23 / 26
第三章 闇の組織、妖精と精霊
9 神の子
しおりを挟む
「精霊が助けてくれたんだ! 人間の少女に頼まれたって! ニナっていう子だって、精霊が言ってた! ニナ、あの子、たぶんあの子だ! 絶対そうだ! 一緒に捕まってた聖女! こんな凄いこと出来るの、あの子しかいない!」
故郷に戻ったメデューサの少女は、泣きながら周りにそう言った。
「ニナって子が! 一緒に捕まってた聖女なの!」
「ニナが! 聖女なのに!」
「精霊が言ってたの! ニナって名前だって! 聖女だよ! 一緒に捕まってたんだ!」
「聖女が! クエリアって呼ばれてたけど、あの子がニナだ!」
ヴァンパイアの少女も、ハーピーの少女も、エルフの少女も、人魚の少女も。
助かったのだと、助けられたのだと。泣きながら周りに、頭に響いた精霊の言葉を、ニナについてを。話していった。
他の、精霊たちの言葉通りに、帰るべき場所や目的地、あの地獄から遠くへと願い、送ってもらった者たち──ヒトも、妖精も、動物も。
精霊が頭に響かせた声を。その言葉を。人間の、ニナという少女の話を。
彼女が精霊に頼んで救い出してくれたのだと、家族や、友人や、愛する者たちに、そしてその周りに。生きて解放された喜びと共に、涙ながらに伝えた。
◇
大勢の神父たちが、連携して、まだ寝てるスキラー・クレスミーの人間を拘束していく。証拠になるらしいモノを押収していく。
「それは別に良いんだけども」
「良いんだけども? 何か気になるのか? ニナ」
気になるのかって? 気になっとるよ? サロッピス。
「どうして残るって言ってくれたの? サロッピスは帰らなくていいの?」
今、私は寝起きしていた部屋に、ミーティオルとサロッピスと一緒に居る。
キリナは他の神父たちと情報共有したり、スキラー・クレスミーの処理をしたりしてる。
精霊さんたちには「もう大丈夫だと思います。ありがとうございました」って、言って、帰ってもらった。
「また喚んでおくれ。神の子、ニナよ」
そんなことを言ってくれたりしたけど。
「それはそうだ! 我は一度ならず二度までも! ニナと縁があった! これはもう、ニナのそばに付けと、神が言っているも同義なのだよ!」
「本人がこう言ってるんだから、良いんじゃないか?」
私を膝の上で横向きに抱えてるミーティオルが、そう言いながら、
「ニナ。寝れるなら寝たほうが良い」
背中をまた、トン、トン、て、してくれるぅ……。優しく叩いてくれるぅ……。久しぶりだよぉ……。
「でも……ミーティオル……」
くそう……眠くなってく……。コレ、完全に眠気のスイッチになってる……。
「ここは本部だからな。本当にスキラー・クレスミーを壊滅させるだけのモノが出てくる可能性があるし、そもそも、建物もデカい。あの人数でも、終わるまで数日はかかるだろうし。だからニナ、寝て大丈夫だよ」
そんな優しく言わんで……。
「……ミーティオル……ホントに……寝ちゃうよ……?」
「ああ、大丈夫だ。しっかり抱えてるから」
そういう意味でなく……。
「もう、地面に寝かせたくないな。なんか、怖い」
そういうこと言うの、ズルい……。
「ミーティオル……寝ちゃう……から……」
「うん。寝て大丈夫だって」
「違くて……ベルズに……気を付けて……」
「ああ、気を付けてる。ニナとサロッピスから容姿は聞いたしな。だから寝よう。ニナ。今は絶対安全だから」
……もう…………まじで…………寝ちゃ…………。
◇
「寝たようだな」
サロッピスが、瞼を閉じて寝息を立て始めたニナの顔を覗き込みながら言う。
「みたいだな。寝れて良かった。ずいぶん怖い思いもしただろうに」
ミーティオルは少しだけ、ホッとした声でそれに応じた。
「……ベルズが死んだことは、聞かせないほうがいいのか?」
神妙な顔をしたサロッピスの問いかけに、
「少なくとも、今はな」
ミーティオルは膝の上でニナを仰向けに抱え直し、答える。
サロッピスは、ニナたちとこの部屋に向かっている時、
『ミーティオル、キリナ。ベルズっていう奴がね、ここで一番偉いっぽい奴なの。私より少し年上な子に見えるのに』
そう言って、ニナがベルズのことを話し始めたので、ならば自分もと、話しだした。
『そして、ニナの願いに応えた精霊が、ベルズを無効化させたのだ』
『どう無効化したんです? 周りの人間と同じく、気絶させたんですか?』
キリナの問いかけに、
『いや? ベルズを元の状態に戻したのだ。あいつは我らの力を使って体をイジっていたのだよ』
『え? そうなの?』
『気付いていなかったのか、ニナ。ベルズは──』
サロッピスはそこで、ミーティオルに話をやめるよう言われた。
『長くなりそうだからな。明日詳しく聞こう。ニナ、ここが使ってた部屋か?』
キリナも、肩を竦めるに留めて、それ以上は聞いてこず。
ニナは、ベルズの現在の状態──砂のように崩れて死んでしまったことを、知らないまま、眠った。
「ニナのことだしな。この状況でその話を聞いたら、自分が殺したと思いかねない」
ミーティオルは、ため息を吐くように言う。
「そうだな。ニナは慈悲深い。血気盛んで慈悲深い神の子だ」
サロッピスも、頷いてそれに同意する。
「なあ、サロッピス。ベルズが死んだのは、妖精の力を失ったからって見当がつくんだが。なんでそう、ニナを神の子って言うんだ? 神の血を引いてるだけだろ? 教皇の家系だから」
不思議そうにするミーティオルに、サロッピスは呆れた顔をして、
「なんだ。ニナの遣いの者らしいというのに、分かっていなかったのか? ニナは神の血筋を引いている子ではない。文字通りに神の子だ。神が血を分けた子なのだよ」
「……どういう意味だ? 素直に受け取ると、両親のどっちかが神だって聞こえるんだが」
「その通りだが? ニナの片親は神だ。人間の神だ」
ふわりと浮かびながらの、当然だろう、と言いたげなサロッピスのそれに、
「……マジか」
ミーティオルは驚きを通り越し、呆気に取られる。
「マジなのだよ。ただ、神は神だからな。この世への過干渉を好まない。だから、ニナはこのような危機にも晒されてしまう。我がニナと再会したのは、偶然とは思わないのだよ。神がなんとかしようとした結果なのではと思うのだ」
「まあ……それで、精霊を呼べたしな……」
「初心者が一発で成功させるなど、神の子でなければ無理なのだよ。ニナだから喚べたのだ。神の子であるニナだから、精霊たちも協力的だったのだ」
「なるほどな……キリナが戻ってきたら報告だな……」
◇
破損している、重要らしい物的証拠を復元できないかと考えていたキリナに、一人の人物が声をかけてきた。
「キリナ、今回はお疲れ様だな」
彼へ顔を向けたキリナは、肩を竦めると、
「ですが、ワーウルフは取り逃がしてしまいました」
「聖女のご意志だからな。しょうがない」
彼は、軽く笑いながら言う。
キリナは、その反応にため息を吐いて、
「兄さんみたいな考え方は、僕には難しいですね」
「お前は真面目だからな。一度設定した目的は、達成するまでやり続けようとするところがある」
キリナに兄と呼ばれた、キリナより少し年上だろう彼は、キリナと同じ銀の髪と、キリナと同じ明るい茶色の虹彩を持っていた。
「けど、キリナ。もう俺たちが来たからな。お前だけが責任を負う必要は無くなった」
キリナはその言葉に、僅かに目を細め、
「ニナさんの護衛任務を交代する、という話ですか?」
静かな口調で問いかける。
「流石、分かってるな。我が弟は」
また、朗らかに笑う兄に、
「交代するなら、きちんと引き継ぎをしないといけませんからね。こっちが一段落したら、ニナさんとミーティオルさん、それから、サロッピスさんにも話をしなければ」
キリナは努めて冷静に、その顔を見つめ返した。
故郷に戻ったメデューサの少女は、泣きながら周りにそう言った。
「ニナって子が! 一緒に捕まってた聖女なの!」
「ニナが! 聖女なのに!」
「精霊が言ってたの! ニナって名前だって! 聖女だよ! 一緒に捕まってたんだ!」
「聖女が! クエリアって呼ばれてたけど、あの子がニナだ!」
ヴァンパイアの少女も、ハーピーの少女も、エルフの少女も、人魚の少女も。
助かったのだと、助けられたのだと。泣きながら周りに、頭に響いた精霊の言葉を、ニナについてを。話していった。
他の、精霊たちの言葉通りに、帰るべき場所や目的地、あの地獄から遠くへと願い、送ってもらった者たち──ヒトも、妖精も、動物も。
精霊が頭に響かせた声を。その言葉を。人間の、ニナという少女の話を。
彼女が精霊に頼んで救い出してくれたのだと、家族や、友人や、愛する者たちに、そしてその周りに。生きて解放された喜びと共に、涙ながらに伝えた。
◇
大勢の神父たちが、連携して、まだ寝てるスキラー・クレスミーの人間を拘束していく。証拠になるらしいモノを押収していく。
「それは別に良いんだけども」
「良いんだけども? 何か気になるのか? ニナ」
気になるのかって? 気になっとるよ? サロッピス。
「どうして残るって言ってくれたの? サロッピスは帰らなくていいの?」
今、私は寝起きしていた部屋に、ミーティオルとサロッピスと一緒に居る。
キリナは他の神父たちと情報共有したり、スキラー・クレスミーの処理をしたりしてる。
精霊さんたちには「もう大丈夫だと思います。ありがとうございました」って、言って、帰ってもらった。
「また喚んでおくれ。神の子、ニナよ」
そんなことを言ってくれたりしたけど。
「それはそうだ! 我は一度ならず二度までも! ニナと縁があった! これはもう、ニナのそばに付けと、神が言っているも同義なのだよ!」
「本人がこう言ってるんだから、良いんじゃないか?」
私を膝の上で横向きに抱えてるミーティオルが、そう言いながら、
「ニナ。寝れるなら寝たほうが良い」
背中をまた、トン、トン、て、してくれるぅ……。優しく叩いてくれるぅ……。久しぶりだよぉ……。
「でも……ミーティオル……」
くそう……眠くなってく……。コレ、完全に眠気のスイッチになってる……。
「ここは本部だからな。本当にスキラー・クレスミーを壊滅させるだけのモノが出てくる可能性があるし、そもそも、建物もデカい。あの人数でも、終わるまで数日はかかるだろうし。だからニナ、寝て大丈夫だよ」
そんな優しく言わんで……。
「……ミーティオル……ホントに……寝ちゃうよ……?」
「ああ、大丈夫だ。しっかり抱えてるから」
そういう意味でなく……。
「もう、地面に寝かせたくないな。なんか、怖い」
そういうこと言うの、ズルい……。
「ミーティオル……寝ちゃう……から……」
「うん。寝て大丈夫だって」
「違くて……ベルズに……気を付けて……」
「ああ、気を付けてる。ニナとサロッピスから容姿は聞いたしな。だから寝よう。ニナ。今は絶対安全だから」
……もう…………まじで…………寝ちゃ…………。
◇
「寝たようだな」
サロッピスが、瞼を閉じて寝息を立て始めたニナの顔を覗き込みながら言う。
「みたいだな。寝れて良かった。ずいぶん怖い思いもしただろうに」
ミーティオルは少しだけ、ホッとした声でそれに応じた。
「……ベルズが死んだことは、聞かせないほうがいいのか?」
神妙な顔をしたサロッピスの問いかけに、
「少なくとも、今はな」
ミーティオルは膝の上でニナを仰向けに抱え直し、答える。
サロッピスは、ニナたちとこの部屋に向かっている時、
『ミーティオル、キリナ。ベルズっていう奴がね、ここで一番偉いっぽい奴なの。私より少し年上な子に見えるのに』
そう言って、ニナがベルズのことを話し始めたので、ならば自分もと、話しだした。
『そして、ニナの願いに応えた精霊が、ベルズを無効化させたのだ』
『どう無効化したんです? 周りの人間と同じく、気絶させたんですか?』
キリナの問いかけに、
『いや? ベルズを元の状態に戻したのだ。あいつは我らの力を使って体をイジっていたのだよ』
『え? そうなの?』
『気付いていなかったのか、ニナ。ベルズは──』
サロッピスはそこで、ミーティオルに話をやめるよう言われた。
『長くなりそうだからな。明日詳しく聞こう。ニナ、ここが使ってた部屋か?』
キリナも、肩を竦めるに留めて、それ以上は聞いてこず。
ニナは、ベルズの現在の状態──砂のように崩れて死んでしまったことを、知らないまま、眠った。
「ニナのことだしな。この状況でその話を聞いたら、自分が殺したと思いかねない」
ミーティオルは、ため息を吐くように言う。
「そうだな。ニナは慈悲深い。血気盛んで慈悲深い神の子だ」
サロッピスも、頷いてそれに同意する。
「なあ、サロッピス。ベルズが死んだのは、妖精の力を失ったからって見当がつくんだが。なんでそう、ニナを神の子って言うんだ? 神の血を引いてるだけだろ? 教皇の家系だから」
不思議そうにするミーティオルに、サロッピスは呆れた顔をして、
「なんだ。ニナの遣いの者らしいというのに、分かっていなかったのか? ニナは神の血筋を引いている子ではない。文字通りに神の子だ。神が血を分けた子なのだよ」
「……どういう意味だ? 素直に受け取ると、両親のどっちかが神だって聞こえるんだが」
「その通りだが? ニナの片親は神だ。人間の神だ」
ふわりと浮かびながらの、当然だろう、と言いたげなサロッピスのそれに、
「……マジか」
ミーティオルは驚きを通り越し、呆気に取られる。
「マジなのだよ。ただ、神は神だからな。この世への過干渉を好まない。だから、ニナはこのような危機にも晒されてしまう。我がニナと再会したのは、偶然とは思わないのだよ。神がなんとかしようとした結果なのではと思うのだ」
「まあ……それで、精霊を呼べたしな……」
「初心者が一発で成功させるなど、神の子でなければ無理なのだよ。ニナだから喚べたのだ。神の子であるニナだから、精霊たちも協力的だったのだ」
「なるほどな……キリナが戻ってきたら報告だな……」
◇
破損している、重要らしい物的証拠を復元できないかと考えていたキリナに、一人の人物が声をかけてきた。
「キリナ、今回はお疲れ様だな」
彼へ顔を向けたキリナは、肩を竦めると、
「ですが、ワーウルフは取り逃がしてしまいました」
「聖女のご意志だからな。しょうがない」
彼は、軽く笑いながら言う。
キリナは、その反応にため息を吐いて、
「兄さんみたいな考え方は、僕には難しいですね」
「お前は真面目だからな。一度設定した目的は、達成するまでやり続けようとするところがある」
キリナに兄と呼ばれた、キリナより少し年上だろう彼は、キリナと同じ銀の髪と、キリナと同じ明るい茶色の虹彩を持っていた。
「けど、キリナ。もう俺たちが来たからな。お前だけが責任を負う必要は無くなった」
キリナはその言葉に、僅かに目を細め、
「ニナさんの護衛任務を交代する、という話ですか?」
静かな口調で問いかける。
「流石、分かってるな。我が弟は」
また、朗らかに笑う兄に、
「交代するなら、きちんと引き継ぎをしないといけませんからね。こっちが一段落したら、ニナさんとミーティオルさん、それから、サロッピスさんにも話をしなければ」
キリナは努めて冷静に、その顔を見つめ返した。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

嫌われ聖女は魔獣が跋扈する辺境伯領に押し付けられる
kae
恋愛
魔獣の森と国境の境目の辺境領地の領主、シリウス・レングナーの元に、ある日結婚を断ったはずの聖女サラが、隣の領からやってきた。
これまでの縁談で紹介されたのは、魔獣から国家を守る事でもらえる報奨金だけが目当ての女ばかりだった。
ましてや長年仲が悪いザカリアス伯爵が紹介する女なんて、スパイに決まっている。
しかし豪華な馬車でやってきたのだろうという予想を裏切り、聖女サラは魔物の跋扈する領地を、ただ一人で歩いてきた様子。
「チッ。お前のようなヤツは、嫌いだ。見ていてイライラする」
追い出そうとするシリウスに、サラは必死になって頭を下げる「私をレングナー伯爵様のところで、兵士として雇っていただけないでしょうか!?」
ザカリアス領に戻れないと言うサラを仕方なく雇って一月ほどしたある日、シリウスは休暇のはずのサラが、たった一人で、肩で息をしながら魔獣の浄化をしている姿を見てしまう。
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!

だいたい全部、聖女のせい。
荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」
異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。
いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。
すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。
これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる