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第一章 そこは竜の都
三十五話
しおりを挟む 謎の集団 (ダークエルフ)によるエルフの集落などを襲撃していると学校内で話題になり出して数日が過ぎ、徐々にエルフの生徒の間でも今回の事がダークエルフによるものだと理解しだす者も現れだした。
そのため生徒の中には故郷に戻って自分達も力になりたいと言い出す者も現れ、その声が徐々に大きくなってきたことで先生達も臨時の職員会議を開いた。
当然先生の中にはエルフ族の先生もいるため、彼らからは救援部隊を結成して向かうべきだとか、我らエルフの有志だけでも行かせてもらうなどと言い出し相当紛糾したようだった。
そのためジルコニー校長はまず城に相談、許可を仰ぎ、続いてエルフ側の意向を聞いた上で救援部隊を結成することとし、救援部隊には3年のエルフ族生徒と成績優秀な他部族の有志者、2年生の武力科、魔法科の中で成績優秀な有志者とすることにした。
職員会議が終わって早速校長は城に向かって相談をし、城を通してエルフ族の意見を聞いたところ救援を要請されたためすぐさま救援部隊が結成される事となった。
そうした周りの慌ただしさを横目に僕らは今まで通り授業を行っていた。当然ロースはその間も気が気でなさそうだった。
しかし僕自身も他人事では無くなる事態にとうとうなってしまった。
「······えっ? 今、何て言ったの? 兄ちゃん」ある日の夜に兄ちゃんが僕の部屋にやってきて、救援部隊のメンバーに選ばれたと知らせてくれた。
「エルフ族を救援する部隊のメンバー募集で俺にも声がかかって、志願したら選ばれたんだ」「ホ、ホントに?」「ああ」とうとうあの映像が現実になろうとしだしてしまった。
「でも、どうして志願を?」「実は声を掛けられてから聞いたんだが、どうやら俺達が救援に向かう予定というのが、ヨートス様の里みたいなんだ」「ヨートス様の!?」それを聞いて流石に僕は驚きの声を上げた。
「ああ、次に奴らが狙いそうな場所の1つがヨートス様の里みたいで、学校にヨートス様の息子が通っているという縁で俺達が向かう事になったんだ」と聞いてロースの事かとすぐ想像出来た。
「······そっか」とさも何かありそうな感じで言葉をこぼしたところ、「で、何でこの事をお前に話したかというとだな······」確かに気になる。
「お前、今回の騒動で何か隠してる、または知っている事は無いか?」
ギクッ!「そ、それは······」「やっぱあるんだな」「······」兄ちゃんから追及されたが流石にあの事は言えず、僕はだんまりを貫いた。
「まぁ言えないなら良いや」ホッ「ただし」「ん?」
「答えれる範囲で答えてくれ。今後の未来にとってはどうしたらいいのが一番なのかを」と真剣な顔で聞いてきたので、(兄ちゃん)流石に兄ちゃんに行って欲しくないとは言えないと理解し、「だったら、兄ちゃんが行くなら······僕も救援部隊に加えて欲しいんだ」
「お前も?」「うん!」兄ちゃんを助けるためのあの映像を現実にするために。
「それがお前の知っている未来で最善の事なんだな」「うん!」
そこまで言い合ったところで、「······分かった。明日引率する先生に頼んでみるよ」「ホント!」「ああ。んでもしダメと言われたら、俺も行くのを辞めるよ」
「えっ?」「それが一番最善な選択なんだろ?」「う、うん」ヨートス様やエルフの人達には大変申し訳ないけど。
「だったら、そうするしかないだろ。あの未来を実現させるためにはな」と言ったところで、「やっぱお前と話しておいて良かったぜ、じゃあな」「うん。おやすみ」と言って兄ちゃんは部屋を出て行った。
翌日兄ちゃんは僕のことを引率の先生に推薦(ヨートス様との関係やポイズンコブラとの一件も伝えてくれたみたい)してくれて数日後、僕の救援部隊への参加許可が下りたのだった(うそぉ)。
どうやら兄ちゃんの推薦以上にバーミリアン先生からの推薦(あのブーメランを必死に練習していた事が功を奏したみたい)が大きかったみたいだ。
とにもかくにもこれで僕も同行することが出来るようになり、よりいっそうあの光景を回避する可能性が広がった。
それらのことを後日一緒に夕ご飯を食べながらアリスとお姉ちゃんに伝える事となり、流石にアリスは僕が行くという事を聞いて、「何で!? どうして?」としつこく聞いてきて後で話すと言ってもしつこく聞いてきた。
お姉ちゃんの方はそんな僕らを笑って見ていながらも兄ちゃんに「レックス君をしっかり守らないとね」と言って兄ちゃんも「ああ。そのつもりだ」と答えていた。
(イヤ、今回助けるのは僕の方何だけど······)と思いながらもアリスの言葉を無視しつつご飯を食べた。
その後兄ちゃんらと別れてアリスに「あの未来を実現させるために、どうしても必要な事なんだ」と伝えると渋々了承して別れた。
そして出発当日、僕は朝ご飯を食べた後身支度をして短剣2本とブーメランを持って部屋を出た。
廊下を少し歩いて兄ちゃんと鉢合い、「行くか」「うん!」と言葉を交わして出口に向かった。
そのため生徒の中には故郷に戻って自分達も力になりたいと言い出す者も現れ、その声が徐々に大きくなってきたことで先生達も臨時の職員会議を開いた。
当然先生の中にはエルフ族の先生もいるため、彼らからは救援部隊を結成して向かうべきだとか、我らエルフの有志だけでも行かせてもらうなどと言い出し相当紛糾したようだった。
そのためジルコニー校長はまず城に相談、許可を仰ぎ、続いてエルフ側の意向を聞いた上で救援部隊を結成することとし、救援部隊には3年のエルフ族生徒と成績優秀な他部族の有志者、2年生の武力科、魔法科の中で成績優秀な有志者とすることにした。
職員会議が終わって早速校長は城に向かって相談をし、城を通してエルフ族の意見を聞いたところ救援を要請されたためすぐさま救援部隊が結成される事となった。
そうした周りの慌ただしさを横目に僕らは今まで通り授業を行っていた。当然ロースはその間も気が気でなさそうだった。
しかし僕自身も他人事では無くなる事態にとうとうなってしまった。
「······えっ? 今、何て言ったの? 兄ちゃん」ある日の夜に兄ちゃんが僕の部屋にやってきて、救援部隊のメンバーに選ばれたと知らせてくれた。
「エルフ族を救援する部隊のメンバー募集で俺にも声がかかって、志願したら選ばれたんだ」「ホ、ホントに?」「ああ」とうとうあの映像が現実になろうとしだしてしまった。
「でも、どうして志願を?」「実は声を掛けられてから聞いたんだが、どうやら俺達が救援に向かう予定というのが、ヨートス様の里みたいなんだ」「ヨートス様の!?」それを聞いて流石に僕は驚きの声を上げた。
「ああ、次に奴らが狙いそうな場所の1つがヨートス様の里みたいで、学校にヨートス様の息子が通っているという縁で俺達が向かう事になったんだ」と聞いてロースの事かとすぐ想像出来た。
「······そっか」とさも何かありそうな感じで言葉をこぼしたところ、「で、何でこの事をお前に話したかというとだな······」確かに気になる。
「お前、今回の騒動で何か隠してる、または知っている事は無いか?」
ギクッ!「そ、それは······」「やっぱあるんだな」「······」兄ちゃんから追及されたが流石にあの事は言えず、僕はだんまりを貫いた。
「まぁ言えないなら良いや」ホッ「ただし」「ん?」
「答えれる範囲で答えてくれ。今後の未来にとってはどうしたらいいのが一番なのかを」と真剣な顔で聞いてきたので、(兄ちゃん)流石に兄ちゃんに行って欲しくないとは言えないと理解し、「だったら、兄ちゃんが行くなら······僕も救援部隊に加えて欲しいんだ」
「お前も?」「うん!」兄ちゃんを助けるためのあの映像を現実にするために。
「それがお前の知っている未来で最善の事なんだな」「うん!」
そこまで言い合ったところで、「······分かった。明日引率する先生に頼んでみるよ」「ホント!」「ああ。んでもしダメと言われたら、俺も行くのを辞めるよ」
「えっ?」「それが一番最善な選択なんだろ?」「う、うん」ヨートス様やエルフの人達には大変申し訳ないけど。
「だったら、そうするしかないだろ。あの未来を実現させるためにはな」と言ったところで、「やっぱお前と話しておいて良かったぜ、じゃあな」「うん。おやすみ」と言って兄ちゃんは部屋を出て行った。
翌日兄ちゃんは僕のことを引率の先生に推薦(ヨートス様との関係やポイズンコブラとの一件も伝えてくれたみたい)してくれて数日後、僕の救援部隊への参加許可が下りたのだった(うそぉ)。
どうやら兄ちゃんの推薦以上にバーミリアン先生からの推薦(あのブーメランを必死に練習していた事が功を奏したみたい)が大きかったみたいだ。
とにもかくにもこれで僕も同行することが出来るようになり、よりいっそうあの光景を回避する可能性が広がった。
それらのことを後日一緒に夕ご飯を食べながらアリスとお姉ちゃんに伝える事となり、流石にアリスは僕が行くという事を聞いて、「何で!? どうして?」としつこく聞いてきて後で話すと言ってもしつこく聞いてきた。
お姉ちゃんの方はそんな僕らを笑って見ていながらも兄ちゃんに「レックス君をしっかり守らないとね」と言って兄ちゃんも「ああ。そのつもりだ」と答えていた。
(イヤ、今回助けるのは僕の方何だけど······)と思いながらもアリスの言葉を無視しつつご飯を食べた。
その後兄ちゃんらと別れてアリスに「あの未来を実現させるために、どうしても必要な事なんだ」と伝えると渋々了承して別れた。
そして出発当日、僕は朝ご飯を食べた後身支度をして短剣2本とブーメランを持って部屋を出た。
廊下を少し歩いて兄ちゃんと鉢合い、「行くか」「うん!」と言葉を交わして出口に向かった。
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