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その八十九
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「あ……」
ヤバい。柊さん、顔がこわばって泣きそうになってる。
なので俺は声をかけようとしたけど、その瞬間、柊さんは振り返って走っていってしまった。不味い。完全に誤解してる。
「ま、待って! 柊さん!」俺は山本をその場に置いたまま、慌てて追いかけていこうとするが、山本が腕を掴み引き止める。
「ちょ、ちょっと武智先輩! こんなとこで私一人にしないで下さいよ!」「悪いけどそんな事言ってる場合じゃない」
山本には悪いが掴まれた腕を無理やり引き剥がしてその場に残し、俺は急いで柊さんの後を追った。
そして必死になって人混みの中、柊さんを追いかける俺。……そうだった。柊さんって運動神経いいんだった。めちゃくちゃ速い。スクランブル交差点を縫うようにどんどん先へ行く。結構大きなバッグ持ってるのに、人々をうまく躱しながら走ってく柊さん。てか、メガネしてんのに全く関係ないんだな。
でも俺も負けてられない。ここで逃してしまったら絶対面倒な事になる。空手部で鍛えた体力舐めんなよ! 俺もうまく体捌きで人々を避けながら柊さんを追いかける。
そして少し走り続けてようやく柊さんに追いつき、腕をガシっと掴む事ができた。
「はあ、はあ……。捕まえた」「はあ、はあ……。は、離して! もう武智君の顔なんか見たくない!」
「と、とりあえず日陰行かない? こんな暑いさなか、全速力で走っちゃったから、熱中症になるかも知れないし」「……」
そう言って俺は一旦柊さんを落ち着かせようと試みる。柊さんは俺の言うとおりだと思ったんだろう、黙ったまま俺と一緒に、ビルの影に移動した。さすがに二人共疲れちゃって、お互い肩で息しながらその場に座り込む。
「きっとでっかい勘違いしてると思うから、弁解させてほしいんだけど」「……」
そう言うと柊さんは一言も喋らず視線を下に落としたまま目を合わせてくれない。でもとりあえず、聞いてくれそうで安心する俺。
「さっきのあいつ、山本って言うんだけど、実は空手部のマネージャーなんだよ」「……マネージャー? 空手部ってマネージャーいなかったよね? どうしてそんな嘘つくの?」
柊さんはそう言いながら俺をキッと睨む。俺は慌てて否定する。
「い、いや嘘じゃないって」「でも空手部ってマネージャーいなかったよね? じゃあ嘘じゃない」
「本当なんだって。あいつが顧問とに相談してそうなったんだって」「そんなの信じられない」
「そ、そんな事言ったって……」事実だもんなぁ。困った。どうしよう。柊さんめっちゃ怒ってる。
そして今度は涙目になりながら、俺に向かい合い詰め寄る柊さん。
「武智君、あの子と一緒にいるとこ、私に見せつけるつもりだったの?」「そんなわけないじゃん」
「じゃあなんで一緒に、ここ東京に来てるの?」「あいつが勝手についてきたんだよ」
「そもそも、武智君が東京に来るって知ってる事もおかしいじゃない」「それもあいつが顧問から聞き出したんだって」
「そんな偶然あり得ない! 信じられない!」
声を荒げる柊さん。そしてすっくと立ち上がり、またも走って逃げようとする。でも俺がすかさず腕を掴む。また逃げられちゃ困る。まだ誤解解けてないし。
「離してよ! もういい! もう武智君なんか知らない!」「頼むから冷静になってくれよ」
「冷静になれるわけ無いでしょ! ……あんな、あんな可愛い子と、武智君が、あんな仲良さそうにしてるとこ見ちゃったら」
そして今度は柊さん、俺に腕を掴まれたままその場にしゃがみこみ、ヒックヒックと嗚咽しだした。
……何で泣いてるんだろ? 何て声をかければいいのか。若干困惑しながら、俺も柊さんの目線に合わせようと、同じくしゃがんだ。
「今、今慣れない東京暮らしで、ヒック、知らない世界で、グズ、そしてようやく、ようやく今日、ヒック、武智君に会えると思って……、凄く凄く楽しみにしてたのに」「……」
「それなのに、ひどいよ……、グス、私一人、ヒック、浮かれてたみたいでバカみたいじゃない」「……」
……そうか。楽しみにしてたのは俺だけじゃなかったな。こんなに俺と会うの楽しみにしてくれてたんだ。
俺は柊さんの涙の理由を理解し、たまらず柊さんをギュッと抱きしめた。
「! は、離してよ! もう武智君なんか知らないんだから!」「いーや、絶対離さない。だって俺だって、柊さんにすっごく会いたくて、今日をずっと楽しみにしてたんだから。そんな言葉聞いちゃったら、もう気持ち抑えられないよ」
日陰とは言え真夏だからとても暑い。それでも俺は容赦なく、辛抱たまらなくなって柊さんを強く抱きしめる。お互いかなり汗かいててベタベタだけど、そんなの構うもんか。
「……ほんと?」「当たり前だよ。俺がどれだけ、柊さんに会いたかったか」
そう言って一旦柊さんから離れて顔を見る。黒縁メガネの奥、まだ涙が溜まってる瞳をじっと見つめる。
「これ、本当は内緒にしようと思ってたけど、実は今日から三日間、空手部は体育館で泊まりで合宿だったんだよ。でも俺は休んでここに来た。顧問には進学のため東京の大学を見て回る、と言ってね」
「で、でも武智君、高校最後の大会が残ってるんじゃ……」「そうだよ。だから本当は合宿に参加しないといけないんだけど、それより俺は、柊さんに会いたかったから」
柊さんは未だ涙がこぼれそうな目で俺をじっと見る。俺は不安げなその顔を見て、分かった? と笑顔を作ってみせる。
「グス、そうだったんだ。……私の早とちり、だったんだ」「ハハ。まあそうだね」
そこで柊さんは俺にペコリと頭を下げ、ごめんなさい、と小さく俺に謝る。俺は苦笑いしながらいいよ、と答える。
「よし。じゃあ改めて、柊さん、こんにちは」「グス、エヘヘ、うん。こんにちは」
何だか変な感じの挨拶を交わし、そのせいもあってようやく柊さんが笑ってくれた。ああ、この笑顔だ。俺がずっと見たかった、会いたかった、黒縁メガネで茶髪ボブだけど、それでも充分魅力的な、柊さんの笑顔。おれもようやく気分が高揚してくる。
「ようやく会えた。あーもう、めっちゃ嬉しいもう抑えらんない」「え?」そしてまた柊さんにぎゅーっとハグしてしまう俺。
「ちょ、ちょっと武智君? いい加減暑いよ」「あ、ごめんごめん。つい」
柊さんに注意され離れる俺。でもちょっと残念だけど。そんな俺の様子を見て柊さんはクスリと笑う。そして、黒縁メガネの奥に残ってた涙を指で拭った。
「勘違いしちゃってごめんね。でも本当びっくりした。まさか武智君が女の子とくっついてるなんて思いもしなかったから」「あ、因みに山本がくっついてたように見えたの、あれあいつが人にぶつかってふらついただけだからね」
そうなんだ、と呟く柊さん。しかし正直驚いた。柊さんがあの様子見ただけで逃げるんだもんな。
「……ショックだった。何だか裏切られたような気持ちになっちゃったし。でもそれで、私って本当に武智君の事……」「ん? 何?」
「ううん、何でも無い。じゃあ改めて遊びに行こうか」「え? うん。そうだね」
ようやく完全に疑いが晴れたようで、柊さんはニッコリ俺に向かって微笑む。だがそこで俺のスマホがバイブした。ポケットから取り出して見てみると……山本だ。あ、そうだった。あいつ放置して走ってきたんだった。
柊さんにちょっと待ってね、と一言伝え電話に出ると、『先輩! 早く戻ってきて下さいよ!』といきなり大声で叫ぶ山本。
「いや放置したのは悪かったけど、そもそも勝手について来たんだろ」『だからといっていきなり走っていく事ないじゃないですか!』
「まあそれは悪かったって。で、更に悪いけど、俺彼女と合流できたからこのまま行くから」『はあ? こんな可愛くてか弱い女の子、東京のど真ん中に置きっぱなしにするんですかぁ? 信じられない!』
「でも一応、彼女の顔は見れたんじゃねーの? なら、山本の目的は達成できたじゃん」『……まあ、そりゃそうですけど』
「悪いけど俺もそんな時間無いんだ。それに再度山本に会って、また彼女に勘違いされちゃ困るから。だから山本はそこから一人で帰ってくれ」『えー? 先輩いつもと違って冷たい』
「……いつもと違ってって。まあとりあえず悪いけどそうしてくれ。子どもじゃないんだし一人で帰れるだろ?」
おれがそう言うとちぇー、と言いながらわかりましたー、と怒り口調で返してきた。まあ元々勝手についてきたんだし、あいつにこれ以上付き合う必要はないし、余り甘い顔してると付け上がりそうだし、ちょうど良かった。
『ところ先輩。彼女さんの名前って……』「え?」
『あ、いや、やっぱいいです。んじゃまた学校で』「あ、ああ」
そう言い残して電話を切る山本。……なんか気になる言い方だったな。
そして電話を切ってふう、と一息つき、改めて柊さんの方を見てみると、何だか怒ってる? どうしたんだろ?
ヤバい。柊さん、顔がこわばって泣きそうになってる。
なので俺は声をかけようとしたけど、その瞬間、柊さんは振り返って走っていってしまった。不味い。完全に誤解してる。
「ま、待って! 柊さん!」俺は山本をその場に置いたまま、慌てて追いかけていこうとするが、山本が腕を掴み引き止める。
「ちょ、ちょっと武智先輩! こんなとこで私一人にしないで下さいよ!」「悪いけどそんな事言ってる場合じゃない」
山本には悪いが掴まれた腕を無理やり引き剥がしてその場に残し、俺は急いで柊さんの後を追った。
そして必死になって人混みの中、柊さんを追いかける俺。……そうだった。柊さんって運動神経いいんだった。めちゃくちゃ速い。スクランブル交差点を縫うようにどんどん先へ行く。結構大きなバッグ持ってるのに、人々をうまく躱しながら走ってく柊さん。てか、メガネしてんのに全く関係ないんだな。
でも俺も負けてられない。ここで逃してしまったら絶対面倒な事になる。空手部で鍛えた体力舐めんなよ! 俺もうまく体捌きで人々を避けながら柊さんを追いかける。
そして少し走り続けてようやく柊さんに追いつき、腕をガシっと掴む事ができた。
「はあ、はあ……。捕まえた」「はあ、はあ……。は、離して! もう武智君の顔なんか見たくない!」
「と、とりあえず日陰行かない? こんな暑いさなか、全速力で走っちゃったから、熱中症になるかも知れないし」「……」
そう言って俺は一旦柊さんを落ち着かせようと試みる。柊さんは俺の言うとおりだと思ったんだろう、黙ったまま俺と一緒に、ビルの影に移動した。さすがに二人共疲れちゃって、お互い肩で息しながらその場に座り込む。
「きっとでっかい勘違いしてると思うから、弁解させてほしいんだけど」「……」
そう言うと柊さんは一言も喋らず視線を下に落としたまま目を合わせてくれない。でもとりあえず、聞いてくれそうで安心する俺。
「さっきのあいつ、山本って言うんだけど、実は空手部のマネージャーなんだよ」「……マネージャー? 空手部ってマネージャーいなかったよね? どうしてそんな嘘つくの?」
柊さんはそう言いながら俺をキッと睨む。俺は慌てて否定する。
「い、いや嘘じゃないって」「でも空手部ってマネージャーいなかったよね? じゃあ嘘じゃない」
「本当なんだって。あいつが顧問とに相談してそうなったんだって」「そんなの信じられない」
「そ、そんな事言ったって……」事実だもんなぁ。困った。どうしよう。柊さんめっちゃ怒ってる。
そして今度は涙目になりながら、俺に向かい合い詰め寄る柊さん。
「武智君、あの子と一緒にいるとこ、私に見せつけるつもりだったの?」「そんなわけないじゃん」
「じゃあなんで一緒に、ここ東京に来てるの?」「あいつが勝手についてきたんだよ」
「そもそも、武智君が東京に来るって知ってる事もおかしいじゃない」「それもあいつが顧問から聞き出したんだって」
「そんな偶然あり得ない! 信じられない!」
声を荒げる柊さん。そしてすっくと立ち上がり、またも走って逃げようとする。でも俺がすかさず腕を掴む。また逃げられちゃ困る。まだ誤解解けてないし。
「離してよ! もういい! もう武智君なんか知らない!」「頼むから冷静になってくれよ」
「冷静になれるわけ無いでしょ! ……あんな、あんな可愛い子と、武智君が、あんな仲良さそうにしてるとこ見ちゃったら」
そして今度は柊さん、俺に腕を掴まれたままその場にしゃがみこみ、ヒックヒックと嗚咽しだした。
……何で泣いてるんだろ? 何て声をかければいいのか。若干困惑しながら、俺も柊さんの目線に合わせようと、同じくしゃがんだ。
「今、今慣れない東京暮らしで、ヒック、知らない世界で、グズ、そしてようやく、ようやく今日、ヒック、武智君に会えると思って……、凄く凄く楽しみにしてたのに」「……」
「それなのに、ひどいよ……、グス、私一人、ヒック、浮かれてたみたいでバカみたいじゃない」「……」
……そうか。楽しみにしてたのは俺だけじゃなかったな。こんなに俺と会うの楽しみにしてくれてたんだ。
俺は柊さんの涙の理由を理解し、たまらず柊さんをギュッと抱きしめた。
「! は、離してよ! もう武智君なんか知らないんだから!」「いーや、絶対離さない。だって俺だって、柊さんにすっごく会いたくて、今日をずっと楽しみにしてたんだから。そんな言葉聞いちゃったら、もう気持ち抑えられないよ」
日陰とは言え真夏だからとても暑い。それでも俺は容赦なく、辛抱たまらなくなって柊さんを強く抱きしめる。お互いかなり汗かいててベタベタだけど、そんなの構うもんか。
「……ほんと?」「当たり前だよ。俺がどれだけ、柊さんに会いたかったか」
そう言って一旦柊さんから離れて顔を見る。黒縁メガネの奥、まだ涙が溜まってる瞳をじっと見つめる。
「これ、本当は内緒にしようと思ってたけど、実は今日から三日間、空手部は体育館で泊まりで合宿だったんだよ。でも俺は休んでここに来た。顧問には進学のため東京の大学を見て回る、と言ってね」
「で、でも武智君、高校最後の大会が残ってるんじゃ……」「そうだよ。だから本当は合宿に参加しないといけないんだけど、それより俺は、柊さんに会いたかったから」
柊さんは未だ涙がこぼれそうな目で俺をじっと見る。俺は不安げなその顔を見て、分かった? と笑顔を作ってみせる。
「グス、そうだったんだ。……私の早とちり、だったんだ」「ハハ。まあそうだね」
そこで柊さんは俺にペコリと頭を下げ、ごめんなさい、と小さく俺に謝る。俺は苦笑いしながらいいよ、と答える。
「よし。じゃあ改めて、柊さん、こんにちは」「グス、エヘヘ、うん。こんにちは」
何だか変な感じの挨拶を交わし、そのせいもあってようやく柊さんが笑ってくれた。ああ、この笑顔だ。俺がずっと見たかった、会いたかった、黒縁メガネで茶髪ボブだけど、それでも充分魅力的な、柊さんの笑顔。おれもようやく気分が高揚してくる。
「ようやく会えた。あーもう、めっちゃ嬉しいもう抑えらんない」「え?」そしてまた柊さんにぎゅーっとハグしてしまう俺。
「ちょ、ちょっと武智君? いい加減暑いよ」「あ、ごめんごめん。つい」
柊さんに注意され離れる俺。でもちょっと残念だけど。そんな俺の様子を見て柊さんはクスリと笑う。そして、黒縁メガネの奥に残ってた涙を指で拭った。
「勘違いしちゃってごめんね。でも本当びっくりした。まさか武智君が女の子とくっついてるなんて思いもしなかったから」「あ、因みに山本がくっついてたように見えたの、あれあいつが人にぶつかってふらついただけだからね」
そうなんだ、と呟く柊さん。しかし正直驚いた。柊さんがあの様子見ただけで逃げるんだもんな。
「……ショックだった。何だか裏切られたような気持ちになっちゃったし。でもそれで、私って本当に武智君の事……」「ん? 何?」
「ううん、何でも無い。じゃあ改めて遊びに行こうか」「え? うん。そうだね」
ようやく完全に疑いが晴れたようで、柊さんはニッコリ俺に向かって微笑む。だがそこで俺のスマホがバイブした。ポケットから取り出して見てみると……山本だ。あ、そうだった。あいつ放置して走ってきたんだった。
柊さんにちょっと待ってね、と一言伝え電話に出ると、『先輩! 早く戻ってきて下さいよ!』といきなり大声で叫ぶ山本。
「いや放置したのは悪かったけど、そもそも勝手について来たんだろ」『だからといっていきなり走っていく事ないじゃないですか!』
「まあそれは悪かったって。で、更に悪いけど、俺彼女と合流できたからこのまま行くから」『はあ? こんな可愛くてか弱い女の子、東京のど真ん中に置きっぱなしにするんですかぁ? 信じられない!』
「でも一応、彼女の顔は見れたんじゃねーの? なら、山本の目的は達成できたじゃん」『……まあ、そりゃそうですけど』
「悪いけど俺もそんな時間無いんだ。それに再度山本に会って、また彼女に勘違いされちゃ困るから。だから山本はそこから一人で帰ってくれ」『えー? 先輩いつもと違って冷たい』
「……いつもと違ってって。まあとりあえず悪いけどそうしてくれ。子どもじゃないんだし一人で帰れるだろ?」
おれがそう言うとちぇー、と言いながらわかりましたー、と怒り口調で返してきた。まあ元々勝手についてきたんだし、あいつにこれ以上付き合う必要はないし、余り甘い顔してると付け上がりそうだし、ちょうど良かった。
『ところ先輩。彼女さんの名前って……』「え?」
『あ、いや、やっぱいいです。んじゃまた学校で』「あ、ああ」
そう言い残して電話を切る山本。……なんか気になる言い方だったな。
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