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第五章 ノームの時計と竜の魔女
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「ミーナさんがカフェを開くといった時には正直驚きました。あの人見知りで料理のひとつも知らないお嬢さんがね。それは彼女なりの決心と悩みでしょう。人として生きていきたいけど、人としても生きていけない。魔女として生きるなんてもってのほかですから。でもこうしてみるとそれが正解だったように思います。あのお店の中では精霊も人も魔女すらも関係なくて、みんな楽しそうですから」
せやな。と柚さんはうつむいて何か言葉を探している。
「最初ウチがあの店を見つけて入った時も変やなって思った。ウチのことをすぐに魔女と見抜いとったし精霊たちも普通に話しかけてくる。何の差別や上下関係もなくて気楽で、すぐに常連さんになって、とても楽しかった。友達やって思ったけど魔女のウチが通って、ミーナさんどんな気持ちやったやろな。なにも考えずに人づてに聞いた竜の魔女って言葉を何度も言うてしまった」
何にも考えてへんかった。両手に顔を埋める柚さんの頭をポンポンとコルが叩く。柚さんは首を左右に振る。
「まぁあなた方を見ていると、魔女や魔法使いも捨てたものではないと思えますね。でもそんな表情をしてミーナさんにまた会うおつもりですか?きっと、同情されることが嫌で、いつも通りに見られたくてミーナさんは過去をお話にならなかったのでしょう?」
うん。と柚さんはうなずき、よっしゃと頭をあげる。私はまだ言葉を失っている。
ミーナさんの心が痛いほどにわかりすぎていたからだ。
「あらあら。だから話したくなかったんだけどなぁ」
突然ミーナさんの声が響いてみんなは声の方向を振り向く。すっかりとあたりの光景は酒屋に戻り、ワインを三本抱えるミーナさんが困ったように視線を伏せて立っていた。
今、ミーナさんはどんな言葉を望んでいるだろうか。それは私とは全然違う境遇をたどってきた魔女だから、気の利いた言葉なんて言えない。むしろ傷つけてしまうかもしれない。
でもミーナさんが悲しむのは嫌だった。
ずっと悲しんでいたのかもしれない。人でもなく、精霊でもない、同じ魔女からもはぐれてしまってこの街で漂っている。どこへも向かうことができずにひとりで。
ミーナさんは人ともっとかかわりたかったのだと思う。強い魔女だから、弱かった精霊たちを守った。でも他の人や魔女を拒絶したわけでもなかったと思う。もしそうだったら、魔女たちの中で生活なんかしない。
互いの垣根を超えたカフェなんか開こうと思わない。
あのカフェにひとりでいる時間、ミーナさんは何を考えていたのだろうか。
秘密基地と呼ばれるカフェの一角に積まれた、古びた少女漫画を読んで何を夢見ていたのだろうか。
かける言葉は浮かんではこなかったけど思う気持ちは、私の中にたくさんあふれている。
私は席を立ってミーナさんの前に立つ。そしてその薄いグレーの優しい瞳をまっすぐと見る。
「私はミーナさんが大好きです。とても大好きです。私にいろんな世界を教えてくれました。あのカフェでお手伝いをさせてくれて、今まで目にも見えなかった世界を伝えてくれました。精霊だけではありません。不思議な生き物たちだけではありません。暖かな気持ちや言葉、料理の味、素敵な人たち。本当にいろいろです。だからそんな悲しい顔をしないでください」
ほぉぉぉ。とコルが奇声をあげている。ほぅ。とイースは髭をピクピクとさせた。
誰かの気持ちが流れ込んでくることが、今までは本当に嫌だった。聞かなくてもいい言葉、見えなくてもいい人の気持ち、そんなことから逃げていた。
・・・でも今はミーナさんの心に触れてみたい。
ミーナさんは顔をかたむけて笑みを浮かべる。いつものカフェで見るいつもの笑顔だ。
「ふふふ。ありがとう。私も琴音ちゃんのことが大好きよ。それに私は大丈夫。魔女の世界から私は、はぐれてしまっているけど、素敵な世界にいるもの。小さな小さなカフェの中だけどね。それに琴音ちゃんにも出会えた。私は琴音ちゃんには私みたいになってほしくないの。でもそれも大丈夫そうね、こんなにもたくさんのお友達を知ることができたから。また・・・|四条河原町へみんなでお出かけに行きましょうね。私のお洋服も選んでもらわなきゃ」
うんうん。と何度もうなずく私の頭にワインをテーブルの上に置いたミーナさんが触れる。暖かな温度を持ったやわらかい手のひら。それに私は頬を添わせる。
「あぁぁぁ。それ以上はボクには刺激が強いすぎますわぁぁ」
コルは立ち上がり両頬を手で包みながら再び奇声をあげる。ギョッと私が振り向くとイースが呆れたようにコルを見て、ミーナさんへと向き直る。
「ほら。話した方がよかったでしょう?この世はあなたの知る人や魔女ばかりではないのですから」
「それもノームの魔法かしら?」
イースは穏やかな笑みのままいいえ。と首を横に振る。
「友人としての親切心です」
ありがとう。とミーナさんが答えると柚さんは立ち上がり、ミーナさんに勢いをつけて抱きつく。
「ごめんなミーナ!いっつもよーしてくれんのにウチ何も知らへんかった!そんでも竜の魔女ってあえて敬意を持って呼ばせてもらうわ。かっこええやん!いやまぁウチは人の世界でしか生きられへん不良魔女ではあるねんけど、それでもよかったらやで!」
「そうね。柚は魔女で私の唯一のお友達だから。これからもよろしくね」
うんうん。と柚は何度も額をミーナさんの肩に当てうなずいている。なんだか空気がやわらかくなった。私はイースを振り向く。イースは満足したようにコーヒーカップをテーブルに置いた。
「やはり琴音さんに話してよかったですよ。言葉は口に出さないと肉親にさえ伝わらないものですから。たとえ人が人の世界で生きられなくても、魔女が魔女の世界で生きられなくても違う世界なら生きていける。この世には多くの世界があってそれをまだ知らないだけなのですから。向き合うのもいいし向き合わなくてもいい。生きてさえいればそれでいいのです」
そうだと私は思う。きっとイースは私のことも知っているのだ。それが大地を支えるノームの力なのかはわからない。きっと私もミーナさんも根本的な所で一緒なのだと感じる。
だからこそあのカフェで過ごす黄昏時や、静かな時間が心地よく、ボロボロになってしまった私の心を癒していたのだと思う。
目に見えない世界はこんなにも広く暖かい。目に見えてしまう世界よりずっと。
「ねえねぇ琴音ちゃん。実は渡したいものがあったんだよねー。前にミアスさまとお店に来たときに助けてもらっちゃったから」
いいえ私は何も・・・と遠慮してもコルはいいからいいからと私の手に固い物を置く。
コルの手が離れると同時にそれが目に入る。深い緑色をしたティースプーンだった。取っ手にはコルのお店で見た妖精が刻印されている。ほぅほぅ!とイースは物珍しそうに口髭を整えながらそれを眺める。
「それはとてもいいことですね。ならば私は私たちとの出会いを祝して贈り物をあげましょうか。そうですね・・・これなんてどうでしょうか?」
イースは胸ポケットから銀色の懐中時計を取り出すと私に手渡そうとする。さすがにこんな高価なものと私は両手を振ってそれを遠慮する。
「まぁまぁ。古ぼけてもう値打ちもつかない時計ですから気にせずに。贈り物とは贈った側の心が大切なのです。それを汲んで下さればと思います」
はい・・・と結局断りきれずに私はそれを受けとった。また宝物が増えてしまったとそれをぎゅっと胸に抱く。
よかったね。とミーナさんは何度もくっつこうとする柚さんを引き剥がしながらそういうと、アッ!と声をあげる。
「そろそろお店に人が集まる時間だ!急がなきゃ!」
ワタワタとレジへと向かうミーナさんをイースさんがやれやれと笑みをこぼしながら後を追う。
そうだったと私はミーナさんから柚さんを譲り受け、これはこれでと腕を組みつつ目を凝らすコルの視線をうなじに感じた。
「仕方がありませんね。私の愛車でお送りしましょう」
ボクはお店の時間だから帰るねー。ごちそうさまでした。と丁寧に両手を合わせて頭を下げるコルを残して私たちはイースの車に乗り込んだ。
ガタガタと揺れる車内の中で私はミーナさんの店へ向かう。
今日は特別多くのお客さんが来るらしい。今日はどんな夜になるのだろうか。そんなことを思いながら私は両手に抱いた新しい宝物を大切に胸に抱く。そして窓から外を眺めるミーナさんの横顔を見た。目を伏せ眠りに落ちる前のような表情はとてもきれいだった。
自分はどのような魔法が使えるようになるのだろうか。ミーナさんの横顔を眺めながら私はキュッと新しい宝物を胸に抱いた。
せやな。と柚さんはうつむいて何か言葉を探している。
「最初ウチがあの店を見つけて入った時も変やなって思った。ウチのことをすぐに魔女と見抜いとったし精霊たちも普通に話しかけてくる。何の差別や上下関係もなくて気楽で、すぐに常連さんになって、とても楽しかった。友達やって思ったけど魔女のウチが通って、ミーナさんどんな気持ちやったやろな。なにも考えずに人づてに聞いた竜の魔女って言葉を何度も言うてしまった」
何にも考えてへんかった。両手に顔を埋める柚さんの頭をポンポンとコルが叩く。柚さんは首を左右に振る。
「まぁあなた方を見ていると、魔女や魔法使いも捨てたものではないと思えますね。でもそんな表情をしてミーナさんにまた会うおつもりですか?きっと、同情されることが嫌で、いつも通りに見られたくてミーナさんは過去をお話にならなかったのでしょう?」
うん。と柚さんはうなずき、よっしゃと頭をあげる。私はまだ言葉を失っている。
ミーナさんの心が痛いほどにわかりすぎていたからだ。
「あらあら。だから話したくなかったんだけどなぁ」
突然ミーナさんの声が響いてみんなは声の方向を振り向く。すっかりとあたりの光景は酒屋に戻り、ワインを三本抱えるミーナさんが困ったように視線を伏せて立っていた。
今、ミーナさんはどんな言葉を望んでいるだろうか。それは私とは全然違う境遇をたどってきた魔女だから、気の利いた言葉なんて言えない。むしろ傷つけてしまうかもしれない。
でもミーナさんが悲しむのは嫌だった。
ずっと悲しんでいたのかもしれない。人でもなく、精霊でもない、同じ魔女からもはぐれてしまってこの街で漂っている。どこへも向かうことができずにひとりで。
ミーナさんは人ともっとかかわりたかったのだと思う。強い魔女だから、弱かった精霊たちを守った。でも他の人や魔女を拒絶したわけでもなかったと思う。もしそうだったら、魔女たちの中で生活なんかしない。
互いの垣根を超えたカフェなんか開こうと思わない。
あのカフェにひとりでいる時間、ミーナさんは何を考えていたのだろうか。
秘密基地と呼ばれるカフェの一角に積まれた、古びた少女漫画を読んで何を夢見ていたのだろうか。
かける言葉は浮かんではこなかったけど思う気持ちは、私の中にたくさんあふれている。
私は席を立ってミーナさんの前に立つ。そしてその薄いグレーの優しい瞳をまっすぐと見る。
「私はミーナさんが大好きです。とても大好きです。私にいろんな世界を教えてくれました。あのカフェでお手伝いをさせてくれて、今まで目にも見えなかった世界を伝えてくれました。精霊だけではありません。不思議な生き物たちだけではありません。暖かな気持ちや言葉、料理の味、素敵な人たち。本当にいろいろです。だからそんな悲しい顔をしないでください」
ほぉぉぉ。とコルが奇声をあげている。ほぅ。とイースは髭をピクピクとさせた。
誰かの気持ちが流れ込んでくることが、今までは本当に嫌だった。聞かなくてもいい言葉、見えなくてもいい人の気持ち、そんなことから逃げていた。
・・・でも今はミーナさんの心に触れてみたい。
ミーナさんは顔をかたむけて笑みを浮かべる。いつものカフェで見るいつもの笑顔だ。
「ふふふ。ありがとう。私も琴音ちゃんのことが大好きよ。それに私は大丈夫。魔女の世界から私は、はぐれてしまっているけど、素敵な世界にいるもの。小さな小さなカフェの中だけどね。それに琴音ちゃんにも出会えた。私は琴音ちゃんには私みたいになってほしくないの。でもそれも大丈夫そうね、こんなにもたくさんのお友達を知ることができたから。また・・・|四条河原町へみんなでお出かけに行きましょうね。私のお洋服も選んでもらわなきゃ」
うんうん。と何度もうなずく私の頭にワインをテーブルの上に置いたミーナさんが触れる。暖かな温度を持ったやわらかい手のひら。それに私は頬を添わせる。
「あぁぁぁ。それ以上はボクには刺激が強いすぎますわぁぁ」
コルは立ち上がり両頬を手で包みながら再び奇声をあげる。ギョッと私が振り向くとイースが呆れたようにコルを見て、ミーナさんへと向き直る。
「ほら。話した方がよかったでしょう?この世はあなたの知る人や魔女ばかりではないのですから」
「それもノームの魔法かしら?」
イースは穏やかな笑みのままいいえ。と首を横に振る。
「友人としての親切心です」
ありがとう。とミーナさんが答えると柚さんは立ち上がり、ミーナさんに勢いをつけて抱きつく。
「ごめんなミーナ!いっつもよーしてくれんのにウチ何も知らへんかった!そんでも竜の魔女ってあえて敬意を持って呼ばせてもらうわ。かっこええやん!いやまぁウチは人の世界でしか生きられへん不良魔女ではあるねんけど、それでもよかったらやで!」
「そうね。柚は魔女で私の唯一のお友達だから。これからもよろしくね」
うんうん。と柚は何度も額をミーナさんの肩に当てうなずいている。なんだか空気がやわらかくなった。私はイースを振り向く。イースは満足したようにコーヒーカップをテーブルに置いた。
「やはり琴音さんに話してよかったですよ。言葉は口に出さないと肉親にさえ伝わらないものですから。たとえ人が人の世界で生きられなくても、魔女が魔女の世界で生きられなくても違う世界なら生きていける。この世には多くの世界があってそれをまだ知らないだけなのですから。向き合うのもいいし向き合わなくてもいい。生きてさえいればそれでいいのです」
そうだと私は思う。きっとイースは私のことも知っているのだ。それが大地を支えるノームの力なのかはわからない。きっと私もミーナさんも根本的な所で一緒なのだと感じる。
だからこそあのカフェで過ごす黄昏時や、静かな時間が心地よく、ボロボロになってしまった私の心を癒していたのだと思う。
目に見えない世界はこんなにも広く暖かい。目に見えてしまう世界よりずっと。
「ねえねぇ琴音ちゃん。実は渡したいものがあったんだよねー。前にミアスさまとお店に来たときに助けてもらっちゃったから」
いいえ私は何も・・・と遠慮してもコルはいいからいいからと私の手に固い物を置く。
コルの手が離れると同時にそれが目に入る。深い緑色をしたティースプーンだった。取っ手にはコルのお店で見た妖精が刻印されている。ほぅほぅ!とイースは物珍しそうに口髭を整えながらそれを眺める。
「それはとてもいいことですね。ならば私は私たちとの出会いを祝して贈り物をあげましょうか。そうですね・・・これなんてどうでしょうか?」
イースは胸ポケットから銀色の懐中時計を取り出すと私に手渡そうとする。さすがにこんな高価なものと私は両手を振ってそれを遠慮する。
「まぁまぁ。古ぼけてもう値打ちもつかない時計ですから気にせずに。贈り物とは贈った側の心が大切なのです。それを汲んで下さればと思います」
はい・・・と結局断りきれずに私はそれを受けとった。また宝物が増えてしまったとそれをぎゅっと胸に抱く。
よかったね。とミーナさんは何度もくっつこうとする柚さんを引き剥がしながらそういうと、アッ!と声をあげる。
「そろそろお店に人が集まる時間だ!急がなきゃ!」
ワタワタとレジへと向かうミーナさんをイースさんがやれやれと笑みをこぼしながら後を追う。
そうだったと私はミーナさんから柚さんを譲り受け、これはこれでと腕を組みつつ目を凝らすコルの視線をうなじに感じた。
「仕方がありませんね。私の愛車でお送りしましょう」
ボクはお店の時間だから帰るねー。ごちそうさまでした。と丁寧に両手を合わせて頭を下げるコルを残して私たちはイースの車に乗り込んだ。
ガタガタと揺れる車内の中で私はミーナさんの店へ向かう。
今日は特別多くのお客さんが来るらしい。今日はどんな夜になるのだろうか。そんなことを思いながら私は両手に抱いた新しい宝物を大切に胸に抱く。そして窓から外を眺めるミーナさんの横顔を見た。目を伏せ眠りに落ちる前のような表情はとてもきれいだった。
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