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6 冥界の化け物
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「人、多いですね……人気の劇団なんですか?」
アンドレアスで一番広い広場に着いて、昨日のうちに組み上げられた舞台と、チケット売りの行列を見て、メアリーが不安そうに言う。
「そうらしい。話に聞いた限りだと、王妃殿下も観にいらっしゃったことがあるとか。けど、大丈夫だ、メアリー。チケットはもう買ってあるから」
ディアンは、コートのポケットから出したそれをメアリーに見せる。
「え、いつ買ったんですか?」
「昨日のうちに。良い席がどこか分からなかったから、団員に聞いて、それを買ったよ。他にも何人か、昨日のうちに買っている人がいたな」
「はあ……ありがとうございます……」
ディアンは、メアリーの手の温もりを感じながら、入口の係にチケットを見せ、席へと案内してもらう。
「本当に良い席ですね……」
メアリーのその言葉に、「そう思って貰えて良かった」と、ディアンは答える。
席は、舞台の真正面で、一段高くなった場所。舞台全体を見渡せる席だ。
「……あ、ディアンさん。チケット代、払います」
忘れていた、という顔をしたメアリーに、
「気持ちは嬉しいけど、俺のためにも譲ってくれないか? メアリー。今日は、君に楽しんで、喜んでもらうための日だから」
ディアンはそう言って、困ったように笑顔を返す。
「……分かりました。これも責任ですので」
顔を赤くして、少し不満そうに言うメアリーに、
「だから、メアリー。そういう顔は、あまり他の人間には見せてほしくないんだ。俺だけが見ていたい」
ディアンはメアリーが愛おしくて、そして周りの目がメアリーに向いてないかと気になって、肩を抱いて引き寄せてしまう。
「……あのですね、ディアンさん。やるならやるで、一言断りを入れてくれませんか」
不満そうに言われたけれど、嫌ではないと、暗に伝えられて。
「……メアリーをずっと見ていたいな」
「劇を見て下さい、ディアンさん」
「ああ、分かってる。でも、始まるまでは君を見ていたい」
「……それはどうぞ、ご自由に」
「ありがとうメアリー。愛してる」
◇
劇は面白い。楽しい。けど、ディアンに肩を抱かれたままで、劇に集中出来ない。
初めのほうではそう思っていたメアリーだったけれど、ディアンの言う通りに評判の劇団だからか、だんだんとメアリーの意識が、劇に向いていく。没入していく。
演目『トゥルペの姫騎士物語』は、史実を元にした物語だ。
悪の化身に攻め込まれていた国があった。その国には、気高い心を持っている姫がいた。姫はトゥルペの花の精霊に好かれたことにより、騎士として立ち上がり、仲間を率いて、悪の化身を討ち滅ぼす。
この、悪の化身が冥界から湧き出す化け物だということは、史実が古いためか、劇としての歴史が長いためか、あまり知られていない。
劇が終わり、幕が下りても、拍手や掛け声は、なかなか収まらなかった。
「やっぱり面白いです! 観れて良かったです。ありがとうございます、ディアンさん」
外へ出たメアリーは、感謝の気持ちを込めて、ディアンへ笑顔を向ける。
「楽しんでもらえたみたいで良かった。君の笑顔のためなら、本当になんでもしたくなるよ、メアリー」
ディアンは微笑みながら、メアリーへ顔を寄せる。
急に近づいてきたディアンに、メアリーは固まり、
「……うん。可愛いな、メアリーは」
そんなメアリーを見たディアンはそう言うと、
「本当はキスをしたいけど。それは流石に早いしな」
メアリーの頬に、繋いでいない手で触れて、名残惜しそうに撫でる。
「き、キス……」
顔が赤くなっていると、自覚できるくらい赤い顔で、メアリーはなんとか、それだけ言う。
「そんなふうに呟かれるとな。本当にしてしまいたくなる」
ディアンは熱のこもった瞳でメアリーを見つめ、
「……メアリー」
更に近くなったディアンの顔を、メアリーはどう見れば良いのか分からない。
「本当に、して良いだろうか」
ディアンの、熱い眼差しが、迫ってきて。
止めなければと思うのに、メアリーは、その眼差しに縫い留められたように動けない。
「メアリー」
鼻先が触れそうなほど、近くなった時。
「!」
遠くから悲鳴が聞こえ、ディアンは即座に、体ごとそちらへ向いた。
悲鳴は波のように広がり、何か、嫌な気配がする、とメアリーが思った時。
「メアリー、すまない。あの感覚は恐らく、冥界の化け物だ。行ってくる」
ディアンは厳しい口調で言うと、メアリーを抱きしめ、
「どこか屋内、高い場所へ避難してくれ。一人にさせてすまない。必ず倒す」
そう言うと、メアリーを離し、屋根に駆け上がって、悲鳴の中心へ行ってしまった。
「……冥界の、化け物……」
本当に? と思うのと同時に、聖騎士が言うのだからそうなんだろうと、メアリーは思う。
「……ディアンさん」
倒してほしいと思う前に。
「どうか、ご無事で」
メアリーは言って、神に祈った。
◇
「ディアン?! お前今日は非番だろ?!」
悲鳴の中心に行けば、何名か駆けつけたらしい仲間が、肉塊のような体と、何本もある手足と幾つあるか分からない目玉と口を持った化け物──『資料通りの姿』の冥界の化け物と対峙していた。
「戦力は多いほうが良い」
ディアンは言って、万が一を考えて持っていた短剣を懐から出し、屋根から飛び降り、
「消え去れ」
イエディミナルを短剣に纏わせ、上から化け物へ突き刺す。
イエディミナルを全力で注ぎ込むと、化け物は錆びた機械のような悲鳴を上げ、
「ディアン!」
体を曲げ、手足を伸ばし、ディアンを包み込んだ。
「これくらいで殺せると思うな」
イエディミナルを薄く体に纏えば、自分に触れていた化け物の手足が崩れていく。
短剣で刺した部分の肉も崩れていき、ディアンはそのまま、崩れた先からイエディミナルを叩き込んでいく。
「……」
化け物はその体を完全に崩し、残骸がサラサラと、地面に広がる。その、灰のような残骸は、風に飛ばされていく。
「この一体だけか?」
ディアンが周囲を確認しながら聞けば、
「恐らく、な。だが、油断できない。ソイツらは湧いてくる。お前が倒したそれも、今、出現したのか、より以前に湧き出して身を隠していたのか、詳しい検証が必要だ」
年長者であり、アンドレアスで唯一、冥界の化け物と対峙した経験を持っていた聖騎士が言う。
「まずは周囲の安全確保だ。それから被害の確認と、事情聴取。……ディアン、彼女はどうした?」
「避難してくれと言って、その場に。あの場では気配は感じられなかったから、行動を共にするより、俺だけでこちらに向かうべきだと判断した」
「なら、戻って安心させてやれ。ここももう、化け物の気配は無い。お前は今日、非番だ。話は明日聞く」
「だが……」
短剣を仕舞いながら、躊躇うように言うディアンに、
「そうだよ早く戻れ。顔見せて安心させてやれ」
「俺らもヤワじゃないからな」
「分かったらさっさと戻れ」
仲間たちに、戻れ戻れと言われ、ディアンは追い立てられるように、メアリーと別れた場所へと戻っていった。
◇
屋内の、高い場所。
ディアンからそう言われたメアリーは、それに該当する場所はどこだろうかと、その場で考えていた。
まだ、さっきのはなんだったんだ、やら、聖騎士が集まってたぞ、などと聞こえるその場所で、ディアンの心配をしながら、もしここに化け物が出たら、まずは自分が動かなければとも、思って。
「……冷静に。今こそ、冷静に」
魔法使いなんだから。冥界の化け物の危険性は知っているし、もし、それが現れても、防御しながら、避難誘導くらいは出来る。
メアリーは深呼吸を数回して、状況を把握しつつ移動しようと思い、体の向きを変える。
「メアリー!」
そこに、ディアンの声がした。
「ディアンさん?」
振り返れば、行ってしまった時と同様に、屋根の上を走って戻ってきて、流れるように飛び降り、
「メアリー。無事だったか。良かった」
メアリーを、また抱きしめる。
「……ディアンさんこそ、ご無事で……ご無事ですか……?」
今更の不安か、安堵か。メアリーは泣きそうになりながら、ディアンの背中へ腕を回す。
「ああ、無事だよ、無傷だ。あれは倒してきた。今は安全だ。怖い思いをさせてすまない」
「お仕事、お疲れ様です……ディアンさんが謝ることじゃありません……」
「ありがとう、メアリー。……仲間に戻れと言われてな。顔を見せて、安心させてやれと。……俺のほうが安心してしまった」
「私も安心しました……」
メアリーは、ディアンの背に回した腕に、力を込める。
「……そうか。役に立てたなら、良かった」
頭を撫でてくるディアンへ、
「ディアンさんが無事で、安心したんです……」
メアリーはなんとか、それを口にする。
「…………そうか。ありがとう、メアリー。愛してる」
また、抱きしめてくるディアンのその胸に、メアリーは縋るようにして、顔を埋めた。
アンドレアスで一番広い広場に着いて、昨日のうちに組み上げられた舞台と、チケット売りの行列を見て、メアリーが不安そうに言う。
「そうらしい。話に聞いた限りだと、王妃殿下も観にいらっしゃったことがあるとか。けど、大丈夫だ、メアリー。チケットはもう買ってあるから」
ディアンは、コートのポケットから出したそれをメアリーに見せる。
「え、いつ買ったんですか?」
「昨日のうちに。良い席がどこか分からなかったから、団員に聞いて、それを買ったよ。他にも何人か、昨日のうちに買っている人がいたな」
「はあ……ありがとうございます……」
ディアンは、メアリーの手の温もりを感じながら、入口の係にチケットを見せ、席へと案内してもらう。
「本当に良い席ですね……」
メアリーのその言葉に、「そう思って貰えて良かった」と、ディアンは答える。
席は、舞台の真正面で、一段高くなった場所。舞台全体を見渡せる席だ。
「……あ、ディアンさん。チケット代、払います」
忘れていた、という顔をしたメアリーに、
「気持ちは嬉しいけど、俺のためにも譲ってくれないか? メアリー。今日は、君に楽しんで、喜んでもらうための日だから」
ディアンはそう言って、困ったように笑顔を返す。
「……分かりました。これも責任ですので」
顔を赤くして、少し不満そうに言うメアリーに、
「だから、メアリー。そういう顔は、あまり他の人間には見せてほしくないんだ。俺だけが見ていたい」
ディアンはメアリーが愛おしくて、そして周りの目がメアリーに向いてないかと気になって、肩を抱いて引き寄せてしまう。
「……あのですね、ディアンさん。やるならやるで、一言断りを入れてくれませんか」
不満そうに言われたけれど、嫌ではないと、暗に伝えられて。
「……メアリーをずっと見ていたいな」
「劇を見て下さい、ディアンさん」
「ああ、分かってる。でも、始まるまでは君を見ていたい」
「……それはどうぞ、ご自由に」
「ありがとうメアリー。愛してる」
◇
劇は面白い。楽しい。けど、ディアンに肩を抱かれたままで、劇に集中出来ない。
初めのほうではそう思っていたメアリーだったけれど、ディアンの言う通りに評判の劇団だからか、だんだんとメアリーの意識が、劇に向いていく。没入していく。
演目『トゥルペの姫騎士物語』は、史実を元にした物語だ。
悪の化身に攻め込まれていた国があった。その国には、気高い心を持っている姫がいた。姫はトゥルペの花の精霊に好かれたことにより、騎士として立ち上がり、仲間を率いて、悪の化身を討ち滅ぼす。
この、悪の化身が冥界から湧き出す化け物だということは、史実が古いためか、劇としての歴史が長いためか、あまり知られていない。
劇が終わり、幕が下りても、拍手や掛け声は、なかなか収まらなかった。
「やっぱり面白いです! 観れて良かったです。ありがとうございます、ディアンさん」
外へ出たメアリーは、感謝の気持ちを込めて、ディアンへ笑顔を向ける。
「楽しんでもらえたみたいで良かった。君の笑顔のためなら、本当になんでもしたくなるよ、メアリー」
ディアンは微笑みながら、メアリーへ顔を寄せる。
急に近づいてきたディアンに、メアリーは固まり、
「……うん。可愛いな、メアリーは」
そんなメアリーを見たディアンはそう言うと、
「本当はキスをしたいけど。それは流石に早いしな」
メアリーの頬に、繋いでいない手で触れて、名残惜しそうに撫でる。
「き、キス……」
顔が赤くなっていると、自覚できるくらい赤い顔で、メアリーはなんとか、それだけ言う。
「そんなふうに呟かれるとな。本当にしてしまいたくなる」
ディアンは熱のこもった瞳でメアリーを見つめ、
「……メアリー」
更に近くなったディアンの顔を、メアリーはどう見れば良いのか分からない。
「本当に、して良いだろうか」
ディアンの、熱い眼差しが、迫ってきて。
止めなければと思うのに、メアリーは、その眼差しに縫い留められたように動けない。
「メアリー」
鼻先が触れそうなほど、近くなった時。
「!」
遠くから悲鳴が聞こえ、ディアンは即座に、体ごとそちらへ向いた。
悲鳴は波のように広がり、何か、嫌な気配がする、とメアリーが思った時。
「メアリー、すまない。あの感覚は恐らく、冥界の化け物だ。行ってくる」
ディアンは厳しい口調で言うと、メアリーを抱きしめ、
「どこか屋内、高い場所へ避難してくれ。一人にさせてすまない。必ず倒す」
そう言うと、メアリーを離し、屋根に駆け上がって、悲鳴の中心へ行ってしまった。
「……冥界の、化け物……」
本当に? と思うのと同時に、聖騎士が言うのだからそうなんだろうと、メアリーは思う。
「……ディアンさん」
倒してほしいと思う前に。
「どうか、ご無事で」
メアリーは言って、神に祈った。
◇
「ディアン?! お前今日は非番だろ?!」
悲鳴の中心に行けば、何名か駆けつけたらしい仲間が、肉塊のような体と、何本もある手足と幾つあるか分からない目玉と口を持った化け物──『資料通りの姿』の冥界の化け物と対峙していた。
「戦力は多いほうが良い」
ディアンは言って、万が一を考えて持っていた短剣を懐から出し、屋根から飛び降り、
「消え去れ」
イエディミナルを短剣に纏わせ、上から化け物へ突き刺す。
イエディミナルを全力で注ぎ込むと、化け物は錆びた機械のような悲鳴を上げ、
「ディアン!」
体を曲げ、手足を伸ばし、ディアンを包み込んだ。
「これくらいで殺せると思うな」
イエディミナルを薄く体に纏えば、自分に触れていた化け物の手足が崩れていく。
短剣で刺した部分の肉も崩れていき、ディアンはそのまま、崩れた先からイエディミナルを叩き込んでいく。
「……」
化け物はその体を完全に崩し、残骸がサラサラと、地面に広がる。その、灰のような残骸は、風に飛ばされていく。
「この一体だけか?」
ディアンが周囲を確認しながら聞けば、
「恐らく、な。だが、油断できない。ソイツらは湧いてくる。お前が倒したそれも、今、出現したのか、より以前に湧き出して身を隠していたのか、詳しい検証が必要だ」
年長者であり、アンドレアスで唯一、冥界の化け物と対峙した経験を持っていた聖騎士が言う。
「まずは周囲の安全確保だ。それから被害の確認と、事情聴取。……ディアン、彼女はどうした?」
「避難してくれと言って、その場に。あの場では気配は感じられなかったから、行動を共にするより、俺だけでこちらに向かうべきだと判断した」
「なら、戻って安心させてやれ。ここももう、化け物の気配は無い。お前は今日、非番だ。話は明日聞く」
「だが……」
短剣を仕舞いながら、躊躇うように言うディアンに、
「そうだよ早く戻れ。顔見せて安心させてやれ」
「俺らもヤワじゃないからな」
「分かったらさっさと戻れ」
仲間たちに、戻れ戻れと言われ、ディアンは追い立てられるように、メアリーと別れた場所へと戻っていった。
◇
屋内の、高い場所。
ディアンからそう言われたメアリーは、それに該当する場所はどこだろうかと、その場で考えていた。
まだ、さっきのはなんだったんだ、やら、聖騎士が集まってたぞ、などと聞こえるその場所で、ディアンの心配をしながら、もしここに化け物が出たら、まずは自分が動かなければとも、思って。
「……冷静に。今こそ、冷静に」
魔法使いなんだから。冥界の化け物の危険性は知っているし、もし、それが現れても、防御しながら、避難誘導くらいは出来る。
メアリーは深呼吸を数回して、状況を把握しつつ移動しようと思い、体の向きを変える。
「メアリー!」
そこに、ディアンの声がした。
「ディアンさん?」
振り返れば、行ってしまった時と同様に、屋根の上を走って戻ってきて、流れるように飛び降り、
「メアリー。無事だったか。良かった」
メアリーを、また抱きしめる。
「……ディアンさんこそ、ご無事で……ご無事ですか……?」
今更の不安か、安堵か。メアリーは泣きそうになりながら、ディアンの背中へ腕を回す。
「ああ、無事だよ、無傷だ。あれは倒してきた。今は安全だ。怖い思いをさせてすまない」
「お仕事、お疲れ様です……ディアンさんが謝ることじゃありません……」
「ありがとう、メアリー。……仲間に戻れと言われてな。顔を見せて、安心させてやれと。……俺のほうが安心してしまった」
「私も安心しました……」
メアリーは、ディアンの背に回した腕に、力を込める。
「……そうか。役に立てたなら、良かった」
頭を撫でてくるディアンへ、
「ディアンさんが無事で、安心したんです……」
メアリーはなんとか、それを口にする。
「…………そうか。ありがとう、メアリー。愛してる」
また、抱きしめてくるディアンのその胸に、メアリーは縋るようにして、顔を埋めた。
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