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その三十二
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「箔がつくのに恋心が邪魔なんすか」「ええ」
そう言って既に氷が解けたアイスコーヒーに口を付ける恩田社長。
「芸能界は跳梁跋扈。魑魅魍魎が住み着く世界。熱愛報道が大好きなゴシップ誌が、常日頃鼻を利かせているわけ。これからデビューしようとしている俳優に、そんな噂話が出回ってしまったら、それだけですぐに商品価値が落ちてしまうわ」
成る程~。言ってる事は何となく分かる。
「人って良い話より悪い話の方が大好きだから、そういうネタはすぐにSNSで拡散されてしまう。その上沈静化しても、その拡散した痕跡は誰も消せないし消さない」
そう言って改めてアタシをジッと見る恩田社長。うっわ、真剣な目チョー怖いんだけど。
「ねえ。その彼氏君とは……」「別れませんよ」はっきりと言い切ったアタシ。マジな顔になったと思ったらそんな事言うか? 当ったり前じゃん。雄介はアタシの命より大事なんだから別れるわけないじゃん。
「そうよねえ。あなたの年頃の恋心って、真っすぐで純情でひたむきで。でも自分勝手で融通がきかない。だから手に負えないのよね」はあ、とため息つく恩田社長。
そこでアタシはある事に気づいた。もしかして……。
「あの、武智悠斗君って知ってます?」「え? ええ、知ってるわよ」
「……どうして知ってるんですか?」「どうしてって……。ああ、そうよね。毎朝美久があんな事してたら、疑問に思うのも当然よね。で、安川さんはどこまで美久から聞いてるの?」質問に質問返しされた。それにちょっとムッとしてしまう。聞いてんのこっちなんだけど?
「それは言えませんが、美久に武智君を嫌うようにしてるのって……」
「そうよ。私が指示したの。あの子実は、その武智って子に余計な感情を持とうとしたのよねえ」
はあ、やれやれ、と言った感じで首を振る恩田社長。やっぱ美久の気持ち知ってたんか。
「それがもし、武智君とやらの勘違いを産んで、彼がもし美久を気になって、美久も悪い気せず近づいたら、それこそスキャンダルの種だわ。だから、今後女優としてやっていくに当たって、自分の感情を押し殺し、嫌われるようになれば、きっと成長出来ると思ってね。あの子の余計な恋心を利用したのよ。どうせ付き合えやしないんだし」
そこでつい、我慢できなくなってバン、と机を思い切り叩いて立ち上がってしまった。この人、美久の想いを利用してたんだ。それだけじゃない。美久の想いを堰き止めてたんだ。美久の苦しみを増長させてたんだ。
「あら。何か怒らせるような事言ったかしら? ああ、もしかして彼氏の件? もう付き合ってしまってるなら仕方ないわね。じゃあスカウトの件、別れてからまた考えてくれたらいいわ」
……別れてから? 何言ってんのこの人? 何でそんな簡単そうに言うの?
「別れたらって……なんでそんな冷静なんすか?」「そりゃあ、大人ですもの」
立ち上がったまま怒り心頭のアタシを、どこか冷めた表情で見ながら、話し続ける恩田社長。
「あなたはまだ若いから分からないのよ。今の恋が大人になってまで続くだなんて事が妄想だって事をね。でも、それでいいのよ。子どもはね」
……何かムカつく。何その上から目線?
「それに美久の事だけど、あの子は大事な商品なの。あの子はこれから芸能界で大きく羽ばたき、素晴らしい栄光が待っている。それを青い恋心にほだされて、無駄にして欲しくないのよ……って、何言ってるのか分からないって顔してるわね」
淡々と話す恩田社長に、アタシは怒りで頭が沸騰しそうになっちゃった。もうブチ切れそう。
「お話終わったようなので失礼します」「そうね。理解して貰えなかったようで残念だけど。まあ、興味があったら、そこの名刺に書いてあるところへ連絡くれるといいわ。勿論、親御さんとも相談してね。私の名刺が貰えるって、結構貴重なのよ」
きっとアタシの怒りは顔に出てるはず。しかもアタシ、我慢できずに睨んじゃってるし。なのにこの人、涼しい表情でニコニコしてる。
これ以上一緒にいると、この人に殴り掛かりそう。だからもう立ち去ろうと思った。そしてあからさまにお茶した分の伝票持ってさっさとレジに来ちゃった。……あー、もったいない! カッコつけちゃって失敗したあ! ここは子どもらしく奢って貰えばよかったかも。でも何だか、この人に奢って貰うの腹立つししゃーないかあ。
ファミレスから出たら、ヒュウと夏風がアタシを吹きつけた。それで少し頭が覚めたからか、あの人の言ってる事を振り返る。……確かにあの人の言ってる事は正論だ。でも、正論だけじゃ割り切れない想いってあるじゃん? それって結構重要じゃん? その正論のせいで、美久はあんなに泣いたんだから。
※※※
「えっと、この公式を使うんだよね?」「いや、これはこっちの方がいいよ」
成る程、といいながら、柊さんに指摘されたところを修正していく俺。早めに昼飯食って、もうそろそろ始まる定期テストのための勉強会を、建物そばの日陰でやってる最中だ。
上を見れば快晴で夏空が広がってる。既にセミがうるさく鳴いていて、日差しもかなりきつくて暑い。今年も猛暑になるって天気予報で言ってたなあ。本当はエアコンの効いた校舎の中で涼みたいんだけど。そしてさすがにこの時期、あの色んな道具が置いてある建物の中に入るのは無理。きっと蒸し風呂状態だ。でも、その建物の影が、時々風が通り抜けるのもあって、思ったより心地よかったりする。ここ、結構過ごしやすいな。
「しっかしもう夏だなあ」「フフ。どうしたの急に?」
「いやあ、テスト終わったらさあ、今度は空手の大会があるんだよな」「あ、そっか。忙しいんだね」
もう六月も下旬に近づいてきた頃だから、このテストが終われば、空手部の練習がより一層ハードになる。それでも、バイトはいつも通り行くんだけどな。夏休み終わったらバイト辞めるから、マスターにはずっとお世話になってた事もあって、出来るだけ休みたくないんだよね。
「……観に行きたいな」「え?」
「空手の試合。そういうの観た事ないから」「あ、そ、そう?」
びっくりした。俺を観に行きたいのかと一瞬思ってしまったよ。ハハ、まあそんなわけないわな。最近かなり気を許してしまってるから、気をつけないと。最近は朝の嫌われ演技も、もう阿吽の呼吸みたいになってて、すぐ返せるようになってきてんだよな。
「それに……。武智君が、観てみたいかな」「え?」
顔を真っ赤にしながら俺を見つつ、とんでもない事言った柊さん。びっくりしてつい「なんで?」と聞いてしまった。そりゃそうだ。
「それは……、内緒」顔が赤いままフフっといたずらっぽく笑う柊さん。ああもう。またも心臓がバックンと跳ね上がっちゃったよ。本当もうこの人、心臓に悪い。とにかく可愛すぎる。
「へいへーい、ちょっと良いかいそこのカップル!」「「え?」」そこへ突如、聞き慣れた声。……安川さん?
※※※
「カップルなんて言わないでほしいんだけど。柊さん迷惑だろうし」「んー? 美久迷惑だった?」
「え? あ……」と言ったまま俯いて黙る柊さん。おいこらちょっと! 黙ってないで否定してくれよ! 勘違いされるから!
どうやら安川さんは一人で屋上まで来たようだけど、いつもセットの雄介が見当たらない。どうしたんだろ?
「まあとにかくさあ。ちょっと美久と話あんの」「あ、そう? じゃあ俺退散するわ」
「いや。たけっちーもここにいて」「え? あ、はい」たけっちー? いつからそんな呼び方されるようになったんだ?
まあ、俺も居なくちゃいけないらしいので座り直す。つか安川さん、腰に手を当て仁王立ちでふんぞり返って、何だか怒ってる?で、その様子を見た柊さんは、どうやら安川さんが何故怒ってるか分かってるっぽい。
「明歩。怒ってるね」「うん。怒ってるね」
「分かってるよ。恩田さんに会ったんでしょ? 本当は、私から説明しなきゃいけなかったんだけど」「そこはどうでもいい」
そして安川さんはガッと柊さんの肩を力強く掴んだ。何だか目が潤んでる? ……オンダさん? って誰だろ?
「美久さあ、あんた本当に苦しかったでしょ? 恩田社長から全部聞いたよ? アタシ、力になってあげれなくてごめんね」そう言って柊さんをギュッと抱きしめた安川さん。え? どういう事? オンダ社長? とか言ってた?
「明歩……。いいのよ気にしてない」「いいや! アタシは美久のダチだから!」
そしてグス、ヒックと泣き出しながら安川さんはずっとごめん、ごめんと言ってる。柊さんも徐々に目を潤ませてるし。……これは一体どういう状況なんだろ? 何だか二人で分かち合ってるっぽいし。つか、俺要らなくね?
「ねえ美久。もうたけっちーに話しちゃいな」「え? で、でも……」
「あんたの気持ち、どうすんの? このままでいいの?」「え? そ、その事?」
「じゃあその事はいいから、演技の事くらいは話しな」「……」
涙目の安川さんが真剣な顔で柊さんを説得するように見つめながら話してる。柊さんは安川さんの目が見れないようで、俯いちゃった。……朝の嫌われ演技の事、教えてくれるって事なのか。でもなんで、二人して泣いてんだろ?
そう言って既に氷が解けたアイスコーヒーに口を付ける恩田社長。
「芸能界は跳梁跋扈。魑魅魍魎が住み着く世界。熱愛報道が大好きなゴシップ誌が、常日頃鼻を利かせているわけ。これからデビューしようとしている俳優に、そんな噂話が出回ってしまったら、それだけですぐに商品価値が落ちてしまうわ」
成る程~。言ってる事は何となく分かる。
「人って良い話より悪い話の方が大好きだから、そういうネタはすぐにSNSで拡散されてしまう。その上沈静化しても、その拡散した痕跡は誰も消せないし消さない」
そう言って改めてアタシをジッと見る恩田社長。うっわ、真剣な目チョー怖いんだけど。
「ねえ。その彼氏君とは……」「別れませんよ」はっきりと言い切ったアタシ。マジな顔になったと思ったらそんな事言うか? 当ったり前じゃん。雄介はアタシの命より大事なんだから別れるわけないじゃん。
「そうよねえ。あなたの年頃の恋心って、真っすぐで純情でひたむきで。でも自分勝手で融通がきかない。だから手に負えないのよね」はあ、とため息つく恩田社長。
そこでアタシはある事に気づいた。もしかして……。
「あの、武智悠斗君って知ってます?」「え? ええ、知ってるわよ」
「……どうして知ってるんですか?」「どうしてって……。ああ、そうよね。毎朝美久があんな事してたら、疑問に思うのも当然よね。で、安川さんはどこまで美久から聞いてるの?」質問に質問返しされた。それにちょっとムッとしてしまう。聞いてんのこっちなんだけど?
「それは言えませんが、美久に武智君を嫌うようにしてるのって……」
「そうよ。私が指示したの。あの子実は、その武智って子に余計な感情を持とうとしたのよねえ」
はあ、やれやれ、と言った感じで首を振る恩田社長。やっぱ美久の気持ち知ってたんか。
「それがもし、武智君とやらの勘違いを産んで、彼がもし美久を気になって、美久も悪い気せず近づいたら、それこそスキャンダルの種だわ。だから、今後女優としてやっていくに当たって、自分の感情を押し殺し、嫌われるようになれば、きっと成長出来ると思ってね。あの子の余計な恋心を利用したのよ。どうせ付き合えやしないんだし」
そこでつい、我慢できなくなってバン、と机を思い切り叩いて立ち上がってしまった。この人、美久の想いを利用してたんだ。それだけじゃない。美久の想いを堰き止めてたんだ。美久の苦しみを増長させてたんだ。
「あら。何か怒らせるような事言ったかしら? ああ、もしかして彼氏の件? もう付き合ってしまってるなら仕方ないわね。じゃあスカウトの件、別れてからまた考えてくれたらいいわ」
……別れてから? 何言ってんのこの人? 何でそんな簡単そうに言うの?
「別れたらって……なんでそんな冷静なんすか?」「そりゃあ、大人ですもの」
立ち上がったまま怒り心頭のアタシを、どこか冷めた表情で見ながら、話し続ける恩田社長。
「あなたはまだ若いから分からないのよ。今の恋が大人になってまで続くだなんて事が妄想だって事をね。でも、それでいいのよ。子どもはね」
……何かムカつく。何その上から目線?
「それに美久の事だけど、あの子は大事な商品なの。あの子はこれから芸能界で大きく羽ばたき、素晴らしい栄光が待っている。それを青い恋心にほだされて、無駄にして欲しくないのよ……って、何言ってるのか分からないって顔してるわね」
淡々と話す恩田社長に、アタシは怒りで頭が沸騰しそうになっちゃった。もうブチ切れそう。
「お話終わったようなので失礼します」「そうね。理解して貰えなかったようで残念だけど。まあ、興味があったら、そこの名刺に書いてあるところへ連絡くれるといいわ。勿論、親御さんとも相談してね。私の名刺が貰えるって、結構貴重なのよ」
きっとアタシの怒りは顔に出てるはず。しかもアタシ、我慢できずに睨んじゃってるし。なのにこの人、涼しい表情でニコニコしてる。
これ以上一緒にいると、この人に殴り掛かりそう。だからもう立ち去ろうと思った。そしてあからさまにお茶した分の伝票持ってさっさとレジに来ちゃった。……あー、もったいない! カッコつけちゃって失敗したあ! ここは子どもらしく奢って貰えばよかったかも。でも何だか、この人に奢って貰うの腹立つししゃーないかあ。
ファミレスから出たら、ヒュウと夏風がアタシを吹きつけた。それで少し頭が覚めたからか、あの人の言ってる事を振り返る。……確かにあの人の言ってる事は正論だ。でも、正論だけじゃ割り切れない想いってあるじゃん? それって結構重要じゃん? その正論のせいで、美久はあんなに泣いたんだから。
※※※
「えっと、この公式を使うんだよね?」「いや、これはこっちの方がいいよ」
成る程、といいながら、柊さんに指摘されたところを修正していく俺。早めに昼飯食って、もうそろそろ始まる定期テストのための勉強会を、建物そばの日陰でやってる最中だ。
上を見れば快晴で夏空が広がってる。既にセミがうるさく鳴いていて、日差しもかなりきつくて暑い。今年も猛暑になるって天気予報で言ってたなあ。本当はエアコンの効いた校舎の中で涼みたいんだけど。そしてさすがにこの時期、あの色んな道具が置いてある建物の中に入るのは無理。きっと蒸し風呂状態だ。でも、その建物の影が、時々風が通り抜けるのもあって、思ったより心地よかったりする。ここ、結構過ごしやすいな。
「しっかしもう夏だなあ」「フフ。どうしたの急に?」
「いやあ、テスト終わったらさあ、今度は空手の大会があるんだよな」「あ、そっか。忙しいんだね」
もう六月も下旬に近づいてきた頃だから、このテストが終われば、空手部の練習がより一層ハードになる。それでも、バイトはいつも通り行くんだけどな。夏休み終わったらバイト辞めるから、マスターにはずっとお世話になってた事もあって、出来るだけ休みたくないんだよね。
「……観に行きたいな」「え?」
「空手の試合。そういうの観た事ないから」「あ、そ、そう?」
びっくりした。俺を観に行きたいのかと一瞬思ってしまったよ。ハハ、まあそんなわけないわな。最近かなり気を許してしまってるから、気をつけないと。最近は朝の嫌われ演技も、もう阿吽の呼吸みたいになってて、すぐ返せるようになってきてんだよな。
「それに……。武智君が、観てみたいかな」「え?」
顔を真っ赤にしながら俺を見つつ、とんでもない事言った柊さん。びっくりしてつい「なんで?」と聞いてしまった。そりゃそうだ。
「それは……、内緒」顔が赤いままフフっといたずらっぽく笑う柊さん。ああもう。またも心臓がバックンと跳ね上がっちゃったよ。本当もうこの人、心臓に悪い。とにかく可愛すぎる。
「へいへーい、ちょっと良いかいそこのカップル!」「「え?」」そこへ突如、聞き慣れた声。……安川さん?
※※※
「カップルなんて言わないでほしいんだけど。柊さん迷惑だろうし」「んー? 美久迷惑だった?」
「え? あ……」と言ったまま俯いて黙る柊さん。おいこらちょっと! 黙ってないで否定してくれよ! 勘違いされるから!
どうやら安川さんは一人で屋上まで来たようだけど、いつもセットの雄介が見当たらない。どうしたんだろ?
「まあとにかくさあ。ちょっと美久と話あんの」「あ、そう? じゃあ俺退散するわ」
「いや。たけっちーもここにいて」「え? あ、はい」たけっちー? いつからそんな呼び方されるようになったんだ?
まあ、俺も居なくちゃいけないらしいので座り直す。つか安川さん、腰に手を当て仁王立ちでふんぞり返って、何だか怒ってる?で、その様子を見た柊さんは、どうやら安川さんが何故怒ってるか分かってるっぽい。
「明歩。怒ってるね」「うん。怒ってるね」
「分かってるよ。恩田さんに会ったんでしょ? 本当は、私から説明しなきゃいけなかったんだけど」「そこはどうでもいい」
そして安川さんはガッと柊さんの肩を力強く掴んだ。何だか目が潤んでる? ……オンダさん? って誰だろ?
「美久さあ、あんた本当に苦しかったでしょ? 恩田社長から全部聞いたよ? アタシ、力になってあげれなくてごめんね」そう言って柊さんをギュッと抱きしめた安川さん。え? どういう事? オンダ社長? とか言ってた?
「明歩……。いいのよ気にしてない」「いいや! アタシは美久のダチだから!」
そしてグス、ヒックと泣き出しながら安川さんはずっとごめん、ごめんと言ってる。柊さんも徐々に目を潤ませてるし。……これは一体どういう状況なんだろ? 何だか二人で分かち合ってるっぽいし。つか、俺要らなくね?
「ねえ美久。もうたけっちーに話しちゃいな」「え? で、でも……」
「あんたの気持ち、どうすんの? このままでいいの?」「え? そ、その事?」
「じゃあその事はいいから、演技の事くらいは話しな」「……」
涙目の安川さんが真剣な顔で柊さんを説得するように見つめながら話してる。柊さんは安川さんの目が見れないようで、俯いちゃった。……朝の嫌われ演技の事、教えてくれるって事なのか。でもなんで、二人して泣いてんだろ?
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<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
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