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第三章 サラマンダー恋慕に花束を
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ランチタイムが終わると嘘のようにお店の中は静かになった。ひさしぶりにたくさん働いた私がぐったりとカウンターに突っ伏していると、ミーナさんはお疲れ様とカフェオレをカウンターに置く。
「最初にしてはよく働いたねー。いやぁ私もとっても楽させてもらったよー」
「ミーナさんはいつもひとりでたくさん働いていたんですね」
意外と働き者なの。とミーナさんはロングスカートをふわりと揺らしてそういった。
なんだか気持ちのいい疲労感だと私は思う。部活が終わった後のような体は疲れているのに心がとても自由な感じだ。その感覚はもうずっと昔にあって今まで忘れていたのが不思議だった。
それでも私の目的はこれだけではないのだ。私はカウンターから身をあげる。
「それでミーナさん!魔法のことですが!」
ん?とミーナさんは私をカウンターの向こうから見て、人差し指を左右に振った。
「焦らない焦らない。今はすぐに学ぼうとしなくても、新しい世界が開けた後は向こうの方から琴音ちゃんに語りかけるから。夜の営業をお楽しみに」
「会社員の魔女さんがまたいらっしゃるのでしょうか?」
「柚ちゃんは今日こないかなー。いつも週末に来るの。だって平日はお仕事があるからねぇ。遅くまで残業して体を壊さないかしら?まぁあの子は頑丈だから大丈夫かしらね」
「それじゃぁまた他の魔女さんが?」
私がたずねるとミーナさんはお楽しみに、と笑みを含んだまま私に言った。
時間はゆっくりとすぎていき、私はミーナさんと他愛もない話を続けていた。
どうやら西賀茂倶楽部のみなさんはこの店ができた時からの常連さんで、もともとは八重子さんの知り合いだという。
「あの三人に八重子さんまで加わるとまさに無敵だね。私なんかよりよっぽど魔女みたい」
ミーナさんがコーヒーポットをコンロにかけながらそういった。しばらくしてぽこぽこと陶器の蓋が音を立て始める。
本当に優しいおばあちゃんたちだったな。と私は西賀茂倶楽部とのやりとりを思い出す。帰る直前まで私に声をかけてくれて、また会いましょうと言ってくれた。そして最後は私と離れたくなくなってしまった平井さんを、塚田さんが半分引きずるような形で三人一緒に店を出ていったのがおかしかった。
西日が店の中を深い場所まで照らし始めて、太陽はその色をさらに濃くしながら北山の向こうへと沈んでいくのを眺めながら、私はミーナさんとカーテンを閉める。ちょっとだけ暗くなった店内で照明のスイッチを入れると、琥珀色の液体を何倍も薄めたようなやわらかな灯りで店内は包まれた。
「そろそろ来る頃かなぁ。月曜日は一番乗りだから」
「康夫さんですか?」
奥様にとても愛されるドワーフによく似たオーナーさんは仕事終わりに晩酌をして帰る。
なので今日もきっとあの愉快な笑い声を聞けるのかと思っているとミーナさんは首を左右に振った。
「ディナータイムが始まる月曜日に、いつも来てくれる方がいて。その人と仲よくなることが最初のレッスンかしらね」
ふふ。と笑みを含むミーナさんに眉をひそめて視線を返すとドアは普段より大きな音を立てて鳴った。私は急いで立ち上がり階段の近くまで向かうと、まずその真っ赤な皮膚、というより鎧のように硬い鱗が目に入る。トサカのようなふさふさとした毛並みは真っ赤な鱗と比べると朱色に近い。
長い手足の先っぽには鋭い爪が深い藍色に染められている。グリーンの瞳はギョロギョロとせわしなく動き、ツンと上を向いた鼻先の下には耳元までありそうな口元に白い牙が光る。そして黒いタンクトップの上には汚れの目立つグレーの作業服を着ていて、幅の広い同じ色のズボンを履いていた。
真っ赤な二足で歩くファイヤリザードだ!それも工事をしている作業員みたいな格好をしている。私が目を白黒させていると階段を登り終えたファイヤリザードは私に気がつき、おぉ!と声をもらした。
「ミーナちゃん。やっとバイト雇ったんだね?よろしく」
ファイヤリザードはしっかりとした声色で私に向けて右手をかかげて広げて見せた。手のひらは鱗よりもちょっとやわらかいのか、白い皮膚で覆われている。
「いらっしゃいませ。おひとりさまですか?」
私は教えられたようにそういうと、ファイヤリザードは、おう!と答えて慣れた歩調でカウンターの中央へと向かい、そしてそこに腰掛ける。そしてうん?と首をかしげると腰掛けたカウンターチェアーごと私に向き慣れてクッと顔を近づけた。
「お嬢ちゃんは俺のことは、どんな姿で見えている?」
「どうって、間違ってたら申しわけないのですが・・・昔、絵本で見たファイヤリザードに見えます。こう、赤く燃えるような鱗の姿でかっこいいです」
質問の意図はわからなかったが私が言うと、おぉ!と本当のトカゲみたいにファイヤリザードは首をキョロキョロと動かす。
「この子もミーナちゃんと同じ魔女?」
「いいえ。まだまだ普通の女の子です。でもしっかりと魔女になる素質があって、私たちの世界を知ってしまったからきっとアールガッドさんが見えるのね。あっ彼女は琴音ちゃんと言います。初日にしてうちの看板娘となりました」
いえいえと謙遜しつつ、これが普通の女の子・・・と意図がわからない感嘆の声をあげているアールガッドさんを見上げる。
「お飲み物はお決まりですか?」
私は激動のランチタイムで刷り込まれたお決まりのセリフをいうと、おう・・と動揺しているのか逆さまにメニューを持ち上げて急いでそれを整える。ミーナさんはクスクス笑いが止まらずに楽しそうに体を揺らしていた。
「琴音ちゃんは気にしないでね。アールさんは・・・というよりアールさんみたいな方は普通の女の子、というより人に普段の姿を見られながらお話しする機会がないもんだから緊張しているだけだよ。普通じゃない女の子と話すだけでも緊張するのにねー」
アールガットさんの愛称はアールさんなのか。私もそう呼ぼうと思った。うるさいなぁとメニューに顔を埋めつつ、私をおっかなびっくり眺めているアールさんにとても親近感を覚えていた。それにアールさんは当たり前のように生活をしているようだったし、アールさんみたいな精霊を普段見かけることがないのが不思議に思える。
「そうだな。今日も飲み物はボイラーメイカー、食事はこの・・・」
「サラマンダーのペンネアラビアータね」
ミーナさんが先にそういうとアールさんはおぅ!とメニューを置いて腕組みをした。そして私から視線をそらしたまま口を開く。白い牙に照明が反射して象牙色に見えた。
「琴音ちゃんも飲むかい?」
私はまだ高校生なので・・・と手を振りながら遠慮するとアールさんは驚きを隠さずに緑色の瞳を丸くさせる。エメラルドの宝石みたいで綺麗だ。
「本物の高校生がここにいるなんて・・・」
呆然と口にするアールさんを見てミーナさんはウイスキーをグラスに注ぎながら、耐えきれないといったようすでお腹を抱えて笑いだす。ウイスキーの水面は揺れてビールグラスの三分の一ほど注がれた。
「うん。だからディナータイムは琴音ちゃんもお客さんだからアールさんの隣でいろんなお話を聞かせてもらってね。知らない世界とお友達になることが魔女になる第一歩なのです」
はい。と私は素直に返事をしてアールさんの隣へと座る。さらに体を固めるアールさんを見ているとちょっとだけ楽しい気分になるのが不思議だった。
「最初にしてはよく働いたねー。いやぁ私もとっても楽させてもらったよー」
「ミーナさんはいつもひとりでたくさん働いていたんですね」
意外と働き者なの。とミーナさんはロングスカートをふわりと揺らしてそういった。
なんだか気持ちのいい疲労感だと私は思う。部活が終わった後のような体は疲れているのに心がとても自由な感じだ。その感覚はもうずっと昔にあって今まで忘れていたのが不思議だった。
それでも私の目的はこれだけではないのだ。私はカウンターから身をあげる。
「それでミーナさん!魔法のことですが!」
ん?とミーナさんは私をカウンターの向こうから見て、人差し指を左右に振った。
「焦らない焦らない。今はすぐに学ぼうとしなくても、新しい世界が開けた後は向こうの方から琴音ちゃんに語りかけるから。夜の営業をお楽しみに」
「会社員の魔女さんがまたいらっしゃるのでしょうか?」
「柚ちゃんは今日こないかなー。いつも週末に来るの。だって平日はお仕事があるからねぇ。遅くまで残業して体を壊さないかしら?まぁあの子は頑丈だから大丈夫かしらね」
「それじゃぁまた他の魔女さんが?」
私がたずねるとミーナさんはお楽しみに、と笑みを含んだまま私に言った。
時間はゆっくりとすぎていき、私はミーナさんと他愛もない話を続けていた。
どうやら西賀茂倶楽部のみなさんはこの店ができた時からの常連さんで、もともとは八重子さんの知り合いだという。
「あの三人に八重子さんまで加わるとまさに無敵だね。私なんかよりよっぽど魔女みたい」
ミーナさんがコーヒーポットをコンロにかけながらそういった。しばらくしてぽこぽこと陶器の蓋が音を立て始める。
本当に優しいおばあちゃんたちだったな。と私は西賀茂倶楽部とのやりとりを思い出す。帰る直前まで私に声をかけてくれて、また会いましょうと言ってくれた。そして最後は私と離れたくなくなってしまった平井さんを、塚田さんが半分引きずるような形で三人一緒に店を出ていったのがおかしかった。
西日が店の中を深い場所まで照らし始めて、太陽はその色をさらに濃くしながら北山の向こうへと沈んでいくのを眺めながら、私はミーナさんとカーテンを閉める。ちょっとだけ暗くなった店内で照明のスイッチを入れると、琥珀色の液体を何倍も薄めたようなやわらかな灯りで店内は包まれた。
「そろそろ来る頃かなぁ。月曜日は一番乗りだから」
「康夫さんですか?」
奥様にとても愛されるドワーフによく似たオーナーさんは仕事終わりに晩酌をして帰る。
なので今日もきっとあの愉快な笑い声を聞けるのかと思っているとミーナさんは首を左右に振った。
「ディナータイムが始まる月曜日に、いつも来てくれる方がいて。その人と仲よくなることが最初のレッスンかしらね」
ふふ。と笑みを含むミーナさんに眉をひそめて視線を返すとドアは普段より大きな音を立てて鳴った。私は急いで立ち上がり階段の近くまで向かうと、まずその真っ赤な皮膚、というより鎧のように硬い鱗が目に入る。トサカのようなふさふさとした毛並みは真っ赤な鱗と比べると朱色に近い。
長い手足の先っぽには鋭い爪が深い藍色に染められている。グリーンの瞳はギョロギョロとせわしなく動き、ツンと上を向いた鼻先の下には耳元までありそうな口元に白い牙が光る。そして黒いタンクトップの上には汚れの目立つグレーの作業服を着ていて、幅の広い同じ色のズボンを履いていた。
真っ赤な二足で歩くファイヤリザードだ!それも工事をしている作業員みたいな格好をしている。私が目を白黒させていると階段を登り終えたファイヤリザードは私に気がつき、おぉ!と声をもらした。
「ミーナちゃん。やっとバイト雇ったんだね?よろしく」
ファイヤリザードはしっかりとした声色で私に向けて右手をかかげて広げて見せた。手のひらは鱗よりもちょっとやわらかいのか、白い皮膚で覆われている。
「いらっしゃいませ。おひとりさまですか?」
私は教えられたようにそういうと、ファイヤリザードは、おう!と答えて慣れた歩調でカウンターの中央へと向かい、そしてそこに腰掛ける。そしてうん?と首をかしげると腰掛けたカウンターチェアーごと私に向き慣れてクッと顔を近づけた。
「お嬢ちゃんは俺のことは、どんな姿で見えている?」
「どうって、間違ってたら申しわけないのですが・・・昔、絵本で見たファイヤリザードに見えます。こう、赤く燃えるような鱗の姿でかっこいいです」
質問の意図はわからなかったが私が言うと、おぉ!と本当のトカゲみたいにファイヤリザードは首をキョロキョロと動かす。
「この子もミーナちゃんと同じ魔女?」
「いいえ。まだまだ普通の女の子です。でもしっかりと魔女になる素質があって、私たちの世界を知ってしまったからきっとアールガッドさんが見えるのね。あっ彼女は琴音ちゃんと言います。初日にしてうちの看板娘となりました」
いえいえと謙遜しつつ、これが普通の女の子・・・と意図がわからない感嘆の声をあげているアールガッドさんを見上げる。
「お飲み物はお決まりですか?」
私は激動のランチタイムで刷り込まれたお決まりのセリフをいうと、おう・・と動揺しているのか逆さまにメニューを持ち上げて急いでそれを整える。ミーナさんはクスクス笑いが止まらずに楽しそうに体を揺らしていた。
「琴音ちゃんは気にしないでね。アールさんは・・・というよりアールさんみたいな方は普通の女の子、というより人に普段の姿を見られながらお話しする機会がないもんだから緊張しているだけだよ。普通じゃない女の子と話すだけでも緊張するのにねー」
アールガットさんの愛称はアールさんなのか。私もそう呼ぼうと思った。うるさいなぁとメニューに顔を埋めつつ、私をおっかなびっくり眺めているアールさんにとても親近感を覚えていた。それにアールさんは当たり前のように生活をしているようだったし、アールさんみたいな精霊を普段見かけることがないのが不思議に思える。
「そうだな。今日も飲み物はボイラーメイカー、食事はこの・・・」
「サラマンダーのペンネアラビアータね」
ミーナさんが先にそういうとアールさんはおぅ!とメニューを置いて腕組みをした。そして私から視線をそらしたまま口を開く。白い牙に照明が反射して象牙色に見えた。
「琴音ちゃんも飲むかい?」
私はまだ高校生なので・・・と手を振りながら遠慮するとアールさんは驚きを隠さずに緑色の瞳を丸くさせる。エメラルドの宝石みたいで綺麗だ。
「本物の高校生がここにいるなんて・・・」
呆然と口にするアールさんを見てミーナさんはウイスキーをグラスに注ぎながら、耐えきれないといったようすでお腹を抱えて笑いだす。ウイスキーの水面は揺れてビールグラスの三分の一ほど注がれた。
「うん。だからディナータイムは琴音ちゃんもお客さんだからアールさんの隣でいろんなお話を聞かせてもらってね。知らない世界とお友達になることが魔女になる第一歩なのです」
はい。と私は素直に返事をしてアールさんの隣へと座る。さらに体を固めるアールさんを見ているとちょっとだけ楽しい気分になるのが不思議だった。
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