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その八
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「よっほほーい! おいおいーっすぅ!」「お、おいっす?」
俺の陽気な挨拶にたじろぐ雄介。でもそんなのどうでもいいや。で、ついふんふふーん、と鼻歌出てしまう今朝の俺。春なので桜の花びらが舞い散り時折自転車漕いでる俺にふりかかる。おお、桜吹雪まで俺の幸せを祝ってくれてるのか! ああ! 春ってなんて素敵なんだぁ!
「……悠斗お前、相当気持ち悪い」物凄い冷めた目で雄介が同じく自転車漕ぎながらジト目する。春ってなんて素敵なんだぁ! ってどうやら俺、無意識に口から出てたらしい。……やばい、それはさすがに恥ずかしい。
「つーか、どうした? えらいご機嫌だな」「そ、そりゃあな」雄介がジト目をやめず質問してきて、さすがにちょっと恥ずかしくなった俺。もじもじして下を向いてしまう。
「はあ?」俺の様子と返事に益々怪訝な表情をする雄介。そんな雄介を無視し、恥ずかしかったのでそれに構わず先行くぞーと、ペダルに力を込めさっさと学校へ向かった俺。
とにかく今の俺は幸せで一杯だ。
昨晩疋田さんと初めて連絡先を交換し、ついでlineも同期してアカウントを取った。するとすぐに『今日もありがと。お休み』と疋田さんからlineが来てウサギのキャラの、女の子らしいスタンプが送られてきた。つい俺は「うおおおお!!」と叫んじまったんだよな。夜中なのに。
やかましい! と母さんが部屋までやってきて怒鳴られちまったけど正直そんな事どうでもよかった。つーか母さんもさ、夜にそんな大声で怒鳴るってどうなん?
とんかくそんな事もあって今俺は、これまでの高校生活で一番幸せなんだ。昨晩の話で疋田さんはあの幼馴染とは関係ない事が分かったし。しかもこうやって連絡先交換したって事は、彼氏いない可能性高いんじゃないかって若干期待できると思うし。
だから、もしかしたら俺にもチャンスがあるんじゃね? とか勝手に浮かれてる。
しかも昨日、疋田さんと話してた時のあの雰囲気を考えてみると、もしかして……。ああ、やばい! テンション上がりすぎでやばいぃ!
「ひゃっほーぅ!」と周りの視線を気にせず雄たけびを上げながら、玄関ホールに入って靴を履き替える俺。……あ。
「……」柊さんがいた。黙ってこっちをジッと見てる。ああ、俺のテンションが若干おかしいから引いてるのか。え? 若干じゃないって? そうかなー? これでもまあまあ抑えてるんだけどなー?
「偉くご機嫌なのね」そんな俺に対しても、相変わらず冷静な柊さん。
「まあね。あ、昨日は悪かったよ」
「え? 昨日?」何だがギョッとした顔になる。ああ、もう忘れてんのね。
「ほら、きつい言い方しちゃったからさ」
「ああ、あれ、ね。もういいわよ」
「?」何だかそわそわしてる? でもまあ、今の返答からして、やっぱり忘れてたっぽいな。それに多分、俺のテンションがおかしいから気持ち悪がってんだろ。まあ仕方ないね。俺もどうやってこのテンション抑えればいいか分かんないからね。
※※※
「おお! 良かったじゃねーか!」
「ああ。雄介も色々ありがとな」
「俺は何もしてねー」まるで自分の事のように喜んでくれる雄介。思い切り俺の背中をバンバン叩く。痛て! 痛えーって!
雄介は昼飯の際、明らかにテンションがおかしい俺の様子について聞いてきた。雄介曰く、どうやら俺は授業中も、ずっとニコニコしてたらしく、気持ち悪かったらしい。そりゃあんな幸せな事あったら気持ち抑えんの無理だって。
「じゃあ次はデートだな」今度はニヤニヤしながら、雄介がとんでもない事言ってきた。
「え?」え? えええ! いや何言ってんですか三浦君。
「え? じゃねーだろ。これで終わりにすんのか?」素っ頓狂な「え?」を口走った俺を呆れた顔で見る雄介。
「いや、そりゃあもっと……」アレやコレやはしたいけど……でもどうやってそういう展開に持っていくのかさっぱり分からない。
「だろ? じゃあ丁度ゴールデンウイーク近いから、どっか誘ったらどうよ?」
「無理っす。怖いっす」しょぼーんする俺。雄介分かってないなぁ。俺はチキンなんだぞ?
「……お前、空手やってる時は勇ましいのに、疋田さん相手だと怖気すぎだろ」呆れた顔のまま雄介が突っ込む。だって、なあ? 折角今いい雰囲気なのに、デート行こう! とか調子乗って言ってしまったら、今の関係壊れてしまいそうで怖いんだもん。
「彼女にしたいんだろ?」ああん? とちょっとヤンキーチックに顎をしゃくる雄介。何でそんな偉そうなんだよ?
「……はい」でも、仰る通りです。
そりゃあ、疋田さんが俺の彼女になったら今世紀最高に嬉しいけど、そこまで求めていいのか、自信がない。そもそも、疋田さんが俺の事どう思ってるか知らないし。もしただのお友達だと思っているだけなら、俺の独りよがりなだけだし。なら、片思いで俺の気持ち抑えといて、今の関係続けて行ってもいいと思うんだ。
……って、思いながら、我ながら情けない奴だなあ、と自分自身に呆れてしまったけど。正直その先の事まで考えられない。
そしてそんな弱気な俺の返事を聞いた雄介は、しゃあねーなあ! と、突然頭をガシガシ掻く。そうだよ、しゃーねーんだよ! お前と違って慣れてねーんだよこっちは!
「じゃあ俺の彼女とのダブルデート、セッティングしてやるよ」……え?
「雄介……、彼女いんの?」「あれ? 言ってなかったけ。もう一か月くらいだぞ? つっても、向こうが一方的に告って来ただけだから、付き合ってるって言っていいのかわかんねーけどな」
「……何人目だよ?」「高校入ってからか? 多分三人目?」
疑問形かよ……。さすが三浦君モテますねぇ。
「じゃあそれでお願いします」女性慣れしてる三浦先輩のご厚意に甘えた方がいいな。そう思った俺はへへぇ~、と家臣のように頭を下げお願いしましたとさ。
「あいあい。じゃあ疋田さんの都合聞いとけよ」
「え? 俺が?」
「当たり前だろ。お前以外誰がいんだよ」言いながらペシンと俺の頭をはたく雄介。前から思ってたけど、雄介手癖悪いよな。
※※※
「え? 今度のゴールデンウィーク?」
「う、うん。こないだ俺と一緒に店に来た三浦雄介と、その彼女が遊び行くから、なら疋田さん誘って俺も来たらどうだって言われてさ」
ああ、もう! これ伝えるだけでも声が震える。手汗かいて掌じっとりしてんのが分かる。言い方大丈夫だったかな? いつもみたいに普通に話する感じで言えたかな? 違和感無かったかな? 出来るだけ自然な感じでそれとなく話したつもりだったんだけど。
因みに今はバイトの帰り道。いつものように二人して自転車押しながら歩いて帰ってる最中。夜風がピュウゥと吹いてて若干寒いはずだけど、俺の体は緊張のせいで火照ってて良くわかんねぇ。
俺の言葉を聞いて、指を顎に当てうーん、と何だか考えてる疋田さん。何その仕草? 相変わらず可愛いんだけど。
そして少しの沈黙。……それ、ダブルデートでしょ? ってもし突っ込まれたら何て答えたらいいんだ? デートに誘ってんの? って感づかれたら、疋田さんに好意あるのバレちゃうじゃん。だからそういう質問しないでくれ。頼む……。
「それって、ダブルデート?」いやああああ!!!
「あ、へ、えと、そ、その」その質問はやめて欲しかったああ! はい、って言っちゃったら下心バレちゃう! でも、いいえ、っていうのは嘘だし!ああ、どうしよう。
「アハハハ! なんでそんな狼狽えてるの?」俺が明らかにあたふたしてるのみて、腹抱えて笑う疋田さん。そんなにおかしかったのか。
「うん、分かった。いいよ」
「あーそうだよね。都合って中々つかないよねえ、……って、いいの?」
うん、と可愛く頷く疋田さん。ちょっと顔が赤いかも? 私も誘おうとしてたしね、とか聞こえたような? いやそれはないな。きっと俺の希望的観測が働いたせいの幻聴だな。間違いない。
「い、いいの?」もう一回確認してしまう俺。「うん、いいよ」そしてニコっと天使スマイル。い、いいんだ。マジか!
そして、っしゃおらぁ! と心の中で雄叫びを上げる俺。やったー! 疋田さんとデートだ!
「……なんでガッツポーズしてるの?」キョトンとしてる疋田さん。あ、しまった。喜びすぎて体までセーブ出来なかったらしい。
「い、いやこれは、あ、あれだよ。セイ! ハッ! か、空手の正拳突きの構え」うん、言い訳にしては相当苦しい。誤魔化しきれてない。そんな俺を見てお腹抱えて笑う疋田さん。「アハハハハハ! 何それ! おかしいよ武智君」
ま、まあ、疋田さんが楽しそうだからいいか。俺もアハハと頭を掻きながら苦笑い。そうこうしてるうちに、いつもの歩道橋の下に着いた。
「じゃあまた。予定連絡しとくね」可愛いスマイルを俺に投げかけながら、手を振り去っていく疋田さん。
「あ、うん。また」未だぎこちないけど、手を振り返す俺。
あー、緊張した。でもやった! 疋田さんとお出かけ出来る! ウッキウキで自転車に跨り家路を急ぐ俺。ふんふふーん、とまたも鼻歌出てきちゃった。
これがきっかけでもっと疋田さんと仲良くなって、そして……。ってなったらどうしようかなぁ! あー妄想がたぎるたぎる!
俺の陽気な挨拶にたじろぐ雄介。でもそんなのどうでもいいや。で、ついふんふふーん、と鼻歌出てしまう今朝の俺。春なので桜の花びらが舞い散り時折自転車漕いでる俺にふりかかる。おお、桜吹雪まで俺の幸せを祝ってくれてるのか! ああ! 春ってなんて素敵なんだぁ!
「……悠斗お前、相当気持ち悪い」物凄い冷めた目で雄介が同じく自転車漕ぎながらジト目する。春ってなんて素敵なんだぁ! ってどうやら俺、無意識に口から出てたらしい。……やばい、それはさすがに恥ずかしい。
「つーか、どうした? えらいご機嫌だな」「そ、そりゃあな」雄介がジト目をやめず質問してきて、さすがにちょっと恥ずかしくなった俺。もじもじして下を向いてしまう。
「はあ?」俺の様子と返事に益々怪訝な表情をする雄介。そんな雄介を無視し、恥ずかしかったのでそれに構わず先行くぞーと、ペダルに力を込めさっさと学校へ向かった俺。
とにかく今の俺は幸せで一杯だ。
昨晩疋田さんと初めて連絡先を交換し、ついでlineも同期してアカウントを取った。するとすぐに『今日もありがと。お休み』と疋田さんからlineが来てウサギのキャラの、女の子らしいスタンプが送られてきた。つい俺は「うおおおお!!」と叫んじまったんだよな。夜中なのに。
やかましい! と母さんが部屋までやってきて怒鳴られちまったけど正直そんな事どうでもよかった。つーか母さんもさ、夜にそんな大声で怒鳴るってどうなん?
とんかくそんな事もあって今俺は、これまでの高校生活で一番幸せなんだ。昨晩の話で疋田さんはあの幼馴染とは関係ない事が分かったし。しかもこうやって連絡先交換したって事は、彼氏いない可能性高いんじゃないかって若干期待できると思うし。
だから、もしかしたら俺にもチャンスがあるんじゃね? とか勝手に浮かれてる。
しかも昨日、疋田さんと話してた時のあの雰囲気を考えてみると、もしかして……。ああ、やばい! テンション上がりすぎでやばいぃ!
「ひゃっほーぅ!」と周りの視線を気にせず雄たけびを上げながら、玄関ホールに入って靴を履き替える俺。……あ。
「……」柊さんがいた。黙ってこっちをジッと見てる。ああ、俺のテンションが若干おかしいから引いてるのか。え? 若干じゃないって? そうかなー? これでもまあまあ抑えてるんだけどなー?
「偉くご機嫌なのね」そんな俺に対しても、相変わらず冷静な柊さん。
「まあね。あ、昨日は悪かったよ」
「え? 昨日?」何だがギョッとした顔になる。ああ、もう忘れてんのね。
「ほら、きつい言い方しちゃったからさ」
「ああ、あれ、ね。もういいわよ」
「?」何だかそわそわしてる? でもまあ、今の返答からして、やっぱり忘れてたっぽいな。それに多分、俺のテンションがおかしいから気持ち悪がってんだろ。まあ仕方ないね。俺もどうやってこのテンション抑えればいいか分かんないからね。
※※※
「おお! 良かったじゃねーか!」
「ああ。雄介も色々ありがとな」
「俺は何もしてねー」まるで自分の事のように喜んでくれる雄介。思い切り俺の背中をバンバン叩く。痛て! 痛えーって!
雄介は昼飯の際、明らかにテンションがおかしい俺の様子について聞いてきた。雄介曰く、どうやら俺は授業中も、ずっとニコニコしてたらしく、気持ち悪かったらしい。そりゃあんな幸せな事あったら気持ち抑えんの無理だって。
「じゃあ次はデートだな」今度はニヤニヤしながら、雄介がとんでもない事言ってきた。
「え?」え? えええ! いや何言ってんですか三浦君。
「え? じゃねーだろ。これで終わりにすんのか?」素っ頓狂な「え?」を口走った俺を呆れた顔で見る雄介。
「いや、そりゃあもっと……」アレやコレやはしたいけど……でもどうやってそういう展開に持っていくのかさっぱり分からない。
「だろ? じゃあ丁度ゴールデンウイーク近いから、どっか誘ったらどうよ?」
「無理っす。怖いっす」しょぼーんする俺。雄介分かってないなぁ。俺はチキンなんだぞ?
「……お前、空手やってる時は勇ましいのに、疋田さん相手だと怖気すぎだろ」呆れた顔のまま雄介が突っ込む。だって、なあ? 折角今いい雰囲気なのに、デート行こう! とか調子乗って言ってしまったら、今の関係壊れてしまいそうで怖いんだもん。
「彼女にしたいんだろ?」ああん? とちょっとヤンキーチックに顎をしゃくる雄介。何でそんな偉そうなんだよ?
「……はい」でも、仰る通りです。
そりゃあ、疋田さんが俺の彼女になったら今世紀最高に嬉しいけど、そこまで求めていいのか、自信がない。そもそも、疋田さんが俺の事どう思ってるか知らないし。もしただのお友達だと思っているだけなら、俺の独りよがりなだけだし。なら、片思いで俺の気持ち抑えといて、今の関係続けて行ってもいいと思うんだ。
……って、思いながら、我ながら情けない奴だなあ、と自分自身に呆れてしまったけど。正直その先の事まで考えられない。
そしてそんな弱気な俺の返事を聞いた雄介は、しゃあねーなあ! と、突然頭をガシガシ掻く。そうだよ、しゃーねーんだよ! お前と違って慣れてねーんだよこっちは!
「じゃあ俺の彼女とのダブルデート、セッティングしてやるよ」……え?
「雄介……、彼女いんの?」「あれ? 言ってなかったけ。もう一か月くらいだぞ? つっても、向こうが一方的に告って来ただけだから、付き合ってるって言っていいのかわかんねーけどな」
「……何人目だよ?」「高校入ってからか? 多分三人目?」
疑問形かよ……。さすが三浦君モテますねぇ。
「じゃあそれでお願いします」女性慣れしてる三浦先輩のご厚意に甘えた方がいいな。そう思った俺はへへぇ~、と家臣のように頭を下げお願いしましたとさ。
「あいあい。じゃあ疋田さんの都合聞いとけよ」
「え? 俺が?」
「当たり前だろ。お前以外誰がいんだよ」言いながらペシンと俺の頭をはたく雄介。前から思ってたけど、雄介手癖悪いよな。
※※※
「え? 今度のゴールデンウィーク?」
「う、うん。こないだ俺と一緒に店に来た三浦雄介と、その彼女が遊び行くから、なら疋田さん誘って俺も来たらどうだって言われてさ」
ああ、もう! これ伝えるだけでも声が震える。手汗かいて掌じっとりしてんのが分かる。言い方大丈夫だったかな? いつもみたいに普通に話する感じで言えたかな? 違和感無かったかな? 出来るだけ自然な感じでそれとなく話したつもりだったんだけど。
因みに今はバイトの帰り道。いつものように二人して自転車押しながら歩いて帰ってる最中。夜風がピュウゥと吹いてて若干寒いはずだけど、俺の体は緊張のせいで火照ってて良くわかんねぇ。
俺の言葉を聞いて、指を顎に当てうーん、と何だか考えてる疋田さん。何その仕草? 相変わらず可愛いんだけど。
そして少しの沈黙。……それ、ダブルデートでしょ? ってもし突っ込まれたら何て答えたらいいんだ? デートに誘ってんの? って感づかれたら、疋田さんに好意あるのバレちゃうじゃん。だからそういう質問しないでくれ。頼む……。
「それって、ダブルデート?」いやああああ!!!
「あ、へ、えと、そ、その」その質問はやめて欲しかったああ! はい、って言っちゃったら下心バレちゃう! でも、いいえ、っていうのは嘘だし!ああ、どうしよう。
「アハハハ! なんでそんな狼狽えてるの?」俺が明らかにあたふたしてるのみて、腹抱えて笑う疋田さん。そんなにおかしかったのか。
「うん、分かった。いいよ」
「あーそうだよね。都合って中々つかないよねえ、……って、いいの?」
うん、と可愛く頷く疋田さん。ちょっと顔が赤いかも? 私も誘おうとしてたしね、とか聞こえたような? いやそれはないな。きっと俺の希望的観測が働いたせいの幻聴だな。間違いない。
「い、いいの?」もう一回確認してしまう俺。「うん、いいよ」そしてニコっと天使スマイル。い、いいんだ。マジか!
そして、っしゃおらぁ! と心の中で雄叫びを上げる俺。やったー! 疋田さんとデートだ!
「……なんでガッツポーズしてるの?」キョトンとしてる疋田さん。あ、しまった。喜びすぎて体までセーブ出来なかったらしい。
「い、いやこれは、あ、あれだよ。セイ! ハッ! か、空手の正拳突きの構え」うん、言い訳にしては相当苦しい。誤魔化しきれてない。そんな俺を見てお腹抱えて笑う疋田さん。「アハハハハハ! 何それ! おかしいよ武智君」
ま、まあ、疋田さんが楽しそうだからいいか。俺もアハハと頭を掻きながら苦笑い。そうこうしてるうちに、いつもの歩道橋の下に着いた。
「じゃあまた。予定連絡しとくね」可愛いスマイルを俺に投げかけながら、手を振り去っていく疋田さん。
「あ、うん。また」未だぎこちないけど、手を振り返す俺。
あー、緊張した。でもやった! 疋田さんとお出かけ出来る! ウッキウキで自転車に跨り家路を急ぐ俺。ふんふふーん、とまたも鼻歌出てきちゃった。
これがきっかけでもっと疋田さんと仲良くなって、そして……。ってなったらどうしようかなぁ! あー妄想がたぎるたぎる!
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<追記>
本作品は私がデビュー前に書いた新人賞投稿策を改訂したものです。
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