17 / 130
その十七
しおりを挟む
※※※
「今日もお客さん沢山だったね」「本当だね。そしてこうやって、一緒に帰るの久々だー」
そうだね、と笑顔を返してくれる疋田さん。やっぱ写真より実物の方が何万倍も可愛いな。俺の恋心補正も多少入ってるかも知れないけど、そうじゃなくても疋田さんはそもそも相当可愛いんだ。
ゴールデンウイーク明けてからも、あの店相変わらず忙しかった。てか、なんであんなに人気なの? ゴールデンウイーク中も相当忙しかったし。その時は疋田さんがいなかったのもあって、人手不足で余計そう感じたのかも知れないけど。そして今日は久々に疋田さんがバイトに来たので、こうして毎度の俺のお楽しみイベント、一緒に帰ってるわけだが。
そして俺は今、久々疋田さんと一緒に帰れる嬉しい気持ちとともに、かなり緊張している。
今日は思い切って疋田さんにとある事を話そうと思ってるからだ。……よし。頑張れ俺。勇気出せ。昨年の空手の決勝戦を思い出せ。あれだって上級生相手に相当緊張しただろ? 唯一二年生だった俺があの大舞台に立ったあの時と同じだ。負けたけど。……って俺のバカ! 弱気になるな!
そして思い切り深呼吸して、意を決して言葉を吐く。
「……あ、あのさ」
「なに?」コテンと首を傾げるその仕草、ああ、可愛いなあ……、じゃ、ないだろ! しっかりしろ俺!
「疋田さんって、映画とか観る?」「うーん、そういや、最近観てないかな? でも嫌いじゃないよ」
「じゃ、じゃあさ、今度の日曜行かない? 丁度来週、ハリウッドの新作が始まるから」
っしゃああああ!! 言えたあああ!! この下り、ゴールデンウイーク中に何度も何度も練習したんだあああ!! よくやった俺! グッジョブだ! 一仕事終えた気分だ!
「あーごめん。日曜は用事があるんだ」……え?
「あ、ハハ。そうだよね。こっちこそごめん。都合知らないのに」
……しまった。断られた時の対処についてはシミュレーションしてなかった。
やばい。どうしよう。断られた事でズーンて音が、どっかから聞こえるくらいショック受けてしまってる。しかも映画に誘ったって事は、デートしましょうアピールみたいなもんだ。俺の好意を匂わしてるようなもんだ。それなのに断られてしまった。て事は……。
恥ずかしいとショックで頭の中がぐちゃぐちゃだ。でも、平静を保たないと。
「そ、そっか。じゃ、じゃあ、仕方ないね」泣きそうな気持ちがこみ上げてくるのを必死に抑えながら、何とか笑顔を取り繕い返事する俺。しどろもどろになってしまったけど、多分ショックなのは気づかれてない……はず。
「うん、ごめんね。土曜だったら大丈夫だったんだけど」……え?
「え、じゃ、じゃあ土曜! 土曜でもいいよ!」慌てて土曜日OKと必死に伝える俺。このチャンス、逃してなるものか。チキンな俺がまた誘えるかどうかも分からないんだし。
「え? でも、空手は?」そんな俺の様子にちょっと引いてる? 疋田さん。そう。疋田さんの言う通り、実は土曜、空手の練習がある。でもそれよりも疋田さんと映画の方が当然大事だ。てか、疋田さん俺が毎週土曜、空手部あるの覚えててくれたのか。それはそれで嬉しい。
「一日くらい休んでも大丈夫だから」「いいの? 何か悪いよ」
悪くない悪くない! 空手は毎日練習してんだから! でも疋田さんと映画行けるチャンス、いつあるか分からない。一日くらい休んだってどうって事ない!
「なんだか必死だね」「そ、そりゃあね」
え? とキョトンとする疋田さん。あ、しまった。必死な気持ちを肯定してしまった。
「どうして必死なの?」黒縁メガネの奥から、黒い瞳でジッと見つめる疋田さん。
「そ、それは……映画の時話すよ」
「……分かった。それでいい」
それでいい? どういう事だろ? そしてフイ、と下を向く疋田さん。
とにかく、俺は覚悟を決めたんだ。今度の映画の時、疋田さんに告白するって。だから必死になってしまった。そう決めたから、このチャンスを逃したくないって思ったからね。
そしていつもの歩道橋の下に着いたので、「じゃあ土曜日に。場所とか時間とかはまた連絡してね」と言って、バイバイ、と手を振りながら、疋田さんはいつも通り帰っていった。
……よっしゃあああ!! 映画デートゲットおおお!! しかも今週末! これはテンション上がる!
でも俺、その時告白するんだよな? やばい、今から緊張してきた。あ、お腹痛くなってきた。急いで帰ろ。
※※※
「待った?」「いいや大丈夫」
良かった、飛び切りの笑顔をみせてくれる疋田さん。俺にとっては待ちに待った土曜日。決死の覚悟を決めた日。いや、然程待ちに待った、て訳でもないかも? だって、フラれる可能性だってあるんだから。でも、結果について今は考えない事にしてる。まずは疋田さんと二人で、映画を楽しまないとね。
しかし今日もまあ、可愛いですねこの天使は。初夏とは思えない程暑い日差しだからか、疋田さんは肩の見えた袖のない白のワンピースの上に、薄手のデニム生地のジャケットを羽織ってる。帽子は前のようにベレー帽だけど、今日のはツバ付きで日差しから顔を守るのも兼ねてるみたいだ。
まあ、何がいいたいかと言うと、今日の私服も最高で俺至福、って事です。
とりあえず雄介にお願いして、今日は休むと顧問の先生に伝えて貰う事にした。「一日も休んだ事ない悠斗が休むって聞いたら、先生びっくりするんじゃないか?」とか言われて改めて知った。そうか、俺空手部一回も休んだ事ないのか。さすが雄介、俺の事よく知ってんなあ。
もしかしたら怪我とか心配されるかも知れんから、そこはちゃんと言っとく、とまで気を使ってくれた。今日俺が何故休むか、雄介には話してある。だから、頑張れよ、きっと大丈夫だ、とも言ってくれた。いつもありがとな、雄介。
雄介の言う通り、可能性はゼロじゃない気がするんだ。鈍感な俺でも、疋田さんは俺の事嫌だとは思ってないと分かるから。
……好きかどうかは分からないけど。
でも、それでも、もう決めたんだ。俺は今日、この子に告白するって。
「どうしたの?」「あ、いや、まあ。とりあえず行こうか」
「?」となってる疋田さんだったが、告白するって決意してました、なんて言えるわけもないので、下手だけど誤魔化しながら、とりあえず映画館に向かう事にした。
「ところで映画、ハリウッドのアクションだけど大丈夫?」「うん。好きだから大丈夫だよ」
好きだから。その言葉を無駄に気になって変にドキっとしてしまう俺。……意識しすぎだろ。と、心の中で呆れつつも、疋田さんと一緒に映画館に向かおうとした。その時、
「きゃ!」「おわっと」突然自転車が俺達の前に飛び出し、疋田さんにぶつかりそうになった。慌てて俺は、疋田さんの手を取って引き寄せた。あー良かった。大事にならなくて。でも、つい俺の方に抱き寄せてしまった。
「ご、ごめん」「う、ううん。ありがと」サッと離れる俺達。でも、疋田さんは手を離さない。
「……このままでいこっか」「え?」いたずらっぽく微笑み、赤らめた顔で俺を見る疋田さん。え? 手を繋いで移動するの?
いいの? って言おうとしたけど、早く早く、といきなり俺を引っ張る疋田さん。これ、ちょっとどういう事? なんで疋田さん、俺と手を繋いでんの? やばい、不味い。緊張で手汗がジットリしてきた。こりゃ疋田さんに失礼だ。でも、離したくない。
「ごめん、汗が」「あ、ほんとだね」でもやっぱり疋田さんに迷惑かける訳にはいかないから、泣く泣く手を離し、ハンカチ出して疋田さんに渡す。手についてしまった俺の男臭い汚い手汗を拭いて貰うためだ。
「気にしなくていいのに。本当、いつも優しいね。いつも、まず私、だもんね」俺からハンカチを受け取り、申し訳なさそうに手を拭きながら疋田さんはそう言った。けど、俺に取っちゃ当たり前の事なんだけどな。
好きな女の子を第一に考える。男たるもの、そういうもんでしょ?
「そ、そうかな?」「うん、そうだよ」
褒められたように思ってちょっと顔が熱くなる。気温が高いせいもあるかな? どっちにしても恥ずかしかったのでつい俯いてしまった。それから再度手を繋ぎ直す……何て事はなく、今度は二人横に並んで、そのまま映画館に向かいましたとさ。あーあ、俺の手のバカ野郎。
「今日もお客さん沢山だったね」「本当だね。そしてこうやって、一緒に帰るの久々だー」
そうだね、と笑顔を返してくれる疋田さん。やっぱ写真より実物の方が何万倍も可愛いな。俺の恋心補正も多少入ってるかも知れないけど、そうじゃなくても疋田さんはそもそも相当可愛いんだ。
ゴールデンウイーク明けてからも、あの店相変わらず忙しかった。てか、なんであんなに人気なの? ゴールデンウイーク中も相当忙しかったし。その時は疋田さんがいなかったのもあって、人手不足で余計そう感じたのかも知れないけど。そして今日は久々に疋田さんがバイトに来たので、こうして毎度の俺のお楽しみイベント、一緒に帰ってるわけだが。
そして俺は今、久々疋田さんと一緒に帰れる嬉しい気持ちとともに、かなり緊張している。
今日は思い切って疋田さんにとある事を話そうと思ってるからだ。……よし。頑張れ俺。勇気出せ。昨年の空手の決勝戦を思い出せ。あれだって上級生相手に相当緊張しただろ? 唯一二年生だった俺があの大舞台に立ったあの時と同じだ。負けたけど。……って俺のバカ! 弱気になるな!
そして思い切り深呼吸して、意を決して言葉を吐く。
「……あ、あのさ」
「なに?」コテンと首を傾げるその仕草、ああ、可愛いなあ……、じゃ、ないだろ! しっかりしろ俺!
「疋田さんって、映画とか観る?」「うーん、そういや、最近観てないかな? でも嫌いじゃないよ」
「じゃ、じゃあさ、今度の日曜行かない? 丁度来週、ハリウッドの新作が始まるから」
っしゃああああ!! 言えたあああ!! この下り、ゴールデンウイーク中に何度も何度も練習したんだあああ!! よくやった俺! グッジョブだ! 一仕事終えた気分だ!
「あーごめん。日曜は用事があるんだ」……え?
「あ、ハハ。そうだよね。こっちこそごめん。都合知らないのに」
……しまった。断られた時の対処についてはシミュレーションしてなかった。
やばい。どうしよう。断られた事でズーンて音が、どっかから聞こえるくらいショック受けてしまってる。しかも映画に誘ったって事は、デートしましょうアピールみたいなもんだ。俺の好意を匂わしてるようなもんだ。それなのに断られてしまった。て事は……。
恥ずかしいとショックで頭の中がぐちゃぐちゃだ。でも、平静を保たないと。
「そ、そっか。じゃ、じゃあ、仕方ないね」泣きそうな気持ちがこみ上げてくるのを必死に抑えながら、何とか笑顔を取り繕い返事する俺。しどろもどろになってしまったけど、多分ショックなのは気づかれてない……はず。
「うん、ごめんね。土曜だったら大丈夫だったんだけど」……え?
「え、じゃ、じゃあ土曜! 土曜でもいいよ!」慌てて土曜日OKと必死に伝える俺。このチャンス、逃してなるものか。チキンな俺がまた誘えるかどうかも分からないんだし。
「え? でも、空手は?」そんな俺の様子にちょっと引いてる? 疋田さん。そう。疋田さんの言う通り、実は土曜、空手の練習がある。でもそれよりも疋田さんと映画の方が当然大事だ。てか、疋田さん俺が毎週土曜、空手部あるの覚えててくれたのか。それはそれで嬉しい。
「一日くらい休んでも大丈夫だから」「いいの? 何か悪いよ」
悪くない悪くない! 空手は毎日練習してんだから! でも疋田さんと映画行けるチャンス、いつあるか分からない。一日くらい休んだってどうって事ない!
「なんだか必死だね」「そ、そりゃあね」
え? とキョトンとする疋田さん。あ、しまった。必死な気持ちを肯定してしまった。
「どうして必死なの?」黒縁メガネの奥から、黒い瞳でジッと見つめる疋田さん。
「そ、それは……映画の時話すよ」
「……分かった。それでいい」
それでいい? どういう事だろ? そしてフイ、と下を向く疋田さん。
とにかく、俺は覚悟を決めたんだ。今度の映画の時、疋田さんに告白するって。だから必死になってしまった。そう決めたから、このチャンスを逃したくないって思ったからね。
そしていつもの歩道橋の下に着いたので、「じゃあ土曜日に。場所とか時間とかはまた連絡してね」と言って、バイバイ、と手を振りながら、疋田さんはいつも通り帰っていった。
……よっしゃあああ!! 映画デートゲットおおお!! しかも今週末! これはテンション上がる!
でも俺、その時告白するんだよな? やばい、今から緊張してきた。あ、お腹痛くなってきた。急いで帰ろ。
※※※
「待った?」「いいや大丈夫」
良かった、飛び切りの笑顔をみせてくれる疋田さん。俺にとっては待ちに待った土曜日。決死の覚悟を決めた日。いや、然程待ちに待った、て訳でもないかも? だって、フラれる可能性だってあるんだから。でも、結果について今は考えない事にしてる。まずは疋田さんと二人で、映画を楽しまないとね。
しかし今日もまあ、可愛いですねこの天使は。初夏とは思えない程暑い日差しだからか、疋田さんは肩の見えた袖のない白のワンピースの上に、薄手のデニム生地のジャケットを羽織ってる。帽子は前のようにベレー帽だけど、今日のはツバ付きで日差しから顔を守るのも兼ねてるみたいだ。
まあ、何がいいたいかと言うと、今日の私服も最高で俺至福、って事です。
とりあえず雄介にお願いして、今日は休むと顧問の先生に伝えて貰う事にした。「一日も休んだ事ない悠斗が休むって聞いたら、先生びっくりするんじゃないか?」とか言われて改めて知った。そうか、俺空手部一回も休んだ事ないのか。さすが雄介、俺の事よく知ってんなあ。
もしかしたら怪我とか心配されるかも知れんから、そこはちゃんと言っとく、とまで気を使ってくれた。今日俺が何故休むか、雄介には話してある。だから、頑張れよ、きっと大丈夫だ、とも言ってくれた。いつもありがとな、雄介。
雄介の言う通り、可能性はゼロじゃない気がするんだ。鈍感な俺でも、疋田さんは俺の事嫌だとは思ってないと分かるから。
……好きかどうかは分からないけど。
でも、それでも、もう決めたんだ。俺は今日、この子に告白するって。
「どうしたの?」「あ、いや、まあ。とりあえず行こうか」
「?」となってる疋田さんだったが、告白するって決意してました、なんて言えるわけもないので、下手だけど誤魔化しながら、とりあえず映画館に向かう事にした。
「ところで映画、ハリウッドのアクションだけど大丈夫?」「うん。好きだから大丈夫だよ」
好きだから。その言葉を無駄に気になって変にドキっとしてしまう俺。……意識しすぎだろ。と、心の中で呆れつつも、疋田さんと一緒に映画館に向かおうとした。その時、
「きゃ!」「おわっと」突然自転車が俺達の前に飛び出し、疋田さんにぶつかりそうになった。慌てて俺は、疋田さんの手を取って引き寄せた。あー良かった。大事にならなくて。でも、つい俺の方に抱き寄せてしまった。
「ご、ごめん」「う、ううん。ありがと」サッと離れる俺達。でも、疋田さんは手を離さない。
「……このままでいこっか」「え?」いたずらっぽく微笑み、赤らめた顔で俺を見る疋田さん。え? 手を繋いで移動するの?
いいの? って言おうとしたけど、早く早く、といきなり俺を引っ張る疋田さん。これ、ちょっとどういう事? なんで疋田さん、俺と手を繋いでんの? やばい、不味い。緊張で手汗がジットリしてきた。こりゃ疋田さんに失礼だ。でも、離したくない。
「ごめん、汗が」「あ、ほんとだね」でもやっぱり疋田さんに迷惑かける訳にはいかないから、泣く泣く手を離し、ハンカチ出して疋田さんに渡す。手についてしまった俺の男臭い汚い手汗を拭いて貰うためだ。
「気にしなくていいのに。本当、いつも優しいね。いつも、まず私、だもんね」俺からハンカチを受け取り、申し訳なさそうに手を拭きながら疋田さんはそう言った。けど、俺に取っちゃ当たり前の事なんだけどな。
好きな女の子を第一に考える。男たるもの、そういうもんでしょ?
「そ、そうかな?」「うん、そうだよ」
褒められたように思ってちょっと顔が熱くなる。気温が高いせいもあるかな? どっちにしても恥ずかしかったのでつい俯いてしまった。それから再度手を繋ぎ直す……何て事はなく、今度は二人横に並んで、そのまま映画館に向かいましたとさ。あーあ、俺の手のバカ野郎。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
自称未来の妻なヤンデレ転校生に振り回された挙句、最終的に責任を取らされる話
水島紗鳥
青春
成績優秀でスポーツ万能な男子高校生の黒月拓馬は、学校では常に1人だった。
そんなハイスペックぼっちな拓馬の前に未来の妻を自称する日英ハーフの美少女転校生、十六夜アリスが現れた事で平穏だった日常生活が激変する。
凄まじくヤンデレなアリスは拓馬を自分だけの物にするためにありとあらゆる手段を取り、どんどん外堀を埋めていく。
「なあ、サインと判子欲しいって渡された紙が記入済婚姻届なのは気のせいか?」
「気にしない気にしない」
「いや、気にするに決まってるだろ」
ヤンデレなアリスから完全にロックオンされてしまった拓馬の運命はいかに……?(なお、もう一生逃げられない模様)
表紙はイラストレーターの谷川犬兎様に描いていただきました。
小説投稿サイトでの利用許可を頂いております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
約束へと続くストローク
葛城騰成
青春
競泳のオリンピック選手を目指している双子の幼馴染に誘われてスイミングスクールに通うようになった少女、金井紗希(かないさき)は、小学五年生になったある日、二人が転校してしまうことを知る。紗希は転校当日に双子の兄である橘柊一(たちばなしゅういち)に告白して両想いになった。
凄い選手になって紗希を迎えに来ることを誓った柊一と、柊一より先に凄い選手になって柊一を迎えに行くことを誓った紗希。その約束を胸に、二人は文通をして励まし合いながら、日々を過ごしていく。
時が経ち、水泳の名門校である立清学園(りっせいがくえん)に入学して高校生になった紗希は、女子100m自由形でインターハイで優勝することを決意する。
長年勝つことができないライバル、湾内璃子(わんないりこ)や、平泳ぎを得意とする中條彩乃(なかじょうあやの)、柊一と同じ学校に通う兄を持つ三島夕(みしまゆう)など、多くの仲間たちと関わる中で、紗希は選手としても人間としても成長していく。
絶好調かに思えたある日、紗希の下に「紗希と話がしたい」と書かれた柊一からの手紙が届く。柊一はかつて交わした約束を忘れてしまったのか? 数年ぶりの再会を果たした時、運命の歯車が大きく動き出す。
※表示画像は、SKIMAを通じて知様に描いていただきました。
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
どうしてもモテない俺に天使が降りてきた件について
塀流 通留
青春
ラブコメな青春に憧れる高校生――茂手太陽(もて たいよう)。
好きな女の子と過ごす楽しい青春を送るため、彼はひたすら努力を繰り返したのだが――モテなかった。
それはもうモテなかった。
何をどうやってもモテなかった。
呪われてるんじゃないかというくらいモテなかった。
そんな青春負け組説濃厚な彼の元に、ボクッ娘美少女天使が現れて――
モテない高校生とボクッ娘天使が送る青春ラブコメ……に見せかけた何か!?
最後の最後のどんでん返しであなたは知るだろう。
これはラブコメじゃない!――と
<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる