11 / 21
11 バグウェル領
しおりを挟む
「シェリー、これを見てくれないか」
シェリーは、リアナに渡された書類を「失礼します」と受け取り、
「バグウェル領への、派遣任務ですか」
最初のページに書かれたそれを、口にした。
「そうだ」
シェリーの言葉にリアナは頷き、
「でだ、読みながら聞いてくれ」
その書類の内容とリアナの話によると、バグウェル領──ディック・バグウェル辺境伯が治めるバグウェル領は、近頃頻繁に野盗の被害に遭っているらしい。本来ならば辺境伯の騎士達がその野盗を捕える、また始末する任務に携わるのだが、その野盗が、どうにも手強く、ずる賢く、バグウェル辺境伯は手を焼いている、とのこと。
一年中雪の溶けないカマラ連山が国境をまたいでいるその地は、辺境伯が治める通り、天然と人工の要塞であり、加えて金銀の鉱脈があり、この国にとってとても重要な地である。
もし、そこが崩れたら、どうなるか。
「……承知しました。では、ここに記載されている者たちと、」
シェリーは少し目を細め、
「ほか数名、任務に携わる者を連れて行っても宜しいでしょうか」
「ほか数名、か。……何を想定し、誰を連れて行くつもりか聞いてもいいか?」
リアナはそれを否定せず、そう聞いてきた。
「はい。まず──」
◆
準備を終えたシェリーは、炎の連隊の一時的な連隊長として仲間を率い、最短ルートを通って、可能な限り時間をかけず、バグウェル領に到着した。
そして、彼らが辺境伯邸に到着したのは、秋の始め、昼を過ぎたばかりの時間だった。
「王立騎士団炎の連隊大隊長補佐、シェリー・アルルドと申します。この度、バグウェル辺境伯ディック殿にお目にかかれましたこと、光栄に存じます」
謁見の間にて、シェリーは片膝を床につけ、頭を垂れる。
「ここまでの長旅ご苦労。アルルド殿よ。頭を上げてくれ」
厳かだが厳しくはないその声にシェリーが顔をあげると、四十手前に見える、茶色の髪と髭をたくわえた大柄な男性が、シェリーを静かに見つめていた。
「今回の話、手を貸してくれることを光栄に思う。本来ならば我らだけで片をつけねばならぬこと。しかし、我らだけでは力不足だった」
ディック・バグウェルは髭を撫でると、
「して、来てもらって早々だが、この仕事、どれくらいで終えられると見ている?」
「二週間ほど、いただければと」
シェリーが言うと、辺境伯は目を瞬き。
「ふっ、はは! 我らが二ヶ月手を焼いた奴らを、二週間で、とは。流石は英雄殿、といったところか」
ディック伯はにやりと笑むと、
「では、その二週間後、どうなっているか。楽しみにしていよう」
下がって良いと言われたシェリーが謁見の間を後にし、騎士の鍛錬場に向かうと、
「……はぁ……」
その場の光景を見て溜め息を吐いた。
「話はすでに通っている。これからは我ら炎の連隊が、あなた方の手助けをする」
「王立騎士団に助けを求めるほど、我々は落ちぶれていない。助けというが、あなた方はここの地理に疎いだろう。最低限の補助をしてもらうまでだ」
そこでは、炎の連隊の騎士達と、辺境伯の騎士達とが、敵対、とまではいかなくとも、睨み合いの意志を見せていた。特に、辺境伯の騎士達が。
「アルフ」
シェリーは、無表情で辺境伯の騎士を見やる自分の隊の騎士──この連隊の副隊長を任されたアルフ・ケアードと、
「そしてバーナビー・エイジャー殿。今は一刻を争います」
しかめた顔になっている辺境伯の騎士──この騎士団を纒める団長であるバーナビーの間に入り、二人をグイ、と押した。
「……」
アルフは、シェリーの力に抗わずに下がる。
「っ!」
バーナビーは、シェリーの力に僅かに目を剥き、ほんの少しよろめきながら後ろに下がった。
「……アルフ。領内の最新の状況の把握と、双方の共有は終えられた?」
「……状況の把握までは出来ましたが、共有をしているうちに、あのような状態になってしまいました。申し訳ありません」
頭を下げようとするアルフをシェリーは止め、
「エイジャー殿」
自分より頭二つ分は背の高いバーナビーを見上げ、言葉を放つ。
「あなた方は理解しているのでしょうが、今、私達がすべきことは、領内で起こっている野盗の事件を収めることと、その野盗達を捕らえ、情報を吐かせ、始末することです。そして私達は、その応援として派遣されました。……あなたもそれは、分かっているはずだ」
自分を見つめ、静かに諭すように言うシェリーに、バーナビーは顔を歪め、
「……英雄殿は、口が回るようだな。だが、我々は誇り高き辺境伯騎士団。そう簡単に他の者達に助力など求めない」
バーナビーは怒気を孕んだ声で、けれどシェリーに対抗するように、静かに言った。
(誇り、ね)
吐き出しそうになった溜め息を飲み込み、「では」とシェリーは口を開く。
「私が口だけの者でないことを証明いたしましょう。我々の実力を見ていただければ、あなた方の憂いも、少しは払拭されるでしょうから」
「……何が言いたい」
「一対一の模擬戦をしましょう。私と、エイジャー殿で」
「……」
シェリーが言うと、バーナビーは目を見開き、次には口を歪め、
「は! はははっ! 私も舐められたものだ! 良いだろう、英雄殿、いや、アルルド殿。その模擬戦、受けて立つ」
言うなり、バーナビーは腰に刷いていた剣をスラリと抜いた。周りがざわつく。
「模造剣じゃないのか?」
「ああもう……団長の頭に血が上ってる」
「エイジャー殿、死ななければいいが」
「手加減してくれるさ。あの人は優しいからな」
周りの言葉を聞きながら、「では、私も」と、シェリーも腰の剣を抜いた。
「いつでも来い」
バーナビーが剣を構え、シェリーに言う。
「……」
シェリーは剣を下方に持ち、軽く握り込むと、
「っ?!」
目にも止まらぬ速さでバーナビーの持つ剣を叩き落とし、
「っ!」
流れるような動きでバーナビーの頸動脈を締め、
「っ……、……」
五秒もかけずにバーナビーの意識を落とした。
シェリーは軽い掛布をどけるように、崩れ落ちたバーナビーから抜け出すと、
「どなたか、エイジャー殿を医師に診せてください。後遺症などないようにしましたが、万が一があるといけません。それと、彼の剣を落とす時に彼の手の甲を強く叩きました。折れないよう加減しましたが、もしかしたら──無いとは思いますが、ヒビが入っているかもしれません。確認をお願いします」
立ち上がり、剣を鞘に戻しながら、辺境伯の騎士たちに向かって淡々と言う。
一連のそれをぼうっと見ていた騎士達は、
「……あ、は、はい!」
ハッとして動き出し、気絶したままのバーナビーを三人で担ぎながら、医師の元へと向かった。
「……随分、手加減しましたね」
シェリーに、アルフが言う。
「手加減はしてないわ。必要最低限かつ最小の動きと力で、全力を発揮した。それだけ」
シェリーはそう言うと、周りを見回し、口を開く。
「では、模擬戦は私の勝ちということでよろしいですか?」
それに、辺境伯の騎士達は、様々な姿勢を見せる。頷く者、目を逸らす者、顔をしかめる者、視線を彷徨わせる者。
けれど、意見を述べる者はいなかった。
「……では、カルヴィン・アスキス殿」
シェリーはそのうちの一人、バーナビーほどではないが背が高く、戦う者らしい筋肉がついた男性に顔を向け、
「エイジャー殿は医師のもとに向かわれてしまったので、あなたと今後について話がしたいのですが」
「……なぜ、私に?」
「あなたはここの副団長でしょう」
何を言っているんだ、とでも言いたげな顔で言うシェリーに、カルヴィンは目を見開いた。
「……昨年に副団長の任に就いたばかりの私の情報を得ているだけでなく、その私の顔と名前が一致しているとは。……いや、英雄殿は侮れませんな」
「これは私に限った話ではありません。ここにいる炎の連隊の者達全てに、あなた方の名前、階級、身体的特徴などを、頭に叩き込んでもらっています」
それを聞いてざわめく周りを、シェリーは特に気にすることなく、
「では、改めてアスキス殿。話の続きをいたしましょうか」
シェリーは、リアナに渡された書類を「失礼します」と受け取り、
「バグウェル領への、派遣任務ですか」
最初のページに書かれたそれを、口にした。
「そうだ」
シェリーの言葉にリアナは頷き、
「でだ、読みながら聞いてくれ」
その書類の内容とリアナの話によると、バグウェル領──ディック・バグウェル辺境伯が治めるバグウェル領は、近頃頻繁に野盗の被害に遭っているらしい。本来ならば辺境伯の騎士達がその野盗を捕える、また始末する任務に携わるのだが、その野盗が、どうにも手強く、ずる賢く、バグウェル辺境伯は手を焼いている、とのこと。
一年中雪の溶けないカマラ連山が国境をまたいでいるその地は、辺境伯が治める通り、天然と人工の要塞であり、加えて金銀の鉱脈があり、この国にとってとても重要な地である。
もし、そこが崩れたら、どうなるか。
「……承知しました。では、ここに記載されている者たちと、」
シェリーは少し目を細め、
「ほか数名、任務に携わる者を連れて行っても宜しいでしょうか」
「ほか数名、か。……何を想定し、誰を連れて行くつもりか聞いてもいいか?」
リアナはそれを否定せず、そう聞いてきた。
「はい。まず──」
◆
準備を終えたシェリーは、炎の連隊の一時的な連隊長として仲間を率い、最短ルートを通って、可能な限り時間をかけず、バグウェル領に到着した。
そして、彼らが辺境伯邸に到着したのは、秋の始め、昼を過ぎたばかりの時間だった。
「王立騎士団炎の連隊大隊長補佐、シェリー・アルルドと申します。この度、バグウェル辺境伯ディック殿にお目にかかれましたこと、光栄に存じます」
謁見の間にて、シェリーは片膝を床につけ、頭を垂れる。
「ここまでの長旅ご苦労。アルルド殿よ。頭を上げてくれ」
厳かだが厳しくはないその声にシェリーが顔をあげると、四十手前に見える、茶色の髪と髭をたくわえた大柄な男性が、シェリーを静かに見つめていた。
「今回の話、手を貸してくれることを光栄に思う。本来ならば我らだけで片をつけねばならぬこと。しかし、我らだけでは力不足だった」
ディック・バグウェルは髭を撫でると、
「して、来てもらって早々だが、この仕事、どれくらいで終えられると見ている?」
「二週間ほど、いただければと」
シェリーが言うと、辺境伯は目を瞬き。
「ふっ、はは! 我らが二ヶ月手を焼いた奴らを、二週間で、とは。流石は英雄殿、といったところか」
ディック伯はにやりと笑むと、
「では、その二週間後、どうなっているか。楽しみにしていよう」
下がって良いと言われたシェリーが謁見の間を後にし、騎士の鍛錬場に向かうと、
「……はぁ……」
その場の光景を見て溜め息を吐いた。
「話はすでに通っている。これからは我ら炎の連隊が、あなた方の手助けをする」
「王立騎士団に助けを求めるほど、我々は落ちぶれていない。助けというが、あなた方はここの地理に疎いだろう。最低限の補助をしてもらうまでだ」
そこでは、炎の連隊の騎士達と、辺境伯の騎士達とが、敵対、とまではいかなくとも、睨み合いの意志を見せていた。特に、辺境伯の騎士達が。
「アルフ」
シェリーは、無表情で辺境伯の騎士を見やる自分の隊の騎士──この連隊の副隊長を任されたアルフ・ケアードと、
「そしてバーナビー・エイジャー殿。今は一刻を争います」
しかめた顔になっている辺境伯の騎士──この騎士団を纒める団長であるバーナビーの間に入り、二人をグイ、と押した。
「……」
アルフは、シェリーの力に抗わずに下がる。
「っ!」
バーナビーは、シェリーの力に僅かに目を剥き、ほんの少しよろめきながら後ろに下がった。
「……アルフ。領内の最新の状況の把握と、双方の共有は終えられた?」
「……状況の把握までは出来ましたが、共有をしているうちに、あのような状態になってしまいました。申し訳ありません」
頭を下げようとするアルフをシェリーは止め、
「エイジャー殿」
自分より頭二つ分は背の高いバーナビーを見上げ、言葉を放つ。
「あなた方は理解しているのでしょうが、今、私達がすべきことは、領内で起こっている野盗の事件を収めることと、その野盗達を捕らえ、情報を吐かせ、始末することです。そして私達は、その応援として派遣されました。……あなたもそれは、分かっているはずだ」
自分を見つめ、静かに諭すように言うシェリーに、バーナビーは顔を歪め、
「……英雄殿は、口が回るようだな。だが、我々は誇り高き辺境伯騎士団。そう簡単に他の者達に助力など求めない」
バーナビーは怒気を孕んだ声で、けれどシェリーに対抗するように、静かに言った。
(誇り、ね)
吐き出しそうになった溜め息を飲み込み、「では」とシェリーは口を開く。
「私が口だけの者でないことを証明いたしましょう。我々の実力を見ていただければ、あなた方の憂いも、少しは払拭されるでしょうから」
「……何が言いたい」
「一対一の模擬戦をしましょう。私と、エイジャー殿で」
「……」
シェリーが言うと、バーナビーは目を見開き、次には口を歪め、
「は! はははっ! 私も舐められたものだ! 良いだろう、英雄殿、いや、アルルド殿。その模擬戦、受けて立つ」
言うなり、バーナビーは腰に刷いていた剣をスラリと抜いた。周りがざわつく。
「模造剣じゃないのか?」
「ああもう……団長の頭に血が上ってる」
「エイジャー殿、死ななければいいが」
「手加減してくれるさ。あの人は優しいからな」
周りの言葉を聞きながら、「では、私も」と、シェリーも腰の剣を抜いた。
「いつでも来い」
バーナビーが剣を構え、シェリーに言う。
「……」
シェリーは剣を下方に持ち、軽く握り込むと、
「っ?!」
目にも止まらぬ速さでバーナビーの持つ剣を叩き落とし、
「っ!」
流れるような動きでバーナビーの頸動脈を締め、
「っ……、……」
五秒もかけずにバーナビーの意識を落とした。
シェリーは軽い掛布をどけるように、崩れ落ちたバーナビーから抜け出すと、
「どなたか、エイジャー殿を医師に診せてください。後遺症などないようにしましたが、万が一があるといけません。それと、彼の剣を落とす時に彼の手の甲を強く叩きました。折れないよう加減しましたが、もしかしたら──無いとは思いますが、ヒビが入っているかもしれません。確認をお願いします」
立ち上がり、剣を鞘に戻しながら、辺境伯の騎士たちに向かって淡々と言う。
一連のそれをぼうっと見ていた騎士達は、
「……あ、は、はい!」
ハッとして動き出し、気絶したままのバーナビーを三人で担ぎながら、医師の元へと向かった。
「……随分、手加減しましたね」
シェリーに、アルフが言う。
「手加減はしてないわ。必要最低限かつ最小の動きと力で、全力を発揮した。それだけ」
シェリーはそう言うと、周りを見回し、口を開く。
「では、模擬戦は私の勝ちということでよろしいですか?」
それに、辺境伯の騎士達は、様々な姿勢を見せる。頷く者、目を逸らす者、顔をしかめる者、視線を彷徨わせる者。
けれど、意見を述べる者はいなかった。
「……では、カルヴィン・アスキス殿」
シェリーはそのうちの一人、バーナビーほどではないが背が高く、戦う者らしい筋肉がついた男性に顔を向け、
「エイジャー殿は医師のもとに向かわれてしまったので、あなたと今後について話がしたいのですが」
「……なぜ、私に?」
「あなたはここの副団長でしょう」
何を言っているんだ、とでも言いたげな顔で言うシェリーに、カルヴィンは目を見開いた。
「……昨年に副団長の任に就いたばかりの私の情報を得ているだけでなく、その私の顔と名前が一致しているとは。……いや、英雄殿は侮れませんな」
「これは私に限った話ではありません。ここにいる炎の連隊の者達全てに、あなた方の名前、階級、身体的特徴などを、頭に叩き込んでもらっています」
それを聞いてざわめく周りを、シェリーは特に気にすることなく、
「では、改めてアスキス殿。話の続きをいたしましょうか」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
Bright Dawn
泉野ジュール
恋愛
吹きつける雪の中、ネル・マクファーレンは馬車に揺られ、悲しみに沈んでいた。
4年前に視力を失って以来、どんな男性も彼女と結婚しようとは思わなくなったのだ。そして今、性悪の従兄・ロチェスターに引き取られ、無理な結婚をするようほのめかされている。もう二度と、ネルの世界に光が差すことはないのだと諦めかけていた……突然現れた『彼』に、助けられるまで。
【『Lord of My Heart 〜呪われ伯爵は可愛い幼妻を素直に愛せない〜』のスピンオフです。小説家になろうにも掲載しています】
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
異世界貴族に転生したので家のためにツチノコを探した結果
雀40
恋愛
災害によって荒れた領地の復興のため、ツチノコを探して一攫千金を狙ったエルミラ。
しかし、屋敷の裏で見つけたのは怪我をした汚い子犬。
慌てて連れ帰って綺麗にしてもらったら、珍しい色合いの不思議な犬だった。
ツチノコを探して見つけたので「ツチノコ」改め「ノコ」と名付けられた子犬は、実は――。
溺愛書きたいなと思ったら変態が生まれた一品です。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
屋月 トム伽
恋愛
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。(リディアとオズワルド以外はなかった事になっているのでifとしてます。)
私は、リディア・ウォード侯爵令嬢19歳だ。
婚約者のレオンハルト・グラディオ様はこの国の第2王子だ。
レオン様の誕生日パーティーで、私はエスコートなしで行くと、婚約者のレオン様はアリシア男爵令嬢と仲睦まじい姿を見せつけられた。
一人壁の花になっていると、レオン様の兄のアレク様のご友人オズワルド様と知り合う。
話が弾み、つい地がでそうになるが…。
そして、パーティーの控室で私は襲われ、倒れてしまった。
朦朧とする意識の中、最後に見えたのはオズワルド様が私の名前を叫びながら控室に飛び込んでくる姿だった…。
そして、目が覚めると、オズワルド様と半年前に時間が戻っていた。
レオン様との婚約を避ける為に、オズワルド様と婚約することになり、二人の日常が始まる。
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。
第14回恋愛小説大賞にて奨励賞受賞
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる