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その二十一
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※※※
「「……」」
明歩は「え?」と言ったままフリーズしてしまった。そして私は「ハッ」として、やってしまった、と同じく固まってしまった。
「あ、あの、美久?」「……」声が出ない。今度は徐々に焦りの感情が溢れてくる。
私のこの気持ちは墓場まで持っていくつもりだったのに。誰にも明かさないつもりだったのに、どうしてここで明歩に言ってしまったのだろう? ……ああ、答えは簡単。思っていた以上に私が限界だった、それだけなんだ。それ程、私が追い詰められていた、という事なんだ。
このままではいけない。そう思った私は、フッと明歩の目の前から背後に回る。フリーズしていた明歩はびっくりした表情でキョロキョロする間、背中越しに首に腕を回そうとした。頸動脈を締め気絶させようとした。だけど明歩も中々に敏捷で、私の一連の行動に気づいた途端、首を取られる前に間に腕を挟み込んだ。
「ちょ、ちょっと、美久、何してんの?」「気絶して? お願い。ね?」
出来るわけないでしょ! と明歩が腕を掴んでそのままブン、と私を背負い投げ。しかしスタ、と私はうまく着地し、次の動作に移ろうと構え明歩に対峙する。
「ってか、もしアタシが気絶しても、美久が言った事無かった事にならないよ!」「忘れるかと思って」
忘れるわけないじゃん! と突如詰め寄りアタシの額にチョップした。痛い!
「バカだなーもう!」と怒りながら。
「大丈夫だよ。誰にも言わないから」「そういう問題でもないんだけど……」
チョップされた額を手で撫でながら、つい落胆してしまう私。弱っていたとは言え、一番言っちゃいけない言葉が出て来てしまうとは。こういうのを「不覚」というんだろうな。
「もう気絶させようとか、意味不明な事すんな」「ごめんなさい」腕を組みむくれている明歩に、私は素直に謝った。
全く、どっかの暗殺者か! と明歩に突っ込まれつつ、その場にあぐらをかいてドカと座る明歩。スカート丈が短いので丸見えだ。……今日はストライプなんだね。
じゃなくて。
「さあ、説明して貰おうか?」「……はい」ギロリと私を睨む明歩。その迫力に負けた私は、その場にペタンと座って、ため息をついてから、仕方なく思い出しつつ、武智君の事を話し始めた。
※※※
あれは確か二年生の夏休みが終わった後。ずっと続いていた、恩田さんの事務所に向かう毎日に、私はいささか鬱屈した思いを抱えていた。他の生徒とは違う扱い。それが仕方ないのは分かってる。でも本当は皆と同じ様に、クラブ活動したかったし、何より、学生らしい恋がしてみたかった。
当然こんな生活してるわけだから出会いなんてあるわけがない。あったところですぐさま、恩田さんに遮られてしまうだろうし。定時制の高校に転校せず、家近くの公立高校に通わせて貰っているのは、私が学生らしい高校時代を過ごしたいから、という気持ちを尊重して貰ったからだ。恩田さんも両親もそれには賛成してくれたから。でも、今のこの生活の一体どこに、学生らしい生活があるのだろう?
尤も、恩田さんが公立高校への通学を許したのは、私の将来に役立つから、という、ビジネスライクな理由なのだけれど。
当時そんな事を考えつつ、夏休み明け久々に登校したら、『祝! K県大会空手部準優勝、武智悠斗君!』という懸垂幕が、校舎の屋上から地面に届くほどの大きさでデカデカと掲げてあった。
私の学校では生徒が何か活躍すると、こんな風に目立つように、正門側の校舎の前面に大きな懸垂幕が掲げられる。だけど、進学校ばりに勉強に傾倒しているこの学校にて、スポーツ関連で活躍する生徒は皆無だった。だからその懸垂幕に書かれていた空手部員の活躍は、当時相当珍しく、武智悠斗という名前は、学校内で有名になった。
ところが誰も、彼の存在に気づかなかった。何故なら準優勝という事は、三年生だろうと殆どの生徒が思っていたからだ。ところが武智君は当時二年生。だからこそ武智悠斗という人物を、誰も特定出来なかったようで。更に武智君は、その実績をひけらかすような事もせず、寧ろ隠していたみたい。普段から余り目立たない生徒だったみたいだし。
その懸垂幕を見た私は、偏差値の高いこの学校で、空手で準優勝した武智悠斗君って一体どんな生徒なんだろう、と興味が沸いた。当時明歩とも知り合っておらず友達もほぼいなかった私。一人変装してこっそりバレないよう空手部を覗いてみたり、屋上から双眼鏡で体育館と併設されている道場を見たりして、武智君の影を追った。
そして彼を知った。平々凡々、と言えば失礼になるかも知れないけれど、それでも優しそうな雰囲気と、友達同士で楽しそうに会話している様子から、彼の人柄が良い事は想像できた。更に、普通科なのに定期テストではいつもTOP10に入っているくらいの頑張り屋さん。その事も後で知ったんだけど。
そんな風に追いかけていたら、徐々に武智君に恋してるような錯覚に陥った。何となく恋に酔っている、そんなふわふわした心地良さが私を魅了した。恋愛経験まるでない私の初めての経験。武智君の事をあれこれ考えるだけで胸がときめいた。
勿論、それだけが理由じゃないけれど。
ところが、何となくうきうきしている女の子の様子に、大人の恩田さんは気がついた。「もしかして美久、恋してる?」と、ある日突然聞かれてしまった。
「いえ……」そう返事したまま俯いた私。でも半分は嘘じゃない。これって恋なのかどうか自分でも分かってなかったし。でも、俯いてしまった事が肯定だと思われたようで。
「まあ、その年頃なら恋してもおかしくはないわね。で、名前は?」
「……あの懸垂幕の」「へえー。県大会で空手部準優勝。凄いじゃない。武智君、と言うのね」
その時丁度、校門前に留めていた車の中で話していたので、例の準優勝と書いてある懸垂幕を指さした私。その文字を見て感心している様子の恩田さん。でもすぐに、スッと冷たい視線に変わり私を見る。
「でも分かってるわよね? 忘れなさい」
「……」「美久? 返事は?」
「……」すぐに分かりました、と言えなかった。いつも返事はハキハキしているはずなのに。どこか納得がいかなかったから。だって私、この気持ちが恋かどうか知らないんだもの。更に恩田さんの言う通り、そういう年頃なんだから、もっと色々知りたいのに。もっとときめいてみたいのに。それを忘れろと言われて、受け入れられなかった。
「美久にしては珍しいわね。私に対してすぐ返事しないなんて」
俯いたまま返答に困る私。そこで恩田さんは仕方ないわねえ、と呟きながら、ふと何か思いついたように話し始める。
「そうね。丁度いいわ。練習にもなるし」
練習? つい怪訝な顔を恩田さんに向けてしまった。
「その武智君から、うまく嫌われなさい」
「え?」どういう事だろう?
「聞こえなかったの? 武智君とやらに毎日、嫌われるようにアプローチしなさい、って言ったのよ」
「……どうして、ですか?」そもそも、武智君とは何の接点もない。それなのにいきなり嫌われろ、だなんて。
「気になる男子を邪険にする。そんな経験中々出来ないでしょ? それはあなたの今後に、きっといいスパイスを与えてくれるわ。それに、分かってるでしょうけど恋愛は御法度。嫌われればそれ以上進展する心配はない。ただでさえ美久は男を惑わせるんだから。無用な心配は排除しておくに限るわ」
「そ、そんな」残酷な、と言葉を続けようとした。でも、それは出来なかった。何故なら、……恩田さんには感謝しているから。だから、従わなきゃ。その気持ちが素直な想いを遮った。
「……分かりました」「そう。分かればいいのよ」
でも監視が必要ね、と、その後恩田さんは小さく呟いた。私はどこか耐え難い、悔しい気持ちをぐっと膝の上で拳を作り抑えながら、それ以上何も言わず俯いた。
※※※
「意味わかんねー」なんだか怒ったように明歩が呟く。私は、懸垂幕を見て想いを寄せた事。詳細は言えないけれど、武智君に嫌われないといけない理由がある事。その二点のみをだけ話をした。
勿論、明歩は私にあれこれ質問したけど、言えない事は正直に言えない、ごめん、と謝って言わないようにした。
これは私の問題。これ以上、明歩を巻き込むわけにはいかないから。
「てかさぁ、美久。武智君好きなんでしょ? じゃあ彼氏にしたくないの?」
彼氏? その言葉を聞いて一気に顔がボッと熱を帯びた。そんな事……、出来るわけがない。だから、考えようとしなかった。でももし、そうなれたら……。
「しゃーないなあ」明歩は私が顔を真っ赤にし俯いているのを見て頭を掻く。
「明歩。ごめんね」「何が?」
「その、巻き込んでしまって」「なーに言ってんの! ダチでしょダチ!」そして背中をバーンと叩く。痛いなあもう!
でも、明歩に話出来て少し気が晴れた。これからも武智君には嫌われ続けないといけない。だけど、こうやって打ち明けた事で、理由があって嫌われている事を分かってくれる友達がいる。それだけでも私は頑張れる。これから嫌われ続けるのは、きっと我慢出来るだろう。
「明歩。ありがとう」「どーいたしまして!」ニカ、と素敵な笑顔を見せる明歩。本当、友達って有難いな。
「じゃあそろそろ戻ろうか」「おーけー」私がそう言って明歩が了承する。既に二時限目が終わりかけているところだ。こんな風に授業を抜けたのは初めてだったけど、こうやって話出来たのは本当に良かった。ずっと内緒にしておくつもりだったけど、どこか心のもやが晴れたようですっきりした。
つい口が滑った事だけど、その相手が明歩で本当に良かった。
でもすぐに、この私の友達、安川明歩は私の思いもよらない事をした。その事で、私は今後もっと冷静にいようと決めた。
「「……」」
明歩は「え?」と言ったままフリーズしてしまった。そして私は「ハッ」として、やってしまった、と同じく固まってしまった。
「あ、あの、美久?」「……」声が出ない。今度は徐々に焦りの感情が溢れてくる。
私のこの気持ちは墓場まで持っていくつもりだったのに。誰にも明かさないつもりだったのに、どうしてここで明歩に言ってしまったのだろう? ……ああ、答えは簡単。思っていた以上に私が限界だった、それだけなんだ。それ程、私が追い詰められていた、という事なんだ。
このままではいけない。そう思った私は、フッと明歩の目の前から背後に回る。フリーズしていた明歩はびっくりした表情でキョロキョロする間、背中越しに首に腕を回そうとした。頸動脈を締め気絶させようとした。だけど明歩も中々に敏捷で、私の一連の行動に気づいた途端、首を取られる前に間に腕を挟み込んだ。
「ちょ、ちょっと、美久、何してんの?」「気絶して? お願い。ね?」
出来るわけないでしょ! と明歩が腕を掴んでそのままブン、と私を背負い投げ。しかしスタ、と私はうまく着地し、次の動作に移ろうと構え明歩に対峙する。
「ってか、もしアタシが気絶しても、美久が言った事無かった事にならないよ!」「忘れるかと思って」
忘れるわけないじゃん! と突如詰め寄りアタシの額にチョップした。痛い!
「バカだなーもう!」と怒りながら。
「大丈夫だよ。誰にも言わないから」「そういう問題でもないんだけど……」
チョップされた額を手で撫でながら、つい落胆してしまう私。弱っていたとは言え、一番言っちゃいけない言葉が出て来てしまうとは。こういうのを「不覚」というんだろうな。
「もう気絶させようとか、意味不明な事すんな」「ごめんなさい」腕を組みむくれている明歩に、私は素直に謝った。
全く、どっかの暗殺者か! と明歩に突っ込まれつつ、その場にあぐらをかいてドカと座る明歩。スカート丈が短いので丸見えだ。……今日はストライプなんだね。
じゃなくて。
「さあ、説明して貰おうか?」「……はい」ギロリと私を睨む明歩。その迫力に負けた私は、その場にペタンと座って、ため息をついてから、仕方なく思い出しつつ、武智君の事を話し始めた。
※※※
あれは確か二年生の夏休みが終わった後。ずっと続いていた、恩田さんの事務所に向かう毎日に、私はいささか鬱屈した思いを抱えていた。他の生徒とは違う扱い。それが仕方ないのは分かってる。でも本当は皆と同じ様に、クラブ活動したかったし、何より、学生らしい恋がしてみたかった。
当然こんな生活してるわけだから出会いなんてあるわけがない。あったところですぐさま、恩田さんに遮られてしまうだろうし。定時制の高校に転校せず、家近くの公立高校に通わせて貰っているのは、私が学生らしい高校時代を過ごしたいから、という気持ちを尊重して貰ったからだ。恩田さんも両親もそれには賛成してくれたから。でも、今のこの生活の一体どこに、学生らしい生活があるのだろう?
尤も、恩田さんが公立高校への通学を許したのは、私の将来に役立つから、という、ビジネスライクな理由なのだけれど。
当時そんな事を考えつつ、夏休み明け久々に登校したら、『祝! K県大会空手部準優勝、武智悠斗君!』という懸垂幕が、校舎の屋上から地面に届くほどの大きさでデカデカと掲げてあった。
私の学校では生徒が何か活躍すると、こんな風に目立つように、正門側の校舎の前面に大きな懸垂幕が掲げられる。だけど、進学校ばりに勉強に傾倒しているこの学校にて、スポーツ関連で活躍する生徒は皆無だった。だからその懸垂幕に書かれていた空手部員の活躍は、当時相当珍しく、武智悠斗という名前は、学校内で有名になった。
ところが誰も、彼の存在に気づかなかった。何故なら準優勝という事は、三年生だろうと殆どの生徒が思っていたからだ。ところが武智君は当時二年生。だからこそ武智悠斗という人物を、誰も特定出来なかったようで。更に武智君は、その実績をひけらかすような事もせず、寧ろ隠していたみたい。普段から余り目立たない生徒だったみたいだし。
その懸垂幕を見た私は、偏差値の高いこの学校で、空手で準優勝した武智悠斗君って一体どんな生徒なんだろう、と興味が沸いた。当時明歩とも知り合っておらず友達もほぼいなかった私。一人変装してこっそりバレないよう空手部を覗いてみたり、屋上から双眼鏡で体育館と併設されている道場を見たりして、武智君の影を追った。
そして彼を知った。平々凡々、と言えば失礼になるかも知れないけれど、それでも優しそうな雰囲気と、友達同士で楽しそうに会話している様子から、彼の人柄が良い事は想像できた。更に、普通科なのに定期テストではいつもTOP10に入っているくらいの頑張り屋さん。その事も後で知ったんだけど。
そんな風に追いかけていたら、徐々に武智君に恋してるような錯覚に陥った。何となく恋に酔っている、そんなふわふわした心地良さが私を魅了した。恋愛経験まるでない私の初めての経験。武智君の事をあれこれ考えるだけで胸がときめいた。
勿論、それだけが理由じゃないけれど。
ところが、何となくうきうきしている女の子の様子に、大人の恩田さんは気がついた。「もしかして美久、恋してる?」と、ある日突然聞かれてしまった。
「いえ……」そう返事したまま俯いた私。でも半分は嘘じゃない。これって恋なのかどうか自分でも分かってなかったし。でも、俯いてしまった事が肯定だと思われたようで。
「まあ、その年頃なら恋してもおかしくはないわね。で、名前は?」
「……あの懸垂幕の」「へえー。県大会で空手部準優勝。凄いじゃない。武智君、と言うのね」
その時丁度、校門前に留めていた車の中で話していたので、例の準優勝と書いてある懸垂幕を指さした私。その文字を見て感心している様子の恩田さん。でもすぐに、スッと冷たい視線に変わり私を見る。
「でも分かってるわよね? 忘れなさい」
「……」「美久? 返事は?」
「……」すぐに分かりました、と言えなかった。いつも返事はハキハキしているはずなのに。どこか納得がいかなかったから。だって私、この気持ちが恋かどうか知らないんだもの。更に恩田さんの言う通り、そういう年頃なんだから、もっと色々知りたいのに。もっとときめいてみたいのに。それを忘れろと言われて、受け入れられなかった。
「美久にしては珍しいわね。私に対してすぐ返事しないなんて」
俯いたまま返答に困る私。そこで恩田さんは仕方ないわねえ、と呟きながら、ふと何か思いついたように話し始める。
「そうね。丁度いいわ。練習にもなるし」
練習? つい怪訝な顔を恩田さんに向けてしまった。
「その武智君から、うまく嫌われなさい」
「え?」どういう事だろう?
「聞こえなかったの? 武智君とやらに毎日、嫌われるようにアプローチしなさい、って言ったのよ」
「……どうして、ですか?」そもそも、武智君とは何の接点もない。それなのにいきなり嫌われろ、だなんて。
「気になる男子を邪険にする。そんな経験中々出来ないでしょ? それはあなたの今後に、きっといいスパイスを与えてくれるわ。それに、分かってるでしょうけど恋愛は御法度。嫌われればそれ以上進展する心配はない。ただでさえ美久は男を惑わせるんだから。無用な心配は排除しておくに限るわ」
「そ、そんな」残酷な、と言葉を続けようとした。でも、それは出来なかった。何故なら、……恩田さんには感謝しているから。だから、従わなきゃ。その気持ちが素直な想いを遮った。
「……分かりました」「そう。分かればいいのよ」
でも監視が必要ね、と、その後恩田さんは小さく呟いた。私はどこか耐え難い、悔しい気持ちをぐっと膝の上で拳を作り抑えながら、それ以上何も言わず俯いた。
※※※
「意味わかんねー」なんだか怒ったように明歩が呟く。私は、懸垂幕を見て想いを寄せた事。詳細は言えないけれど、武智君に嫌われないといけない理由がある事。その二点のみをだけ話をした。
勿論、明歩は私にあれこれ質問したけど、言えない事は正直に言えない、ごめん、と謝って言わないようにした。
これは私の問題。これ以上、明歩を巻き込むわけにはいかないから。
「てかさぁ、美久。武智君好きなんでしょ? じゃあ彼氏にしたくないの?」
彼氏? その言葉を聞いて一気に顔がボッと熱を帯びた。そんな事……、出来るわけがない。だから、考えようとしなかった。でももし、そうなれたら……。
「しゃーないなあ」明歩は私が顔を真っ赤にし俯いているのを見て頭を掻く。
「明歩。ごめんね」「何が?」
「その、巻き込んでしまって」「なーに言ってんの! ダチでしょダチ!」そして背中をバーンと叩く。痛いなあもう!
でも、明歩に話出来て少し気が晴れた。これからも武智君には嫌われ続けないといけない。だけど、こうやって打ち明けた事で、理由があって嫌われている事を分かってくれる友達がいる。それだけでも私は頑張れる。これから嫌われ続けるのは、きっと我慢出来るだろう。
「明歩。ありがとう」「どーいたしまして!」ニカ、と素敵な笑顔を見せる明歩。本当、友達って有難いな。
「じゃあそろそろ戻ろうか」「おーけー」私がそう言って明歩が了承する。既に二時限目が終わりかけているところだ。こんな風に授業を抜けたのは初めてだったけど、こうやって話出来たのは本当に良かった。ずっと内緒にしておくつもりだったけど、どこか心のもやが晴れたようですっきりした。
つい口が滑った事だけど、その相手が明歩で本当に良かった。
でもすぐに、この私の友達、安川明歩は私の思いもよらない事をした。その事で、私は今後もっと冷静にいようと決めた。
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