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5 デート当日
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メアリーの店の、定休日の朝。
自分を見て顔を赤くしたメアリーに驚きながらも、その反応が可愛くて、嬉しくて。ディアンは、
「メアリー。今日の君は、いつも以上に愛らしいな」
そんなことを言ってしまう。
「まだ、ツナギ……いえ、なんでもないです。ディアンさんは、……その、とっても良くお似合いですね。初めて見る私服ですが」
メアリーは言いながら、ディアンのそばまで来て、呪文で保護の魔法をかける。
「ああ。今日のために用意した」
「え」
「似合ってると言ってくれて嬉しいよ、メアリー」
笑顔のディアンの、その格好は、言葉通り、今日のためにと仕立て屋で仕立てた、紳士服と春先に着るコートだ。
青紫の系統で纏められている紳士服と、濃紺のコートを、メアリーは目を丸くしながら見て、
「……あ、あー……そうですか……」
次に、なんとも言えない表情で、けれど顔を赤くしたまま、
「まあ、作業を始めましょう」
恥ずかしさを隠すかのように速足でもとの位置に戻っていく。
その、一連の動作の全てが愛らしくて、
「メアリー。愛してる」
ディアンは、思ったままを口にする。
メアリーは、一瞬動きを止め、
「……薬の効果ですよ」
赤い顔のままで、ディアンを若干睨みながら言った。
◇
無事に届いた荷物にホッとしながら、いや、中身を確認するまでは気が抜けないと、メアリーは気を引き締める。
「この包みを、開ければ良いのか?」
荷物を受け取る際に、自分が持つとディアンに言われ、そう危険なものでもないし、と了承したら、作業場まで持ってもらうことになってしまった。
「はい。中身、危険では無いですけど、見た目が少しアレなので、覚悟して下さいね」
それを見て、少しは引いてくれないかと思いながら、メアリーは言う。
「分かった」
作業テーブルに包みを置いたディアンは、丁寧にそれを開け、中の物を目にして、
「これは……マーマンの幼体の干物か? だとしたらとても高価なものだな」
「……よく分かりましたね……」
引かれなかったことに、残念なような、安心したような、よく分からない気持ちで、メアリーは、それを肯定する。
メアリーが魔法使い協会を経由して注文したのは、ディアンが言った通りに、『マーマンの幼体の干物』だ。
マーマンの成体は、全身を硬い鱗で覆った姿をしているが、幼体はまだ、その鱗が柔らかい。そして、身を守るための鱗がまだ完全ではないので、代わりに、体内で肉体再生のための特殊な体液を生成し、体全体に染み込ませるように蓄積させる。
魔法使いは、その『肉体再生のための体液』を薬の材料として使うのだ。
「マーマン、見たことあるんですか?」
発注した数や、それらに破損がないかや、体液の質などを確かめながらの、メアリーの問いかけに、
「成体も幼体も、見たことがあるし、捕まえたこともある」
ディアンはそう答えて、
「専門家が捕まえる、のも知っているが。聖騎士としての修行の一環でな。その専門家に教わって、一週間、研修のようなことをした」
「……聖騎士って、水の中でも戦うんですか?」
マーマンの生息域は、水中──海中の、しかも五百メートル以上潜った場所とされている。記録によれば、最深は、千二百メートルだ。
「記録には、水中戦の記録もある。……メアリーは、冥界の化け物の存在は、知っているか?」
「知ってますよ。魔法使いの基礎知識ですからね。聖騎士が誕生するまでは、魔法使いと聖職者で討伐していたと、教わります」
全ての検分を終えて、干物を棚へ仕舞おうとしたメアリーに、
「俺が仕舞おう。踏み台を見たということは高い位置ってことだよな。場所を教えてもらって良いか?」
目端が利くな、と、メアリーは思いながら、
「では、お願いします。その、焦げ茶の棚の、上から三番目、右から五番目の引き出しです」
◇
メアリーに、昼はどうするのかと聞かれて。
『逆に、メアリーはどうするんだ?』
『作って食べますけど……』
『俺も、一緒に作って、一緒に食べても良いだろうか。野営などを想定して料理も一通り教わるんだ、聖騎士は。だから、変なことはしないと思う。材料費などはあとでちゃんと払うから』
駄目元で、言ってみた。
『……そんな、凄いモノは作りませんよ?』
確認するように、言われて。
『なんの問題もない。君と食卓を共に出来ることは、俺にとって奇跡みたいなことだから』
言ったら、メアリーがまた、顔を赤くするから。
『メアリー。そういう可愛らしい表情は、あまり他の人間には見せてほしくないな』
苦笑しながら言ってしまった。
そして今、メアリーと一緒に作った白アスパラのクリームスープを、食べている。
メアリーと、一緒のテーブルで。
「本当に夢みたいだよ、メアリー。願っていたことがどんどん叶っていく」
「それは良かったです。薬のおかげですね」
「メアリーのおかげだ」
「私が作った薬ですからね」
「そうじゃなくてだな、メアリー」
ずっと。薬を飲む以前から、ずっと。
「もっと前から、こうしたいと思っていたんだ。それが叶って、とても嬉しい」
対面に座るメアリーは、奇妙な顔をして、
「……どういうことです?」
首を傾げる。
「君と、ずっと、──ずっと前から、こうしてみたかった。そういう意味だよ、メアリー」
「……薬の効果で、記憶が改変されました?」
「そんな効能もあるのか?」
「無いですけど……」
奇妙な顔のまま、食事を再開したメアリーに、
「それなら、少しは信じてくれないか。さっきの言葉も。愛してるという言葉も」
メアリーは動きを止めて、
「……そうですね。効果が切れるまでは信じます」
「切れてからも、信じてくれると嬉しいんだがな」
ディアンは苦笑した。
◇
催眠術にかかりやすい人がいるように、惚れ薬の効能が強く出る人もいるんだろうか。いやでも、長く研究されて、実証もされてきたしな……。
メアリーは、そんなことを考えながら、身支度をする。
ベラに、
『服は……これ。靴はこれ。コートはこれ。カバンはこれ。貰ったっていうネックレスとピアスもちゃんと着けてね?』
言われ、指定されたそれを、身に着けていく。
『あと、髪型とメイクね。髪は……まあ、こんなもんでしょ。髪留めはここね。それで、メイク、は……こんな感じ。どう?』
もう、何も分からないので、その時にされたそれを、そのまま再現する。
そうして、自室から出て、ディアンの待つ、家の側の玄関へ向かうと、
「…………」
自分を見てか、目を見開いて固まったディアンへ、
「どうかしましたか?」
「──っあ、いや、……とても似合っているよ、メアリー。見惚れてしまった」
「……そうですか……」
照れ笑いを浮かべるディアンを見ながら、これは薬、薬の効果、とメアリーは念じる。
メアリーは、若葉を思わせる明るい緑のワンピースと、貰ったネックレスとピアスをしていて、金色の留め具が付いた靴を履いている。髪は左側で纏めて緩く三つ編みにしていて、髪留めで留めてある。
そして淡い黄色のコートと、こちらにも金の留め具が付いた、飴色の小さな肩掛けカバンを身に着けているのだが。
そこかしこの色が、ディアンを想起させる色だと、メアリーはそこまで頭が回っていない。
ディアンの紳士服の色やコートの色が、自分の瞳を連想させるものであることも、カフスボタンやラペルピンなどの小物の色が、自分の髪色に似せた色だということも、分かっていない。
「じゃあ、行こう、メアリー」
ディアンに手を差し出され、じっと見つめてしまって。
「……腕を貸したほうが良いか?」
ディアンが苦笑しながら手を引っ込めたので、
「あ、手を繋ぐ、と。それですか」
やっと理解がおよんだメアリーは、自分から手を差し出した。
「……良いのか?」
また少し、目を見開いたディアンへ、
「このくらいは」
責任があるし、と心の中で思う。
「ありがとう、メアリー」
ディアンは笑顔になり、メアリーの手を取って指を絡める。
まさか指を絡められるとは、と思いながら、薬の効果だしな、と、その動揺を収める。
顔だけじゃなく、首や耳まで赤くなって、目を彷徨わせている、という自覚の無いメアリーは、
「メアリー。今の君が可愛くて、愛おしくて、抱きしめたくなってしまうよ」
「そこまではやめてください」
自分を愛おしそうに見つめるディアンのその言葉に、早口で返してしまう。
「ああ、分かってる。でも、いつかは、そうしたい。行こうか」
冷静に、と念じながら、
「そうですね、行きましょう」
メアリーは答えた。
自分を見て顔を赤くしたメアリーに驚きながらも、その反応が可愛くて、嬉しくて。ディアンは、
「メアリー。今日の君は、いつも以上に愛らしいな」
そんなことを言ってしまう。
「まだ、ツナギ……いえ、なんでもないです。ディアンさんは、……その、とっても良くお似合いですね。初めて見る私服ですが」
メアリーは言いながら、ディアンのそばまで来て、呪文で保護の魔法をかける。
「ああ。今日のために用意した」
「え」
「似合ってると言ってくれて嬉しいよ、メアリー」
笑顔のディアンの、その格好は、言葉通り、今日のためにと仕立て屋で仕立てた、紳士服と春先に着るコートだ。
青紫の系統で纏められている紳士服と、濃紺のコートを、メアリーは目を丸くしながら見て、
「……あ、あー……そうですか……」
次に、なんとも言えない表情で、けれど顔を赤くしたまま、
「まあ、作業を始めましょう」
恥ずかしさを隠すかのように速足でもとの位置に戻っていく。
その、一連の動作の全てが愛らしくて、
「メアリー。愛してる」
ディアンは、思ったままを口にする。
メアリーは、一瞬動きを止め、
「……薬の効果ですよ」
赤い顔のままで、ディアンを若干睨みながら言った。
◇
無事に届いた荷物にホッとしながら、いや、中身を確認するまでは気が抜けないと、メアリーは気を引き締める。
「この包みを、開ければ良いのか?」
荷物を受け取る際に、自分が持つとディアンに言われ、そう危険なものでもないし、と了承したら、作業場まで持ってもらうことになってしまった。
「はい。中身、危険では無いですけど、見た目が少しアレなので、覚悟して下さいね」
それを見て、少しは引いてくれないかと思いながら、メアリーは言う。
「分かった」
作業テーブルに包みを置いたディアンは、丁寧にそれを開け、中の物を目にして、
「これは……マーマンの幼体の干物か? だとしたらとても高価なものだな」
「……よく分かりましたね……」
引かれなかったことに、残念なような、安心したような、よく分からない気持ちで、メアリーは、それを肯定する。
メアリーが魔法使い協会を経由して注文したのは、ディアンが言った通りに、『マーマンの幼体の干物』だ。
マーマンの成体は、全身を硬い鱗で覆った姿をしているが、幼体はまだ、その鱗が柔らかい。そして、身を守るための鱗がまだ完全ではないので、代わりに、体内で肉体再生のための特殊な体液を生成し、体全体に染み込ませるように蓄積させる。
魔法使いは、その『肉体再生のための体液』を薬の材料として使うのだ。
「マーマン、見たことあるんですか?」
発注した数や、それらに破損がないかや、体液の質などを確かめながらの、メアリーの問いかけに、
「成体も幼体も、見たことがあるし、捕まえたこともある」
ディアンはそう答えて、
「専門家が捕まえる、のも知っているが。聖騎士としての修行の一環でな。その専門家に教わって、一週間、研修のようなことをした」
「……聖騎士って、水の中でも戦うんですか?」
マーマンの生息域は、水中──海中の、しかも五百メートル以上潜った場所とされている。記録によれば、最深は、千二百メートルだ。
「記録には、水中戦の記録もある。……メアリーは、冥界の化け物の存在は、知っているか?」
「知ってますよ。魔法使いの基礎知識ですからね。聖騎士が誕生するまでは、魔法使いと聖職者で討伐していたと、教わります」
全ての検分を終えて、干物を棚へ仕舞おうとしたメアリーに、
「俺が仕舞おう。踏み台を見たということは高い位置ってことだよな。場所を教えてもらって良いか?」
目端が利くな、と、メアリーは思いながら、
「では、お願いします。その、焦げ茶の棚の、上から三番目、右から五番目の引き出しです」
◇
メアリーに、昼はどうするのかと聞かれて。
『逆に、メアリーはどうするんだ?』
『作って食べますけど……』
『俺も、一緒に作って、一緒に食べても良いだろうか。野営などを想定して料理も一通り教わるんだ、聖騎士は。だから、変なことはしないと思う。材料費などはあとでちゃんと払うから』
駄目元で、言ってみた。
『……そんな、凄いモノは作りませんよ?』
確認するように、言われて。
『なんの問題もない。君と食卓を共に出来ることは、俺にとって奇跡みたいなことだから』
言ったら、メアリーがまた、顔を赤くするから。
『メアリー。そういう可愛らしい表情は、あまり他の人間には見せてほしくないな』
苦笑しながら言ってしまった。
そして今、メアリーと一緒に作った白アスパラのクリームスープを、食べている。
メアリーと、一緒のテーブルで。
「本当に夢みたいだよ、メアリー。願っていたことがどんどん叶っていく」
「それは良かったです。薬のおかげですね」
「メアリーのおかげだ」
「私が作った薬ですからね」
「そうじゃなくてだな、メアリー」
ずっと。薬を飲む以前から、ずっと。
「もっと前から、こうしたいと思っていたんだ。それが叶って、とても嬉しい」
対面に座るメアリーは、奇妙な顔をして、
「……どういうことです?」
首を傾げる。
「君と、ずっと、──ずっと前から、こうしてみたかった。そういう意味だよ、メアリー」
「……薬の効果で、記憶が改変されました?」
「そんな効能もあるのか?」
「無いですけど……」
奇妙な顔のまま、食事を再開したメアリーに、
「それなら、少しは信じてくれないか。さっきの言葉も。愛してるという言葉も」
メアリーは動きを止めて、
「……そうですね。効果が切れるまでは信じます」
「切れてからも、信じてくれると嬉しいんだがな」
ディアンは苦笑した。
◇
催眠術にかかりやすい人がいるように、惚れ薬の効能が強く出る人もいるんだろうか。いやでも、長く研究されて、実証もされてきたしな……。
メアリーは、そんなことを考えながら、身支度をする。
ベラに、
『服は……これ。靴はこれ。コートはこれ。カバンはこれ。貰ったっていうネックレスとピアスもちゃんと着けてね?』
言われ、指定されたそれを、身に着けていく。
『あと、髪型とメイクね。髪は……まあ、こんなもんでしょ。髪留めはここね。それで、メイク、は……こんな感じ。どう?』
もう、何も分からないので、その時にされたそれを、そのまま再現する。
そうして、自室から出て、ディアンの待つ、家の側の玄関へ向かうと、
「…………」
自分を見てか、目を見開いて固まったディアンへ、
「どうかしましたか?」
「──っあ、いや、……とても似合っているよ、メアリー。見惚れてしまった」
「……そうですか……」
照れ笑いを浮かべるディアンを見ながら、これは薬、薬の効果、とメアリーは念じる。
メアリーは、若葉を思わせる明るい緑のワンピースと、貰ったネックレスとピアスをしていて、金色の留め具が付いた靴を履いている。髪は左側で纏めて緩く三つ編みにしていて、髪留めで留めてある。
そして淡い黄色のコートと、こちらにも金の留め具が付いた、飴色の小さな肩掛けカバンを身に着けているのだが。
そこかしこの色が、ディアンを想起させる色だと、メアリーはそこまで頭が回っていない。
ディアンの紳士服の色やコートの色が、自分の瞳を連想させるものであることも、カフスボタンやラペルピンなどの小物の色が、自分の髪色に似せた色だということも、分かっていない。
「じゃあ、行こう、メアリー」
ディアンに手を差し出され、じっと見つめてしまって。
「……腕を貸したほうが良いか?」
ディアンが苦笑しながら手を引っ込めたので、
「あ、手を繋ぐ、と。それですか」
やっと理解がおよんだメアリーは、自分から手を差し出した。
「……良いのか?」
また少し、目を見開いたディアンへ、
「このくらいは」
責任があるし、と心の中で思う。
「ありがとう、メアリー」
ディアンは笑顔になり、メアリーの手を取って指を絡める。
まさか指を絡められるとは、と思いながら、薬の効果だしな、と、その動揺を収める。
顔だけじゃなく、首や耳まで赤くなって、目を彷徨わせている、という自覚の無いメアリーは、
「メアリー。今の君が可愛くて、愛おしくて、抱きしめたくなってしまうよ」
「そこまではやめてください」
自分を愛おしそうに見つめるディアンのその言葉に、早口で返してしまう。
「ああ、分かってる。でも、いつかは、そうしたい。行こうか」
冷静に、と念じながら、
「そうですね、行きましょう」
メアリーは答えた。
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