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その四十七
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遠くの方でガヤガヤと夜店や沿道を歩く人達の声が聞こえる。でもこの公園は比較的静かで、時折リー、リー、とコオロギか何かの虫の鳴き声が微かに聞こえてる。
ここの公園はそんな大きくないけど、ベンチは複数あって、俺達以外にも座ってる人はちらほら見かけた。……多分全員カップルだな。俺達もカップルに見えてるのかも。
そう考えたら何だか緊張してしまう。まだ俺達カップルじゃないしね。あ、いや、まだ、というか、その可能性はゼロじゃないというか。後で告白するし。でもまあ、フラれる可能性だってあるんだけど。
声は聞こえないけど、そのカップル達が何だか楽しげに話してる雰囲気は、暗いけど何となく分かる。俺も疋田さんとあんな風に……。
「そう言えば武智君。空手相変わらず頑張ってるんだね」「ひょへっ? え、あ、ああ。まあ、今年最後だからね」
「……どうしたの?」「あ、い、いや。なんでも」
怪訝な顔で俺をじー、っと見つめる疋田さん。つい、サッと顔を背けてしまう俺。で、でも、別に邪な事考えてたわけじゃないもんな! でも、カップル羨ましい、疋田さんとあんな風になりたい、とか思ってたって言えるわけないし。
「え、えーと、疋田さんは、卒業してからどうするの? 大学受験するの?」そこで俺は話題をすり替えてみる。すると疋田さんは、ジト目で見つめていた俺から視線を外し、どこか遠くを見るように夜空を見上げる。
「……働く事に、なるかな?」「へえ、そうなんだ」
そっか。疋田さんは大学受験しないんだ。
その言葉を聞いて、俺はふと、告白してもし上手く言ったら、卒業してからどんな風になるだろう、とか妄想してみる。疋田さんは就職するみたいだから、俺がもし大学現役合格したら、学生と社会人との付き合いになるのかな? そうなれば、疋田さんはリクルートスーツとか着てるのかな? 疋田さんは美人というより可愛いタイプだけど、スタイル良いからきっと似合うだろうなあ。
「武智君は大学入った後どうするの? どんな仕事するか決めてる?」「……それがないんだよなあ」
そう。俺は特に将来何がしたいっていうのがない。ただ就職に有利だから、という安直な理由で大学受験しようとしてる。まあそもそも、俺自身高卒でもいいやって思ってたのが、親が大学行けって言うから行くようなもんだし。……主体性ないな俺。
「でも、大学通ってたら、自ずと見つかるんじゃない?」「そうだといいけどね」
何だか疋田さんに慰められてるようで、苦笑いしながら頭をかく俺。それを見て疋田さんは、浴衣姿で足をブランブランさせながら、クスクスと笑う。
「何だかこうやって話するの、久々で楽しい」「そうだね。バイトしてた時は、二人で帰りながらよく喋ってたけど。あ、そうそう。俺達がバイトしてたあの喫茶店、安川さんもバイトで来るんだよ」「え?」
「俺がバイトしてたの、知らなかったらしくって偶然なんだって」「そうなんだ」
そこで、俺はさっき安川さんに言われた事を思い出した。あの必死で真剣な顔で言われた事を。
「でさ、さっき安川さんが、疋田さんと悔いのないように、きっちり話しろって言うんだ。凄く真剣な顔で。何だかおかしいよね? 何で安川さんがそんな事言うのかって」「……そうなんだ」
「そんな事言われなくたってさ、俺は今日、疋田さんに凄く会いたくて、この日をずっと待ちわびてた。だから、言われるまでもないんだけどね」「……そんなに、楽しみにしてくれてたんだ」
「うん」そして俺は疋田さんの顔を見つめる。疋田さんは俺が見た途端、何だか気恥ずかしそうに視線を外し俯いた。恥ずかしいとは思ったけど、俺はこれから告白するんだ。だからもう、本音を隠す気はないんだ。
公園の他のベンチでは、カップル達が何だか楽しげに、というか、ぶっちゃけイチャイチャしてる。俺も疋田さんと遠慮なく、あんな風に仲良くなりたい。この子を彼女にしたい。そのための、今日なんだから。
少しばかりの沈黙。疋田さんは相変わらず黙って俯いてる。俺は何の気なしにスマホを取り出し時間を確認する。花火が始まる時間が近づいてきてるな。
「疋田さん。そろそろ花火の時間だ。いい場所知ってんだ。行こうか」「え? うん」
そして俺は立ち上がり、思い切って疋田さんに手を差し出した。疋田さんは俺を見上げちょっと驚いた顔をしたけど、おずおずと俺の手を握る。そして俺は食べ終わった容器を指定の場所に捨て、疋田さんの手を引き公園を出た。
「この公園からならそんなに遠くないし、人が多い沿道を通らなくても行けるんだ」「詳しいんだね」
「毎年来てたからね」手を握ったまま、俺は疋田さんに笑顔を返しながら先導する。勿論、疋田さんの歩くスピードに合わせて。疋田さんが歩く度、カランコロンと下駄の心地良いリズム音が響く。少し顔を赤らめつつも、俺の手を離さず付いてくる。浴衣姿、本当に素敵で、茶色のボブ・ショートの髪の、黒縁メガネだけど、それでも凄く可憐で可愛らしい。
この子が彼女になったなら、俺はどれだけ幸せだろう。……もう今日はずっと、その事ばっか考えてんな。
俺は自分の欲望に呆れつつも、疋田さんの手を引きながら、やや大回りして、祭り会場となってるK市で一番大きい神社から少し離れる。そして石を組み合わせただけの古びた階段を、疋田さんのペースでゆっくり上り切ると、目の前に古びた寺が見えた。
そこで俺は、手汗大丈夫? と言いながら手を離す。疋田さんは頬が赤いまま、小さくうん、と頷いた。
「ここ、祭りやってる神社から離れてるんだけど、この高台にある寺から、一番綺麗に花火が見えるんだ」「こんな場所あるなんて、知らなかったなあ」
ここは地元民でも余り知られていない廃寺。実は肝試しで使えるっていう理由で、一部オカルトマニア内では有名な寺だったりする。寺は放置されてるからか、結構あちこち痛んでて古びてるんだけど、今日に限って言えば、寺のある高台から下が、夜店のおかげでメチャクチャ明るく、普段とは違い怖い雰囲気はない。だから二人きりでも全然怖くないんだよな。
だから案の定俺達以外、ここには誰もいない。今日みたいな賑やかな日に、肝試しする奴はいないしね。
「ここなら座れるよ」そう言って俺は、石段の最上段に座るよう勧める。疋田さんは分かった、とう頷きながら、さっきと同じように石段にハンカチを引いて座った。俺はその横に座る。
そろそろ始まるよ、と俺が言ったところで、ピュ~、ドドーン! と花火が上がった。「お! タイミングばっちりだった!」「本当だね。ここ凄いね。物凄く近くに見える」
花火が上がった途端、疋田さんの顔がほころぶ。まるで子どものように嬉しそうな笑顔で夜空を見上げ、花火が上がるのを待ってる。俺はその可愛らしい笑顔に、つい見惚れてしまう。
そして最初の花火を皮切りに、どんどん様々な種類の花火が夜空に打ち上がる。時にはアニメキャラの形だったり、時にはハートマークだったり。
実はこの廃寺の向こうの方に河川敷があって、そこで花火は上がってんだけど、祭りやってる神社からだと低くて見えにくいし、河川敷の方へ行くと、祭りの雰囲気味わえない。しかも人が多いから移動も大変だ。
「……綺麗」「そうだね」目を輝かせながら花火を見入る疋田さんの横顔を、俺は花火を見ずにずっと見てる。でも、疋田さんは俺の視線には気づかないほど花火に夢中だ。その顔がとても愛しい。
花火は大体一時間位で終わるはずだ。それが終わったら、俺はこの子に告白する。だから俺は、さっきからずっと心臓が激しく鼓動していた。正直花火どころじゃない。
今日、久々に一緒に行動していて改めて自分の想いに気がついた。俺、やっぱり疋田さんが好きだ。今までの誰よりも。喋っていて楽しくて、時折見せる笑顔が可愛くて……。花火の華開く夜空をずっと楽しそうに眺めているその笑顔を、俺のものにしたい。もう、その気持ちで一杯だ。
フラれる可能性もあるのは分かってる。でも、それよりも、俺の気持ちを伝えたい。
暫くしてから、ドドドドドーン! としだれ桜のような連続花火が夜空を彩る。疋田さんは、わあ、と声を上げ夢中で花火を見てる。これが続いたら花火は終了。俺は、ますます高まる自身の鼓動と、グッショリと手汗で濡れた手のひらを、ハンカチで拭う。
「……あ。終わりかな?」疋田さんがちょっと残念そうに、暗くなった夜空を眺めながら呟く。俺はやや震える声でそうだね、と返し、おもむろに立ち上がった。
「ん? どうしたの?」コテンと可愛らしく首を傾げる疋田さん。俺は階段のやや下に降り、座ってる疋田さんの目線の高さに合わせ階段の途中で立った。先程までの花火の大きな音が、余計に今の夜の静けさを演出しているように、辺りは一気に静寂を取り戻す。と、同時に、下の夜店の賑わいも戻ってきた。
俺はすうー、と息を吸う。
「あ、あのさ」「うん」
緊張のあまり声が震える俺。そして、
「俺、疋田さんが好きなんだ」
ここの公園はそんな大きくないけど、ベンチは複数あって、俺達以外にも座ってる人はちらほら見かけた。……多分全員カップルだな。俺達もカップルに見えてるのかも。
そう考えたら何だか緊張してしまう。まだ俺達カップルじゃないしね。あ、いや、まだ、というか、その可能性はゼロじゃないというか。後で告白するし。でもまあ、フラれる可能性だってあるんだけど。
声は聞こえないけど、そのカップル達が何だか楽しげに話してる雰囲気は、暗いけど何となく分かる。俺も疋田さんとあんな風に……。
「そう言えば武智君。空手相変わらず頑張ってるんだね」「ひょへっ? え、あ、ああ。まあ、今年最後だからね」
「……どうしたの?」「あ、い、いや。なんでも」
怪訝な顔で俺をじー、っと見つめる疋田さん。つい、サッと顔を背けてしまう俺。で、でも、別に邪な事考えてたわけじゃないもんな! でも、カップル羨ましい、疋田さんとあんな風になりたい、とか思ってたって言えるわけないし。
「え、えーと、疋田さんは、卒業してからどうするの? 大学受験するの?」そこで俺は話題をすり替えてみる。すると疋田さんは、ジト目で見つめていた俺から視線を外し、どこか遠くを見るように夜空を見上げる。
「……働く事に、なるかな?」「へえ、そうなんだ」
そっか。疋田さんは大学受験しないんだ。
その言葉を聞いて、俺はふと、告白してもし上手く言ったら、卒業してからどんな風になるだろう、とか妄想してみる。疋田さんは就職するみたいだから、俺がもし大学現役合格したら、学生と社会人との付き合いになるのかな? そうなれば、疋田さんはリクルートスーツとか着てるのかな? 疋田さんは美人というより可愛いタイプだけど、スタイル良いからきっと似合うだろうなあ。
「武智君は大学入った後どうするの? どんな仕事するか決めてる?」「……それがないんだよなあ」
そう。俺は特に将来何がしたいっていうのがない。ただ就職に有利だから、という安直な理由で大学受験しようとしてる。まあそもそも、俺自身高卒でもいいやって思ってたのが、親が大学行けって言うから行くようなもんだし。……主体性ないな俺。
「でも、大学通ってたら、自ずと見つかるんじゃない?」「そうだといいけどね」
何だか疋田さんに慰められてるようで、苦笑いしながら頭をかく俺。それを見て疋田さんは、浴衣姿で足をブランブランさせながら、クスクスと笑う。
「何だかこうやって話するの、久々で楽しい」「そうだね。バイトしてた時は、二人で帰りながらよく喋ってたけど。あ、そうそう。俺達がバイトしてたあの喫茶店、安川さんもバイトで来るんだよ」「え?」
「俺がバイトしてたの、知らなかったらしくって偶然なんだって」「そうなんだ」
そこで、俺はさっき安川さんに言われた事を思い出した。あの必死で真剣な顔で言われた事を。
「でさ、さっき安川さんが、疋田さんと悔いのないように、きっちり話しろって言うんだ。凄く真剣な顔で。何だかおかしいよね? 何で安川さんがそんな事言うのかって」「……そうなんだ」
「そんな事言われなくたってさ、俺は今日、疋田さんに凄く会いたくて、この日をずっと待ちわびてた。だから、言われるまでもないんだけどね」「……そんなに、楽しみにしてくれてたんだ」
「うん」そして俺は疋田さんの顔を見つめる。疋田さんは俺が見た途端、何だか気恥ずかしそうに視線を外し俯いた。恥ずかしいとは思ったけど、俺はこれから告白するんだ。だからもう、本音を隠す気はないんだ。
公園の他のベンチでは、カップル達が何だか楽しげに、というか、ぶっちゃけイチャイチャしてる。俺も疋田さんと遠慮なく、あんな風に仲良くなりたい。この子を彼女にしたい。そのための、今日なんだから。
少しばかりの沈黙。疋田さんは相変わらず黙って俯いてる。俺は何の気なしにスマホを取り出し時間を確認する。花火が始まる時間が近づいてきてるな。
「疋田さん。そろそろ花火の時間だ。いい場所知ってんだ。行こうか」「え? うん」
そして俺は立ち上がり、思い切って疋田さんに手を差し出した。疋田さんは俺を見上げちょっと驚いた顔をしたけど、おずおずと俺の手を握る。そして俺は食べ終わった容器を指定の場所に捨て、疋田さんの手を引き公園を出た。
「この公園からならそんなに遠くないし、人が多い沿道を通らなくても行けるんだ」「詳しいんだね」
「毎年来てたからね」手を握ったまま、俺は疋田さんに笑顔を返しながら先導する。勿論、疋田さんの歩くスピードに合わせて。疋田さんが歩く度、カランコロンと下駄の心地良いリズム音が響く。少し顔を赤らめつつも、俺の手を離さず付いてくる。浴衣姿、本当に素敵で、茶色のボブ・ショートの髪の、黒縁メガネだけど、それでも凄く可憐で可愛らしい。
この子が彼女になったなら、俺はどれだけ幸せだろう。……もう今日はずっと、その事ばっか考えてんな。
俺は自分の欲望に呆れつつも、疋田さんの手を引きながら、やや大回りして、祭り会場となってるK市で一番大きい神社から少し離れる。そして石を組み合わせただけの古びた階段を、疋田さんのペースでゆっくり上り切ると、目の前に古びた寺が見えた。
そこで俺は、手汗大丈夫? と言いながら手を離す。疋田さんは頬が赤いまま、小さくうん、と頷いた。
「ここ、祭りやってる神社から離れてるんだけど、この高台にある寺から、一番綺麗に花火が見えるんだ」「こんな場所あるなんて、知らなかったなあ」
ここは地元民でも余り知られていない廃寺。実は肝試しで使えるっていう理由で、一部オカルトマニア内では有名な寺だったりする。寺は放置されてるからか、結構あちこち痛んでて古びてるんだけど、今日に限って言えば、寺のある高台から下が、夜店のおかげでメチャクチャ明るく、普段とは違い怖い雰囲気はない。だから二人きりでも全然怖くないんだよな。
だから案の定俺達以外、ここには誰もいない。今日みたいな賑やかな日に、肝試しする奴はいないしね。
「ここなら座れるよ」そう言って俺は、石段の最上段に座るよう勧める。疋田さんは分かった、とう頷きながら、さっきと同じように石段にハンカチを引いて座った。俺はその横に座る。
そろそろ始まるよ、と俺が言ったところで、ピュ~、ドドーン! と花火が上がった。「お! タイミングばっちりだった!」「本当だね。ここ凄いね。物凄く近くに見える」
花火が上がった途端、疋田さんの顔がほころぶ。まるで子どものように嬉しそうな笑顔で夜空を見上げ、花火が上がるのを待ってる。俺はその可愛らしい笑顔に、つい見惚れてしまう。
そして最初の花火を皮切りに、どんどん様々な種類の花火が夜空に打ち上がる。時にはアニメキャラの形だったり、時にはハートマークだったり。
実はこの廃寺の向こうの方に河川敷があって、そこで花火は上がってんだけど、祭りやってる神社からだと低くて見えにくいし、河川敷の方へ行くと、祭りの雰囲気味わえない。しかも人が多いから移動も大変だ。
「……綺麗」「そうだね」目を輝かせながら花火を見入る疋田さんの横顔を、俺は花火を見ずにずっと見てる。でも、疋田さんは俺の視線には気づかないほど花火に夢中だ。その顔がとても愛しい。
花火は大体一時間位で終わるはずだ。それが終わったら、俺はこの子に告白する。だから俺は、さっきからずっと心臓が激しく鼓動していた。正直花火どころじゃない。
今日、久々に一緒に行動していて改めて自分の想いに気がついた。俺、やっぱり疋田さんが好きだ。今までの誰よりも。喋っていて楽しくて、時折見せる笑顔が可愛くて……。花火の華開く夜空をずっと楽しそうに眺めているその笑顔を、俺のものにしたい。もう、その気持ちで一杯だ。
フラれる可能性もあるのは分かってる。でも、それよりも、俺の気持ちを伝えたい。
暫くしてから、ドドドドドーン! としだれ桜のような連続花火が夜空を彩る。疋田さんは、わあ、と声を上げ夢中で花火を見てる。これが続いたら花火は終了。俺は、ますます高まる自身の鼓動と、グッショリと手汗で濡れた手のひらを、ハンカチで拭う。
「……あ。終わりかな?」疋田さんがちょっと残念そうに、暗くなった夜空を眺めながら呟く。俺はやや震える声でそうだね、と返し、おもむろに立ち上がった。
「ん? どうしたの?」コテンと可愛らしく首を傾げる疋田さん。俺は階段のやや下に降り、座ってる疋田さんの目線の高さに合わせ階段の途中で立った。先程までの花火の大きな音が、余計に今の夜の静けさを演出しているように、辺りは一気に静寂を取り戻す。と、同時に、下の夜店の賑わいも戻ってきた。
俺はすうー、と息を吸う。
「あ、あのさ」「うん」
緊張のあまり声が震える俺。そして、
「俺、疋田さんが好きなんだ」
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