隻腕のミーク ※近未来サイボーグ、SF技術を駆使し異世界のトラブルに立ち向かう

やまたけ

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 ※※※

 ミークの言葉にラミーとノライは共に「「え?」」と声を上げる。

「何ですって? 魔族が?」

「どうする? とりあえず向かう?」

 ミークは少し考えた後、2人に「いやここに残って欲しい」と伝える。

「私は行くけど、さっきのアラクネみたいに、もし急に魔物が町の中に出てきたと考えたら、2人には居て貰ってた方が助かる。ついで出払ってる冒険者達にも声かけて、戻って来る様伝えて周るよ」

「え? ミーク、魔族の元に1人で行くのか? それは……、」

「分かったわ。ミーク、気をつけて」

 ノライがミークの提案に何か言いかけるも、ラミーが途中で遮り笑顔でミークに声をかける。

 ミークは「うん」、とラミーに笑顔で返した後、フワリと空に浮き洞窟方面へ飛んで行った。「ミークって空も飛べるのね」とラミーが驚き半分感心半分といった感じで空を見上げ見送るが、その傍らでノライが「ラミー、どうして一緒に行かないんだ?」と不思議そうに質問する。

「だって私達が一緒に行っても、きっと足手まといになると思うわよ」

 ラミーがそう返事すると、ノライはハッとして「成る程」と理解した。

「ミークとアラクネとの戦闘を見たら、確かに僕達は邪魔になるかもね。魔族は途轍も無い程強いらしいし。僕達にはあんな戦い出来ないしね」

「そういう事よ。さて、私達もアラクネの解体作業手伝いましょうか。その後警備隊員達にも声かけて、町を守って貰う様伝えた方が良いかも知れないわ。まだ何か起こりそうな気がするのよね」

 そうだな、とノライはラミーの言葉に頷き、共にアラクネの死骸の元へ向かった。

 ※※※

「よぉーっし! 10匹目だ!」

「じゃあそろそろ戻るかー」

「あいよー」

 今日も迷いの森の中で狩りをしている冒険者達。彼等は以前、盗賊達に襲われそうになっていたところを、ミークに助けられた元ウッドランク達である。フォレストウルフの素材を売ったお金で武器を新調した事もあり、狩りも順調に続けられ漸くつい最近、メタルランクに昇格し、まだおぼつかないながらも魔物狩りをしていた。

 彼等が今回受けた討伐依頼は青目ウサギ。その名の通りウサギの姿をしているが目が青く、更に普通のウサギと違い獰猛で鋭い牙を持ち、時折街道付近で一般人を襲う事もある魔物である。その見た目大きさは普通のウサギと大差無い為、冒険者であれば大した相手では無い。間違えて普通のウサギも狩ってしまう事もあるが、それならそれでウサギ肉は食材として使えるので一石二鳥。魔物狩り初心者にはうってつけの討伐対象なのである。

 今回の討伐依頼の必要数は最低10匹。先程ノルマは達成した、という事である。

「今日は楽だったなあ。まだ夕方にもなってねぇ」

「だな。てか俺等もそろそろ、ゴブリン狩りやらせて貰えるんじゃねーか?」

「コボルトでも良いんだがな」

 一流の冒険者を目指す彼等、倒した青目ウサギの素材を刈り取りながら、各々の思いを語り合っている。

「てかさっきの地響き、一体何だったんだろうな」

「地震だろ? 結構揺れたし」

「へえ。地震ってあんまり経験無いけど、あんなデカい音するんだな。何か爆発音? みたいなのもしてたよな?」

「いや俺も地震あんま知らねぇけど、けど其れ位しか可能性無いだろ」

「まあな……、ん?」

 青目ウサギの素材を刈り取った1人は、ふと森がざわざわし始めるのを感じる。見渡すと辺りの木々が何やら揺れている。

「何だ? 強い風でも吹いたのか?」

「いや? 何も感じねぇぞ?」

 不思議に思った3人はキョロキョロ見回す。すると次は、迷いの森の奥の方、洞窟のある切り立った崖の方から、ゴゴゴゴゴとまたも地響きが聞こえ、土煙が上がっているのが遠目に見えた。

「何だありゃあ?」

 おでこに手を当てひさしを作って見ようとすると、彼等より更に奥の方で狩りをしていたであろう、冒険者達が、息を切らせ必死の形相で彼等の方向に汗だくで走って来た。

「お前等逃げろーー!!」

「魔物の大群だあああーー!!」

「「「え?」」」

 ※※※

「!」

 魔族の元に向かう為、空を飛びファリスの入り口門を越えた辺りで、ミークは何かを発見し一旦移動を止める。自身が向かおうとしていた洞穴の辺りから、夥しい数の魔素を感知したからだ。

「今度は何が起こったの?」

 ミークは不思議に思い虹色左目を使いサーチする。すると、何やら大きな土煙が上がっているのが見えた。更にスコープ機能を拡大して見てみると、その正体は途轍も無い数の魔物の群だった。

「え? あれ何?」

 それを見てミークは驚きの表情を浮かべる。

「……何て数。そうかあれ、もしかしたら元々ダンジョンの中に居た魔物達かも。どうやって隠してたか分からないけど、多分あの魔族がダンジョンの中から地上に出したんだ。AI、数分かる?」

 ーーサーチを用いカウントします。……、総数12784体。その種類について確認……、オーガ、ホブゴブリン、キラーアント、ホーンベア、タイガーウルフ……、その他数十種類の魔物が混在。データベースを参照するに、全てダンジョン内に棲息している魔物であるとの事です。更に空を飛ぶ魔物74体確認。ワイバーンと呼ばれる魔物の可能性99.9%ーー

「え? 約13000匹もいるの?」 

 ーーその通りですが、どうやら更に魔物の総個体数は増え続けています。……総個体数更に拡大。12273、13308、14002……ーー

「ヤバい。ちょっと洒落にならない」

 ーーそして、その魔物の群れから逃亡を図っているであろう冒険者達を発見しました。その数54人ーー

「マジで? 助けないと不味いねそれ。じゃあまずは冒険者達の正確な位置を把握して。散り散りになってると思うからドローンを救助に向かわせるよ」

 ーー了解。では各冒険者達の位置を確認します……、座標確定。全54人の冒険者の位置把握完了。ドローンを向かわせますーー

「左腕も使って」

 了解、とAI返答して直ぐ、まず腰のポシエットからドローン20機が一斉に飛び出し、更にミークの左腕がスッと切り離され、ドン、と飛んで行った。

 だがそこで、空を飛んでいるワイバーン数匹がファリスの入り口門の上にいるミークを発見。「ガアアア!」と雄たけびを上げながらミークに向かってきた。

「不味い! 私今左腕が……!」

 だがそこで、ミークの居る下、ファリスの入り口辺りから「ファイアストーム!」と叫ぶ声が聞こえ、巨大な炎の竜巻が発生し、一気にワイバーン達を炎で包み込んだ。

 更に、

「はあ!」

 という掛け声と共に、1つの人影が瞬速で、その炎の竜巻によって墜落したワイバーンをどんどん斬り裂いていく。

「ミーク! こっちは任せなさい!」

「そうだよ! 僕達が守るから!」

 下から聞こえる頼りがいのある2つの声。ラミーとノライが異常にいち早く気付き、アラクネの解体半ばでここまで走ってやって来たのである。

「おいおい! 俺も居るぞ! おらぁ喰らえー!」

 そしてやや遅れながらも、今度はラルがパリパリと漆黒の剣先から雷を発生させ、ラミーの炎の魔法を躱したワイバーンに向けて放つ。雷を食らったワイバーンは「ギャアアアアア!」と叫びながら地面に墜落、ジタバタ暴れているワイバーンにラルは止めを刺した。

「お、俺も、居るぞー! はあ、はあ……」

 そして息を切らせ声を張るのは警備隊長サーシェク。そしてアラクネの処理を終えた他の警備隊員達も、リケルとカイト含め入り口に集まってきた。

「……頼もしいじゃん」

 フッ、と笑みを浮かべ善戦する彼等を見下ろし安堵するミーク。だが直ぐ迷いの森方面に目を向ける。

「だけど、未だ魔物増えてんだよね?」

 ーー現在21028体。増加率は鈍化していますが、上昇値を予測計算するに、最終的に29996体になる予想ですーー

 AIの返答にミークは考え込む。

「冒険者達の救出はどうなった?」

 ーードローンによる冒険者の逃亡のサポートは問題ありません。後続の魔物はドローンまたは腕によって全て処理出来ています。よって現在冒険者の死者数0人。そろそろ全員、ファリス入り口に到着する予定ですーー

「冒険者の皆さんは無事で良かったけど、でも数が多過ぎる。AI、私とドローン、そしてラミーやノライ達と、帰ってくる予定の冒険者達全て協力して、やって来る魔物全部と戦った場合、全滅させられる可能性は?」

 ーー計算します。……現在交戦中の各冒険者の能力値を計測……、次に逃亡中の冒険者達の力量をドローンにて観測したデータより平均値を算出し計測……。魔物全滅の可能性2%ですーー

「そんな確率低いの? あ、そっか。ダンジョンに居た魔物だからか。普通の魔物より強いんだよね確か。厳しいな……」

 ミークは徐々に近づいてくる大量の魔物を見ながら思い悩む。

 眼下ではとうとう、先頭の魔物達がファリスの入り口近くまで接近して来た。同時に逃げて来た冒険者達もファリス入り口前に辿り着いていた。

 ラミーが逃げて来た冒険者達が自分の後ろまで走って行ったのを確認すると、「ウォーターウェーブ」と水の魔法を唱え、魔物達を一気に奥へ流し戻した。更に取りこぼした魔物達は、ノライとラルが剣戟を食らわせ倒していく。

「クソ! ここまでやって来やがった!」

「しかもどんどんやって来るよ!」

「全くひつこいわね! 一体何の位居るのかしら!」

 まだ3人には余力がありそうだが、このままずっと引っ切り無しにやって来る魔物達を倒し続けるのは流石に限界が来るだろう。一緒に戦っているサーシェクや警備隊員達、他戻って来て体力が余っている冒険者達もそれは同じである。

 そしてこちらの都合等お構い無しに、魔物達は益々数を増やしてファリスへと向かって来ている。森の遠くまで見えているミークはその様子を上から眺めながら焦り始める。

「何とかしないと……。私1人じゃ流石に全部倒せない。どうすれば……」

 勿論20機のドローン達とミークの左腕もどんどん魔物を倒している。だが如何せん数が多過ぎる。いっそ巨大ビームをミークの左腕から放ち一網打尽にしてしまおうか、とミークは考えたが、それだと迷いの森の殆どを焼失してしまう。

 何か良い方法は……、と考えあぐね空を見る。するとその澄み切った青空の中に、キラリと光る星1つが目に入る。

 ミークはハッと、とある事に気が付いた。

「そうだ! サテライト! AI、どう? 使える?」

 ーー確認します。アクセス……、サテライトビーム使用可能です。ですが、地表を移動している魔物全て、ピンポイントで的確に球種を狙い攻撃するには、大気圏外で待機している衛星からでは遠過ぎます。但しドローンに攻撃を止めさせそれら通信中継機として使用した場合、誤射率0.27%ですーー

「なんだ出来るんじゃん。じゃあドローン一旦攻撃中止。通信中継機として使って。左腕も戻って来て」

 了解、とAIが回答して直ぐ、ミークの元に左腕が戻り身体にドッキング。更にドローン達は魔物を攻撃していたのを一斉に止め、各々の場所から上空に飛翔して行く。

 そして指示を待っている、上空で煌めいている1つ星を見上げ、

「サテライトビーム発射準備」

 と告げる。すると同時に、ドローン19機は一斉に迷いの森全体を包み込む様に広がり空中で留まる。それからAIが脳内で状況を説明し始める。

 ーーサテライトビーム発射準備開始します。ターゲット、迷いの内の全ての魔物。ターゲティング開始します……。ターゲティング完了。更に全ての魔物の急所をデータベース参照の上確認開始……完了。ドローン中継により誤射率0.012%に低下しました……。発射準備完了ーー

 AIの報告を聞きミークは「よし」と呟き、そして、

「サテライトビーム発射」

 そう告げながらミークは同時に左腕を空に掲げる。すると、澄み切った青空の中、たった1つ星の様に煌めきながら待機していた衛星が更に輝きを増す。そして突如、ヒュン、と一筋の白い光が、まるで流れ星の様に迷いの森の中に落ちて来たかと思うと、ヒュン、ヒュン、とそれは立て続けに流れて来た。

 それを機に白い光は、まるで大雨の様に引っ切り無しにヒュン、ヒュンと迷いの森に降り注ぐ。同時に、「ギャアア!」「グアアア!」「キシャアア!」等々、森のあちこちから魔物達の悲鳴が聞こえてきた。

 それは当然、ファリスの入り口前に迫って来ていた魔物達に対しても降り注ぐ。ラミーが魔法で眼の前のオーガに攻撃を仕掛けようした瞬間、ヒュン、と白い光によって頭を貫かれ、オーガはズドーンと前のめりに倒れる。他にノライが仕留めようとしたキラータイガーも、同じく頭を白い光に貫かれその場にドーン、と大きな音を立てうつ伏し、ラルが取っ組み合っていたホーンベアの頭にも白線光が貫き、ラルにうつ伏せる様に倒れた。

 更に周辺でもズドーン、ズダーン、と次々に魔物が倒れて行く。ラミー達はいきなり起こったこの現象、白い雨に呆気に取られる。

「……何? これ」

 ラミーが呟くも直ぐ、ハッと空を見上げる。そこには、ファリスの入り口の門の上で左手を空に掲げる、あの黒髪の超絶美女が居た。

「やっぱりミークの仕業だったのね。しかしそれにしても……」

 ヒュン、ヒュン、と引っ切り無しに、しかも1つも外さずに的確に、魔物達の急所を貫き命を屠って行く白線の光。その光景はややもすると美しい光景にさえ感じられた。

 一方魔物達は、突如周りで仲間達が死んで行くのを見て、一体何が起こったか分からないと立ち止まり右往左往する。知能の高い魔物は、このままでは犬死してしまう、とファリスに目掛け向かって行くのを止め、慌てて回れ右をして逃げ始める。だがそれすらも白い光は容赦しなかった。ヒュン、と一筋の線が走ると同時に、逃げようとした魔物の命をも奪って行く。

 こうなると魔物達は人間を襲っている場合では無くなる。全ての魔物達はファリスに向かうのを止め、何とかこの白い光から逃れようとするも、その努力は叶わず只管魔物達はなすがままに殺されていく。

 そして、何も出来ず目の前で死んで行く魔物達を、ラミーを始めノライ、ラルその他警備隊員達は、既に戦うのを止め、ただ呆然と白い光の雨を眺めていた。

「……もう、何て表現すべきか分からないわ。でも何故かしら、この光景、不謹慎だけど綺麗って思ってしまったわ」

「そうだね。でもこれってまるで……」

「ああ。表現するとしたら……、星落とし、だな」

 ラルが呟いた答えに、ラミーとノライは共に無言で肯定した。
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