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歩道2

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それ以上立ち話する気はない。オレは歩き出した。

そこへ「白杖、だいじょうぶでしたか?」とナカガキ。

「え。ああ、」
オレはつい、足を止める。
ちょっと驚く。…まーだ話やがるか。

「どうしました?」とナカガキ。キョトンとしてる。
「…あんた、ヘンな人だな」
「え。」
オレは誤魔化そうと話をそらす。
「いや…私は知らなかったんですよ。歩行者のルールてやつをね」
「え?ルール?そんなのあるんですか」
「ええ。暗黙の」とオレはまた歩き出す。
「暗黙って、」ナカガキもついてくる。

「あれですよ。あのー、並んで歩くとき大人は車道側を歩いて、子供は安全のためにより車道から遠い側に」
「あー!ありますね、ドラマなんかでも女の子が歩道の奥で、男の子が車道の側」

「そーゆーの知らなかったんですよ。私」
「そうなんですか?」
「専門の歩行者になったの、わりと最近なんでね」と持ってるだけの白杖を地面にコツン。

「ああ。そうでしたね」
「で、ジャマにならないよう歩道の隅を歩くわけです。排水溝の上とか」
「はあ」
「するとですね。これは私を避けてくれる人の場合ですが、ほとんどの人は私よりもっと車道から離れたコースを取ろうとするわけです」
「え?それってどういう」
「私より外側って塀か外壁、よくて駐車スペースくらいしかないんですよ、人さまの敷地の」
「えー?そういうスキマに入ろうとする、と?」
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