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その五十一
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※※※
どうしよう。私今凄く嬉しくて、さっきからずっと、トクン、トクン、と心臓のリズムが心の中に響いてるのが聞こえてくる。
想いを伝えた。ただそれだけなのに。……いや、違うよね。それだけじゃない。武智君と二回もキスを……。
考えただけで頭が茹で上がりそうなほど恥ずかしい。顔もさっきから熱い。でも、嬉しい。
だって、本当は想いを伝える気はなかったから。私、柊美久の気持ちはずっと、武智君には内緒にしてるつもりだったから。
だけど、もう無理だったみたい。そりゃだって、一年半くらい想いを募らせていたんだから。疋田美里の時は結構な間、一緒にいたんだし。だから仕方ないよね。
やっぱり私って弱いなあ。迷惑かけちゃうの分かってたのに。、それでも、(迷惑かけてもいい)って言ってくれた、武智君の言葉に背中を押された。甘えちゃった。
若干の後悔はある。でももう、伝えてしまったものはどうしようもない。
……武智君、さっきからずっと嬉しそう。その笑顔を見て、私も何だか嬉しくなって、同じく笑顔になってしまう。
疋田美里のまま、ごめんなさいして、さよなら出来なかった事はきっと、意味がある。今は何となくだけどそう思う。
……運命、なのかな?
「柊さんめっちゃ可愛い。また惚れた」
武智君が顔真っ赤にして照れながら、そんな恥ずかしい事を言う。……でも、それ聞いて喜んじゃってる私も同類かな。
「面と向かってそういう事言う? ……調子乗ってるでしょ?」
でも、私は何とか喜んでるのを隠すよう取り繕う。やっぱりまだ恥ずかしいもん。
「だってもう遠慮する事ないからね」「……ふーん。疋田美里はもういいのかなあ?」
「そこでそういう意地悪言うんだ」「フフフ。さっきのお返し」
顔は熱いままでも笑いながら、武智君に返事する私。武智君も同じくアハハと笑った。
そっか。これが恋が成就するって事なんだ。初めての経験。初めての、高揚した気持ち。好きな人が好きだと言ってくれる喜び。
こんなのもう、抗えないよ。
遠慮なくニコニコしながら、ずっと私を見ている武智君。……さすがに恥ずかしくなってきたので、コホン、と咳払いしながら、私は話し始める。
「武智君にね、ずっと嫌われ演技をしてたのは、私も武智君が、その、えっと、好き、だったから……なの」と、やっぱり恥ずかしくなっちゃって、途中途切れ途切れになる私。
「そう言ってくれるのはめっちゃ嬉しいけど、それが何で、嫌われ演技と繋がるの?」そこでずっとニコニコしていた武智君が真顔になる。私もようやく、高揚した気持ちが少し落ち着いて、説明を続ける。
「恩田さん……、芸能事務所の社長が、私の気持ちに気づいてしまって、武智君に嫌われるよう指示したの。これから芸能界でやっていく新人が、色恋沙汰で余計なスキャンダルを抱えていたら面倒になるからって。だから、私が武智君を嫌うようにすれば、武智君自身私を良く思わなくなるし、私もそのうち、好意を無くすだろうって。更に演技の勉強にもなる、とか」
「……そういう事だったのか」
「でもね……。疋田美里として、既に武智君と付き合いがあったから、逆に私の気持ちがどんどん大きくなっちゃって。そしてある日、つい明歩に、武智君の事が好きだって言っちゃったんだ。そこから、あのお昼の関係になったの」
「……あのさ、柊さん。俺の事、そんな前から、あの、好きだったの?」「エヘヘ。そうでした」
つい、いたずらっぽく笑いながらペロっと舌を出して恥ずかしさを紛らわす私。……何故か武智君、そんな私を見て顔真っ赤にしてるけど。とにかく、気にせず話を続けよう。
「その時私は、明歩に疋田美里が私だとは教えてなかったけど、つい私がポロッと武智君への気持ちを言っちゃったから、行動派の明歩が半ば強引に屋上に、三浦君を使って武智君を連れて来たってわけ。私のためにね」
「何だか複雑な状況だったんだね」「複雑というか……。私の気持ちがもう、耐えきれなくなってた。それが大きな理由」
「気持ちって?」「……武智君への、気持ち」
「え?」「疋田美里の時、暴漢から私を助けてくれた時からずっと。実は武智君が空手してる様子とか、こっそり学校の道場に見に行ってたし」
「マジで?」」「うん。マジだよ」
「だから、一緒にバイトしてたのも一緒に帰るのも凄く楽しかった。遊園地、明歩と三浦君と行ったのも、武智君と二人で映画館に行ったのも。柊美久として、お昼屋上で二人っきりで色々話したのも、空手の大会を観に行ったのも。保健室の事は怖かったけど、助けに来てくれて本当に嬉しかった。校長室で二人で話した事も、全部、私にとってはいい思い出なの」
そこで急に、武智君が私を抱きしめる。「ど、どうしたの?」びっくりした私が聞くと、武智君はますます腕に力を入れて、ぎゅーっとした。
「ちょ、ちょっと痛い」「あ、ご、ごめん。もう抑えられなくて」
そして真剣な眼差しで私を見つめる。
「ヤバい。もう、もうヤバ過ぎる。柊さんがそんな事言うから、もう俺、俺」「た、武智君?」
「……俺の彼女になってくれ」「……え?」
「いいだろ? だって両思いなんだから。そんなに俺の事想っててくれてて、俺ももう、柊さんの事がヤバいくらいに好きになってるし」「……」
だけど私は、武智君のその言葉に即答できなかった。
※※※
「美久うまく話せたかなあー」
さっき雄介と二人で花火を見るため河川敷の土手まで行って、その後夜店通りまで戻ってきたのはいいけど、雄介とはぐれちゃったから、今は一人、人混みの中雄介を探してるアタシ。でも中々見つからない。何度も携帯に連絡してんだけど出ない。つーか、雄介から連絡ないのもおかしくね?
で、人混みを掻き分け雄介を探しながらも、美久がきちんと本当の事をたけっちーに話せたかどうか気になってるアタシ。きっともう、今日しかチャンスない。で、きっと美久の事だから、遠慮して自分から身を引いて、さよならしそう。
だから、たけっちーを見かけた時、必死になって伝えたんだけど、伝わったかなー? 伝わってたらいいなー。で、もう付き合っちゃえばいいんだけどなー。……美久が迷いそうだけど。
前に美久ん家に行った時、部屋に入らせて貰ったら、茶髪のウイッグと眼鏡、更に見た事ない女子生徒用ブレザーが、ハンガーにかかってるのを見つけて、疋田美里さんが、実は美久だったって分かった。そこで美久から、色んな事を聞いたんだよね。
たけっちーが疋田さんを好きだって事も気づいてたって。そりゃあんだけあからさまなら分かるか。
……でも美久、たけっちーの事好きなのに、疋田さんを好きだって分かってるからこそ悩んでた。そして、自分の将来を考えたら、たけっちーへ自分の気持ちを伝えちゃいけないって思っちゃうだろうなあ。
だからたけっちーに賭けたんだ。今日、たけっちーに会えて本当良かったよ。
そんな事考えながら、もう既に何度も電話してるスマホを取り出し、もっかい雄介に電話しようとしたところで、いきなり腕を掴まれた。「キャ! な、何?」驚いて掴んだ奴の顔を見る。……誰よ?
「おー、偶然! 俺ら赤い糸で繋がってんじゃね?」「へ?」
「ほらほら、君の学校帰りにさあ、俺ら声かけたじゃん」「……え?」
人混みから少し外れた夜店の裏辺りにアタシを引っ張る。急な事で抵抗できなかった。しかもそこには、更に二人いて、ニヤニヤアタシを見てる。
思い出した。ヤバい。こいつら、アタシがバイトの面接行こうとした時に、絡んできた大学生風の奴らだ。
どうしよう。私今凄く嬉しくて、さっきからずっと、トクン、トクン、と心臓のリズムが心の中に響いてるのが聞こえてくる。
想いを伝えた。ただそれだけなのに。……いや、違うよね。それだけじゃない。武智君と二回もキスを……。
考えただけで頭が茹で上がりそうなほど恥ずかしい。顔もさっきから熱い。でも、嬉しい。
だって、本当は想いを伝える気はなかったから。私、柊美久の気持ちはずっと、武智君には内緒にしてるつもりだったから。
だけど、もう無理だったみたい。そりゃだって、一年半くらい想いを募らせていたんだから。疋田美里の時は結構な間、一緒にいたんだし。だから仕方ないよね。
やっぱり私って弱いなあ。迷惑かけちゃうの分かってたのに。、それでも、(迷惑かけてもいい)って言ってくれた、武智君の言葉に背中を押された。甘えちゃった。
若干の後悔はある。でももう、伝えてしまったものはどうしようもない。
……武智君、さっきからずっと嬉しそう。その笑顔を見て、私も何だか嬉しくなって、同じく笑顔になってしまう。
疋田美里のまま、ごめんなさいして、さよなら出来なかった事はきっと、意味がある。今は何となくだけどそう思う。
……運命、なのかな?
「柊さんめっちゃ可愛い。また惚れた」
武智君が顔真っ赤にして照れながら、そんな恥ずかしい事を言う。……でも、それ聞いて喜んじゃってる私も同類かな。
「面と向かってそういう事言う? ……調子乗ってるでしょ?」
でも、私は何とか喜んでるのを隠すよう取り繕う。やっぱりまだ恥ずかしいもん。
「だってもう遠慮する事ないからね」「……ふーん。疋田美里はもういいのかなあ?」
「そこでそういう意地悪言うんだ」「フフフ。さっきのお返し」
顔は熱いままでも笑いながら、武智君に返事する私。武智君も同じくアハハと笑った。
そっか。これが恋が成就するって事なんだ。初めての経験。初めての、高揚した気持ち。好きな人が好きだと言ってくれる喜び。
こんなのもう、抗えないよ。
遠慮なくニコニコしながら、ずっと私を見ている武智君。……さすがに恥ずかしくなってきたので、コホン、と咳払いしながら、私は話し始める。
「武智君にね、ずっと嫌われ演技をしてたのは、私も武智君が、その、えっと、好き、だったから……なの」と、やっぱり恥ずかしくなっちゃって、途中途切れ途切れになる私。
「そう言ってくれるのはめっちゃ嬉しいけど、それが何で、嫌われ演技と繋がるの?」そこでずっとニコニコしていた武智君が真顔になる。私もようやく、高揚した気持ちが少し落ち着いて、説明を続ける。
「恩田さん……、芸能事務所の社長が、私の気持ちに気づいてしまって、武智君に嫌われるよう指示したの。これから芸能界でやっていく新人が、色恋沙汰で余計なスキャンダルを抱えていたら面倒になるからって。だから、私が武智君を嫌うようにすれば、武智君自身私を良く思わなくなるし、私もそのうち、好意を無くすだろうって。更に演技の勉強にもなる、とか」
「……そういう事だったのか」
「でもね……。疋田美里として、既に武智君と付き合いがあったから、逆に私の気持ちがどんどん大きくなっちゃって。そしてある日、つい明歩に、武智君の事が好きだって言っちゃったんだ。そこから、あのお昼の関係になったの」
「……あのさ、柊さん。俺の事、そんな前から、あの、好きだったの?」「エヘヘ。そうでした」
つい、いたずらっぽく笑いながらペロっと舌を出して恥ずかしさを紛らわす私。……何故か武智君、そんな私を見て顔真っ赤にしてるけど。とにかく、気にせず話を続けよう。
「その時私は、明歩に疋田美里が私だとは教えてなかったけど、つい私がポロッと武智君への気持ちを言っちゃったから、行動派の明歩が半ば強引に屋上に、三浦君を使って武智君を連れて来たってわけ。私のためにね」
「何だか複雑な状況だったんだね」「複雑というか……。私の気持ちがもう、耐えきれなくなってた。それが大きな理由」
「気持ちって?」「……武智君への、気持ち」
「え?」「疋田美里の時、暴漢から私を助けてくれた時からずっと。実は武智君が空手してる様子とか、こっそり学校の道場に見に行ってたし」
「マジで?」」「うん。マジだよ」
「だから、一緒にバイトしてたのも一緒に帰るのも凄く楽しかった。遊園地、明歩と三浦君と行ったのも、武智君と二人で映画館に行ったのも。柊美久として、お昼屋上で二人っきりで色々話したのも、空手の大会を観に行ったのも。保健室の事は怖かったけど、助けに来てくれて本当に嬉しかった。校長室で二人で話した事も、全部、私にとってはいい思い出なの」
そこで急に、武智君が私を抱きしめる。「ど、どうしたの?」びっくりした私が聞くと、武智君はますます腕に力を入れて、ぎゅーっとした。
「ちょ、ちょっと痛い」「あ、ご、ごめん。もう抑えられなくて」
そして真剣な眼差しで私を見つめる。
「ヤバい。もう、もうヤバ過ぎる。柊さんがそんな事言うから、もう俺、俺」「た、武智君?」
「……俺の彼女になってくれ」「……え?」
「いいだろ? だって両思いなんだから。そんなに俺の事想っててくれてて、俺ももう、柊さんの事がヤバいくらいに好きになってるし」「……」
だけど私は、武智君のその言葉に即答できなかった。
※※※
「美久うまく話せたかなあー」
さっき雄介と二人で花火を見るため河川敷の土手まで行って、その後夜店通りまで戻ってきたのはいいけど、雄介とはぐれちゃったから、今は一人、人混みの中雄介を探してるアタシ。でも中々見つからない。何度も携帯に連絡してんだけど出ない。つーか、雄介から連絡ないのもおかしくね?
で、人混みを掻き分け雄介を探しながらも、美久がきちんと本当の事をたけっちーに話せたかどうか気になってるアタシ。きっともう、今日しかチャンスない。で、きっと美久の事だから、遠慮して自分から身を引いて、さよならしそう。
だから、たけっちーを見かけた時、必死になって伝えたんだけど、伝わったかなー? 伝わってたらいいなー。で、もう付き合っちゃえばいいんだけどなー。……美久が迷いそうだけど。
前に美久ん家に行った時、部屋に入らせて貰ったら、茶髪のウイッグと眼鏡、更に見た事ない女子生徒用ブレザーが、ハンガーにかかってるのを見つけて、疋田美里さんが、実は美久だったって分かった。そこで美久から、色んな事を聞いたんだよね。
たけっちーが疋田さんを好きだって事も気づいてたって。そりゃあんだけあからさまなら分かるか。
……でも美久、たけっちーの事好きなのに、疋田さんを好きだって分かってるからこそ悩んでた。そして、自分の将来を考えたら、たけっちーへ自分の気持ちを伝えちゃいけないって思っちゃうだろうなあ。
だからたけっちーに賭けたんだ。今日、たけっちーに会えて本当良かったよ。
そんな事考えながら、もう既に何度も電話してるスマホを取り出し、もっかい雄介に電話しようとしたところで、いきなり腕を掴まれた。「キャ! な、何?」驚いて掴んだ奴の顔を見る。……誰よ?
「おー、偶然! 俺ら赤い糸で繋がってんじゃね?」「へ?」
「ほらほら、君の学校帰りにさあ、俺ら声かけたじゃん」「……え?」
人混みから少し外れた夜店の裏辺りにアタシを引っ張る。急な事で抵抗できなかった。しかもそこには、更に二人いて、ニヤニヤアタシを見てる。
思い出した。ヤバい。こいつら、アタシがバイトの面接行こうとした時に、絡んできた大学生風の奴らだ。
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