託され行くもの達

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プロローグ

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ーー俺達は親友だ。
だから絶対に、お前を裏切らないよ。
例え、この先どんな未来でも、どんな絶望が待っていても‥‥

俺が今ここにいるのは、お前との約束のお陰なんだ。


ーーどれほど歩き続けて来たのだろうか。
もうあまり、年月の感覚はなかった。
神々が消えた日から二年。
世界はとても平和になった。
だが、あの日々は消えない。

「‥‥本当に良かったよね」

殺風景な荒野を歩きながら、カルトルートは静かに言った。
レムズは相棒の言葉に首を傾げる。

「ほらっ!お姉さん‥‥クリュミケールさんが帰って来て良かったって言ってるの」
「‥‥ああ。そのこと、か‥‥そう、だな」

先日。
旅の途中、偶然、同じく旅をしているシュイアとリオラに会った。
その時にクリュミケールがニキータ村に帰って来たことを聞かされたのだ。
しかし、シュイアとリオラは未だ、クリュミケールに会いに行っていないらしい。
レイラフォードでフィレア達から聞いただけだそうで‥‥

「リオラさん、綺麗な人だったね。でも、まだお姉さんに会いにくいのかな?僕らもニキータ村に顔を出さなきゃねー」
「‥‥すまない」

レムズが謝るので、カルトルートは首を傾げる。

「俺の‥‥個人的な目的に、何年も、付き合わせて。綺麗な場所に墓を、作ったのに‥‥」
「ははっ。またまたそんなこと。何回その謝罪を聞かせるのさ。僕は勝手にお前に着いて来てるんだから気にしないでよ、相棒。それより、もうすぐ着くの?目的地に」
「‥‥ああ。もうすぐ、だ」

レムズは微笑んで頷いた。

(ようやくお前に‥‥会いに行ける。お前の墓を、綺麗な場所に建てた。遅くなったが、俺はお前にやっと‥‥顔向けが出来る‥‥)

レムズは自らの両腕に巻かれた包帯に触れ、遠き日に思いを馳せる。

(俺の、たった一人の親友‥‥ロファース)
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