何故か超絶美少女に嫌われる日常

やまたけ

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その百六

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 ※※※

「今日も柊さんからの電話は……。無い、か」

 そう、ため息付きながら愚痴る俺。もしかしたら電話してくれてるかも知れないけど、俺のこのスマホ、通話中の着信は教えてくれないらしいんだよな。どうも有料の設定が必要みたいで。……今度母さんに設定できるよう言ってみるかな。 

 と言うのも、実は今日も家に帰ってから山本から電話がかかってきて、ついさっきまで他愛の無い話してたんだよなあ。俺と一緒に帰ってんだから電話する必要なんてないのに。その上電話終わってからline送ってくるし。……まあ、あいつ一人暮らしでまだ友達もいないみたいだから寂しいんだろうけど。だからそれくらいは付き合ってやらないと、とは思ってるんだけど。

「……つか、これまるで彼女みたいじゃん」

 ふと、そう呟いてしまう。まあでも、山本は俺に彼女がいるの知ってるからこそ、こうやって遠慮せずに電話したりlineしてきたりしてるだけだろうから、俺が変に意識しちゃダメなんだけど。つーか考えたら山本の電話の相手、安川さんだっていいわけじゃん。よし。次回からは安川さんに連絡するよう伝えてみよう。

「でも、俺の彼女の柊さんとは、連絡つかないんだよなあ」

 今日もベッドに仰向けに寝て天井を見つめながら、はあ、と再度溜息が出る。

 ……柊さんの事情は知ってるし仕方ないのは分かってる。でも、俺の方から電話もlineも出来ないのは、正直辛い。だから柊さんからの連絡を待つしか仕方ない。

 そこでピロリン、とlineが届いた通知音。そこには山本から『先輩! 今日もありがとうございました! おやすみなさい』という文字と共になにかのキャラクターのお休みスタンプ。

「……こんな風に、柊さんとも連絡とりあえたらなあ」

 ※※※

「……今日も繋がらなかった」

 ガチャン、と力なく受話器を置く音が静かな住宅街に響く。ここ最近、武智君に電話してみても、ずっと通話中で中々繋がらない。私も時間に余裕があるわけじゃないから、そう何度もかけ直し出来ないのがもどかしい。

 確か前に声聞いたのって八月下旬くらいだっけ? 今はもう九月下旬。だから約一ヶ月、武智君と話出来てない。まだ日中は暑いけど、今みたいに夜は涼しくなってきてるこの時期、その涼しさが一層私の心を淋しくさせる。

「ずっとここにいても仕方ないし、そろそろ戻らなきゃ」

 はあ、と大きなため息を付いた後、私は未練を残したまま仕方なく公衆電話から離れる。大体週に一回くらいのペースで、こうやって上杉さんにコンビニに行くと嘘を言って、この公衆電話にやって来てる。余り沢山の頻度でコンビニに行くというと、きっと怪しまれるから、これ以上来る回数を増やせない。もし見つかっちゃったらそれこそおしまい。武智君との繋がりが完全に途切れてしまうから、慎重にしないといけない。

 でも、一体どうしちゃったんだろう? ずっと通話中なのかな? まさか電話失くしちゃったとか? それとも電話番号変わった?コンビニに寄って買い物をしながら、あれこれ考える私。

「……次は明歩に電話してみるか」本当は明歩にする一回でも武智君に電話したい。時間が勿体ないから。でもずっと繋がらない理由が知りたい。それに明歩は武智君と違って夜繋がるかどうか分からない。突然かけて明歩が出てくれるかどうか、……って、武智君も今、夜でも繋がらないんだった。

「会いたいなあ……」コンビニを出て買い物袋を抱え、ちらほらと見える夜空の星を眺めながら武智君を想う。主演が決まってから本当に多忙な日々を送ってる。今はまだ東京を離れてないけど、撮影が始まったら地方に行く事もあると聞いてる。そうなったらその場所に公衆電話があるかどうか分からない。武智君と連絡が取れなくなってしまう。

 だから出来るだけ今のうちに、武智君と沢山お喋りがしたいのに……。

 自然と目に涙が溜まってくる。ダメダメ柊美久! 私は頑張るって決めたんだから。これが終わったら、武智君の元に戻るんだ。その時、私がきちんとやり遂げたという証拠を残すために、頑張らないと。

 ※※※

 次の日、恩田社長に呼ばれ、私は今回の映画の監督の元へ一緒に会いに行くことになったので、今は恩田さん共々車に乗って都内某所に向かってる。どうやら要件は恩田社長も聞いてないらしい。そう言えば私、監督に会うのはオーディション以来かも。

 私は新人なので、主演とは言え素人同然。高校の間ずっとレッスンをしてきたとしても、ドラマにさえ出た事がない。なので今は本格的に撮影が始まるまで私の演技力を向上させる期間として、日々演技指導を受けている。

 そして再度監督含め関係者に、演技を見てもらい、そこで撮影しても大丈夫かどうか判断してもらう必要があると聞いてる。もしかしたら、今日がその日かも知れない。あのオーディションから既に一月以上は経過してるし。そもそもマネージャーの上杉さんじゃなく、社長である恩田さん共々、という事だから、その可能性が高いかな?

 なので私は当然ながら、恩田さんも若干緊張した様子でさっきからずっと黙ってる。私の演技を再度見て、やっぱりダメだ、と言われる可能性が無くもないからだろう。

 そして車は都内にあるとあるビルの駐車場に停まり、そこからエレベーターで監督達が待っているという一室に向かい、私と恩田社長と私は緊張した面持ちで中に入る。そこには監督と関係者と思われる人達が座っていて、私達が入った途端、皆立ち上がって笑顔で迎えてくれた。

「ようこそ恩田社長。久しぶりですね」「ええ。お久しぶりです」

「やあ、柊さん。君も元気そうだね」「おはようございます。監督もお元気そうで何よりです」

 そして各スタッフの方とも挨拶を交わし、私と恩田社長は誘導された席に座る。

「で、今日はどういうご用件でしょうか? ……どうやら美久の演技の再確認、ではなさそうですけれど」

 恩田さんがあたりを見回しながら質問する。確かに演技の再確認というにはそういうセッティングはなされていない。白い長テーブルがコの字型に置いてあるだけで、殺風景なオフィスの一室、て感じだし。

 恩田さんの言葉を聞いた、監督の隣りに座っていた男の人がニコニコしながら話し始めた。どうやら映画の宣伝等を担当としてるプロモーターの人みたい。

「いや、今回の映画、せっかく主人公が新人ですから、こちらとしてもいつもとは違ったアプローチで大々的にPRしたいと思ってましてね。で、そこでスポンサーとお話している時にですね、とあるアイデアが持ち上がったんですよ」

 恩田さんが怪訝な表情でアイデア? と呟くと、その言葉をキャッチしたプロモーターさんが相変わらずニコニコしながら話を続ける。

「そろそろ各学校も文化祭シーズンでしょ? そこで柊さんが在籍していた高校に相談して、文化祭で今回の映画の告知をしてみてはどうかと。結構大胆でマスコミの注目を浴びるいい話だと思いません?」

 ……え? 私の地元の高校で、今回の映画の告知をするっていう事? じゃあ私、地元に戻れる! 武智君と会えるかも知れない!

 私はつい嬉しくなってプロモーターさんへ顔を向ける。だけど、隣りに座ってる恩田さんの異様な気配に気づきハッとして見てみると、わなわなと震えながら口をあんぐり開けてる。

 そんな恩田さんの様子に構う事なく、今度は監督が話し始める。

「私もその話を聞いてね、それ企画としては中々面白いんじゃないかと思ったんですよ。ちょうど今回の映画、高校生の青春ものですしね。しかも高校の文化祭を拝借するわけですから、コストもかかりませんし」

 そう話し終えると、監督とプロモーターさんはずっとニコニコしてる。私はつい嬉しくなってしまい、グッと小さく机の下で握りこぶしを作ってしまう。

 だけど、

「ちょ、ちょっと待って下さい! そんな突拍子も無い事、許可できません!」

 そこで恩田さんガタっと立ち上がり大声、というか、金切り声に近い声で叫んだ。それを聞いた監督とプロモーターさんが驚いた顔をする。普段仕事の時、恩田さんは落ち着いたクールな印象だから、尚更びっくりしたと思う。

 まあでも、そりゃそうだよね。やっぱり恩田さんは反対する、か。

 そんな恩田さんに対し、監督とプロモーターさんは二人して片眉を釣り上げ、不思議そうな顔をする。

「おやおや、恩田社長。どうしたんですか? そんなムキになって否定するなんて」「ええ本当。普段は物静かな雰囲気ですのに。私もつい勢いにびっくりしてしまいましたよ」

「あ、い、いや、そ、それは、その」

 恩田さんはツッコまれハッとし、今度はモゴモゴしながら座る。恩田さん自身もまさかそんな態度を取るとは思ってなかったみたいで、本人も余程びっくりしたんだろう。

「ふーむしかし。そこまで反対するには訳があるんですよね? よろしければ聞かせてもらえませんか?」

 プロモーターの人がさっきまでのニコニコ顔を止め、声のトーンを変えて真面目な表情で恩田さんに質問する。

「え、えーと、ですね。せっかく美久が地元から離れて、その、しがらみ、と、いいますか、ようやくそういうのから切り離せた、と、言うのに、ですね、戻ってしまうと、その、何と言うか……」

「えらく歯切れが悪いですね。普段の恩田社長からは考えられない」

 今度は監督が怪訝な表情で突っ込む。確かにこんな恩田さん、私も初めて見るかも。

 まあでも当然、私は恩田さんが何を気にしてるか分かってる。要する私が地元に戻って、武智君や明歩に会う可能性を恐れてるんだ。そしてそんな事監督達に言えるわけもないから、しどろもどろになってるんだよね。

 そこでプロモーターの人が私をチラリと見て、今度はこっちに質問してきた。

「どう? 柊さん。元いた高校で自分の映画のプロモーションやるって、抵抗あるかな?」

「いえ全く。寧ろ是非やらせて頂きたいです。高校には友達もいますし、成長した自分の姿を見てもらいたいと思います」

 私はこのチャンスを逃すまいと意気込んで即答する。そしてチラリと悟られないよう横を見てみると、恩田さん、案の定というか、物凄い形相で私の事を睨んでた。私はそんな恩田さんを気にもしない。寧ろしてしてやったりって気持ちでちょっと気分がいい。

「今回、主演が新人の柊さんという事もあって主演にはお金がかかっていないんですよね。なので、柊さんの周りにはいい役者で固めたい思っていまして。そうやって新人ながら主演を張る柊さんを盛り立てようかと。ですから映画のプロモーションには出来るだけコストを抑えたいとも考えてましてね」

「それに、ちょうど私の友人がK市の教育委員会関係の人間でしてね、実は既にその彼にこの件話してみたんです。そしたら是非に、と言われましてね。少子化のこの時代、柊さんの高校にとってもいいPRになるだろうって」

 お二人の話を聞いてると、ほぼ決定事項みたい。私は心の中でガッツポーズしてしまう。

 でも恩田さんが我慢ならない、と言った様子でまたも遠慮なく大きな声で反論する。

「し、しかし! せっかく美久は東京での生活に慣れてきたところで、今ここで地元に戻ってしまったら、ホームシックになってしまったり、精神的に不安定になって演技に影響出る可能性が……」

「……恩田社長。あなたが強引な手を使ってまで、この柊美久という新人女優を主演オーディションにねじ込んできた事、私が知らないとでもお思いですか? そして、そこまでして今回の主演オーディションに参加させた女優が、たかが地元に帰った程度で情緒不安定になる? その程度の女優ならこの話は無かった事に……」

「ま、待って下さい! そんな事になったらせっかく主演オーディションに参加させた事が、今までこの子を育ててきた事が全て無駄になってしまう! この映画をキッカケにセンセーショナルにデビューして、今後の芸能活動の礎にしたいという目的が台無しになってしまう! なのに、ここで主演を断られたら……」

「じゃあ、問題ない、という事でよろしいですね?」

 組んだ手を顎に乗せ、念を押すように監督が静かなトーンでそう質問する。恩田さんはその監督の様子を見てギリリと歯噛みしながら物凄く悔しそうな顔をしつつも、黙って頷いた。それを見た監督とプロモーターさんは、今度は二人揃って腕を組み、首をひねって不思議そうな顔をしてる。そりゃそうだ。お二人からすれば何でそこまで否定するのか分からないもの。

 ……というか、恩田さん、そんなに私と武智君を会わせたくないんだ。私、彼氏いたって頑張る事出来るのに。寧ろ武智君がいるから頑張れると思うのに。恩田さんがそんなだから、私だって芸能活動続けたくないって思っちゃうんだけど。

 ……もし、もっと恩田さんが柔軟に受け入れてくれてたら、私だってやってみていい、って思ったかも知れないのになあ。


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