26 / 130
その二十六
しおりを挟む
※※※
「今日も邪魔よ」「へいへいっと」
俺のその言い方に、ついクスっとしそうになる柊さん。こらこら、演技演技! と俺が慌てて小さく呟くと、スッと表情を変え、いつもの朝の冷徹な感じに変わった柊さん。最近気が緩みすぎじゃない?
そして去り際、スッと俺のポケットに紙切れ? みたいなのを入れていった。それから一睨みの演技をしてから、柊さんはそそくさとその場から立ち去った。
「何だ?」気になって紙切れを開くと、『今日のお昼、屋上来れるかな?』と書いてあった。何の用だろ? もしかして、告白……。とか? いやいやそれは絶対にないって。全く、雄介が余計な事言うから、変に意識してしまうっつの。
※※※
「おっはよーっすぅ!」そしてダイビング気味に私に抱きつく明歩。もう最近は明歩の来る時間やタイミングが分かってきているので、サッと向き直りうまく明歩をキャッチする。「すごーい! さっすが美久だね!」そして遠慮なく私の頭をワシワシ撫でる。相変わらず遠慮がなさ過ぎ! 痛いから!
「あのねぇ、明歩? いい加減それ止めない?」「えー? でも朝ってテンションあがんね?」
明歩のワシワシのせいで、乱れてしまった髪の毛を手ぐしで直しながらため息をつく私。そして、テンション上がってもダイビングして挨拶する人はきっと明歩だけだよ、と突っ込もうとしたら、もう私の側を離れている明歩。まあでも、明歩のお陰で私は今、色々気分がいいから許してあげる。
何度か武智君とお昼ご飯を一緒する事が出来た。その事が、私の気分がいい理由だ。明歩が私の気持ちを知って、気を使ってそうしてくれてるのは分かってる。そしてそれは、実はとても大きなお世話だ。それでも、明歩には感謝してる。
私の本音に抗わなければいけない事も分かってる。でも、心の奥底では、自分の気持ちに素直に行動したい、と、最近はより一層叫んでる。だから明歩が、三浦君と共謀して、武智君を連れてくるのを甘んじて受け入れてしまう。
まあ、明歩も三浦君と一緒にいれる口実にしてるみたいだけど。
そして今日、思い切って私の方から武智君にメモを渡しちゃった。多分来てくれると思う。だって今日も、明歩は三浦君と二人でお昼を過ごすはずだから。本当は、こんな事やってはいけない。でも私だって……。
「えー、ウオッホン!」「きゃあ! 何?」何となく後ろめたい事を考えていたのもあって、突然の大きな咳払いに、つい大きな声で反応してしまった。誰? と思って振り向いたら、私のリアクションに驚いて固まっている綾邊さんだった。
「えっと、私に用?」「うふぇい! そ、そうみたい、ですわよ」
明らかに狼狽えながら、変な返事をする綾邊さん。そうみたいってどういう事なんだろう?
「……」「どうしたの?」
未だ固まって何も言わない綾邊さん。何を戸惑っているのかな?
「あ、あの」「はーい。それでは皆席についてー」綾邉さんが何か言いかけたところで、担任の先生が入ってきた。
「ああー! 全く私はダメな女だあああ!!」と今度は叫びながら、その場でがくーんとなって、いそいそと自分の席に戻っていった綾邉さん。……何だったんだろう?
※※※
「あ! やっぱり来てくれた!」「やっぱりって……」そりゃあ、雄介は相変わらず安川さんだし? そうなると俺ぼっちだし? そして安川さんの友達の柊さんも、その事知ってるだろうから、俺がここに来ないと何だか避けてるみたいに思われるかも知れないし? だから、来るしかないんだよなあ。
そしてニッコニコな柊さん。なんでそんなに嬉しそうなんですかね? そういう素敵な笑顔振りまかれたら勘違いしそうになるから止めて欲しい。雄介の言葉が、余計にこういうとこで影響してくるのが腹立たしい。
屋上だからか、日差しはいつも以上に暑く感じるものの、風はまだ夏というほどの熱風でもないから、この場所は気持ちいい。だから俺もここに来るのは嫌じゃないんだけどね。
「はあー、しかし暑いねー」「そうだね。……あの、なんでそんなにご機嫌なの?」
気になったし直接聞いてみた。俺としては、半年くらい続いた、威圧的な柊さんのイメージが未だこびりついてる。それがこの態度。余りのギャップに頭の中が処理できていないようだ。そして無駄に雄介の言った事も頭の隅から離れてくれないし。
「だって、お昼に男子生徒と二人って、何だかワクワクしない?」フフっといたずらっぽく微笑む柊さん。……やばい。今の笑顔が今までで一番可愛かった。稲妻が走ったかと思ったくらい、体を貫かれた気がした。心臓もばくんと飛び跳ねた感じがした。
そしてすぐに俺から視線を外し、空を眺める。綺麗な黒髪が風にそよぎ、スカートも風になびく。やや短めで薄着のセーラー服は、隙間からその綺麗な素肌を覗かせ、更に抜群のスタイルを強調しているかのように、体のラインを忠実に顕している。
心地よさそうに風を受け入れるその様は、紛れもない超絶美少女。異世界の王女様のような、その非現実な佇まいに、俺は言葉を失い見惚れてしまった。
「すげぇ……」「ん? 何が?」つい、俺は率直な気持ちを呟いてしまう。それを聞いてしまった柊さんがすぐさま質問する。……そりゃすげぇって言われて何の事か気になるよな。
「あ、いや、えーと。飯食わない?」「そうね。お昼休憩終わっちゃうし」とりあえず下手なごまかしをする俺。それを聞いた柊さんは、それ以上は突っ込まず、屋上に設置してある建屋の方へ歩いていった。
「こっちだと日陰があって暑くないよ。この建物は災害時に必要なはしごとか入れてあるんだって。屋上はきっと私がこの学校の生徒で一番詳しいと思う」「ハハハ。屋上に詳しい女子高生って」
おかしいよね? とまたもとびきりの笑顔を見せる柊さん。またも電撃が走ったようにドクンと鼓動を感じる俺。いやこの人、マジで心臓に悪いよ。
「なんか顔真っ赤だね」「そ、そうかな?」いけね! 表情をうまく隠さないと。とりあえず柊さんから視線をそらし、持ってきた弁当を開いた。柊さんは俺のその動作を不思議そうに見てたけど、同じく自分の弁当を開く。
「柊さんっていつも一人でここで昼過ごしてたの?」「うん。でも、三年生になってからは明歩が一緒にいてくれたけどね」
「安川さんと仲いいんだね」「明歩だけなんだ。私に気兼ねなく話しかけてくれるの」
そうなんだ、と言いながら、俺の好物の甘めの卵焼きに箸を付ける。……ちょっと待て。俺今、女子と二人で飯食ってんじゃん。俺の学生生活で初めての事じゃん。しかも相手はみんなの憧れ柊美久。……ファンクラブの奴らがこの事知ったら発狂するかもな。
今更ながらその事に気づいて、つい緊張してしまう俺。しかも隣に座ってるから柊さんとの距離が近い。
「……そう言えば私、男子とお昼二人で食べるの、初めてだ」「ハハハ。俺もおんなじ事考えてたよ」
「緊張してきた……」「いや柊さん? そういう事は内緒にしとこうよ」
そうだよね、とやや顔を赤らめながら首をコテンと傾げごめんね、と小さく謝る柊さん。……くっそこの人、めちゃくちゃ可愛い。ダメだ。ダメだぞ俺。ドキドキするな。疋田さんとの日々を思い出せ。バイト一緒にしてた事とか、遊園地デートとか。……ふう、ほんの少し理性が戻った。それと同時に悲しくなったけど。
「そう言えば、どうして俺を昼飯に誘ったの?」「明歩、三浦君とどうせ一緒だし、そうなるとここで一人でお昼食べないとダメだし、なら、武智君がいた、と思って誘ったの。さっきも言ったけど、男子とお昼食べるって、青春してるって感じするでしょ?」
「……迷惑だった?」今度は少し憂いの表情で俺を見つめる柊さん。そういう悲しげな表情もまた……。
「コ、コホン! め、迷惑じゃないよ。理由は分かった。まあ俺もぼっちになりそうだったし」
「じゃあまた、誘ってもいい?」「てか、俺なんかでいいの? 安川さん以外の女子のクラスメイトとかは?」
「多分今更、私と仲良くなろうなんて人、いないから」そう言って柊さんは、またも寂し気な表情をした。
「今日も邪魔よ」「へいへいっと」
俺のその言い方に、ついクスっとしそうになる柊さん。こらこら、演技演技! と俺が慌てて小さく呟くと、スッと表情を変え、いつもの朝の冷徹な感じに変わった柊さん。最近気が緩みすぎじゃない?
そして去り際、スッと俺のポケットに紙切れ? みたいなのを入れていった。それから一睨みの演技をしてから、柊さんはそそくさとその場から立ち去った。
「何だ?」気になって紙切れを開くと、『今日のお昼、屋上来れるかな?』と書いてあった。何の用だろ? もしかして、告白……。とか? いやいやそれは絶対にないって。全く、雄介が余計な事言うから、変に意識してしまうっつの。
※※※
「おっはよーっすぅ!」そしてダイビング気味に私に抱きつく明歩。もう最近は明歩の来る時間やタイミングが分かってきているので、サッと向き直りうまく明歩をキャッチする。「すごーい! さっすが美久だね!」そして遠慮なく私の頭をワシワシ撫でる。相変わらず遠慮がなさ過ぎ! 痛いから!
「あのねぇ、明歩? いい加減それ止めない?」「えー? でも朝ってテンションあがんね?」
明歩のワシワシのせいで、乱れてしまった髪の毛を手ぐしで直しながらため息をつく私。そして、テンション上がってもダイビングして挨拶する人はきっと明歩だけだよ、と突っ込もうとしたら、もう私の側を離れている明歩。まあでも、明歩のお陰で私は今、色々気分がいいから許してあげる。
何度か武智君とお昼ご飯を一緒する事が出来た。その事が、私の気分がいい理由だ。明歩が私の気持ちを知って、気を使ってそうしてくれてるのは分かってる。そしてそれは、実はとても大きなお世話だ。それでも、明歩には感謝してる。
私の本音に抗わなければいけない事も分かってる。でも、心の奥底では、自分の気持ちに素直に行動したい、と、最近はより一層叫んでる。だから明歩が、三浦君と共謀して、武智君を連れてくるのを甘んじて受け入れてしまう。
まあ、明歩も三浦君と一緒にいれる口実にしてるみたいだけど。
そして今日、思い切って私の方から武智君にメモを渡しちゃった。多分来てくれると思う。だって今日も、明歩は三浦君と二人でお昼を過ごすはずだから。本当は、こんな事やってはいけない。でも私だって……。
「えー、ウオッホン!」「きゃあ! 何?」何となく後ろめたい事を考えていたのもあって、突然の大きな咳払いに、つい大きな声で反応してしまった。誰? と思って振り向いたら、私のリアクションに驚いて固まっている綾邊さんだった。
「えっと、私に用?」「うふぇい! そ、そうみたい、ですわよ」
明らかに狼狽えながら、変な返事をする綾邊さん。そうみたいってどういう事なんだろう?
「……」「どうしたの?」
未だ固まって何も言わない綾邊さん。何を戸惑っているのかな?
「あ、あの」「はーい。それでは皆席についてー」綾邉さんが何か言いかけたところで、担任の先生が入ってきた。
「ああー! 全く私はダメな女だあああ!!」と今度は叫びながら、その場でがくーんとなって、いそいそと自分の席に戻っていった綾邉さん。……何だったんだろう?
※※※
「あ! やっぱり来てくれた!」「やっぱりって……」そりゃあ、雄介は相変わらず安川さんだし? そうなると俺ぼっちだし? そして安川さんの友達の柊さんも、その事知ってるだろうから、俺がここに来ないと何だか避けてるみたいに思われるかも知れないし? だから、来るしかないんだよなあ。
そしてニッコニコな柊さん。なんでそんなに嬉しそうなんですかね? そういう素敵な笑顔振りまかれたら勘違いしそうになるから止めて欲しい。雄介の言葉が、余計にこういうとこで影響してくるのが腹立たしい。
屋上だからか、日差しはいつも以上に暑く感じるものの、風はまだ夏というほどの熱風でもないから、この場所は気持ちいい。だから俺もここに来るのは嫌じゃないんだけどね。
「はあー、しかし暑いねー」「そうだね。……あの、なんでそんなにご機嫌なの?」
気になったし直接聞いてみた。俺としては、半年くらい続いた、威圧的な柊さんのイメージが未だこびりついてる。それがこの態度。余りのギャップに頭の中が処理できていないようだ。そして無駄に雄介の言った事も頭の隅から離れてくれないし。
「だって、お昼に男子生徒と二人って、何だかワクワクしない?」フフっといたずらっぽく微笑む柊さん。……やばい。今の笑顔が今までで一番可愛かった。稲妻が走ったかと思ったくらい、体を貫かれた気がした。心臓もばくんと飛び跳ねた感じがした。
そしてすぐに俺から視線を外し、空を眺める。綺麗な黒髪が風にそよぎ、スカートも風になびく。やや短めで薄着のセーラー服は、隙間からその綺麗な素肌を覗かせ、更に抜群のスタイルを強調しているかのように、体のラインを忠実に顕している。
心地よさそうに風を受け入れるその様は、紛れもない超絶美少女。異世界の王女様のような、その非現実な佇まいに、俺は言葉を失い見惚れてしまった。
「すげぇ……」「ん? 何が?」つい、俺は率直な気持ちを呟いてしまう。それを聞いてしまった柊さんがすぐさま質問する。……そりゃすげぇって言われて何の事か気になるよな。
「あ、いや、えーと。飯食わない?」「そうね。お昼休憩終わっちゃうし」とりあえず下手なごまかしをする俺。それを聞いた柊さんは、それ以上は突っ込まず、屋上に設置してある建屋の方へ歩いていった。
「こっちだと日陰があって暑くないよ。この建物は災害時に必要なはしごとか入れてあるんだって。屋上はきっと私がこの学校の生徒で一番詳しいと思う」「ハハハ。屋上に詳しい女子高生って」
おかしいよね? とまたもとびきりの笑顔を見せる柊さん。またも電撃が走ったようにドクンと鼓動を感じる俺。いやこの人、マジで心臓に悪いよ。
「なんか顔真っ赤だね」「そ、そうかな?」いけね! 表情をうまく隠さないと。とりあえず柊さんから視線をそらし、持ってきた弁当を開いた。柊さんは俺のその動作を不思議そうに見てたけど、同じく自分の弁当を開く。
「柊さんっていつも一人でここで昼過ごしてたの?」「うん。でも、三年生になってからは明歩が一緒にいてくれたけどね」
「安川さんと仲いいんだね」「明歩だけなんだ。私に気兼ねなく話しかけてくれるの」
そうなんだ、と言いながら、俺の好物の甘めの卵焼きに箸を付ける。……ちょっと待て。俺今、女子と二人で飯食ってんじゃん。俺の学生生活で初めての事じゃん。しかも相手はみんなの憧れ柊美久。……ファンクラブの奴らがこの事知ったら発狂するかもな。
今更ながらその事に気づいて、つい緊張してしまう俺。しかも隣に座ってるから柊さんとの距離が近い。
「……そう言えば私、男子とお昼二人で食べるの、初めてだ」「ハハハ。俺もおんなじ事考えてたよ」
「緊張してきた……」「いや柊さん? そういう事は内緒にしとこうよ」
そうだよね、とやや顔を赤らめながら首をコテンと傾げごめんね、と小さく謝る柊さん。……くっそこの人、めちゃくちゃ可愛い。ダメだ。ダメだぞ俺。ドキドキするな。疋田さんとの日々を思い出せ。バイト一緒にしてた事とか、遊園地デートとか。……ふう、ほんの少し理性が戻った。それと同時に悲しくなったけど。
「そう言えば、どうして俺を昼飯に誘ったの?」「明歩、三浦君とどうせ一緒だし、そうなるとここで一人でお昼食べないとダメだし、なら、武智君がいた、と思って誘ったの。さっきも言ったけど、男子とお昼食べるって、青春してるって感じするでしょ?」
「……迷惑だった?」今度は少し憂いの表情で俺を見つめる柊さん。そういう悲しげな表情もまた……。
「コ、コホン! め、迷惑じゃないよ。理由は分かった。まあ俺もぼっちになりそうだったし」
「じゃあまた、誘ってもいい?」「てか、俺なんかでいいの? 安川さん以外の女子のクラスメイトとかは?」
「多分今更、私と仲良くなろうなんて人、いないから」そう言って柊さんは、またも寂し気な表情をした。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
約束へと続くストローク
葛城騰成
青春
競泳のオリンピック選手を目指している双子の幼馴染に誘われてスイミングスクールに通うようになった少女、金井紗希(かないさき)は、小学五年生になったある日、二人が転校してしまうことを知る。紗希は転校当日に双子の兄である橘柊一(たちばなしゅういち)に告白して両想いになった。
凄い選手になって紗希を迎えに来ることを誓った柊一と、柊一より先に凄い選手になって柊一を迎えに行くことを誓った紗希。その約束を胸に、二人は文通をして励まし合いながら、日々を過ごしていく。
時が経ち、水泳の名門校である立清学園(りっせいがくえん)に入学して高校生になった紗希は、女子100m自由形でインターハイで優勝することを決意する。
長年勝つことができないライバル、湾内璃子(わんないりこ)や、平泳ぎを得意とする中條彩乃(なかじょうあやの)、柊一と同じ学校に通う兄を持つ三島夕(みしまゆう)など、多くの仲間たちと関わる中で、紗希は選手としても人間としても成長していく。
絶好調かに思えたある日、紗希の下に「紗希と話がしたい」と書かれた柊一からの手紙が届く。柊一はかつて交わした約束を忘れてしまったのか? 数年ぶりの再会を果たした時、運命の歯車が大きく動き出す。
※表示画像は、SKIMAを通じて知様に描いていただきました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
冴えない俺と美少女な彼女たちとの関係、複雑につき――― ~助けた小学生の姉たちはどうやらシスコンで、いつの間にかハーレム形成してました~
メディカルト
恋愛
「え……あの小学生のお姉さん……たち?」
俺、九十九恋は特筆して何か言えることもない普通の男子高校生だ。
学校からの帰り道、俺はスーパーの近くで泣く小学生の女の子を見つける。
その女の子は転んでしまったのか、怪我していた様子だったのですぐに応急処置を施したが、実は学校で有名な初風姉妹の末っ子とは知らずに―――。
少女への親切心がきっかけで始まる、コメディ系ハーレムストーリー。
……どうやら彼は鈍感なようです。
――――――――――――――――――――――――――――――
【作者より】
九十九恋の『恋』が、恋愛の『恋』と間違える可能性があるので、彼のことを指すときは『レン』と表記しています。
また、R15は保険です。
毎朝20時投稿!
【3月14日 更新再開 詳細は近況ボードで】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる