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託され託し行く
紅の魔術師
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ーーエウルドス王国崩壊日。
チェアルの命を受け継いだリンドにレムズを託し、クレスルドは新たな道を歩き出した。
先刻までエウルドス王国やエモイト国が在った地。今は名も無きただの荒野。再びクレスルドはそこに立ち、
「戻りましたよ」
そう言えば、
「ええ、待っていました」
空間が淡く光り、その光の中から、幻想的とも言えよう。長い銀髪、赤い瞳‥‥
天女のようなふわふわと風になびいている衣を身に纏った美しい女性、【道を開く者】‥‥サジャエルが現れた。
「それで?【見届ける者】を目覚めさせるには僕はまず何をしたらいいんですか?サジャエル‘様’。リオラの器とやらの捜索ですか?」
そう聞けば、サジャエルはとても嬉しそうに微笑み、
「私と貴方の仲ではありませんか、気軽に呼んでくれて構わないのですよ」
言われてクレスルドはくすりと笑い、
「何事も、形からが重要ですから」
サジャエルもそれに笑って、
「やはり貴方は話が早い。そうです、いつかの時代に現れるであろう器を手に入れて下さい。そして、邪魔する者は殺して下さい」
「邪魔する奴なんているんですか?」
そう聞けば、
「ええ。私は今、縁あってシュイアと言う手駒を持っています。彼の血縁であるカシル‥‥きっとシュイアと私の邪魔をするでしょう。だからなるべく、まずはシュイアと器を接触させたい。器を油断させ、そして器を手に入れましょう」
言われてクレスルドは少しだけ間を置き、
「やれやれ‥‥色々と話を聞くことが多そうですね」
そう言った。
‘シュイア’と言う人物のこと。
そしてクレスルドとサジャエルが会わなかった空白の日々のこと。
リオとリオラ‥‥
器とは一体なんなのか…
サジャエルは子供が居ることを、リオが居ることを忘れている。代わりに、見届ける者、リオラ‥‥?
それでは器とは、リオのことを言っているのか?
クレスルドは思考を巡らせる。
彼は言っていた。
もうすぐ、サジャエルが動き、ザメシアも動くかもしれないと。前者はすでに、始まっている。
サジャエルは言っていた。
なんらかの封印をされていた神を消滅させようとしたのに、神は別の時代に逃げたと。
だからサジャエルはリオラを使って世界を滅ぼすと言った。
だが、かつてサジャエルと創造神は友であった。
二人の間に何があったか詳しくは知らない。
だがそれが、サジャエルの破壊衝動を引き起こすきっかけになったのであろう。
いつかの時代に生まれるリオラの器を待って‥‥
(僕がフォードで休んでいる間に、色々とややこしいことが起きていたんだな)
クレスルドは小さく息を吐いた。
かつて、クレスルドはクナイというフォード王の遺志を託された。
そして、英雄達の願いを託され、フォード国を見守り続けていた。
しかし、フォードの血族は何百年も前に途絶え、いつの間にかクナイともレナとも誰とも関係のない血筋がフォードを名乗り国を統治していき‥‥
やがて貧困の差が広がった。
それでもクレスルドは見ているだけ。
クナイが望んだように、時代の移り変わりを見守るだけ‥‥
かつて英雄達が居た時代の遥か後にサジャエルが狂い出したのは知っていた。
だが‥‥クレスルドは見ない振りをしていた。もはや自分には関係ないと思ったから。
自分はもう、世界に干渉しないと決めていたから。
変わらないことは、神なんてクソ食らえ、だ。
遥か昔から人間であることを捨てたこの身体は、眠る必要もなく、栄養を取る必要もなく‥‥ただ、佇むだけの身体なのだ。
「協力者って‥‥うわっ!なっ、なんでお前が‥‥!」
急に他者の声が耳に入り、クレスルドは驚く素振りも見せず、ただ視線だけを動かす。
「おや、悪魔とは珍しい。確か‥‥」
クレスルドは声の主に見覚えがあった。
背には黒い羽、炎のような夕日色の髪に夕日色の目‥‥遠い昔に会ったことがある。
「ロナスだ‥‥紅さんよ」
悪魔ーーロナスはそう答えた。
「不思議ですね。まだ生きていたんですか?僕が知っている君は‥‥確かあんなに小さかったのに。噂では悪魔は‥‥」
「‥‥けっ」
クレスルドに言われ、ロナスは悪態を吐く。
「それで、サジャエル?この子が何故ここに?」
「ロナスもまた、我が理想の協力者なのですよ」
クレスルドの問いにサジャエルは笑う。
「悪魔が女神の協力者?」
「別に協力者ってわけじゃねーよ。オレはな、最後の悪魔として憎き人間を根絶やしにする為に生きようと決めたのさ。滅んでいった我が同族の為に、誇りの為にな!まあ、いつか終わりが来る日を待って独り眠り続けていたが、そこの女神さんに見つかってな」
ロナスはそこまで言い、
「まっ、詳しい理由は知らないが、この世界が、人間が滅ぶならそれでいいと思ったわけさ」
「でも、君も滅ぶんじゃないですか?」
クレスルドが聞けば、
「そりゃな。別に構わねーんだよ、人間が滅ぶなら、オレはそれだけでいいんだ」
ロナスは恐れも何もなく、ただ笑って言ってのける。彼にとっては人間が滅ぶなら他はどうでもいいのだろう。自分さえも。
「安心して下さい。貴方達は大切な協力者。世界を滅ぼし新たな世界を創った後にも、貴方達を必ず生かしましょう」
サジャエルはそう言った。
自分に必要なものだけを残し、要らないものは消し去った新たな世界‥‥
そう、自分が新たな創造神に成り代わろうとしているのだ、新たな世界で。
「ところで悪魔の子、君は何百年も眠っていたんですか?それとも‥‥確か悪魔狩りは三百年程前でしたよね?悪魔の寿命は長くて三百年と聞きますが‥‥」
「ガキ扱いすんな!そうさ、エルフと同じく、世界が一度壊れた時にオレ達悪魔は時の流れに呑み込まれた。流れ着いた先が、三百年程前の世界‥‥人間達と共存して行くつもりだったさ、昔みたいにな」
ロナスは何処か遠くを見て言う。
自分が産まれた時代‥‥仲間が居た日々に想いを馳せているのだろうか。
「三百年前の人間は悪魔など知らない。最初は真新しい目で見られたが、人間はオレ達の魔術に頼った。それからが、知っての通りさ‥‥で、俺はこの身を凍結して眠ってたんだがよ」
「なるほど。君も苦労しましたね、ロナス君」
クレスルドはまるで哀れむように言う。悪魔がいた時代を知っているからだ。
「だから‘君’とか付けるな!ガキ扱いすんな!」
「はいはい、わかりましたよ、ロナス。まあ、これからよろしくお願いしますね?それでサジャエル。そのシュイアという子は?」
「彼はリオラと相思相愛の仲でした。ですから立派な協力者なのですよ、彼女が目覚めるなら、シュイアはなんでもしてくれるでしょう。さあ、行きましょうか、我らが居城へ。そこには神々が待っていますよ」
そこにはイラホーと、眠るリオラが居るとサジャエルは言った。
だが、クレスルドは知っている。
昔、女神イラホーは死んだ。
だが、もしイラホーが居るとしたら‥‥
【回想する者】‥‥過去を見通す力を持つ女神。
サジャエルの目を盗み、全ての真実を手に入れることが出来る。
イラホーであれ、もしイラホーの力を受け継いだ別のイラホーであれ、彼女ならば意図も容易く真実をクレスルドに教えてくれるであろう。
女神イラホーをかつて愛した‘彼’の願いを伝えれば。
イラホーが‘彼’に贈った、赤い石に白い羽がついたこのペンダントを見せれば‥‥
その後には、これはサジャエルに手渡そうと思う。
棄ててしまうかもしれないが、それでも‘彼’はサジャエルの手に渡ることをきっと望むであろう。
‘彼’の願い。
それはサジャエルを止めること。そのサジャエルが恐らく器にしようとしている娘であるリオを守ること‥‥
(まあ、全てはイラホーに会ってからだな)
クレスルドはそう思った。
これから先の未来がどうなるかはわからない。
時代に、世界に干渉しないと決めたのに、大きなことになりそうだ、と。
(‥‥リオ。約束を守って下さいね。僕の罪で苦しめてしまった親友を、どうか‥‥)
サジャエルに従いつつ、リオを守ろうとクレスルドは思う。
『神様の女の子がいつかロファースを救ってくれるというお話』‥‥そんな、夢物語を信じて。
そして、思い浮かべる。
先刻まで、すぐ傍らにあった光景を。
ロファースが笑い、レムズが笑い、チェアルが居た光景だ。
リオラの‘器’が世界に落とされるまで、あと五十年余り。
レムズと再び出会うまで、あと七十年余り。
それまでのたくさんの時間の中で、クレスルドは幾つもの真実を手にすることとなる。
大切な人達のことを、片時も忘れることなく。
(レムズ‥‥君の幸せを僕は誰よりも願っている。そして、ロファース。必ず僕が君を助けてみせる。たとえどれほど時間が掛かっても、必ず僕が、君たち二人を‥‥)
ーー昔々、壊すことばかりを考えていた魔術師がいた。
多くを陥れ、滅ぼし、家族も愛する者も駒として使った。
そんな魔術師が、あたたかいと思えるものを何百年も経った今、ようやく手に入れてしまった、知ってしまった。
そしていつかそれを再び取り戻す、淡い夢を、見てしまった。
【だから、託されたこの命で‥‥】
チェアルの命を受け継いだリンドにレムズを託し、クレスルドは新たな道を歩き出した。
先刻までエウルドス王国やエモイト国が在った地。今は名も無きただの荒野。再びクレスルドはそこに立ち、
「戻りましたよ」
そう言えば、
「ええ、待っていました」
空間が淡く光り、その光の中から、幻想的とも言えよう。長い銀髪、赤い瞳‥‥
天女のようなふわふわと風になびいている衣を身に纏った美しい女性、【道を開く者】‥‥サジャエルが現れた。
「それで?【見届ける者】を目覚めさせるには僕はまず何をしたらいいんですか?サジャエル‘様’。リオラの器とやらの捜索ですか?」
そう聞けば、サジャエルはとても嬉しそうに微笑み、
「私と貴方の仲ではありませんか、気軽に呼んでくれて構わないのですよ」
言われてクレスルドはくすりと笑い、
「何事も、形からが重要ですから」
サジャエルもそれに笑って、
「やはり貴方は話が早い。そうです、いつかの時代に現れるであろう器を手に入れて下さい。そして、邪魔する者は殺して下さい」
「邪魔する奴なんているんですか?」
そう聞けば、
「ええ。私は今、縁あってシュイアと言う手駒を持っています。彼の血縁であるカシル‥‥きっとシュイアと私の邪魔をするでしょう。だからなるべく、まずはシュイアと器を接触させたい。器を油断させ、そして器を手に入れましょう」
言われてクレスルドは少しだけ間を置き、
「やれやれ‥‥色々と話を聞くことが多そうですね」
そう言った。
‘シュイア’と言う人物のこと。
そしてクレスルドとサジャエルが会わなかった空白の日々のこと。
リオとリオラ‥‥
器とは一体なんなのか…
サジャエルは子供が居ることを、リオが居ることを忘れている。代わりに、見届ける者、リオラ‥‥?
それでは器とは、リオのことを言っているのか?
クレスルドは思考を巡らせる。
彼は言っていた。
もうすぐ、サジャエルが動き、ザメシアも動くかもしれないと。前者はすでに、始まっている。
サジャエルは言っていた。
なんらかの封印をされていた神を消滅させようとしたのに、神は別の時代に逃げたと。
だからサジャエルはリオラを使って世界を滅ぼすと言った。
だが、かつてサジャエルと創造神は友であった。
二人の間に何があったか詳しくは知らない。
だがそれが、サジャエルの破壊衝動を引き起こすきっかけになったのであろう。
いつかの時代に生まれるリオラの器を待って‥‥
(僕がフォードで休んでいる間に、色々とややこしいことが起きていたんだな)
クレスルドは小さく息を吐いた。
かつて、クレスルドはクナイというフォード王の遺志を託された。
そして、英雄達の願いを託され、フォード国を見守り続けていた。
しかし、フォードの血族は何百年も前に途絶え、いつの間にかクナイともレナとも誰とも関係のない血筋がフォードを名乗り国を統治していき‥‥
やがて貧困の差が広がった。
それでもクレスルドは見ているだけ。
クナイが望んだように、時代の移り変わりを見守るだけ‥‥
かつて英雄達が居た時代の遥か後にサジャエルが狂い出したのは知っていた。
だが‥‥クレスルドは見ない振りをしていた。もはや自分には関係ないと思ったから。
自分はもう、世界に干渉しないと決めていたから。
変わらないことは、神なんてクソ食らえ、だ。
遥か昔から人間であることを捨てたこの身体は、眠る必要もなく、栄養を取る必要もなく‥‥ただ、佇むだけの身体なのだ。
「協力者って‥‥うわっ!なっ、なんでお前が‥‥!」
急に他者の声が耳に入り、クレスルドは驚く素振りも見せず、ただ視線だけを動かす。
「おや、悪魔とは珍しい。確か‥‥」
クレスルドは声の主に見覚えがあった。
背には黒い羽、炎のような夕日色の髪に夕日色の目‥‥遠い昔に会ったことがある。
「ロナスだ‥‥紅さんよ」
悪魔ーーロナスはそう答えた。
「不思議ですね。まだ生きていたんですか?僕が知っている君は‥‥確かあんなに小さかったのに。噂では悪魔は‥‥」
「‥‥けっ」
クレスルドに言われ、ロナスは悪態を吐く。
「それで、サジャエル?この子が何故ここに?」
「ロナスもまた、我が理想の協力者なのですよ」
クレスルドの問いにサジャエルは笑う。
「悪魔が女神の協力者?」
「別に協力者ってわけじゃねーよ。オレはな、最後の悪魔として憎き人間を根絶やしにする為に生きようと決めたのさ。滅んでいった我が同族の為に、誇りの為にな!まあ、いつか終わりが来る日を待って独り眠り続けていたが、そこの女神さんに見つかってな」
ロナスはそこまで言い、
「まっ、詳しい理由は知らないが、この世界が、人間が滅ぶならそれでいいと思ったわけさ」
「でも、君も滅ぶんじゃないですか?」
クレスルドが聞けば、
「そりゃな。別に構わねーんだよ、人間が滅ぶなら、オレはそれだけでいいんだ」
ロナスは恐れも何もなく、ただ笑って言ってのける。彼にとっては人間が滅ぶなら他はどうでもいいのだろう。自分さえも。
「安心して下さい。貴方達は大切な協力者。世界を滅ぼし新たな世界を創った後にも、貴方達を必ず生かしましょう」
サジャエルはそう言った。
自分に必要なものだけを残し、要らないものは消し去った新たな世界‥‥
そう、自分が新たな創造神に成り代わろうとしているのだ、新たな世界で。
「ところで悪魔の子、君は何百年も眠っていたんですか?それとも‥‥確か悪魔狩りは三百年程前でしたよね?悪魔の寿命は長くて三百年と聞きますが‥‥」
「ガキ扱いすんな!そうさ、エルフと同じく、世界が一度壊れた時にオレ達悪魔は時の流れに呑み込まれた。流れ着いた先が、三百年程前の世界‥‥人間達と共存して行くつもりだったさ、昔みたいにな」
ロナスは何処か遠くを見て言う。
自分が産まれた時代‥‥仲間が居た日々に想いを馳せているのだろうか。
「三百年前の人間は悪魔など知らない。最初は真新しい目で見られたが、人間はオレ達の魔術に頼った。それからが、知っての通りさ‥‥で、俺はこの身を凍結して眠ってたんだがよ」
「なるほど。君も苦労しましたね、ロナス君」
クレスルドはまるで哀れむように言う。悪魔がいた時代を知っているからだ。
「だから‘君’とか付けるな!ガキ扱いすんな!」
「はいはい、わかりましたよ、ロナス。まあ、これからよろしくお願いしますね?それでサジャエル。そのシュイアという子は?」
「彼はリオラと相思相愛の仲でした。ですから立派な協力者なのですよ、彼女が目覚めるなら、シュイアはなんでもしてくれるでしょう。さあ、行きましょうか、我らが居城へ。そこには神々が待っていますよ」
そこにはイラホーと、眠るリオラが居るとサジャエルは言った。
だが、クレスルドは知っている。
昔、女神イラホーは死んだ。
だが、もしイラホーが居るとしたら‥‥
【回想する者】‥‥過去を見通す力を持つ女神。
サジャエルの目を盗み、全ての真実を手に入れることが出来る。
イラホーであれ、もしイラホーの力を受け継いだ別のイラホーであれ、彼女ならば意図も容易く真実をクレスルドに教えてくれるであろう。
女神イラホーをかつて愛した‘彼’の願いを伝えれば。
イラホーが‘彼’に贈った、赤い石に白い羽がついたこのペンダントを見せれば‥‥
その後には、これはサジャエルに手渡そうと思う。
棄ててしまうかもしれないが、それでも‘彼’はサジャエルの手に渡ることをきっと望むであろう。
‘彼’の願い。
それはサジャエルを止めること。そのサジャエルが恐らく器にしようとしている娘であるリオを守ること‥‥
(まあ、全てはイラホーに会ってからだな)
クレスルドはそう思った。
これから先の未来がどうなるかはわからない。
時代に、世界に干渉しないと決めたのに、大きなことになりそうだ、と。
(‥‥リオ。約束を守って下さいね。僕の罪で苦しめてしまった親友を、どうか‥‥)
サジャエルに従いつつ、リオを守ろうとクレスルドは思う。
『神様の女の子がいつかロファースを救ってくれるというお話』‥‥そんな、夢物語を信じて。
そして、思い浮かべる。
先刻まで、すぐ傍らにあった光景を。
ロファースが笑い、レムズが笑い、チェアルが居た光景だ。
リオラの‘器’が世界に落とされるまで、あと五十年余り。
レムズと再び出会うまで、あと七十年余り。
それまでのたくさんの時間の中で、クレスルドは幾つもの真実を手にすることとなる。
大切な人達のことを、片時も忘れることなく。
(レムズ‥‥君の幸せを僕は誰よりも願っている。そして、ロファース。必ず僕が君を助けてみせる。たとえどれほど時間が掛かっても、必ず僕が、君たち二人を‥‥)
ーー昔々、壊すことばかりを考えていた魔術師がいた。
多くを陥れ、滅ぼし、家族も愛する者も駒として使った。
そんな魔術師が、あたたかいと思えるものを何百年も経った今、ようやく手に入れてしまった、知ってしまった。
そしていつかそれを再び取り戻す、淡い夢を、見てしまった。
【だから、託されたこの命で‥‥】
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