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その三十四
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※※※
「毎朝邪魔なのよ。全く、学習出来ないの?」「へいへい。すみませんねえ」
そう、毎朝の嫌われ儀式だ。既に六月も下旬。当然俺を含む皆は夏服。生地の薄いセーラー服の柊さんは、それはそれはとても魅力的です。今日は梅雨の中休みみたいで、雨は降ってないけどその代わりめちゃくちゃ蒸し暑い。張り付くようなジトッとした湿気が、柊さんの薄い夏服を肌に張り付かせていて……、その、体のラインがより一層分かったりするのが困る。本当、この人可愛いよなあ。
っと、そんな邪な事考えちゃったら、またもや柊さんに見惚れてしまう! 慌てて柊さんから目線を外す俺。
もう最近はこのやり取りに相当慣れてきてるので、言葉を変えたり、柊さんがちょっと床をガンと蹴ってみたりと、あれこれアレンジしてたりするけど……、よくこんなで監視してる人達に気づかれないよな、と呆れてたりもする。
まあ多分、監視してる人達も余り真面目にやってない気がするんだよなあ。だから気づかれないんだろうと思う。嫌ってるっていう状況さえ確認出来ればそれでいいって感じ? ま、俺に取っちゃどうでもいいけど。あれから清田先生からの注意もないし、今日でテストは終わり。そして次の土曜には空手の予選が始まる。
「ちょっと! 何考え事してんのよ! さっさとどいてくれない?」「おおっと失礼」
そう俺に怒鳴った後、柊さんは去り際に ごめんね、と小さく囁く。俺はそちらを見ず小さくコクンと頷く。そしてそれから俺達は黙ってそれぞれ教室へ向かう。これもいつもの事。どうせ今日も屋上で一緒に飯食うんだし、お詫びならその時でいいのになあ、とか俺は思いつつ。……最近、柊さんと屋上で二人になるのが当たり前になってきたな。
まあ相変わらず、何故この嫌われ演技をするのかさっぱりだ。前安川さんと共に、演技の練習って言ってたけど、それだけじゃ全く納得いかないし。でもまあ、この超絶美少女に嫌われる日常、夏休み入ったら終わりらしいし、理由は今更どうでもいいけど。
……柊さんと昼を一緒に過ごすのも、夏までなんだろうな。
※※※
『美久ー? 今度の土曜遊び行こー』『……明歩、お誘いは嬉しいんだけど』
『あー、恩田社長? レッスン? 大丈夫大丈夫! アタシから連絡するから』『いやなんで明歩から連絡したら大丈夫なの?』
そう疑問を投げかけるも『任せとけー』と言って電話切っちゃう明歩。……どういう事なんだろう?
先日、明歩と初めて連絡先を交換した私。今まで中々タイミングがなくて出来なかったんだけど、明歩が半ば強引に私のスマホ奪って登録した。でも嬉しかった。クラスメイトと連絡先交換って、正に高校生って感じで。
で、早速電話してきたと思ったら、さっきのやり取り。電話が切れちゃったので掛け直した方がいいのかな? と思いながら、自分の部屋のベッドに仰向けになったまま、スマホを眺めてたら突如着信。……恩田さん?
『美久。さっき安川さんから連絡あったわ。確かにあの子の言う通り、高校生らしく遊びに行くって機会、一度もなかったわね。あれだけ必死に言われたら、私もさすがにあなたの事可哀想だと思ったの。だから今度の土曜だっけ? 安川さんと遊んでらっしゃい』
『……いいんですか?』『ええ。どうせ今のうちだけだしね。そんな悠長な事出来るのって』
『ありがとうございます』そう言って電話を切った。アハハ。明歩、私のために恩田さんに直談判してくれたんだ。そこで今度は明歩から電話。明歩、と書いてある画面が、つい涙で霞んでしまった。明歩……、私のために恩田さんに交渉してくれたんだ。
『グズ。明歩……。ありがとう。ヒック、ごめんね。グス、でも、本当嬉しい』『え? ええ? なんで美久泣いてんのー?』
私が泣いてたので、電話の向こうであたふたしてる明歩。それで今度はクスっとなった。本当、いい友達を持ったな。
『まあまあとにかく! 当日は地味なカッコで宜しく!』『え?』そう言って明歩は一方的に電話を切った。
……せっかく遊びに行くのに、オシャレしないの?
※※※
「さすがに暑ぃな」「ああ。こんだけ人が集まったらなあ」
去年も確か暑かったのを思い出す。むせるような湿気と暑さで充満した空手大会の会場。多くの出場選手がウォームアップをしながら、自分の出番を待ってる。俺達三年生の出番は大体最後の方なので、自分の出番を待ちながら、現在出場中の後輩の応援をしたり、時折ウォームアップしている。
市民体育館である会場はかなり広いので、私立高校の連中は、二階観覧席に出場しない後輩部員達が沢山座って応援してたりする。俺達は公立高校でしかも進学校。部員数は他校より少ないから、実は肩身が狭かったりするんだけど、
「おい。あれが武智悠斗だ」「ああ。あいつは要注意な」「分析は出来ている。予選とは言え気を抜くなよ」
とまあ、俺はこんな感じでマークされてたりする。昨年二年生ながらに、本格的に空手をやってる私立高校の連中を抑え、準優勝してしまったからなあ。俺注目されたくないんだけどなあ。ただ単にがむしゃらにやってたらそうなったってだけなんだけど。でもまあ今日は予選だし、余り気合入れてやろうって気もないんだけど。
そんな変な空気を感じながら、うちの学校の部員が出場している試合場を観ていると、一部会場にいた奴らがざわめいた。なんだ? とその方向を見てみると、
「……明歩。いくらプライベートだからってあのカッコはダメだろ」と、同じく同じ方向を見た、隣りにいた雄介がため息をつく。俺もすぐ見つけた。確かに安川さんだ。そして同時に安川さんも雄介を見つけたようで、こっちを見て嬉しそうに両腕を一杯使ってぶんぶん振ってる。
「……あの子めっちゃ可愛い」「おい。武智の方見て手ぇ振ってんぞ」「……そうか分かった。武智の野郎、絶対ぶっ飛ばしてやる」
周りから嫉妬を含んだ殺気が一斉に俺に向けられる。いやちょっと待て。お前ら壮大な勘違いをしてるぞ。なんで俺がそんなにヘイト稼がなきゃいけなんだ? 因みに手を振られた張本人、隣りにいる雄介は、周りのそんな様子を気にせずニヘラ~ってしてやがるし。
でも、俺は安川さんの陰から、こっそり覗く人物を見つけて固まってしまった。
「……え? 柊さん?」
間違いない。柊さんだ。一応目立たないように、赤い野球帽のようなものを目深に被り、髪は後ろでくくり、Tシャツにジーンズという地味な服装だけど。それでも、その抜群のスタイルと存在感までは消せてないような気もするけど。普段よりかは目立ってないけど。
でもまあ、安川さんがめっちゃ短いスカートに、体のラインがよく分かるピチピチのTシャツで、遊園地の時みたいなでっかいイヤリング付けてるっていう相当派手な格好だから、男どもは皆そっちに目がいってるっぽい。ある意味いいカモフラージュかも。柊さんの存在は気づかれてないみたいだ。だからホッとした。柊さんは市内でも有名らしいから。
そして柊さんも俺に気づいてペコリと頭を下げた。しかし、まさか観に来るとは思ってなかった。まあ観に来たいって言ってたけどさ。……柊さん、俺を観たいって言ってたな。前の大会で準優勝したから、その実力を見てみたいのかな? ……自惚れすぎか。
そして柊さんの私服初めて見た。あんな地味な格好でもやっぱ綺麗だなあ。と感心してしまう。
「っしゃ!」自分の顔をパンパンと叩いて気合を入れる俺。柊さんがわざわざ観に来てんだ。カッコ悪いとこ見せられない。両腕を下に伸ばしてストレッチしてから、次にぴょんぴょんとその場で跳躍して体を温め始める俺。そんな俺の様子を何だかジト目で見てる雄介。どうした? 何かおかしいか?
「悠斗お前、柊さんにいいとこ見せたいとか思ってんの?」「まあな。俺も男だし、せっかく来てくれてんだからな」シュッシュ、とシャドーをしながら雄介に返事する俺。
はあ? と雄介が怪訝な顔になる。「疋田さんじゃないのにか?」
「いや勘違いすんな。柊さんは友達だぞ、友達」「あっそ」
何だよあっそ、って。何だかそっけない返事する雄介。何か勘違いしてんな。柊さんは友達なんだからな。……それだけのはずだ。
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そう、毎朝の嫌われ儀式だ。既に六月も下旬。当然俺を含む皆は夏服。生地の薄いセーラー服の柊さんは、それはそれはとても魅力的です。今日は梅雨の中休みみたいで、雨は降ってないけどその代わりめちゃくちゃ蒸し暑い。張り付くようなジトッとした湿気が、柊さんの薄い夏服を肌に張り付かせていて……、その、体のラインがより一層分かったりするのが困る。本当、この人可愛いよなあ。
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もう最近はこのやり取りに相当慣れてきてるので、言葉を変えたり、柊さんがちょっと床をガンと蹴ってみたりと、あれこれアレンジしてたりするけど……、よくこんなで監視してる人達に気づかれないよな、と呆れてたりもする。
まあ多分、監視してる人達も余り真面目にやってない気がするんだよなあ。だから気づかれないんだろうと思う。嫌ってるっていう状況さえ確認出来ればそれでいいって感じ? ま、俺に取っちゃどうでもいいけど。あれから清田先生からの注意もないし、今日でテストは終わり。そして次の土曜には空手の予選が始まる。
「ちょっと! 何考え事してんのよ! さっさとどいてくれない?」「おおっと失礼」
そう俺に怒鳴った後、柊さんは去り際に ごめんね、と小さく囁く。俺はそちらを見ず小さくコクンと頷く。そしてそれから俺達は黙ってそれぞれ教室へ向かう。これもいつもの事。どうせ今日も屋上で一緒に飯食うんだし、お詫びならその時でいいのになあ、とか俺は思いつつ。……最近、柊さんと屋上で二人になるのが当たり前になってきたな。
まあ相変わらず、何故この嫌われ演技をするのかさっぱりだ。前安川さんと共に、演技の練習って言ってたけど、それだけじゃ全く納得いかないし。でもまあ、この超絶美少女に嫌われる日常、夏休み入ったら終わりらしいし、理由は今更どうでもいいけど。
……柊さんと昼を一緒に過ごすのも、夏までなんだろうな。
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『美久ー? 今度の土曜遊び行こー』『……明歩、お誘いは嬉しいんだけど』
『あー、恩田社長? レッスン? 大丈夫大丈夫! アタシから連絡するから』『いやなんで明歩から連絡したら大丈夫なの?』
そう疑問を投げかけるも『任せとけー』と言って電話切っちゃう明歩。……どういう事なんだろう?
先日、明歩と初めて連絡先を交換した私。今まで中々タイミングがなくて出来なかったんだけど、明歩が半ば強引に私のスマホ奪って登録した。でも嬉しかった。クラスメイトと連絡先交換って、正に高校生って感じで。
で、早速電話してきたと思ったら、さっきのやり取り。電話が切れちゃったので掛け直した方がいいのかな? と思いながら、自分の部屋のベッドに仰向けになったまま、スマホを眺めてたら突如着信。……恩田さん?
『美久。さっき安川さんから連絡あったわ。確かにあの子の言う通り、高校生らしく遊びに行くって機会、一度もなかったわね。あれだけ必死に言われたら、私もさすがにあなたの事可哀想だと思ったの。だから今度の土曜だっけ? 安川さんと遊んでらっしゃい』
『……いいんですか?』『ええ。どうせ今のうちだけだしね。そんな悠長な事出来るのって』
『ありがとうございます』そう言って電話を切った。アハハ。明歩、私のために恩田さんに直談判してくれたんだ。そこで今度は明歩から電話。明歩、と書いてある画面が、つい涙で霞んでしまった。明歩……、私のために恩田さんに交渉してくれたんだ。
『グズ。明歩……。ありがとう。ヒック、ごめんね。グス、でも、本当嬉しい』『え? ええ? なんで美久泣いてんのー?』
私が泣いてたので、電話の向こうであたふたしてる明歩。それで今度はクスっとなった。本当、いい友達を持ったな。
『まあまあとにかく! 当日は地味なカッコで宜しく!』『え?』そう言って明歩は一方的に電話を切った。
……せっかく遊びに行くのに、オシャレしないの?
※※※
「さすがに暑ぃな」「ああ。こんだけ人が集まったらなあ」
去年も確か暑かったのを思い出す。むせるような湿気と暑さで充満した空手大会の会場。多くの出場選手がウォームアップをしながら、自分の出番を待ってる。俺達三年生の出番は大体最後の方なので、自分の出番を待ちながら、現在出場中の後輩の応援をしたり、時折ウォームアップしている。
市民体育館である会場はかなり広いので、私立高校の連中は、二階観覧席に出場しない後輩部員達が沢山座って応援してたりする。俺達は公立高校でしかも進学校。部員数は他校より少ないから、実は肩身が狭かったりするんだけど、
「おい。あれが武智悠斗だ」「ああ。あいつは要注意な」「分析は出来ている。予選とは言え気を抜くなよ」
とまあ、俺はこんな感じでマークされてたりする。昨年二年生ながらに、本格的に空手をやってる私立高校の連中を抑え、準優勝してしまったからなあ。俺注目されたくないんだけどなあ。ただ単にがむしゃらにやってたらそうなったってだけなんだけど。でもまあ今日は予選だし、余り気合入れてやろうって気もないんだけど。
そんな変な空気を感じながら、うちの学校の部員が出場している試合場を観ていると、一部会場にいた奴らがざわめいた。なんだ? とその方向を見てみると、
「……明歩。いくらプライベートだからってあのカッコはダメだろ」と、同じく同じ方向を見た、隣りにいた雄介がため息をつく。俺もすぐ見つけた。確かに安川さんだ。そして同時に安川さんも雄介を見つけたようで、こっちを見て嬉しそうに両腕を一杯使ってぶんぶん振ってる。
「……あの子めっちゃ可愛い」「おい。武智の方見て手ぇ振ってんぞ」「……そうか分かった。武智の野郎、絶対ぶっ飛ばしてやる」
周りから嫉妬を含んだ殺気が一斉に俺に向けられる。いやちょっと待て。お前ら壮大な勘違いをしてるぞ。なんで俺がそんなにヘイト稼がなきゃいけなんだ? 因みに手を振られた張本人、隣りにいる雄介は、周りのそんな様子を気にせずニヘラ~ってしてやがるし。
でも、俺は安川さんの陰から、こっそり覗く人物を見つけて固まってしまった。
「……え? 柊さん?」
間違いない。柊さんだ。一応目立たないように、赤い野球帽のようなものを目深に被り、髪は後ろでくくり、Tシャツにジーンズという地味な服装だけど。それでも、その抜群のスタイルと存在感までは消せてないような気もするけど。普段よりかは目立ってないけど。
でもまあ、安川さんがめっちゃ短いスカートに、体のラインがよく分かるピチピチのTシャツで、遊園地の時みたいなでっかいイヤリング付けてるっていう相当派手な格好だから、男どもは皆そっちに目がいってるっぽい。ある意味いいカモフラージュかも。柊さんの存在は気づかれてないみたいだ。だからホッとした。柊さんは市内でも有名らしいから。
そして柊さんも俺に気づいてペコリと頭を下げた。しかし、まさか観に来るとは思ってなかった。まあ観に来たいって言ってたけどさ。……柊さん、俺を観たいって言ってたな。前の大会で準優勝したから、その実力を見てみたいのかな? ……自惚れすぎか。
そして柊さんの私服初めて見た。あんな地味な格好でもやっぱ綺麗だなあ。と感心してしまう。
「っしゃ!」自分の顔をパンパンと叩いて気合を入れる俺。柊さんがわざわざ観に来てんだ。カッコ悪いとこ見せられない。両腕を下に伸ばしてストレッチしてから、次にぴょんぴょんとその場で跳躍して体を温め始める俺。そんな俺の様子を何だかジト目で見てる雄介。どうした? 何かおかしいか?
「悠斗お前、柊さんにいいとこ見せたいとか思ってんの?」「まあな。俺も男だし、せっかく来てくれてんだからな」シュッシュ、とシャドーをしながら雄介に返事する俺。
はあ? と雄介が怪訝な顔になる。「疋田さんじゃないのにか?」
「いや勘違いすんな。柊さんは友達だぞ、友達」「あっそ」
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