3 / 6
歩道2
しおりを挟む
それ以上立ち話する気はない。オレは歩き出した。
そこへ「白杖、だいじょうぶでしたか?」とナカガキ。
「え。ああ、」
オレはつい、足を止める。
ちょっと驚く。…まーだ話やがるか。
「どうしました?」とナカガキ。キョトンとしてる。
「…あんた、ヘンな人だな」
「え。」
オレは誤魔化そうと話をそらす。
「いや…私は知らなかったんですよ。歩行者のルールてやつをね」
「え?ルール?そんなのあるんですか」
「ええ。暗黙の」とオレはまた歩き出す。
「暗黙って、」ナカガキもついてくる。
「あれですよ。あのー、並んで歩くとき大人は車道側を歩いて、子供は安全のためにより車道から遠い側に」
「あー!ありますね、ドラマなんかでも女の子が歩道の奥で、男の子が車道の側」
「そーゆーの知らなかったんですよ。私」
「そうなんですか?」
「専門の歩行者になったの、わりと最近なんでね」と持ってるだけの白杖を地面にコツン。
「ああ。そうでしたね」
「で、ジャマにならないよう歩道の隅を歩くわけです。排水溝の上とか」
「はあ」
「するとですね。これは私を避けてくれる人の場合ですが、ほとんどの人は私よりもっと車道から離れたコースを取ろうとするわけです」
「え?それってどういう」
「私より外側って塀か外壁、よくて駐車スペースくらいしかないんですよ、人さまの敷地の」
「えー?そういうスキマに入ろうとする、と?」
そこへ「白杖、だいじょうぶでしたか?」とナカガキ。
「え。ああ、」
オレはつい、足を止める。
ちょっと驚く。…まーだ話やがるか。
「どうしました?」とナカガキ。キョトンとしてる。
「…あんた、ヘンな人だな」
「え。」
オレは誤魔化そうと話をそらす。
「いや…私は知らなかったんですよ。歩行者のルールてやつをね」
「え?ルール?そんなのあるんですか」
「ええ。暗黙の」とオレはまた歩き出す。
「暗黙って、」ナカガキもついてくる。
「あれですよ。あのー、並んで歩くとき大人は車道側を歩いて、子供は安全のためにより車道から遠い側に」
「あー!ありますね、ドラマなんかでも女の子が歩道の奥で、男の子が車道の側」
「そーゆーの知らなかったんですよ。私」
「そうなんですか?」
「専門の歩行者になったの、わりと最近なんでね」と持ってるだけの白杖を地面にコツン。
「ああ。そうでしたね」
「で、ジャマにならないよう歩道の隅を歩くわけです。排水溝の上とか」
「はあ」
「するとですね。これは私を避けてくれる人の場合ですが、ほとんどの人は私よりもっと車道から離れたコースを取ろうとするわけです」
「え?それってどういう」
「私より外側って塀か外壁、よくて駐車スペースくらいしかないんですよ、人さまの敷地の」
「えー?そういうスキマに入ろうとする、と?」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
どうして隣の家で僕の妻が喘いでいるんですか?
ヘロディア
恋愛
壁が薄いマンションに住んでいる主人公と妻。彼らは新婚で、ヤりたいこともできない状態にあった。
しかし、隣の家から喘ぎ声が聞こえてきて、自分たちが我慢せずともよいのではと思い始め、実行に移そうとする。
しかし、何故か隣の家からは妻の喘ぎ声が聞こえてきて…
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる