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妹は中学二年生、兄は高校一年生
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「小説が! 上手くなりたい!」
「うわっ?!」
不意打ちのような妹の大声に、俺は寝ころんでいたソファから転げ落ちそうになった。
「……なんだ、いきなり」
ソファに座り直して床に落ちたスマホを拾い上げる。前のローテーブルに向かっていた妹がいつの間にかこちらに向き直っていて、その眼力に俺は、少し引き気味に言ってみた。
「聞いてくれますか! 聞いてくれるかそこの人!」
そこの人て。あとお前宿題してるんじゃなかったのか。
「最近スランプ気味なのです! 面白い小説が書けない! 文字が続かない! ヘイ! どうすれば良いと思う?! 十秒以内に答えよ!」
「俺はどういう立場でいればいいんだよ」
そもそも。
「お前、小説なんて書いてんの?」
「書いてるよ?」
「何を当たり前な、みたいな顔止めろよ? 初耳だぞ」
「言ってないもん」
……そうだな、こういう妹だ。
「……で、なんだ? 俺に聞いてどうすんだよ。こちとら小説なんて読む専門だよ」
「そこをなんとか!」
パンッ! と柏手を打つように顔の前で手を合わせられる。
「じゃ、逆に聞くが」
「ほう」
「面白い小説って、具体的にどんな面白い小説が書きたいワケ」
「……んん?」
「自分の中の理想は出来てんのか?」
「んんん?」
首だけじゃなく体全体を曲げて、捻って? いる妹。
そこで止まったので、俺はまたスマホに戻った。
「うわっ?!」
不意打ちのような妹の大声に、俺は寝ころんでいたソファから転げ落ちそうになった。
「……なんだ、いきなり」
ソファに座り直して床に落ちたスマホを拾い上げる。前のローテーブルに向かっていた妹がいつの間にかこちらに向き直っていて、その眼力に俺は、少し引き気味に言ってみた。
「聞いてくれますか! 聞いてくれるかそこの人!」
そこの人て。あとお前宿題してるんじゃなかったのか。
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