81 / 130
その八十一
しおりを挟む
※※※
「はあ。ただいまー」「お帰りー」
柊さんと感動的な別れをしたつもりだったのに、見知らぬ超絶美少女に茶々入れられテンションが下がったまま、俺は母さんの声が聞こえてきたリビングに入っていく。そして冷蔵庫を開け麦茶をコップに注いで一気飲み。とりあえずふう、と一息つきながら、食卓の椅子に座った。
……しかし今日、本当色んな事あったな。
水族館デートは確かに楽しかったんだけど、その後が、なあ。……まさかあんな事になるなんてなあ。
また夜にでも柊さんに電話してみよう。心配だからね。恩田社長が柊さんと俺との事、柊さんの親に言ってるかどうかも気になるし。
「そういやさっき、佐知から家に連絡あって、やっぱりお盆の間こっち帰ってくるって」
俺がそういう事を何の気なしに考えてると、エプロンで手を拭きながら母さんが話しかけてきた。そっか、結局姉貴帰ってくるのか。まあ事前に俺が行く事も伝えてるから大丈夫だろう。
「じゃあ俺、入れ替わりで姉貴んとこ行く事になるかな」「そうね……。というか、本当に行くのね」
「ま、まあね」そう言われて途端に何だか恥ずかしくなってしまう俺。だって彼女に会うために、わざわざ姉貴のいる東京に行くんだもんな。
「でも大丈夫なの? 柊さんもうCMデビューしちゃってるし、もう一端の芸能人じゃないの。私達みたいな一般市民が会えるの?」
「……」そうなんだよなあ。更に柊さん、仕事がすでに決まってるって言ってたから、もう芸能人って事だよなあ。俺みたいな一般人とはかけ離れた環境にいるんだよなあ。……そう考えたら、東京行っても会えるのかなあ? って、今更不安になってしまう。柊さんは時間作るって言ってくれてたけど。
「ま、あれこれ悩んでも仕方ないかもね。そうやって行動できるのは若いうちだけだし、とりあえず頑張ってらっしゃい!」そう言いながら俺の背中をバーンと叩く母さん。「痛ってーなあ!」と俺は文句を言いつつも、母さんの思いやりに感謝した。
※※※
「うげえーーー!!」『どうした? 玲奈』
「え、い、いや、なんでもない……です。はい」『なんでも無い反応じゃないだろ?』
「い、いや、ちょっと泊まってるホテルのベッドの下から虫が出てきちゃって……」「『そうか』
そうやってあたふたしながらごまかしつつ、日向さんに返事する私。
結局今日、ここK市内にあるビジネスホテルでお泊りする事にしちゃった。日向さんから連絡貰った後、居ても立っても居られなくなった私は、すぐさま家から飛び出しちゃった。でも考えたら出かける時には既に夕方だったんだよね。なので今はもう夜六時過ぎ。夏だからまだ明るいけど、これからどっか行くにもさすがに遅すぎるし。だから今日はホテルに泊まって、明日ゆっくり散策しようかと。
で、日向さんにその事電話で伝えたら、新しい住まい決まったら住所変更の手続きとか教えてくれてるついでに、武智先輩の写真送ってきたんだけど……。まさか今日出会ったあのナンパ野郎だったとは。駅前で彼女と別れて女々しく泣いてたくせに、その後すぐに、私をナンパしようとしたクソ野郎だ。なんて偶然。
「ていうか、日向さんが送ってくれた写真の武智悠斗先輩? 普通の人ですね」『そうか?』
「ま、とにかく日向さん。この写真の人がターゲットなんですよね?」『そうだな。出来そうか?』
「まあ何とかなるっしょ!」『無茶はするなよ。体売ったりなんて事も』
「しませんよ! そういうの通じるのっておじさんくらいだろうし」『まあ、そうかもな』
つーか正直こいつ嫌いだし。体売るとか思いもしないし。日向さんには何とかなるって言っちゃったけど、あんま気がすすまないなあ……。
あーあ、武智先輩があんな最低野郎じゃなかったら恋ってやつ出来たかも……。なーんてちょっとは期待したのになあ。まあでも、彼氏は別に見つけりゃいっか。それにこの街思ったよりいい感じだし、さほど田舎じゃないし、引っ越して暮らすには問題ないかな? それに久々の学校が超楽しみ!
……でも、お母さんと暮らしてた家もあるあの街から離れる事になっちゃうなあ。それは寂しいけど仕方ない、か。
そういや、私が出ていってから結構経つのに、お母さん、全く連絡くれない。それに多分、捜索願いとかも出してないみたい。私から何度か携帯に電話したけど、一度も出なかったし、メールやlineもしてみたのに。
……私、要らない子だったのかなあ?
『どうした? 急に黙って』「いや、ちょっと考え事。とりあえず、八月の夏休み中に学校行って、校長先生に挨拶したり編入の手続きしたりすればいいんですよね?」
『そうだ。すでに校長先生には話通してある』「仕事早いですねー」
『そういうおべんちゃらはいい。引っ越しの手続きや新居もすぐ手配出来るだろうから。他に何かあったら連絡くれ』「はーい」
そして電話を切った。……てか、どうしてここまでするんだろ? 考えたらそんな急な学校の編入だって簡単じゃないよね? ツテがあるとしても。引っ越しだってお金かかる事なのに。何でこんなに親身になってくれんだろ? ……もしかして日向さん、私に惚れてる? ……あるかもねー。私相当可愛いからねー。そういや日向さんって歳いくつなんだろ?
「ま、あんな年上より同年代の方が青春っぽくていいっしょ! 学校楽しみ!」
そう独り言を言いながら、私は泊まってるホテルのベッドにバーンとダイブした。
※※※
『両親の事は大丈夫。今日は元々明歩と遊びに行くって約束して、家にまで来て一緒に出ていったのお母さん見てたし、帰ってからも特に何も言われなかったよ。恩田さんも今日は家に来てないし、連絡もしてないみたいだったから』「そっか。じゃあ一安心かな?」
そうだね、と返事する柊さん。その一言に、どこかホッとしたような雰囲気を感じた。そりゃ親に俺達の事バレて余計揉めるのも嫌だもんね。それにもうすぐ東京に行くんだし、このまま知られずに済むならそれがいいだろうし。
「今週末、か。本当は見送りしたかったんだけどな」『ありがとう。でもさすがに無理だよ。家の前から車でそのまま東京に向かうから』
そりゃそうだよな。見送りはやっぱ出来ないか。残念だ。そしてもう、その時は迫ってる。俺も東京に行く予定だけど……。
『エヘヘ。寂しい。さっきまで一緒だったのにもう会いたいな』「それ、俺も思ってた」
『ほんと?』「うん。でも、柊さんみたいに素直に言える自信無かったけどね」
『……』「ん? どうしたの? 急に黙って」
『言って欲しい』「え?」
何を……だろう? 寂しいって言葉かな?
『私の事、どう思ってるか』「え」
違った。……それは、まあ、何というか、恥ずかしい、というか……。
「そ、そりゃ、そ、その……知ってるじゃん」『知ってるかどうかじゃない。言葉として聞きたい』
そして電話口で黙って待ってる柊さん。……まあ、何て言えばいいか分かるけどさ。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。でもここで言わないと、さすがに男がすたる、か。
「柊さん、そ、その、好き、です。はい」『アハハハ! ドモり過ぎ!』
俺が照れながら言うと電話口で大笑いする柊さん。何だよ、結構勇気いったんだぞ!
『私も、武智君好きだよ』「えー、……サラッと言われた。俺結構勇気振り絞ったのに」
『ふふ。これでもかなり恥ずかしいけどね』「そして言われる方も照れるね」
そうだね、と電話口でクスクス笑う柊さん。
『でも嬉しい。これがカップルってやつなんだね』「そ、そうなのかな? 俺も初体験だからよく分かんないけど」
『本当はもっと、武智君と色んなところ、二人で行きたいなあ。だから、東京来た時は絶対会うからね』「ああ。でも無理しないで」
『いーや! 無理するんだから! 何なら仮病も使う! 学校は無遅刻無欠席だったけど』「アハハ。そこまで言ってくれると俺も嬉しい」
『あ、そろそろ時間だ。明日用意とかあるから、もう電話切るね』「え? あ、そっか。そうだね。うん、また連絡する」
そしてお休み、と挨拶して電話を切った。
その途端、俺は夜遅い部屋の静けさを一層強く感じた。
柊さん、あそこまで会いたいって言ってくれるんだな。好きな子がああ言ってくれる事がとても嬉しい。そう思うと何だかすごく胸が熱くなってきた。嬉しいという気持ちがどんどんほとばしるような、溢れてくるような不思議な感覚。俺も収まりがつかないくらい、柊さんを欲してきた。独占欲にも近いこの気持ち。
ヤバいな。俺、どんどん柊さんにハマりそうだ。これからしばらく会えないのに。彼女になったらなったで、こんなに気持ちが高ぶるんだな。知らなかった。
でも、いくら柊さんを欲しても会えない。それは仕方ない。分かってるんだけど……。
「あー、柊さんに会いたいなあ」だからつい、ベッドで仰向けのまま、天井を見つめ口から想いが溢れてしまった。
「はあ。ただいまー」「お帰りー」
柊さんと感動的な別れをしたつもりだったのに、見知らぬ超絶美少女に茶々入れられテンションが下がったまま、俺は母さんの声が聞こえてきたリビングに入っていく。そして冷蔵庫を開け麦茶をコップに注いで一気飲み。とりあえずふう、と一息つきながら、食卓の椅子に座った。
……しかし今日、本当色んな事あったな。
水族館デートは確かに楽しかったんだけど、その後が、なあ。……まさかあんな事になるなんてなあ。
また夜にでも柊さんに電話してみよう。心配だからね。恩田社長が柊さんと俺との事、柊さんの親に言ってるかどうかも気になるし。
「そういやさっき、佐知から家に連絡あって、やっぱりお盆の間こっち帰ってくるって」
俺がそういう事を何の気なしに考えてると、エプロンで手を拭きながら母さんが話しかけてきた。そっか、結局姉貴帰ってくるのか。まあ事前に俺が行く事も伝えてるから大丈夫だろう。
「じゃあ俺、入れ替わりで姉貴んとこ行く事になるかな」「そうね……。というか、本当に行くのね」
「ま、まあね」そう言われて途端に何だか恥ずかしくなってしまう俺。だって彼女に会うために、わざわざ姉貴のいる東京に行くんだもんな。
「でも大丈夫なの? 柊さんもうCMデビューしちゃってるし、もう一端の芸能人じゃないの。私達みたいな一般市民が会えるの?」
「……」そうなんだよなあ。更に柊さん、仕事がすでに決まってるって言ってたから、もう芸能人って事だよなあ。俺みたいな一般人とはかけ離れた環境にいるんだよなあ。……そう考えたら、東京行っても会えるのかなあ? って、今更不安になってしまう。柊さんは時間作るって言ってくれてたけど。
「ま、あれこれ悩んでも仕方ないかもね。そうやって行動できるのは若いうちだけだし、とりあえず頑張ってらっしゃい!」そう言いながら俺の背中をバーンと叩く母さん。「痛ってーなあ!」と俺は文句を言いつつも、母さんの思いやりに感謝した。
※※※
「うげえーーー!!」『どうした? 玲奈』
「え、い、いや、なんでもない……です。はい」『なんでも無い反応じゃないだろ?』
「い、いや、ちょっと泊まってるホテルのベッドの下から虫が出てきちゃって……」「『そうか』
そうやってあたふたしながらごまかしつつ、日向さんに返事する私。
結局今日、ここK市内にあるビジネスホテルでお泊りする事にしちゃった。日向さんから連絡貰った後、居ても立っても居られなくなった私は、すぐさま家から飛び出しちゃった。でも考えたら出かける時には既に夕方だったんだよね。なので今はもう夜六時過ぎ。夏だからまだ明るいけど、これからどっか行くにもさすがに遅すぎるし。だから今日はホテルに泊まって、明日ゆっくり散策しようかと。
で、日向さんにその事電話で伝えたら、新しい住まい決まったら住所変更の手続きとか教えてくれてるついでに、武智先輩の写真送ってきたんだけど……。まさか今日出会ったあのナンパ野郎だったとは。駅前で彼女と別れて女々しく泣いてたくせに、その後すぐに、私をナンパしようとしたクソ野郎だ。なんて偶然。
「ていうか、日向さんが送ってくれた写真の武智悠斗先輩? 普通の人ですね」『そうか?』
「ま、とにかく日向さん。この写真の人がターゲットなんですよね?」『そうだな。出来そうか?』
「まあ何とかなるっしょ!」『無茶はするなよ。体売ったりなんて事も』
「しませんよ! そういうの通じるのっておじさんくらいだろうし」『まあ、そうかもな』
つーか正直こいつ嫌いだし。体売るとか思いもしないし。日向さんには何とかなるって言っちゃったけど、あんま気がすすまないなあ……。
あーあ、武智先輩があんな最低野郎じゃなかったら恋ってやつ出来たかも……。なーんてちょっとは期待したのになあ。まあでも、彼氏は別に見つけりゃいっか。それにこの街思ったよりいい感じだし、さほど田舎じゃないし、引っ越して暮らすには問題ないかな? それに久々の学校が超楽しみ!
……でも、お母さんと暮らしてた家もあるあの街から離れる事になっちゃうなあ。それは寂しいけど仕方ない、か。
そういや、私が出ていってから結構経つのに、お母さん、全く連絡くれない。それに多分、捜索願いとかも出してないみたい。私から何度か携帯に電話したけど、一度も出なかったし、メールやlineもしてみたのに。
……私、要らない子だったのかなあ?
『どうした? 急に黙って』「いや、ちょっと考え事。とりあえず、八月の夏休み中に学校行って、校長先生に挨拶したり編入の手続きしたりすればいいんですよね?」
『そうだ。すでに校長先生には話通してある』「仕事早いですねー」
『そういうおべんちゃらはいい。引っ越しの手続きや新居もすぐ手配出来るだろうから。他に何かあったら連絡くれ』「はーい」
そして電話を切った。……てか、どうしてここまでするんだろ? 考えたらそんな急な学校の編入だって簡単じゃないよね? ツテがあるとしても。引っ越しだってお金かかる事なのに。何でこんなに親身になってくれんだろ? ……もしかして日向さん、私に惚れてる? ……あるかもねー。私相当可愛いからねー。そういや日向さんって歳いくつなんだろ?
「ま、あんな年上より同年代の方が青春っぽくていいっしょ! 学校楽しみ!」
そう独り言を言いながら、私は泊まってるホテルのベッドにバーンとダイブした。
※※※
『両親の事は大丈夫。今日は元々明歩と遊びに行くって約束して、家にまで来て一緒に出ていったのお母さん見てたし、帰ってからも特に何も言われなかったよ。恩田さんも今日は家に来てないし、連絡もしてないみたいだったから』「そっか。じゃあ一安心かな?」
そうだね、と返事する柊さん。その一言に、どこかホッとしたような雰囲気を感じた。そりゃ親に俺達の事バレて余計揉めるのも嫌だもんね。それにもうすぐ東京に行くんだし、このまま知られずに済むならそれがいいだろうし。
「今週末、か。本当は見送りしたかったんだけどな」『ありがとう。でもさすがに無理だよ。家の前から車でそのまま東京に向かうから』
そりゃそうだよな。見送りはやっぱ出来ないか。残念だ。そしてもう、その時は迫ってる。俺も東京に行く予定だけど……。
『エヘヘ。寂しい。さっきまで一緒だったのにもう会いたいな』「それ、俺も思ってた」
『ほんと?』「うん。でも、柊さんみたいに素直に言える自信無かったけどね」
『……』「ん? どうしたの? 急に黙って」
『言って欲しい』「え?」
何を……だろう? 寂しいって言葉かな?
『私の事、どう思ってるか』「え」
違った。……それは、まあ、何というか、恥ずかしい、というか……。
「そ、そりゃ、そ、その……知ってるじゃん」『知ってるかどうかじゃない。言葉として聞きたい』
そして電話口で黙って待ってる柊さん。……まあ、何て言えばいいか分かるけどさ。めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。でもここで言わないと、さすがに男がすたる、か。
「柊さん、そ、その、好き、です。はい」『アハハハ! ドモり過ぎ!』
俺が照れながら言うと電話口で大笑いする柊さん。何だよ、結構勇気いったんだぞ!
『私も、武智君好きだよ』「えー、……サラッと言われた。俺結構勇気振り絞ったのに」
『ふふ。これでもかなり恥ずかしいけどね』「そして言われる方も照れるね」
そうだね、と電話口でクスクス笑う柊さん。
『でも嬉しい。これがカップルってやつなんだね』「そ、そうなのかな? 俺も初体験だからよく分かんないけど」
『本当はもっと、武智君と色んなところ、二人で行きたいなあ。だから、東京来た時は絶対会うからね』「ああ。でも無理しないで」
『いーや! 無理するんだから! 何なら仮病も使う! 学校は無遅刻無欠席だったけど』「アハハ。そこまで言ってくれると俺も嬉しい」
『あ、そろそろ時間だ。明日用意とかあるから、もう電話切るね』「え? あ、そっか。そうだね。うん、また連絡する」
そしてお休み、と挨拶して電話を切った。
その途端、俺は夜遅い部屋の静けさを一層強く感じた。
柊さん、あそこまで会いたいって言ってくれるんだな。好きな子がああ言ってくれる事がとても嬉しい。そう思うと何だかすごく胸が熱くなってきた。嬉しいという気持ちがどんどんほとばしるような、溢れてくるような不思議な感覚。俺も収まりがつかないくらい、柊さんを欲してきた。独占欲にも近いこの気持ち。
ヤバいな。俺、どんどん柊さんにハマりそうだ。これからしばらく会えないのに。彼女になったらなったで、こんなに気持ちが高ぶるんだな。知らなかった。
でも、いくら柊さんを欲しても会えない。それは仕方ない。分かってるんだけど……。
「あー、柊さんに会いたいなあ」だからつい、ベッドで仰向けのまま、天井を見つめ口から想いが溢れてしまった。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
約束へと続くストローク
葛城騰成
青春
競泳のオリンピック選手を目指している双子の幼馴染に誘われてスイミングスクールに通うようになった少女、金井紗希(かないさき)は、小学五年生になったある日、二人が転校してしまうことを知る。紗希は転校当日に双子の兄である橘柊一(たちばなしゅういち)に告白して両想いになった。
凄い選手になって紗希を迎えに来ることを誓った柊一と、柊一より先に凄い選手になって柊一を迎えに行くことを誓った紗希。その約束を胸に、二人は文通をして励まし合いながら、日々を過ごしていく。
時が経ち、水泳の名門校である立清学園(りっせいがくえん)に入学して高校生になった紗希は、女子100m自由形でインターハイで優勝することを決意する。
長年勝つことができないライバル、湾内璃子(わんないりこ)や、平泳ぎを得意とする中條彩乃(なかじょうあやの)、柊一と同じ学校に通う兄を持つ三島夕(みしまゆう)など、多くの仲間たちと関わる中で、紗希は選手としても人間としても成長していく。
絶好調かに思えたある日、紗希の下に「紗希と話がしたい」と書かれた柊一からの手紙が届く。柊一はかつて交わした約束を忘れてしまったのか? 数年ぶりの再会を果たした時、運命の歯車が大きく動き出す。
※表示画像は、SKIMAを通じて知様に描いていただきました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる