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第肆章 洋館と茶会の後
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「ほら・・・翁さんの店にまた人が増えている」
「本当だ! 綺麗なお姉ちゃんの他にもかわいい女の子がいる。外国の人かな?」
「・・・翁にも人の友達が増えている」
ヒソヒソ話のつもりなのか。私は立ち上がり土間に降りて戸を開く。戸に寄りかかった三人に子供は姿勢を崩し、坊主頭の健次郎は尻餅をついた。隣でよろめき立ち直る翔太はふふん。と腕を組んでどこか得意げである。
麻子は罰が悪そうにあさこは頭を掻きながら、私を見上げた。
「お礼を言おうと思って。ありがとうね。たくさんお米をもらえておばあちゃんも喜んでいたよ」
そりゃどうも。と私は憮然と腕を組み、三人を見下ろす。また街の噂になってしまうだろう。もう手遅れであろうが。ふと背中に何かが触れる感触がある。視線を向けると姫が私の体に隠れるように首だけを出していた。
「ほうほう。これが子供か。妾よりは小さいな」
興味深げに首を左右に向けながら姫は言う。正面で尻餅をついていた健次郎は立ち上がり、頬を染めながら鼻の下へと指を当てた。
「姫! そのような汚らしい子供とかかわってはいけません」
奥からヤハズの声が響き、そんなこと言わない! と千鳥がピシャリとヤハズを制する。むぅ。と結んだ口からもれる声が聞こえ、どう説明するべきかと私は両方の袖口に手を入れる。
「仕事仲間だ気にするな。それに姫も一緒に遊んできたらどうだ? どうせ胡散臭い俺の仲間だと思われるだろうから、心配はいらない」
そうか! と姫はぴょんと跳ねるように私の隣に並び、姫へと麻子が足を進める。
「姫ちゃんって言うの? 素敵な名前だね!」
「だろう? 妾の名前はヤハズがつけた。綺麗な名前だろう」
当然だ! と奥からヤハズの声だけが追いかけてくる。料理を手ほどきすると言った手前、手が離せずに声だけしか出せないのだろう。いい気味だ。
「私は麻子って言うの。隣で転んでいたのは健次郎で、ぼうぅっとしているように見えて、いろいろ考えているのが翔太。みんな仲良しなの」
「仲良しか! それはいいことだな」
姫は破顔しその場で回る。スカートの裾がふわりと浮いた。ふむふむ。と翔太が口元に手を当てる。
「・・・翁の周りにはやっぱり変な人が集まる。類は友を呼ぶ」
そりゃご丁寧に。と私が翔太に返すと、翔太は満足そうにうなずいた。合点がいったのかはわからない。
「さぁさぁ! 料理ができるまで子供達は遊んでおいで! 夜桐おじさんがおいしそうな料理を作ってくれるよ!」
千鳥の快活とした声が聞こえ、おじさんではない! とヤハズの声が響く。
姫は両手をしっかりと握り、私を見上げた。
「言ったろう? 遊んでこいと。後で呼びに行ってやるよ」
ダメー! と麻子が私の左手を握り、右手を健次郎が握った。
「翁さんも遊ぶの! 働いてないじゃない!」
「そうだよ。働かざるもの食うべからず! 子供の仕事は遊ぶこと。だから翁も働けよ」
交互に言われて私は肩を落とす。まぁ暇つぶしくらいにはなるだろう。
「はっは。子供たちに囲まれては八代も形無しだなぁ。いや・・・翁と呼んだ方が良いか? 田雲雀八代さんよ」
仕返しとばかりにヤハズのあざけり笑う声を背中に浴びる。
どちらでもいいよ。とたまらず吹き出した姫と、両手を引く子供と友に私は土間の外に出る。天高く登った日差しは姫に深い影を作り、血の気がないほどに白い肌が透明にも見えた。まるで光の中に消えていくように。
まだ土埃のする砂利道に描かれた円を華麗に飛び移りながら遊ぶ姫と、笑い合う子供たちを見ていると何としても守らなければと思った。しかしながら唯一の手がかりであった人形作家の男は関係がない。
報告がてらに狗鷲のところにでも行くかね。私は紫煙をくゆらし空へと放つ。夏の日差しを透過して、紫煙はきらめき、消えゆく煙が宝石のように見えた。
ひとしきり遊んだ後、息も切らさぬままに麻子が姫に駆け寄った。
「ねぇねぇ。姫ちゃんは本当にかわいいね。綺麗な着物も似合ってるなぁ」
麻子は自分の着流しにも似た服を見る。隣に立った姫は首をかたむけた。
「麻子も似合っている。これはヤハズが仕立ててくれたのだ」
「ヤハズって・・・あの黒い服の人? 男の人に見えないくらいに綺麗だね」
そうじゃろう? と姫は腰に手を当て胸を張る。麻子と並んでいると不思議と姫も同じ年をした少女に見えた。健次郎と翔太も駆け寄り三人の子供が姫を取り囲んでいる。
「お屋敷で暮らしているの? お金持ちなんだね」
「こんな着物見たことない。お屋敷にたくさん人を雇っているの? 毎日ご馳走?」
麻子と健次郎に質問され、姫は左右に首を振る。日に照らされて頬が上気しているように見える。
「妾はヤハズとふたりだけで暮らしている。料理はヤハズが作ってくれる。お菓子もじゃ。こんなに大きなケーキをこしらえてくれたこともある」
姫は両手を伸ばして背伸びする。大きく円を描いて大きさを表しているのだろう。それは少々表現が過剰だと思ったが、ヤハズならやりかねない。
「・・・そんなお菓子食べたことないし、けいき・・・なんてお菓子は知らない」
翔太がポツリとこぼすと、姫は身をかがめて翔太の顔を覗き込む。
「ならば妾がヤハズに頼んでやろう。ヤハズは妾が頼めば何でもやってくれる。まだ食べたことのないほど大きなケーキをこしらえてもらおう」
やったぁ! と麻子が跳ねながら歓声をあげる。それにだ! と姫はふふん。と顎先を上げて人差し指を空へと向けた。
「今だって。ヤハズは料理を作っておるはずだ。お洒落な舶来の料理をな。そろそろできるはずだろう。みんなで行こう!」
子供たちは互いに顔を見合わせて、今度は私の家へと駆けていく。俺は置き去りか。と私もまた子供たちの後を追い、家の戸をくぐる。そこには千鳥と横に並ぶヤハズがいた。
「おかえり子供たち! ヤハズおじちゃんがご飯を作ってくれたよ。おいしそうな雑炊!」
憮然とヤハズは眉を片方釣り上げ、姫を中心に子供たちは首をかしげてヤハズを見上げた。
「おじさんでもないし、雑炊でもない。これはリゾットといってな。米を鍋で炊き味付けをする。ただ八代の家には味噌と塩しかない。本来ならもっと・・・」
「ヤハズさんありがとう」
えへへ。と麻子が頬を大きくほころばせてヤハズを見上げる。隣にはうんうん。と得意げな姫がいて、ヤハズはコホンと咳払いをした。
「手を洗って居間へと上がれ。茶碗しかないから雑炊にしか見えないが。文句は八代に言ってくれ」
「俺かよ。しかし見れば見るほど雑炊だ。りぞっととやらは西洋の雑炊か?」
違う。と私に噛みつくようにヤハズは言って、健次郎と翔太は顔を見合わせ吹き出した。
「大人なのに大人じゃないみたいだね」
「・・・本当に。全然落ち着きがない」
翔太に言われてヤハズと私は黙り込む。ヤハズは困ったように眉間にシワを寄せ、翔太から視線をそらした。あははと千鳥がお腹を抱えて笑いそれぞれが食卓につく。
嘘のように平和な光景だった。私も食卓につき椀から、どう見ても雑炊にしか見えないヤハズの手料理を口に運んだ。ただ料理の腕は確かなようで、子供たちもまた笑みをこぼす。
麻子は姫の隣に座り、姫を見上げる。頬には米粒が付いていた。
「姫ちゃんのヤハズさんはすごいね。ケーキも期待しちゃう」
「もちろんだ。ヤハズはお菓子作りも得意なのだ。なぁヤハズ?」
姫に言われて、もちろんです。と何もわかっていない表情でヤハズは答える。子供たちの歓声にヤハズは首をかしげるばかりだった。こんな表情は見たことないなと私も苦笑する。
「なんだか平和だね。こんな日々がいつまでも続けばいいのにな」
土間に腰かける千鳥が言って、背中越しにどうだかな。と私は箸を進める。
食事を終えた子供たちは興味深々といった表情で今度はヤハズを取り囲む。ヤハズは困りながら私を見て、私はヤハズの視線から目をそらした。
土間からはカチャカチャと千鳥が食器を洗う音がして、本当に絵に描いた団欒を切り取ったみたいな情景だと、私は昔を思い出していた。
もう失われてしまった家族の姿が、まぶたの裏でぼんやりと浮かび、首を振って思い出を払った。それでも静かだった家に声が響くたびに思い出は浮かんでは消え、消えるたびに家に声が満ちる。
なんとも煩わしいと思いつつ、子供に両手をつかまれながら外へと連れ出されるヤハズを見て、いい気味だと私は笑った。
「本当だ! 綺麗なお姉ちゃんの他にもかわいい女の子がいる。外国の人かな?」
「・・・翁にも人の友達が増えている」
ヒソヒソ話のつもりなのか。私は立ち上がり土間に降りて戸を開く。戸に寄りかかった三人に子供は姿勢を崩し、坊主頭の健次郎は尻餅をついた。隣でよろめき立ち直る翔太はふふん。と腕を組んでどこか得意げである。
麻子は罰が悪そうにあさこは頭を掻きながら、私を見上げた。
「お礼を言おうと思って。ありがとうね。たくさんお米をもらえておばあちゃんも喜んでいたよ」
そりゃどうも。と私は憮然と腕を組み、三人を見下ろす。また街の噂になってしまうだろう。もう手遅れであろうが。ふと背中に何かが触れる感触がある。視線を向けると姫が私の体に隠れるように首だけを出していた。
「ほうほう。これが子供か。妾よりは小さいな」
興味深げに首を左右に向けながら姫は言う。正面で尻餅をついていた健次郎は立ち上がり、頬を染めながら鼻の下へと指を当てた。
「姫! そのような汚らしい子供とかかわってはいけません」
奥からヤハズの声が響き、そんなこと言わない! と千鳥がピシャリとヤハズを制する。むぅ。と結んだ口からもれる声が聞こえ、どう説明するべきかと私は両方の袖口に手を入れる。
「仕事仲間だ気にするな。それに姫も一緒に遊んできたらどうだ? どうせ胡散臭い俺の仲間だと思われるだろうから、心配はいらない」
そうか! と姫はぴょんと跳ねるように私の隣に並び、姫へと麻子が足を進める。
「姫ちゃんって言うの? 素敵な名前だね!」
「だろう? 妾の名前はヤハズがつけた。綺麗な名前だろう」
当然だ! と奥からヤハズの声だけが追いかけてくる。料理を手ほどきすると言った手前、手が離せずに声だけしか出せないのだろう。いい気味だ。
「私は麻子って言うの。隣で転んでいたのは健次郎で、ぼうぅっとしているように見えて、いろいろ考えているのが翔太。みんな仲良しなの」
「仲良しか! それはいいことだな」
姫は破顔しその場で回る。スカートの裾がふわりと浮いた。ふむふむ。と翔太が口元に手を当てる。
「・・・翁の周りにはやっぱり変な人が集まる。類は友を呼ぶ」
そりゃご丁寧に。と私が翔太に返すと、翔太は満足そうにうなずいた。合点がいったのかはわからない。
「さぁさぁ! 料理ができるまで子供達は遊んでおいで! 夜桐おじさんがおいしそうな料理を作ってくれるよ!」
千鳥の快活とした声が聞こえ、おじさんではない! とヤハズの声が響く。
姫は両手をしっかりと握り、私を見上げた。
「言ったろう? 遊んでこいと。後で呼びに行ってやるよ」
ダメー! と麻子が私の左手を握り、右手を健次郎が握った。
「翁さんも遊ぶの! 働いてないじゃない!」
「そうだよ。働かざるもの食うべからず! 子供の仕事は遊ぶこと。だから翁も働けよ」
交互に言われて私は肩を落とす。まぁ暇つぶしくらいにはなるだろう。
「はっは。子供たちに囲まれては八代も形無しだなぁ。いや・・・翁と呼んだ方が良いか? 田雲雀八代さんよ」
仕返しとばかりにヤハズのあざけり笑う声を背中に浴びる。
どちらでもいいよ。とたまらず吹き出した姫と、両手を引く子供と友に私は土間の外に出る。天高く登った日差しは姫に深い影を作り、血の気がないほどに白い肌が透明にも見えた。まるで光の中に消えていくように。
まだ土埃のする砂利道に描かれた円を華麗に飛び移りながら遊ぶ姫と、笑い合う子供たちを見ていると何としても守らなければと思った。しかしながら唯一の手がかりであった人形作家の男は関係がない。
報告がてらに狗鷲のところにでも行くかね。私は紫煙をくゆらし空へと放つ。夏の日差しを透過して、紫煙はきらめき、消えゆく煙が宝石のように見えた。
ひとしきり遊んだ後、息も切らさぬままに麻子が姫に駆け寄った。
「ねぇねぇ。姫ちゃんは本当にかわいいね。綺麗な着物も似合ってるなぁ」
麻子は自分の着流しにも似た服を見る。隣に立った姫は首をかたむけた。
「麻子も似合っている。これはヤハズが仕立ててくれたのだ」
「ヤハズって・・・あの黒い服の人? 男の人に見えないくらいに綺麗だね」
そうじゃろう? と姫は腰に手を当て胸を張る。麻子と並んでいると不思議と姫も同じ年をした少女に見えた。健次郎と翔太も駆け寄り三人の子供が姫を取り囲んでいる。
「お屋敷で暮らしているの? お金持ちなんだね」
「こんな着物見たことない。お屋敷にたくさん人を雇っているの? 毎日ご馳走?」
麻子と健次郎に質問され、姫は左右に首を振る。日に照らされて頬が上気しているように見える。
「妾はヤハズとふたりだけで暮らしている。料理はヤハズが作ってくれる。お菓子もじゃ。こんなに大きなケーキをこしらえてくれたこともある」
姫は両手を伸ばして背伸びする。大きく円を描いて大きさを表しているのだろう。それは少々表現が過剰だと思ったが、ヤハズならやりかねない。
「・・・そんなお菓子食べたことないし、けいき・・・なんてお菓子は知らない」
翔太がポツリとこぼすと、姫は身をかがめて翔太の顔を覗き込む。
「ならば妾がヤハズに頼んでやろう。ヤハズは妾が頼めば何でもやってくれる。まだ食べたことのないほど大きなケーキをこしらえてもらおう」
やったぁ! と麻子が跳ねながら歓声をあげる。それにだ! と姫はふふん。と顎先を上げて人差し指を空へと向けた。
「今だって。ヤハズは料理を作っておるはずだ。お洒落な舶来の料理をな。そろそろできるはずだろう。みんなで行こう!」
子供たちは互いに顔を見合わせて、今度は私の家へと駆けていく。俺は置き去りか。と私もまた子供たちの後を追い、家の戸をくぐる。そこには千鳥と横に並ぶヤハズがいた。
「おかえり子供たち! ヤハズおじちゃんがご飯を作ってくれたよ。おいしそうな雑炊!」
憮然とヤハズは眉を片方釣り上げ、姫を中心に子供たちは首をかしげてヤハズを見上げた。
「おじさんでもないし、雑炊でもない。これはリゾットといってな。米を鍋で炊き味付けをする。ただ八代の家には味噌と塩しかない。本来ならもっと・・・」
「ヤハズさんありがとう」
えへへ。と麻子が頬を大きくほころばせてヤハズを見上げる。隣にはうんうん。と得意げな姫がいて、ヤハズはコホンと咳払いをした。
「手を洗って居間へと上がれ。茶碗しかないから雑炊にしか見えないが。文句は八代に言ってくれ」
「俺かよ。しかし見れば見るほど雑炊だ。りぞっととやらは西洋の雑炊か?」
違う。と私に噛みつくようにヤハズは言って、健次郎と翔太は顔を見合わせ吹き出した。
「大人なのに大人じゃないみたいだね」
「・・・本当に。全然落ち着きがない」
翔太に言われてヤハズと私は黙り込む。ヤハズは困ったように眉間にシワを寄せ、翔太から視線をそらした。あははと千鳥がお腹を抱えて笑いそれぞれが食卓につく。
嘘のように平和な光景だった。私も食卓につき椀から、どう見ても雑炊にしか見えないヤハズの手料理を口に運んだ。ただ料理の腕は確かなようで、子供たちもまた笑みをこぼす。
麻子は姫の隣に座り、姫を見上げる。頬には米粒が付いていた。
「姫ちゃんのヤハズさんはすごいね。ケーキも期待しちゃう」
「もちろんだ。ヤハズはお菓子作りも得意なのだ。なぁヤハズ?」
姫に言われて、もちろんです。と何もわかっていない表情でヤハズは答える。子供たちの歓声にヤハズは首をかしげるばかりだった。こんな表情は見たことないなと私も苦笑する。
「なんだか平和だね。こんな日々がいつまでも続けばいいのにな」
土間に腰かける千鳥が言って、背中越しにどうだかな。と私は箸を進める。
食事を終えた子供たちは興味深々といった表情で今度はヤハズを取り囲む。ヤハズは困りながら私を見て、私はヤハズの視線から目をそらした。
土間からはカチャカチャと千鳥が食器を洗う音がして、本当に絵に描いた団欒を切り取ったみたいな情景だと、私は昔を思い出していた。
もう失われてしまった家族の姿が、まぶたの裏でぼんやりと浮かび、首を振って思い出を払った。それでも静かだった家に声が響くたびに思い出は浮かんでは消え、消えるたびに家に声が満ちる。
なんとも煩わしいと思いつつ、子供に両手をつかまれながら外へと連れ出されるヤハズを見て、いい気味だと私は笑った。
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