100 / 105
後日譚
22 刀の使い道
しおりを挟む
伊里院さんは籠町さんの聞き取りも終えたらしく、遠野さんの元へと戻っていく。そして何事か話してから、遠野さんが全体を見回した。
「では、初参加の榊原さんとてつさんも居ますので、備品についての説明をしていきます。服装は、通常通りに異界では異国情緒あるように見えるデザインになっています。こちらと異界との区別を見せるためですね。そして、あちらでは極力こちらの技術──電子機器などは見せないように。その鞄に入れてもらっているトランシーバーなどですね。で、」
遠野さんは慣れた様子で、スラリと刀を抜き、軽く構えた。
「刀も通常通り、本物です。さて、榊原さん。この動作、出来ますか?」
遠野さんは刀を納めながら、軽く言う。
「え、……やってみます……」
いきなり言われたけど、これは、やる流れなんだろうな。
「……っ……うぐ」
イスから立ち上がり、見様見真似で刀を抜こうとしたら、途中で引っかかってしまった。
これ、見ただけだと簡単そうなのに、やろうとするとすごい難しい……!
「流石に初めてとなると、難しいですね。籠町さん、榊原さんに教えてあげて下さい」
「了解。榊原さん、これはね、コツがあるんだよ。まずね、左手で鞘を持って──」
遠野さんに言われ、籠町さんは持っている自分の刀で指導してくれる。その教え通りに何回かやっていると、少しガタつくものの、一応は抜けるようになった。
「おお、飲み込みが早いねぇ」
「ありがとうございます」
籠町さんにお礼を言う。
で、てつはというと。
「刀なんか必要ねぇ。てめぇのモンがある」
「そういう訳にはいかないんですよ」
と、遠野さんに説得されていた。
「……てつさん」
それを見ていた中野さんが、静かに声を発した。
「我々、と言っていいか分からないが……俺やあなたは──物の怪と呼ばれていたあの、異界と呼ぶあの世界に居た頃と、今とでは立場が違う。ただそこに居るだけの存在じゃない」
「あ?」
中野さんの言葉に、てつが目を細める。てつとほとんど変わりない、長身の中野さんは、その深い青緑と静かに見つめ合う。
「俺達は、あちらからは異人として扱われる。要するに、人間として、だ。俺達の本来持つ力は、極力見せないようにしなければならない」
「そうは言うが、いざとなれば使うんだろう?」
「その"いざ"は、本来有り得てはならない事だ。……てつさん。俺達は、友好な関係を構築するために、あちらの人間に会いに行くんだ。和を乱す事はもちろん、仲間を危険に晒す事など、それこそ有り得てはならない。……俺は、ここのひと達に助けられ、今ここにいる。あなたも大なり小なり理由があって、ここに戻って来たんだろう?」
てつの眉が、ピクリと動いた。
「あなたのこれからの行動は、今後のあなたの評価へと直結する。不快に感じるかもしれないが、思うままに動くだけじゃ、今のその、不自由さからは逃れられない。……分かって欲しい」
中野さんはそう言って、真面目な表情のまま、口を閉じる。てつは片眉を上げ、睨みつける、とはまた違った、けれど強い視線で中野さんを見た。
「……ハァ……っとに、面倒だ」
てつは頭をガシガシとかき、刀に手をかける。そして、スラリと綺麗に、それを抜いた。
「これで満足か?」
……一発で、出来るんかい。
「てつさんは、刀を使った事があるの?」
「無いが、使っている奴らを見た事はある」
籠町さんの質問に、てつはまた、綺麗な動きで刀を鞘に戻しながら答えた。
「だから、それを真似ただけだ」
「へぇ……すごいね」
籠町さんの言葉に、力強く頷きたくなった。
こちとら、教えてもらってやっとガダガダと抜けるようになった程度なのに。
「で、遠野。友好な関係と言っているが、なら何故、これがいる?」
てつは、刀の柄を軽く叩きながら、そう聞いた。
「こいつはモノをたたっ斬るためのモンだろう?」
「叩き斬る、だけではないんですよ、てつさん」
遠野さんは自分の、黒を基調にした刀の柄に手をかけながら、
「これは、護身のために持つ、という意味もありますが……一番は、権力を見せつけるためです」
「ほぉ」
「仕立てに金と手間がかけられた衣服、清潔さ、そして装飾品に、この刀。見る者が見れば、これを身に着けている者にどんな背景があるか、一瞬にして想像が出来てしまうでしょう。そのための、これらです」
「……なるほどな。分かり易い」
てつの言葉に、にっこりと笑顔を返した遠野さんは、
「それで、榊原さん」
「えっ、はい」
「これは、護身用でもあると言いましたね。なので、簡単に構えられるくらいには、なっていてもらいたいんです」
「か、構え……」
「ええ」
遠野さんは、またにっこりと、爽やかな笑顔を見せた。
「構えられさえすれば良いので。本来異界では──主に、僕らの行く場所では、ですが。子女は刀を持ちません。ですので、腰に下げているだけでも抑止力となります。ですが、それを扱えないと知られると、逆にそれは弱みとなり、厄介事を招いてしまいます。という訳で、構えだけでも、習得してください」
そんな、ド素人に、あと二週間ちょいで剣術を習得しろと?
「む、無理では……?」
「いえ、大丈夫でしょう。先程の籠町さんとのやり取りを見た限りでは、あなたは剣術の飲み込みが早い。構えくらいなら、一週間と経たずに出来るようになると、僕は思いますよ」
「ええぇ……」
出来るようになる、というより、出来るようになれ、と言われている気分だ。
……でも、遠野さんは、こういう時、当てずっぽうな事は言わない。
「わ、分かりました……練習、します」
「はい、お願いします」
こうして、私のシフトは、剣術指導に全て持っていかれる事になった。
「ふぅ……」
それから三日。私はてつの洞窟で、自分の刀を抜く、構える、納める、の動作の確認をしていた。
「……どう?」
「まあ、出来てんじゃねえか?」
「ねえか? はやめてってば。確実な言葉が欲しいんだって」
私の指導をしてくれる事になったのは、籠町さんと、なんと、てつだ。
あの後、てつは一通りの刀の動作確認をして、問題ないとなり。その場でテーブルを移動させ作った空間で、中野さんと殺陣のような事までやり、実戦も問題ないとされ。
「では、てつさんはこれで大丈夫ですね。後は榊原さんですが……」
で、刀を腰に下げるという、同じスタイルをしている籠町さんと、一緒にいる時間が多いてつに、剣術指南を受けることになった。
まあ、指南と言っても、構えが出来るようになるまでだけどね。
「……じゃあ、もう一度、やってみろ」
寝そべっていた狼はむくりと頭を上げ、こちらへと顔を向けた。
言われた通り、刀を鞘に、少しガタつきながらも納め、もう一度抜く。
一応、抜くのは、引っかかりもなく、スラリ、と抜けている感覚はあるんだけど。
「型は良いだろう。が、重心がブレてるな」
「……えっと、どうブレてるんでしょうか」
「あー、なんだ。体重移動、だっけか? それが滑らかに行えてねぇ。もっと右足を前に出せ。足を広げろ、前後にだ。で、少し腰を落として、やってみろ」
「……こう?」
言われた通りの体勢になって、刀を抜く。心持ち、さっきよりスムーズに抜けたような気もする。
「そんな感じだな」
「……てつ、ホントに刀、使った事なかったの? ここ三日思うんだけど、教え方がものすごく的確なんだけど」
籠町さんにも、指導はしてもらってる。籠町さんの教え方だって分かりやすくて覚えやすい。けど、籠町さんよりてつの方が、圧倒的に教え方が具体的、というか、実践的だ。
「ねぇっつってんだろ。俺ぁてめぇのモンがある。そんな細っこい刀なんぞ、折れそうで頼りたくねぇな」
てつはそう言って、尻尾をゆらりと振った。
「俺は見た事があるだけだ。そこらの人間が振り回しているのやら、軟弱な奴らが山を荒そうと入り込んできた時に、持っていたりしたのをな。まぁ、どれもこれも、向かってきた奴のはへし折ってやったが」
ハッ、と、嗤うんだかなんだか息を吐いたてつは、「で」 と言って、狼男の姿になった。
「構えを覚えんだろう? 抜くのは出来てんだ、そこからの一連の動作で覚えなきゃあ意味がねぇだろう」
「……」
なんだろう、てつが頼もしく見える。
「おい、聞いてんのか」
「あ、うん。聞いてる聞いてる。構えだよね」
また、刀を納める。そして今度は抜きながら、切っ先を前に向け、両手で持ち直した。
「先がブレてる。止めろ」
「や、これ、難しいんだよ……?」
刀の重さは、あまり関係ない。というか、ほぼ重さは感じてない。私の腕力が人並外れているからだろう。
けど、繊細な動きとなると、途端、刀の操作が難しくなる。
「腕だけで持つからだ。全身に力を込めろ」
「全身に……」
やってみるが、てつは頭を振った。駄目だったようだ。
「……ハァ、こうだ」
てつが私の手から刀を引っこ抜き、構える。
「おお……」
会議室でもそれは見たけど、やっぱり様になっていた。
「分かったか。やってみろ」
「りょ、了解……」
てつから刀を渡され、握る。
いまいち分かってはいないけど、今見た通りの動きと体勢を意識して、やってみる、と。
「……まぁ、マシにはなった」
てつが腕を組みながら、やや渋い声でそう評価した。
「後は慣れだ。繰り返せ。体に動きを染付けさせろ」
「……うぃ」
「あ?」
「なんでもないです、はい」
「では、初参加の榊原さんとてつさんも居ますので、備品についての説明をしていきます。服装は、通常通りに異界では異国情緒あるように見えるデザインになっています。こちらと異界との区別を見せるためですね。そして、あちらでは極力こちらの技術──電子機器などは見せないように。その鞄に入れてもらっているトランシーバーなどですね。で、」
遠野さんは慣れた様子で、スラリと刀を抜き、軽く構えた。
「刀も通常通り、本物です。さて、榊原さん。この動作、出来ますか?」
遠野さんは刀を納めながら、軽く言う。
「え、……やってみます……」
いきなり言われたけど、これは、やる流れなんだろうな。
「……っ……うぐ」
イスから立ち上がり、見様見真似で刀を抜こうとしたら、途中で引っかかってしまった。
これ、見ただけだと簡単そうなのに、やろうとするとすごい難しい……!
「流石に初めてとなると、難しいですね。籠町さん、榊原さんに教えてあげて下さい」
「了解。榊原さん、これはね、コツがあるんだよ。まずね、左手で鞘を持って──」
遠野さんに言われ、籠町さんは持っている自分の刀で指導してくれる。その教え通りに何回かやっていると、少しガタつくものの、一応は抜けるようになった。
「おお、飲み込みが早いねぇ」
「ありがとうございます」
籠町さんにお礼を言う。
で、てつはというと。
「刀なんか必要ねぇ。てめぇのモンがある」
「そういう訳にはいかないんですよ」
と、遠野さんに説得されていた。
「……てつさん」
それを見ていた中野さんが、静かに声を発した。
「我々、と言っていいか分からないが……俺やあなたは──物の怪と呼ばれていたあの、異界と呼ぶあの世界に居た頃と、今とでは立場が違う。ただそこに居るだけの存在じゃない」
「あ?」
中野さんの言葉に、てつが目を細める。てつとほとんど変わりない、長身の中野さんは、その深い青緑と静かに見つめ合う。
「俺達は、あちらからは異人として扱われる。要するに、人間として、だ。俺達の本来持つ力は、極力見せないようにしなければならない」
「そうは言うが、いざとなれば使うんだろう?」
「その"いざ"は、本来有り得てはならない事だ。……てつさん。俺達は、友好な関係を構築するために、あちらの人間に会いに行くんだ。和を乱す事はもちろん、仲間を危険に晒す事など、それこそ有り得てはならない。……俺は、ここのひと達に助けられ、今ここにいる。あなたも大なり小なり理由があって、ここに戻って来たんだろう?」
てつの眉が、ピクリと動いた。
「あなたのこれからの行動は、今後のあなたの評価へと直結する。不快に感じるかもしれないが、思うままに動くだけじゃ、今のその、不自由さからは逃れられない。……分かって欲しい」
中野さんはそう言って、真面目な表情のまま、口を閉じる。てつは片眉を上げ、睨みつける、とはまた違った、けれど強い視線で中野さんを見た。
「……ハァ……っとに、面倒だ」
てつは頭をガシガシとかき、刀に手をかける。そして、スラリと綺麗に、それを抜いた。
「これで満足か?」
……一発で、出来るんかい。
「てつさんは、刀を使った事があるの?」
「無いが、使っている奴らを見た事はある」
籠町さんの質問に、てつはまた、綺麗な動きで刀を鞘に戻しながら答えた。
「だから、それを真似ただけだ」
「へぇ……すごいね」
籠町さんの言葉に、力強く頷きたくなった。
こちとら、教えてもらってやっとガダガダと抜けるようになった程度なのに。
「で、遠野。友好な関係と言っているが、なら何故、これがいる?」
てつは、刀の柄を軽く叩きながら、そう聞いた。
「こいつはモノをたたっ斬るためのモンだろう?」
「叩き斬る、だけではないんですよ、てつさん」
遠野さんは自分の、黒を基調にした刀の柄に手をかけながら、
「これは、護身のために持つ、という意味もありますが……一番は、権力を見せつけるためです」
「ほぉ」
「仕立てに金と手間がかけられた衣服、清潔さ、そして装飾品に、この刀。見る者が見れば、これを身に着けている者にどんな背景があるか、一瞬にして想像が出来てしまうでしょう。そのための、これらです」
「……なるほどな。分かり易い」
てつの言葉に、にっこりと笑顔を返した遠野さんは、
「それで、榊原さん」
「えっ、はい」
「これは、護身用でもあると言いましたね。なので、簡単に構えられるくらいには、なっていてもらいたいんです」
「か、構え……」
「ええ」
遠野さんは、またにっこりと、爽やかな笑顔を見せた。
「構えられさえすれば良いので。本来異界では──主に、僕らの行く場所では、ですが。子女は刀を持ちません。ですので、腰に下げているだけでも抑止力となります。ですが、それを扱えないと知られると、逆にそれは弱みとなり、厄介事を招いてしまいます。という訳で、構えだけでも、習得してください」
そんな、ド素人に、あと二週間ちょいで剣術を習得しろと?
「む、無理では……?」
「いえ、大丈夫でしょう。先程の籠町さんとのやり取りを見た限りでは、あなたは剣術の飲み込みが早い。構えくらいなら、一週間と経たずに出来るようになると、僕は思いますよ」
「ええぇ……」
出来るようになる、というより、出来るようになれ、と言われている気分だ。
……でも、遠野さんは、こういう時、当てずっぽうな事は言わない。
「わ、分かりました……練習、します」
「はい、お願いします」
こうして、私のシフトは、剣術指導に全て持っていかれる事になった。
「ふぅ……」
それから三日。私はてつの洞窟で、自分の刀を抜く、構える、納める、の動作の確認をしていた。
「……どう?」
「まあ、出来てんじゃねえか?」
「ねえか? はやめてってば。確実な言葉が欲しいんだって」
私の指導をしてくれる事になったのは、籠町さんと、なんと、てつだ。
あの後、てつは一通りの刀の動作確認をして、問題ないとなり。その場でテーブルを移動させ作った空間で、中野さんと殺陣のような事までやり、実戦も問題ないとされ。
「では、てつさんはこれで大丈夫ですね。後は榊原さんですが……」
で、刀を腰に下げるという、同じスタイルをしている籠町さんと、一緒にいる時間が多いてつに、剣術指南を受けることになった。
まあ、指南と言っても、構えが出来るようになるまでだけどね。
「……じゃあ、もう一度、やってみろ」
寝そべっていた狼はむくりと頭を上げ、こちらへと顔を向けた。
言われた通り、刀を鞘に、少しガタつきながらも納め、もう一度抜く。
一応、抜くのは、引っかかりもなく、スラリ、と抜けている感覚はあるんだけど。
「型は良いだろう。が、重心がブレてるな」
「……えっと、どうブレてるんでしょうか」
「あー、なんだ。体重移動、だっけか? それが滑らかに行えてねぇ。もっと右足を前に出せ。足を広げろ、前後にだ。で、少し腰を落として、やってみろ」
「……こう?」
言われた通りの体勢になって、刀を抜く。心持ち、さっきよりスムーズに抜けたような気もする。
「そんな感じだな」
「……てつ、ホントに刀、使った事なかったの? ここ三日思うんだけど、教え方がものすごく的確なんだけど」
籠町さんにも、指導はしてもらってる。籠町さんの教え方だって分かりやすくて覚えやすい。けど、籠町さんよりてつの方が、圧倒的に教え方が具体的、というか、実践的だ。
「ねぇっつってんだろ。俺ぁてめぇのモンがある。そんな細っこい刀なんぞ、折れそうで頼りたくねぇな」
てつはそう言って、尻尾をゆらりと振った。
「俺は見た事があるだけだ。そこらの人間が振り回しているのやら、軟弱な奴らが山を荒そうと入り込んできた時に、持っていたりしたのをな。まぁ、どれもこれも、向かってきた奴のはへし折ってやったが」
ハッ、と、嗤うんだかなんだか息を吐いたてつは、「で」 と言って、狼男の姿になった。
「構えを覚えんだろう? 抜くのは出来てんだ、そこからの一連の動作で覚えなきゃあ意味がねぇだろう」
「……」
なんだろう、てつが頼もしく見える。
「おい、聞いてんのか」
「あ、うん。聞いてる聞いてる。構えだよね」
また、刀を納める。そして今度は抜きながら、切っ先を前に向け、両手で持ち直した。
「先がブレてる。止めろ」
「や、これ、難しいんだよ……?」
刀の重さは、あまり関係ない。というか、ほぼ重さは感じてない。私の腕力が人並外れているからだろう。
けど、繊細な動きとなると、途端、刀の操作が難しくなる。
「腕だけで持つからだ。全身に力を込めろ」
「全身に……」
やってみるが、てつは頭を振った。駄目だったようだ。
「……ハァ、こうだ」
てつが私の手から刀を引っこ抜き、構える。
「おお……」
会議室でもそれは見たけど、やっぱり様になっていた。
「分かったか。やってみろ」
「りょ、了解……」
てつから刀を渡され、握る。
いまいち分かってはいないけど、今見た通りの動きと体勢を意識して、やってみる、と。
「……まぁ、マシにはなった」
てつが腕を組みながら、やや渋い声でそう評価した。
「後は慣れだ。繰り返せ。体に動きを染付けさせろ」
「……うぃ」
「あ?」
「なんでもないです、はい」
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
ぬらりひょんのぼんくら嫁〜虐げられし少女はハイカラ料理で福をよぶ〜
蒼真まこ
キャラ文芸
生贄の花嫁は、あやかしの総大将と出会い、本当の愛と生きていく喜びを知る─。
時は大正。
九桜院さちは、あやかしの総大将ぬらりひょんの元へ嫁ぐために生まれた。生贄の花嫁となるために。
幼い頃より実父と使用人に虐げられ、笑って耐えることしか知らぬさち。唯一の心のよりどころは姉の蓉子が優しくしてくれることだった。
「わたくしの代わりに、ぬらりひょん様に嫁いでくれるわね?」
疑うことを知らない無垢な娘は、ぬらりひょんの元へ嫁ぎ、驚きの言葉を発する。そのひとことが美しくも気難しい、ぬらりひょんの心をとらえてしまう。
ぬらりひょんに気に入られたさちは、得意の洋食を作り、ぬらりひょんやあやかしたちに喜ばれることとなっていく。
「こんなわたしでも、幸せを望んでも良いのですか?」
やがて生家である九桜院家に大きな秘密があることがわかり──。
不遇な少女が運命に立ち向い幸せになっていく、大正あやかし嫁入りファンタジー。
☆表紙絵は紗倉様に描いていただきました。作中に出てくる場面を元にした主人公のイメージイラストです。
※エブリスタと小説家になろうにも掲載しておりますが、こちらは改稿版となります。
AGAIN
ゆー
キャラ文芸
一話完結の日常系ショートショート
キャラデザ→りんさん 挿し絵→二号さん
中学生の頃から細々続けているもの。永遠に完結しない。
どこから読んでも大丈夫なはず。
現在整理中
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
化け猫のミーコ
板倉恭司
キャラ文芸
不思議な力を持つ黒猫のミーコ。人知を超越した力を持つ化け猫と、様々な人間との出会いと別れを描いた連作短編。※以前は『黒猫のミーコ』というタイトルでしたが、全く同じタイトルの作品があったのでタイトルを変更しました。
白鬼
藤田 秋
キャラ文芸
ホームレスになった少女、千真(ちさな)が野宿場所に選んだのは、とある寂れた神社。しかし、夜の神社には既に危険な先客が居座っていた。化け物に襲われた千真の前に現れたのは、神職の衣装を身に纏った白き鬼だった――。
普通の人間、普通じゃない人間、半分妖怪、生粋の妖怪、神様はみんなお友達?
田舎町の端っこで繰り広げられる、巫女さんと神主さんの(頭の)ユルいグダグダな魑魅魍魎ライフ、開幕!
草食系どころか最早キャベツ野郎×鈍感なアホの子。
少年は正体を隠し、少女を守る。そして、少女は当然のように正体に気付かない。
二人の主人公が織り成す、王道を走りたかったけど横道に逸れるなんちゃってあやかし奇譚。
コメディとシリアスの温度差にご注意を。
他サイト様でも掲載中です。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
おきつね様の溺愛!? 美味ごはん作れば、もふもふ認定撤回かも? ~妖狐(ようこ)そ! あやかしアパートへ~
にけみ柚寿
キャラ文芸
1人暮らしを始めることになった主人公・紗季音。
アパートの近くの神社で紗季音が出会ったあやかしは、美形の妖狐!?
妖狐の興恒(おきつね)は、紗季音のことを「自分の恋人」が人型に変身している、とカン違いしているらしい。
紗季音は、自分が「谷沼 紗季音(たにぬま さきね)」というただの人間であり、キツネが化けているわけではないと伝えるが……。
興恒いわく、彼の恋人はキツネのあやかしではなくタヌキのあやかし。種族の違いから周囲に恋路を邪魔され、ずっと会えずにいたそうだ。
「タヌキでないなら、なぜ『谷沼 紗季音』などと名乗る。その名、順序を変えれば『まさにたぬきね』。つまり『まさにタヌキね』ではないか」
アパートに居すわる気満々の興恒に紗季音は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる