫で矢を放った。生きて帰ることは叶わない、死を前提とした行動であっても、彼は狙いを乱すことがなかった。
魏令は、その鬼神のような男の姿を、自らの視界に収めた。その決死の姿を見ても、魏令は眉根一つ動かさず、矢を番えた。
「貴様か……!」
その時、周玄は、多くの仲間を葬った憎むべき美少年の姿を見た。絶対に道連れにする。その烈心を胸に、矢筒から矢を取り出し番えた。
だが、その矢が放たれる前に、魏令の矢が、周玄の胴を貫いた。鏃が肉と血管を裂く感覚が、周玄を襲った。それが致命傷であることは、彼自身、察知せざるを得なかった。
「まだだ……貴様だけは!」
周玄は、魏令の放った矢が刺さったまま、矢を番えて狙いをつけていた。彼を動かしていたのは、ただ執念のみであった。その執念を乗せた一矢が、周玄の手を離れた。
だが、その矢は当たらなかった。周玄の放った矢は虚しく空を切り、後方の地面に突き刺さった。そして、お返しとばかりに、魏令の放った二本目の矢が、周玄の眉間に吸い込まれるように突き刺さった。周玄は馬から真っ逆さまに転げ落ち、今度こそ絶命してしまった。
彼の死を見届けた魏令の手は、細かく震えていた。それは決して恐れからではない。寧ろ、言いようもない高揚感からのものであった。今、自分は、強敵との命のやり取りの末に相手を葬ったことに、得も知れぬ興奮を覚えていた。
岳丘率いる騎兵八千は、ほぼ覆滅された。総大将である岳丘自身も、焦って包囲を抜けようとして戟兵の槍衾に突進し、それによってあえなく刺殺され果てた。
一方、置いていかれたおよそ四万の陳軍歩兵部隊は、岳丘戦死と騎兵全滅を知り、退却を開始した。新虞の城内まで戻れれば、まだ希望はあった。
退却中、梁軍と会敵することはなかった。騎兵を打ち破った梁軍のさらなる追撃があるものと考えて常に後方に気を配っていたが、それは全くの杞憂であった。
けれども、陳軍が城門前まで戻った時、新虞の城壁の上に梁の一文字が書かれた旗がずらりと立ち並びんで、風に揺られてはためいているのを彼らは見た。それを目の当たりにした陳軍の将兵は、がっくりと膝を折った。最早、戦意も何もなかった。
新虞を占領したのは、田積軍と趙殷軍であった。この二軍は宋嘉軍と張章軍とは別行動をとり、回り込んで新虞を目指していた。そして空になった新虞に侵入し、たやすくこれを占領してしまったのである。
これが、最後の決め手となった。陳軍四万は、戦わずして降伏した。梁と陳の、新虞を巡る戦いは、これにて決着したのであった。
この一連の戦いは、戦場になった二つの土地の名前を取って、「新虞羊陵の戦い」として、史書にも記述が残されることとなった。
陳軍の正面にいたのは、張章率いる一万の軍勢であった。しかし、張章軍は、陳軍が動くや否や、すぐに陳軍に背を向けて、まるで盗人が逃げるかのように撤退を始めてしまった。
「何だ、あいつらは。梁の軍隊もここまで落ちぶれたのか」
あまりの手ごたえのなさに、岳丘は笑いさえこみ上げてきた。
宋嘉、田積、趙殷の三軍も、戦わずして逃げ出した。それを見た岳丘は、張章軍が逃げ出したのを見て、怖気づいたのだろうと解釈した。
「今が好機ぞ! 逃がすな!」
岳丘は、すぐさま追撃を開始した。逃げる敵を狩るのは、虎が兎を獲るよりも容易いことである。その機を、岳丘が見逃そう筈もなかった。
追いかける陳軍に、追われる梁軍。その図式が出来上がった。
その追いつ追われつが三日目の夜になった頃のことである。
「竈の数が少なくなっている」
梁軍が宿営する際、兵たちが盛り土で作って食事をしたであろう竈の数を、岳丘は調べさせていた。竈の数は、それを作って食事をする敵兵の数だからである。梁軍の竈は、ざっと見て前日の半分程度になっていた。これは、脱走や、或いは病などによる落命で、兵の数が減っていることを意味する。
「惰弱な軍だ。我らの勝利も近いな」
岳丘は、国に帰った後のことを考えた。梁軍を撃滅し、陳軍に勝利をもたらした救国の英雄たる自らの武名は、国中、いや、他国の間にさえも響き渡るであろう。思えば、周安邑など、軍の第一人者面をしてはいても、実際は単なる老いぼれではないか。これからは、自分のような若い武官の時代になるのだ。そのことを思うと、自然と笑みがこぼれた。
「騎馬の軍を編成する」
岳丘は、騎兵をまとめさせるよう指示した。歩兵を置いていき、騎馬だけの軍を率いて追撃の速度を速めようというのが、彼の考えであった。
明朝、岳丘は騎兵八千をまとめると、それを率いて追撃を開始した。歩兵の歩調に合わせる必要がない分、追撃の足は速まった。
八千の騎兵は、羊陵という土地に差し掛かった。道が狭く、険阻な山間の土地であった。
岳丘は、馬の太腹を蹴って駆けている最中もずっと、高揚感に包まれていた。最早、自軍の勝利を疑う心は、少しもなかった。
その八千の騎兵に、矢の驟雨が降り注ぐまでは。
「放て!」
左右に埋伏していた宋嘉軍の弩兵が、一斉に矢を放ったのである。矢のみではなく、丸太や岩石なども、斜面を転がって陳軍に襲いかかった。ここで初めて、岳丘は自分が罠に嵌められたことを悟った。
「総員退却!」
岳丘は慌てて指示を出した。とにかく、この険阻な道を脱して開けた場所まで退かねばならない。騎兵の足なら、多少の犠牲は仕方ないにせよ、伏兵の矢弾の届かない所まで逃れることができると踏んだ。
しかし、その見通しが甘かったことを、岳丘はすぐに知ることとなった。
「後方敵兵! 数およそ一万!」
後方の陳軍騎兵が叫んだのを聞いた岳丘は、耳を疑った。岳丘の退路を塞いだのは、張章率いる軍勢であった。
全ては、張章が仕掛けた罠であった。負傷兵を前線に出したのも、そそくさと背を向けて逃げ出したのも、竈の数を減らして兵の数を少なく見せ脱走や死亡が多く出ていると見せかけたのも、全ては陳軍を引き出して仕留めるためであった。
「かかれ! 皆殺しにせよ!」
張章軍は、混乱を来した陳軍に情け容赦のない攻撃を加えた。騎兵や弓兵弩兵が猛然と矢を射かけ、それを掻い潜った兵に戟兵隊が殺到して切り崩す。統率者である岳丘の混乱が伝染した陳軍は、ろくな反撃ができなかった。
ところが、陳軍に、その包囲を脱しようとする一隊があった。それは、周安邑の次男で、騎射の達人として知られた周玄という男の率いる三百騎の部隊であった。この部隊だけは、隊長たる周玄に対する絶対的信頼から、猛烈に抗戦したのである。
「魏令、そちらへ向かえ」
張章は、明らかに動きの違う三百騎をすぐに見定めた。そして、魏令率いる五百騎を、その一隊に向かわせてぶつけたのである。
周玄の三百騎と、魏令の五百騎は、すぐに会敵した。両隊は、猛烈な騎射の応酬を行った。数において利のある魏令隊がすぐさま周玄隊を押し包み始めたが、周玄隊もまた、確実に魏令隊を削っていった。騎兵同士の戦いは、すぐに混戦の様相を呈した。
周玄隊の一人が、敵兵の中に、一人の少年を見つけた。目立つ、というのは、その少年が澄み渡るような碧い瞳をしていたからである。
美しい。少年の目に射すくめられた周玄隊の兵は、敵ながらそう思ってしまった。そして、その時すでに、放たれた矢が、自らの体を貫いていた。
弓を引く魏令は、まさしく美しき死神であった。彼のその、冷たく光る刃の如き眼光に射すくめられた者で、命を落とさない者は一人としてなかった。
必死に抵抗した周玄隊も魏令隊の猛攻に押されて次々に倒れ、最早残るは隊長である周玄一人となってしまった。他の者は、皆矢に射倒されて地面を転げていた。周玄自身も、手持ちの矢の残数には、もう余裕がなかった。
「最早これまで、か……ならば!」
周玄は、一人でも多くの敵兵を道連れにしようと、悪鬼羅刹の如き気迫で矢を放った。生きて帰ることは叶わない、死を前提とした行動であっても、彼は狙いを乱すことがなかった。
魏令は、その鬼神のような男の姿を、自らの視界に収めた。その決死の姿を見ても、魏令は眉根一つ動かさず、矢を番えた。
「貴様か……!」
その時、周玄は、多くの仲間を葬った憎むべき美少年の姿を見た。絶対に道連れにする。その烈心を胸に、矢筒から矢を取り出し番えた。
だが、その矢が放たれる前に、魏令の矢が、周玄の胴を貫いた。鏃が肉と血管を裂く感覚が、周玄を襲った。それが致命傷であることは、彼自身、察知せざるを得なかった。
「まだだ……貴様だけは!」
周玄は、魏令の放った矢が刺さったまま、矢を番えて狙いをつけていた。彼を動かしていたのは、ただ執念のみであった。その執念を乗せた一矢が、周玄の手を離れた。
だが、その矢は当たらなかった。周玄の放った矢は虚しく空を切り、後方の地面に突き刺さった。そして、お返しとばかりに、魏令の放った二本目の矢が、周玄の眉間に吸い込まれるように突き刺さった。周玄は馬から真っ逆さまに転げ落ち、今度こそ絶命してしまった。
彼の死を見届けた魏令の手は、細かく震えていた。それは決して恐れからではない。寧ろ、言いようもない高揚感からのものであった。今、自分は、強敵との命のやり取りの末に相手を葬ったことに、得も知れぬ興奮を覚えていた。
岳丘率いる騎兵八千は、ほぼ覆滅された。総大将である岳丘自身も、焦って包囲を抜けようとして戟兵の槍衾に突進し、それによってあえなく刺殺され果てた。
一方、置いていかれたおよそ四万の陳軍歩兵部隊は、岳丘戦死と騎兵全滅を知り、退却を開始した。新虞の城内まで戻れれば、まだ希望はあった。
退却中、梁軍と会敵することはなかった。騎兵を打ち破った梁軍のさらなる追撃があるものと考えて常に後方に気を配っていたが、それは全くの杞憂であった。
けれども、陳軍が城門前まで戻った時、新虞の城壁の上に梁の一文字が書かれた旗がずらりと立ち並びんで、風に揺られてはためいているのを彼らは見た。それを目の当たりにした陳軍の将兵は、がっくりと膝を折った。最早、戦意も何もなかった。
新虞を占領したのは、田積軍と趙殷軍であった。この二軍は宋嘉軍と張章軍とは別行動をとり、回り込んで新虞を目指していた。そして空になった新虞に侵入し、たやすくこれを占領してしまったのである。
これが、最後の決め手となった。陳軍四万は、戦わずして降伏した。梁と陳の、新虞を巡る戦いは、これにて決着したのであった。
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