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その三十三
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※※※
「柊さん、芸能事務所に所属してるって?」俺のびっくりした顔に、柊さんは黙って頷いた。
「アタシも恩田社長にスカウトされてさー、そこで聞いたんだけどね」
「つか恩田ってまさか……」「うん。結構有名な、恩田プロモーション」
マジで? それって凄くね? 芸能界って全く詳しくないけど、そんな俺でも名前は聞いた事あるくらいの有名なとこじゃん。そこに所属してるの?
「と言っても、まだ何も活動してないから、候補生だけどね」「へー、そうなんだ」
正直詳しくないから良く分からないけど。て事は、これからそういう活動するって事か。じゃあ、俺、芸能人と友達って事になる?
「つか、安川さんもスカウトされたんでしょ? 凄いじゃん!」「……いや、まあ。スカウトされた事自体は嬉しいんだけどさ」……ん? 何だか渋い顔。なんでだ?
「でさあ、たけっちーに対して美久が嫌ってる演技してるってのは……」と、言いかけてそこで柊さんに目配せする。なんだ? その意思疎通したみたいなのは?
「……私の演技力向上のためなの」「そうなんだ」そうなんだって返事したけど、それでも良く分からない。
「じゃあ、何で俺?」「前にも言ったように、懸垂幕に名前があったから……」
「て事は、やっぱり適当に選ばれたって事?」「……」その言葉に、柊さんは黙ってしまった。
「え、えーとさ、そういうわけでもないっちゃないんだなあ」そこで安川さんが苦笑いしながら間に入る。
「ごめん。意味わかんないけど。柊さん、芸能事務所でレッスンしてるんでしょ? じゃあ、俺みたいな素人相手じゃなくて、そういう演技の適任者が他にいるんじゃないの? あ、いや、怒ってるわけじゃなくて、単に疑問なんだけど」
「「……」」俺の言葉に黙る二人。何なんだ一体? でもどうやら、安川さんは何か知ってるっぽいな。柊さんの秘密を。
「ま、まあ朝の嫌われ演技は演技力のためって事なんだって」「……なんかますます謎が深まった気がする」
「今はそれだけ知ってたらいいって」「じゃあ、いずれ分かるって事?」
「「……」」またも黙る二人。何なんだよ一体! もやもやするなあもう!
「と、とにかくごめんね武智君」そこで柊さんがペコリと頭を下げる。まあ、演技の練習? というよく分からない理由が分かっただけで、結局何も分からなかったけど。まあ、今までもずっと意味分からず嫌われ演技されてたんだから、それ明かされてもあんまり意味ないというか……。
「正直良く分かんないけど、もう気にしてないからいいよ」「ありがとう。きっと、夏休み入るまでで終わるから」
「それは確定なの?」「うん、多分」
じゃあいいんじゃないの? でもそれって、夏休み開けたら柊さんとの関係も終わりって事か。
……て事は、こうやって昼飯食うのも終わりかな?……ってなんで俺、しんみりしてんだ? ああ、それはアレだ、柊さんは友達だからだ。うん、間違いない。
※※※
明歩が突然屋上にやってきて、恩田さんに会ったって言った。社長、って言い方してたから、全て知ったんだろうな。私が何故、武智君に対して嫌われ演技をし始めた事も。
ただ、あの時以上に、私は武智君に対しての想いが募ってきている。そうじゃなきゃ、こうやってずっと二人で過ごそうなんて思わない。武智君は相変わらず、一人の友達として見てるみたいだけど、それでいい。ただこうやって長い間、男の子と一緒にいるのって、私としては珍しい事なんだけどな。そこは疑問に思ってくれないのかな? 例外を除いてだけど。
そして、私のために泣いてくれる明歩。本当に嬉しい。怒ってるって言ってたのは、明歩自身が私の苦しみを理解していなかったから、そういう意味だろう。明歩は私の大切な友達だって、改めてそう思った。お昼はいつも、三浦君と過ごす大切な時間だって言ってたのに、その時間割いてこうやってわざわざ来てくれたし。
ありがとう。明歩。つい、真剣な明歩の表情に、私も涙が溢れてしまった。
で、武智君に、私が恩田プロモーションに候補生として所属している事を告げる。勿論、私の想いは明かさずに。明歩と目配せしてそれは言わないって合図してから。でも、さすがに驚くよね。お友達と思っている高校生が、芸能事務所と契約してるなんて、普通ありえないし。
……お友達。武智君は私の事をそう思ってる。でも、それでいい。だけど、私の想いはますます募る。時折見せるはにかんだ笑顔が可愛くて、思ったより話も合って、楽しくて。この世界がずっと続けばいいな、なんて。
恩田さんに言わせれば、それは青臭い妄想。だからこの夏、この気持ちをリセットしなければいけない。
武智君、ホントはね。二人で一杯一緒に色んなところに行きたいの。でも、周りはそれを許してくれないんだ。
こうやってお昼の間だけ会ってるのは私のワガママ。付き合わせてしまって本当に悪いと思ってる。でも、友達なら、大丈夫だよね?
※※※
「ありがとね、明歩」「だーから! いいっつの! ダチでしょダチ!」
そう言ってまたもバンバン私の背中を叩く明歩。もう腹立ったから私も明歩の背中をバーン、と思い切り叩き返してやった。
「いったーい! 何すんのー!」「仕返しよ」フフン、と鼻で笑いながら、むせる明歩を見下ろす私。いつまでもやられっぱなしとはいかないんだから。
「つか、美久にやり返されたの初めて~」「そうだっけ?」
今は授業も終わり下校時間。これから私は、いつもの通り恩田プロモーションの専用事務所に行かないといけない。今日は多分恩田さんは来ないはずだ。あの人社長だから、いつも私と一緒というわけでもないし。だからこうして、明歩と放課後おしゃべりしてるわけなんだけど。
でもすぐに、担任の先生から返却して貰ったスマホがバイブする。lineで『既に待ってます』との一言。分かってますよ。伺いますって。でも、今日はもう少し明歩と話ししたい気持ち。
本当は、明歩とも二人で、ショッピングしたりスイーツの店に行ったりして遊びたい。でも今の私にはそれも許されない。教室の外では、ファンクラブの数名が見張ってる。最近は朝だけだったのにな。正直少し息苦しさを感じる。
「ねえねえ、美久」私が教室の外をちらりと見たのに気づいたからか、明歩が声のトーンを落として囁く。どうしたんだろ?
「今度さあ、雄介空手の大会に出るんだ。一緒に観に行かない?」「え?」
そうだ。三浦君も空手部なんだから、当然出るよね。三年生だし。
「え、でも……」「きっと大丈夫だから! また日取り連絡するよー。これからレッスン、頑張れよっと」と言いながら、またもバン、と背中を叩いた。痛い! あーもう、やられたあ。
……でも、空手の大会、か。武智君も当然出るよね? ……。
※※※
そろそろ武智君がlineを送ってくる時間。だから私は思い切って電話をかけた。コールが二回くらいあってすぐに出る武智君。そりゃ、スマホ持ってこれからline送ろうとしてたんだから、出るのは早いか。ちょっとおかしくてクスっとしてしまったけど。
『も、もしもし?』『クスクス。ごめんね。遅い時間なのに』
『ん? なんで笑ってるの?』『なんでも』
あたふたしてるのが可愛い。なんで電話したのかって? 声が聞きたくて我慢が出来なかったからだよ? なんて言えないけれど。
『えっと、最近喫茶店のマスター元気かなあ、て気になって。今日もバイトだったんじゃない?』『ああ、元気だよ。ただ相変わらず忙しい店でさ、ちょっとてんてこ舞いっぽい』
『そっか。ごめんね。バイト行けなくて』『仕方ないよ。何か理由があるんでしょ?』
うん、と返事しながらついグッと拳を握りしめてしまう私。その理由が言えないから、つい。本当は言いたい。そしてまた、武智君と一緒にバイトしたいな。帰り道一緒に帰りたいな。
『あ、そうだ。夏祭りは、えと、大丈夫、かな?』『うん。もう予定空けてある』
『よっしゃあ! ……あ。い、いや、あの』『アハハ! 私も楽しみだよ』
『そ、そうなの?』『うん』
『とりあえずマスターが気になったから、電話しちゃった。じゃあ切るね』『そうだね。確か親戚だもんね。またね』
そしてスマホの電源ボタンを押した。マスターが気になるとかって、ちょっと嘘ついてごめんね武智君。と、心の中で謝罪する。そもそも、マスターの様子確認するんなら、lineでもいいんだけどね。口実は何でも良かったからいいんだけど。
若干緊張したからか、ふう、と息を吐く私。そして既に用意してある、久々に押し入れの奥から引っ張り出した浴衣を見つめる私。まだもう少し先なのに、気が早いな。だって、私も楽しみなんだもん。
……きっとそれで最後になるんだから、気合入れてもバチは当たらないよね?
「柊さん、芸能事務所に所属してるって?」俺のびっくりした顔に、柊さんは黙って頷いた。
「アタシも恩田社長にスカウトされてさー、そこで聞いたんだけどね」
「つか恩田ってまさか……」「うん。結構有名な、恩田プロモーション」
マジで? それって凄くね? 芸能界って全く詳しくないけど、そんな俺でも名前は聞いた事あるくらいの有名なとこじゃん。そこに所属してるの?
「と言っても、まだ何も活動してないから、候補生だけどね」「へー、そうなんだ」
正直詳しくないから良く分からないけど。て事は、これからそういう活動するって事か。じゃあ、俺、芸能人と友達って事になる?
「つか、安川さんもスカウトされたんでしょ? 凄いじゃん!」「……いや、まあ。スカウトされた事自体は嬉しいんだけどさ」……ん? 何だか渋い顔。なんでだ?
「でさあ、たけっちーに対して美久が嫌ってる演技してるってのは……」と、言いかけてそこで柊さんに目配せする。なんだ? その意思疎通したみたいなのは?
「……私の演技力向上のためなの」「そうなんだ」そうなんだって返事したけど、それでも良く分からない。
「じゃあ、何で俺?」「前にも言ったように、懸垂幕に名前があったから……」
「て事は、やっぱり適当に選ばれたって事?」「……」その言葉に、柊さんは黙ってしまった。
「え、えーとさ、そういうわけでもないっちゃないんだなあ」そこで安川さんが苦笑いしながら間に入る。
「ごめん。意味わかんないけど。柊さん、芸能事務所でレッスンしてるんでしょ? じゃあ、俺みたいな素人相手じゃなくて、そういう演技の適任者が他にいるんじゃないの? あ、いや、怒ってるわけじゃなくて、単に疑問なんだけど」
「「……」」俺の言葉に黙る二人。何なんだ一体? でもどうやら、安川さんは何か知ってるっぽいな。柊さんの秘密を。
「ま、まあ朝の嫌われ演技は演技力のためって事なんだって」「……なんかますます謎が深まった気がする」
「今はそれだけ知ってたらいいって」「じゃあ、いずれ分かるって事?」
「「……」」またも黙る二人。何なんだよ一体! もやもやするなあもう!
「と、とにかくごめんね武智君」そこで柊さんがペコリと頭を下げる。まあ、演技の練習? というよく分からない理由が分かっただけで、結局何も分からなかったけど。まあ、今までもずっと意味分からず嫌われ演技されてたんだから、それ明かされてもあんまり意味ないというか……。
「正直良く分かんないけど、もう気にしてないからいいよ」「ありがとう。きっと、夏休み入るまでで終わるから」
「それは確定なの?」「うん、多分」
じゃあいいんじゃないの? でもそれって、夏休み開けたら柊さんとの関係も終わりって事か。
……て事は、こうやって昼飯食うのも終わりかな?……ってなんで俺、しんみりしてんだ? ああ、それはアレだ、柊さんは友達だからだ。うん、間違いない。
※※※
明歩が突然屋上にやってきて、恩田さんに会ったって言った。社長、って言い方してたから、全て知ったんだろうな。私が何故、武智君に対して嫌われ演技をし始めた事も。
ただ、あの時以上に、私は武智君に対しての想いが募ってきている。そうじゃなきゃ、こうやってずっと二人で過ごそうなんて思わない。武智君は相変わらず、一人の友達として見てるみたいだけど、それでいい。ただこうやって長い間、男の子と一緒にいるのって、私としては珍しい事なんだけどな。そこは疑問に思ってくれないのかな? 例外を除いてだけど。
そして、私のために泣いてくれる明歩。本当に嬉しい。怒ってるって言ってたのは、明歩自身が私の苦しみを理解していなかったから、そういう意味だろう。明歩は私の大切な友達だって、改めてそう思った。お昼はいつも、三浦君と過ごす大切な時間だって言ってたのに、その時間割いてこうやってわざわざ来てくれたし。
ありがとう。明歩。つい、真剣な明歩の表情に、私も涙が溢れてしまった。
で、武智君に、私が恩田プロモーションに候補生として所属している事を告げる。勿論、私の想いは明かさずに。明歩と目配せしてそれは言わないって合図してから。でも、さすがに驚くよね。お友達と思っている高校生が、芸能事務所と契約してるなんて、普通ありえないし。
……お友達。武智君は私の事をそう思ってる。でも、それでいい。だけど、私の想いはますます募る。時折見せるはにかんだ笑顔が可愛くて、思ったより話も合って、楽しくて。この世界がずっと続けばいいな、なんて。
恩田さんに言わせれば、それは青臭い妄想。だからこの夏、この気持ちをリセットしなければいけない。
武智君、ホントはね。二人で一杯一緒に色んなところに行きたいの。でも、周りはそれを許してくれないんだ。
こうやってお昼の間だけ会ってるのは私のワガママ。付き合わせてしまって本当に悪いと思ってる。でも、友達なら、大丈夫だよね?
※※※
「ありがとね、明歩」「だーから! いいっつの! ダチでしょダチ!」
そう言ってまたもバンバン私の背中を叩く明歩。もう腹立ったから私も明歩の背中をバーン、と思い切り叩き返してやった。
「いったーい! 何すんのー!」「仕返しよ」フフン、と鼻で笑いながら、むせる明歩を見下ろす私。いつまでもやられっぱなしとはいかないんだから。
「つか、美久にやり返されたの初めて~」「そうだっけ?」
今は授業も終わり下校時間。これから私は、いつもの通り恩田プロモーションの専用事務所に行かないといけない。今日は多分恩田さんは来ないはずだ。あの人社長だから、いつも私と一緒というわけでもないし。だからこうして、明歩と放課後おしゃべりしてるわけなんだけど。
でもすぐに、担任の先生から返却して貰ったスマホがバイブする。lineで『既に待ってます』との一言。分かってますよ。伺いますって。でも、今日はもう少し明歩と話ししたい気持ち。
本当は、明歩とも二人で、ショッピングしたりスイーツの店に行ったりして遊びたい。でも今の私にはそれも許されない。教室の外では、ファンクラブの数名が見張ってる。最近は朝だけだったのにな。正直少し息苦しさを感じる。
「ねえねえ、美久」私が教室の外をちらりと見たのに気づいたからか、明歩が声のトーンを落として囁く。どうしたんだろ?
「今度さあ、雄介空手の大会に出るんだ。一緒に観に行かない?」「え?」
そうだ。三浦君も空手部なんだから、当然出るよね。三年生だし。
「え、でも……」「きっと大丈夫だから! また日取り連絡するよー。これからレッスン、頑張れよっと」と言いながら、またもバン、と背中を叩いた。痛い! あーもう、やられたあ。
……でも、空手の大会、か。武智君も当然出るよね? ……。
※※※
そろそろ武智君がlineを送ってくる時間。だから私は思い切って電話をかけた。コールが二回くらいあってすぐに出る武智君。そりゃ、スマホ持ってこれからline送ろうとしてたんだから、出るのは早いか。ちょっとおかしくてクスっとしてしまったけど。
『も、もしもし?』『クスクス。ごめんね。遅い時間なのに』
『ん? なんで笑ってるの?』『なんでも』
あたふたしてるのが可愛い。なんで電話したのかって? 声が聞きたくて我慢が出来なかったからだよ? なんて言えないけれど。
『えっと、最近喫茶店のマスター元気かなあ、て気になって。今日もバイトだったんじゃない?』『ああ、元気だよ。ただ相変わらず忙しい店でさ、ちょっとてんてこ舞いっぽい』
『そっか。ごめんね。バイト行けなくて』『仕方ないよ。何か理由があるんでしょ?』
うん、と返事しながらついグッと拳を握りしめてしまう私。その理由が言えないから、つい。本当は言いたい。そしてまた、武智君と一緒にバイトしたいな。帰り道一緒に帰りたいな。
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『よっしゃあ! ……あ。い、いや、あの』『アハハ! 私も楽しみだよ』
『そ、そうなの?』『うん』
『とりあえずマスターが気になったから、電話しちゃった。じゃあ切るね』『そうだね。確か親戚だもんね。またね』
そしてスマホの電源ボタンを押した。マスターが気になるとかって、ちょっと嘘ついてごめんね武智君。と、心の中で謝罪する。そもそも、マスターの様子確認するんなら、lineでもいいんだけどね。口実は何でも良かったからいいんだけど。
若干緊張したからか、ふう、と息を吐く私。そして既に用意してある、久々に押し入れの奥から引っ張り出した浴衣を見つめる私。まだもう少し先なのに、気が早いな。だって、私も楽しみなんだもん。
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