44 / 53
第六章 ディアーナの首飾りと夢の魔女
-5-
しおりを挟む
ミーナさんがいる場所の検討はつかないけれど、夢の中で見た地平まで続く草原。そこがゴールだと思う。そしてカフェ・ノードにあるミーナさんの秘密基地、そこにきっと手がかりがあるとも思う。私は羽のように軽い足で、飛ぶように大通りを駆ける。
昔、校庭を駆け抜けたままの足取りで。
カフェが見えてくると何人かの人影が見える。目を凝らしていると色が浮かび上がる。
赤い鱗や青や緑色の髪、そして土色のスーツが見えた。見えると信じていればもうこんなにも私の世界は広がっている。そこには何も不安な気持ちはないのだ。
「琴音!琴音!よかった。大変だった。ミアスがまた見えるか?」
そういってミアスはカフェの前に到着した私を抱きしめた。
「大丈夫。またみんなのことが見えるよ。首飾りがなくてももう私にはみんなが見える」
「うん。よかった。ミアスは琴音のことを忘れていた。ミーナのことも。それがあのクソ野郎たちのせいだったんだな。琴音の一番辛い時に近くにいれなくてごめんな」
ミアスは私をぎゅっと抱き締める。近くで、はぁぁと悲鳴も似たコルの歓声とシャッターを切る音がする。彼もまたいつもと変わらない。
「ったく。なんだか俺が浮かれている間にずいぶんとんでもないことになってたんだな。そのなんだ・・・知らなかったとは言え悪かった」
アールは真っ赤なトサカを掻きながら申し訳なさそうに視線を伏せる。そこにイースも横へ並ぶ。
「この歳になってたかが魔女の魔法にかかるなんて恥ずかしい。でも我々は魔女やその上位である竜には逆らえない。夢語りの魔女からすべてを聞きました。ミーナさんを我々が止められるとは思いませんが・・・竜には決して敵わない。どうするつもりです?」
「そうだよー。でもボクたちは琴音ちゃんの味方だからね。ここで一緒に帰りを待つこともできるよ?」
コルもまた不安そうに瞳を泳がせながらそういった。確かにそうだ。ミーナさんの居場所すら私にはわからない。
でも、もう決めたことなのだ。
がちゃりと店のドアが開き、そこから黒いスーツを着たエルフがふたり並んで外に出て来た。その足元には長靴を履いた二足で歩く猫もいる。
「やっぱりミーナさんのお部屋はきれいに片付けられていて手がかりはなし!琴音ちゃんもお久しぶりー」
ソフマは手をひらひらと振り、緊張感のない表情で口角をあげる。ふむ。と隣のウアヴァルは細い顎先に手を当てて視線を細めて私を見た。
「夢で見せてもらった場所は地平まで続く草原と竜の姿。ミーナさんが歩く街は北欧だとは思うが・・・手がかりはそれだけだな。残念だ」
そっかとコルは肩を落としその場に一瞬の沈黙が流れた。タールーはトコトコと私の近くまで歩いてくると私のジーパンの裾をつかんで私を見上げる。
「それでどうするんだ?琴音は何か考えがあるのか?もしミーナを見つけても、琴音にミーナを止めることができるのか?」
よく通る声に私は一度うなずいて見せる。
「大丈夫です。勝算はありませんが勝つ必要はありません。こんなにも弱い私です。みんながいなければ立ち上がれずひとりでは前に進むこともできない弱々しい私です。だからこそどんなに情けなくてもミーナさんを必死に止めようと思います。頑張って、頑張って・・・言葉が聞き入れてもらえなくても、それでも必死に止めます。それにあんなに優しい魔女のミーナさんですから、自分より弱い立場の人や精霊を守ってしまうミーナさんです。今は私の弱さを利用します。弱い私の言葉だからこそ止められることもまたあるのだと思います。いつだって強大な強い相手と戦うことしかしなかったミーナさんには、弱く守られる立場からの言葉はきっと響くはずです」
ほぅ。とタールーは口ひげを揺らす。みんなもまた私を見ていた。私はもう一度うなずいて見せる。心から音が浮かび上がり、口元を経て言葉になる。
「私は自分で自分の世界を変えることはしませんでした。世界は勝手に動いていて変えることができないと思っていました。多くの精霊や魔女と出会い今まで違う世界に足を踏み入れたのなら、勝手に自分も変われると勘違いしていました。でもそれは違います。私の世界は私が見える範囲でそんなに広くはなくて、変わるべきなのは世界でなくて自分自身です。私はどんなに時間がかかってもミーナさんを探そうと思います。どこにいるかわからなくても自分自身で何もできなくても、私にはこんなにお友達がいますから」
最初の一歩は逃げ出した夜の公園。
タールーとミーナさんと出会えたあの場所。
思えばあの瞬間、私の世界が広がり変わるチャンスはたくさんあった。見えない世界を知り、その声を聞くことが魔女になる第一歩。そしてそれは私が新しい生き方を知る一歩でもあったのだ。
現世における魔法は、いつだって目の前にあった。
世界を一変させる魔法は、空を覆う雷でも、すべてを凍らせる氷塊、火山のような炎でも建物を崩す地震でもない。
自分を変える心の魔法だ。ミーナさんが望み、そして教えてくれた現世における私の魔法だ。
私はこんなに弱い自分を知ることができた。その心の奥底で息をひそめていた声も聞けた。
周りからしたら単純で他愛もないことかもしれない。
それでも私は確かに自分を変ようと一歩だけ前に進むことができるのだ。
まったく・・・アールはどこか嬉しそうに口元から牙をのぞかせる。
「確かに琴音の言葉は心に響く。精霊の眷属である俺たちの心にもな。言葉でなくてもその存在はどこか放っておけない。それは琴音の弱さからかもしれない。でもな。そんな琴音が頑張ると決めたら俺らもまぁ放っておけないな」
なぁ。とアールは隣に立つイースに視線を向けて、イースもまた静かにうなずく。
「琴音はもう強い。自分が弱いのを知っているから。誰かに頼ることもできるから。ミアスたちだって琴音のお友達だ。だから一緒にミーナを探そう。どこまででもついていくから」
泣き顔を見せないように長い髪で目元を隠しながら話すミアスを、尊くて風に消えてしまう・・・とコルもまた表情を両手で隠す。
ウアヴァルとソフマも満足そうに腕を組み、何やらコソコソと言葉を交わしている。
ふむふむ。と口ひげを揺らすタールーは飛び上がり私の背中に飛び乗ると両手を肩に回してゴロゴロと喉を鳴らす。人の子供くらいに重たく、口ひげが首元にあたりくすぐったかった。
昔、校庭を駆け抜けたままの足取りで。
カフェが見えてくると何人かの人影が見える。目を凝らしていると色が浮かび上がる。
赤い鱗や青や緑色の髪、そして土色のスーツが見えた。見えると信じていればもうこんなにも私の世界は広がっている。そこには何も不安な気持ちはないのだ。
「琴音!琴音!よかった。大変だった。ミアスがまた見えるか?」
そういってミアスはカフェの前に到着した私を抱きしめた。
「大丈夫。またみんなのことが見えるよ。首飾りがなくてももう私にはみんなが見える」
「うん。よかった。ミアスは琴音のことを忘れていた。ミーナのことも。それがあのクソ野郎たちのせいだったんだな。琴音の一番辛い時に近くにいれなくてごめんな」
ミアスは私をぎゅっと抱き締める。近くで、はぁぁと悲鳴も似たコルの歓声とシャッターを切る音がする。彼もまたいつもと変わらない。
「ったく。なんだか俺が浮かれている間にずいぶんとんでもないことになってたんだな。そのなんだ・・・知らなかったとは言え悪かった」
アールは真っ赤なトサカを掻きながら申し訳なさそうに視線を伏せる。そこにイースも横へ並ぶ。
「この歳になってたかが魔女の魔法にかかるなんて恥ずかしい。でも我々は魔女やその上位である竜には逆らえない。夢語りの魔女からすべてを聞きました。ミーナさんを我々が止められるとは思いませんが・・・竜には決して敵わない。どうするつもりです?」
「そうだよー。でもボクたちは琴音ちゃんの味方だからね。ここで一緒に帰りを待つこともできるよ?」
コルもまた不安そうに瞳を泳がせながらそういった。確かにそうだ。ミーナさんの居場所すら私にはわからない。
でも、もう決めたことなのだ。
がちゃりと店のドアが開き、そこから黒いスーツを着たエルフがふたり並んで外に出て来た。その足元には長靴を履いた二足で歩く猫もいる。
「やっぱりミーナさんのお部屋はきれいに片付けられていて手がかりはなし!琴音ちゃんもお久しぶりー」
ソフマは手をひらひらと振り、緊張感のない表情で口角をあげる。ふむ。と隣のウアヴァルは細い顎先に手を当てて視線を細めて私を見た。
「夢で見せてもらった場所は地平まで続く草原と竜の姿。ミーナさんが歩く街は北欧だとは思うが・・・手がかりはそれだけだな。残念だ」
そっかとコルは肩を落としその場に一瞬の沈黙が流れた。タールーはトコトコと私の近くまで歩いてくると私のジーパンの裾をつかんで私を見上げる。
「それでどうするんだ?琴音は何か考えがあるのか?もしミーナを見つけても、琴音にミーナを止めることができるのか?」
よく通る声に私は一度うなずいて見せる。
「大丈夫です。勝算はありませんが勝つ必要はありません。こんなにも弱い私です。みんながいなければ立ち上がれずひとりでは前に進むこともできない弱々しい私です。だからこそどんなに情けなくてもミーナさんを必死に止めようと思います。頑張って、頑張って・・・言葉が聞き入れてもらえなくても、それでも必死に止めます。それにあんなに優しい魔女のミーナさんですから、自分より弱い立場の人や精霊を守ってしまうミーナさんです。今は私の弱さを利用します。弱い私の言葉だからこそ止められることもまたあるのだと思います。いつだって強大な強い相手と戦うことしかしなかったミーナさんには、弱く守られる立場からの言葉はきっと響くはずです」
ほぅ。とタールーは口ひげを揺らす。みんなもまた私を見ていた。私はもう一度うなずいて見せる。心から音が浮かび上がり、口元を経て言葉になる。
「私は自分で自分の世界を変えることはしませんでした。世界は勝手に動いていて変えることができないと思っていました。多くの精霊や魔女と出会い今まで違う世界に足を踏み入れたのなら、勝手に自分も変われると勘違いしていました。でもそれは違います。私の世界は私が見える範囲でそんなに広くはなくて、変わるべきなのは世界でなくて自分自身です。私はどんなに時間がかかってもミーナさんを探そうと思います。どこにいるかわからなくても自分自身で何もできなくても、私にはこんなにお友達がいますから」
最初の一歩は逃げ出した夜の公園。
タールーとミーナさんと出会えたあの場所。
思えばあの瞬間、私の世界が広がり変わるチャンスはたくさんあった。見えない世界を知り、その声を聞くことが魔女になる第一歩。そしてそれは私が新しい生き方を知る一歩でもあったのだ。
現世における魔法は、いつだって目の前にあった。
世界を一変させる魔法は、空を覆う雷でも、すべてを凍らせる氷塊、火山のような炎でも建物を崩す地震でもない。
自分を変える心の魔法だ。ミーナさんが望み、そして教えてくれた現世における私の魔法だ。
私はこんなに弱い自分を知ることができた。その心の奥底で息をひそめていた声も聞けた。
周りからしたら単純で他愛もないことかもしれない。
それでも私は確かに自分を変ようと一歩だけ前に進むことができるのだ。
まったく・・・アールはどこか嬉しそうに口元から牙をのぞかせる。
「確かに琴音の言葉は心に響く。精霊の眷属である俺たちの心にもな。言葉でなくてもその存在はどこか放っておけない。それは琴音の弱さからかもしれない。でもな。そんな琴音が頑張ると決めたら俺らもまぁ放っておけないな」
なぁ。とアールは隣に立つイースに視線を向けて、イースもまた静かにうなずく。
「琴音はもう強い。自分が弱いのを知っているから。誰かに頼ることもできるから。ミアスたちだって琴音のお友達だ。だから一緒にミーナを探そう。どこまででもついていくから」
泣き顔を見せないように長い髪で目元を隠しながら話すミアスを、尊くて風に消えてしまう・・・とコルもまた表情を両手で隠す。
ウアヴァルとソフマも満足そうに腕を組み、何やらコソコソと言葉を交わしている。
ふむふむ。と口ひげを揺らすタールーは飛び上がり私の背中に飛び乗ると両手を肩に回してゴロゴロと喉を鳴らす。人の子供くらいに重たく、口ひげが首元にあたりくすぐったかった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
私と継母の極めて平凡な日常
当麻月菜
ライト文芸
ある日突然、父が再婚した。そして再婚後、たった三ヶ月で失踪した。
残されたのは私、橋坂由依(高校二年生)と、継母の琴子さん(32歳のキャリアウーマン)の二人。
「ああ、この人も出て行くんだろうな。私にどれだけ自分が不幸かをぶちまけて」
そう思って覚悟もしたけれど、彼女は出て行かなかった。
そうして始まった継母と私の二人だけの日々は、とても淡々としていながら酷く穏やかで、極めて平凡なものでした。
※他のサイトにも重複投稿しています。
心の落とし物
緋色刹那
ライト文芸
・完結済み(2024/10/12)。また書きたくなったら、番外編として投稿するかも
・第4回、第5回ライト文芸大賞にて奨励賞をいただきました!!✌︎('ω'✌︎ )✌︎('ω'✌︎ )
〈本作の楽しみ方〉
本作は読む喫茶店です。順に読んでもいいし、興味を持ったタイトルや季節から読んでもオッケーです。
知らない人、知らない設定が出てきて不安になるかもしれませんが、喫茶店の常連さんのようなものなので、雰囲気を楽しんでください(一応説明↓)。
〈あらすじ〉
〈心の落とし物〉はありませんか?
どこかに失くした物、ずっと探している人、過去の後悔、忘れていた夢。
あなたは忘れているつもりでも、心があなたの代わりに探し続けているかもしれません……。
喫茶店LAMP(ランプ)の店長、添野由良(そえのゆら)は、人の未練が具現化した幻〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉と、それを探す生き霊〈探し人(さがしびと)〉に気づきやすい体質。
ある夏の日、由良は店の前を何度も通る男性に目を止め、声をかける。男性は数年前に移転した古本屋を探していて……。
懐かしくも切ない、過去の未練に魅せられる。
〈主人公と作中用語〉
・添野由良(そえのゆら)
洋燈町にある喫茶店LAMP(ランプ)の店長。〈心の落とし物〉や〈探し人〉に気づきやすい体質。
・〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉
人の未練が具現化した幻。あるいは、未練そのもの。
・〈探し人(さがしびと)〉
〈心の落とし物〉を探す生き霊で、落とし主。当人に代わって、〈心の落とし物〉を探している。
・〈未練溜まり(みれんだまり)〉
忘れられた〈心の落とし物〉が行き着く場所。
・〈分け御霊(わけみたま)〉
生者の後悔や未練が物に宿り、具現化した者。込められた念が強ければ強いほど、人のように自由意志を持つ。いわゆる付喪神に近い。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
日給二万円の週末魔法少女 ~夏木聖那と三人の少女~
海獺屋ぼの
ライト文芸
ある日、女子校に通う夏木聖那は『魔法少女募集』という奇妙な求人広告を見つけた。
そして彼女はその求人の日当二万円という金額に目がくらんで週末限定の『魔法少女』をすることを決意する。
そんな普通の女子高生が魔法少女のアルバイトを通して大人へと成長していく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる