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三章【繋がり】
3-9 幕開け
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「そういえば不死鳥。エナンさんと話さなかったけど、良かったの?」
暗い遺跡内を歩きながらリオが聞けば、
「いいのだ。時が経ちすぎた」
「でも、不死鳥はエナンさんが好きだったんでしょ?」
リオは悪気もなく聞いた。
「好きーーだと?何を‥‥」
「いや、なんとなく。不死鳥の山でエナンさんとの過去を見た時に思ったんだけど‥‥違うの?」
レイラがカシルに。フィレアがシュイアに。
そういった恋愛事情というものを最近になってリオは知り、なんとなく誰かが誰かに想いを寄せていることがわかるようになってきた。ただ、自分自身のことには疎いが‥‥
「もし好きだったら、ちゃんと話さないと。エナンさんはもう歳なんだ。不死鳥は永く生きるんだろうけど‥‥」
そこまで言って、リオは言葉を止める。
(あっ‥‥そっか。私も、不老になったんだ。実感、ないけど‥‥)
リオは心の中で苦笑した。
「まあ、そんな話は良い。しかし主よ。何故、彼らを置いて来た?」
「え?んー‥‥本当は一緒に来てほしかったけど‥‥でも、やっぱりこれは私の問題だから」
リオは頷くように言う。
「そういえば、エナンさんとの過去で『不老の命を手に入れたらある目的を成さねば』‥‥とか言ってたよね?ある目的って?それは、私も?」
ふと思い出して聞けば、
「ーー伝えるのを忘れていたな。魔術を使える者は、その代償として不老になる。そして」
不死鳥は一息置き、
「後の世に起こると予測されている【争い】もしくは【宿命】に関わらねばならぬ。それは、いつの世でもだ」
「争い、宿命?」
リオは眉を潜めた。
「それは、今この瞬間もだろう。これも一種の争いであり宿命だ。魔術を手にした者は不老となり、いつ起こるか分からぬ争いや宿命を止める為、生きねばならぬ。それは、遠い昔から続く、陰の歴史だ」
それを聞いて、リオは目を丸くし、
「うーん?じゃあ、シュイアさんやカシル、ハトネとかも?」
「その者らが魔術を使えるのであればな」
「でも、カシルとロナスは世界を壊そうとしてるよ?」
「過ぎ足る力は、過ぎ足る争いを生み出す。それを止める者がいれば、それを引き起こす者もいる。魔術を持つということは、世界を揺るがす者に‥‥善にでも悪にでもなれるのだ」
なるほどと、リオは頷く。
「そして、一度、魔術を手に入れれば、その力を手放す事は不可能なのだ。死ぬまで‥‥もしくは我ら神々が潰えるまで」
「不死鳥以外にも神様がいるの?」
「そうだな‥‥また、語ろう」
少しだけ、不死鳥は困ったような口振りだった。
「そっか。世界には、色々あるんだね」
今まで知らなかった多くのことを最近になって一気に知り、リオは不思議な気分になる。
ふと、リオは足を止めた。視界に、光が映ったからだ。
先ほどまでは真っ暗で、どこを歩いているのかすらわからなかったが‥‥
いくつかの岩で出来た階段に囲まれるように、祭壇のようなものがあった。
「なんだ?これ‥‥」
リオが不思議そうに言うと、
「来たのね、リオ」
そう言われて、リオは目を見開かせ、
「レイラ!」
と、友人の名前を叫ぶ。
「リオ‥‥やっぱり来たのね。来て、くれたのね」
レイラは祭壇の中央に立ち、なぜかリオを見て涙を流し、その場に崩れ落ちたのだ。
「えっ‥‥!?どうしたんだ、レイラ!?」
「ごめんなさい‥‥私のせいで‥‥私、あなたを傷付けた‥‥」
「右目のこと?いいよ!そんなの気にしてないから」
そう、リオは微笑んで言い、レイラがそう言ってくれたことに、少しだけ安堵する。
まだ、レイラを助けれる可能性があるのでは、と。
「リオ‥‥あなたは本当に優しいのね。リオ‥‥こっちに来て。ちゃんと、謝りたいの」
そう言われて、なんの迷いも疑いもなく、リオはレイラに近付いた。
彼女の目の前まで行くと、レイラはリオの手を優しく握り、
「‥‥本当、優しいわね」
ーーと。レイラの声が、笑いを含んでいるように聞こえて‥‥
ぐいっーーと、リオは強く腕を引かれ、どすんと、祭壇の中心に投げ倒された。
レイラの、女性の力にしてはあまりに強くて、その場に尻餅をつかされたリオは唖然とレイラを見つめる。
「‥‥あなた本当に馬鹿ね。一人で来るだなんて」
レイラはクスクスと笑っていた。
それから後ろに振り返り、
「カシル様、ロナスーーこれでいいんですよね」
レイラがそう言うと、
「ははっ、上出来だな」
ロナスがバサッーーと翼を広げ、頭上から降りてきて、カシルも祭壇にある柱の後ろから出てきた。
「‥‥なんか知らないけど、やっぱり罠か」
リオは静かに言う。
「わかってて来るなんて、バカだよなぁ!まあ、あとはその祭壇に不死鳥を置けば、世界は壊れる。だからーー」
「‥‥そうか。不死鳥が必要だから、不死鳥の力を手に入れた私が必要だったのか」
「その通り!リオちゃんが不死鳥と契約してくれたお陰で楽に不死鳥を連れてこれたぜ、ありがとな!」
ロナスはそう言って笑い、
「あとは、世界の絶対の神である不死鳥を殺すだけだ!命を司る不死鳥がここで死ねば、同時に世界は滅びる」
「なら、私が死んだらダメってわけだな」
リオは立ち上がり、剣を抜いて、切っ先をロナスに向けた。そんなリオを見て、
「‥‥お前、ほんとムカつくなぁ」
と、ロナスは苦笑する。
すると、ロナスではなく、レイラが短剣を抜き、リオを睨み付けるように見て、
「リオ。お願いだから、カシル様の邪魔をしないで。大人しく世界を壊す存在になってよ」
そんなレイラの冷たい声に、リオは眉間にシワを寄せた。
真っ直ぐにレイラを見つめ、
「約束したから。レイラも、世界も救うって」
そんなリオの言葉にレイラはため息をつき、
「一人で何が出来るのよ、リオ」
と、レイラは短剣を構え直す。リオが口を開こうとしたら、
「リオ君は一人じゃないもん!!」
ーーと、リオの後ろからハトネの声がして‥‥
リオは振り返り、ハトネとフィレア、ラズを困ったように見つめた。
「なんであなたは一人で行っちゃうの!?まさかこんな時まで一人で行くなんて‥‥ビックリしたわよ!」
フィレアが呆れるように言ってきて、
「リオ君はきっと急いでたんだよね、ごめんね、リオ君の気持ちも考えないで‥‥」
ハトネ達は、カシル達をお構い無しにリオに駆け寄る。
「リオさん、僕らも一緒に戦うから、リオさんは一人じゃないよ!リオさんが僕を助けたくれた時のように、今度は僕があなたを助けるから!」
ラズは笑顔でそう言って、背中に背負った剣を抜いた。
「ははっ!人間がぞろぞろと‥‥でも、面白くなってきたな!そんなに戦いたいならとっとと始めようぜ‥‥皆殺しをな!」
ロナスは本当に楽しそうに言っている。
「‥‥私達は四人で、相手は三人。人数的にはこっちが有利だけど、私達、全然戦いの経験ないよね?逆に、リオ君の足手まといになっちゃうかな」
ハトネの呟きに、フィレアとラズはごもっともだと黙り込んで‥‥
「はは。私だって‥‥剣を持ってまだ一週間ちょっとなんだよ?でも、やれることはやるよ」
リオが笑って言えば、三人は頷いた。
「話は終わったかしら?じゃあーー‥‥私はリオと戦わせてちょうだい」
まさか、レイラがそう言うと思わなくて、リオは彼女を見据える。
「一騎打ちに持ち込むのね?なら、私はカシルと戦いたいわ」
フィレアがそう言うので、カシルは不思議そうな顔をし、
「俺はお前と関わりはないが?」
と言った。
確かにカシルからしてみれば、フィレアは全く関わりのない女性である。
「シュイア様の為ーーとでも言えばいいかしら?」
フィレアのその言葉を聞き、
「ふん、シュイアの知り合いか」
カシルは肩を竦めた。
「じゃあ、僕はお前だな」
と、ラズはロナスを見る。
「ガキかぁ‥‥」
ロナスが退屈そうに言えば、
「お前は、リオさんを傷付けたらしいからな」
ラズはそう言ってロナスを睨んだ。
「四年も前のことだろー?でもなぁ‥‥お前、やっぱどっかで見たことある気がするんだが‥‥んー、お前みたいなガキ、知らないしなぁ‥‥まあいいか!始めようぜ!」
と、ロナスは長く伸びた爪をぎらつかせる。
「‥‥え、え?え?私は?私はどうしたらいいかな!?リオ君を手伝ったらいいかな!?」
ハトネが困ったように聞くので、
「じゃあ、二人いっぺんにかかって来たらいいだろ」
と、カシルがハトネに言って、
「あっ!そっかー!」
大きく頷いてハトネは笑った。
そんなカシルに、フィレアは馬鹿にされているとムッとしたが、ハトネは役割があってホッとしていた。
そうして、戦いの幕が開ける。
暗い遺跡内を歩きながらリオが聞けば、
「いいのだ。時が経ちすぎた」
「でも、不死鳥はエナンさんが好きだったんでしょ?」
リオは悪気もなく聞いた。
「好きーーだと?何を‥‥」
「いや、なんとなく。不死鳥の山でエナンさんとの過去を見た時に思ったんだけど‥‥違うの?」
レイラがカシルに。フィレアがシュイアに。
そういった恋愛事情というものを最近になってリオは知り、なんとなく誰かが誰かに想いを寄せていることがわかるようになってきた。ただ、自分自身のことには疎いが‥‥
「もし好きだったら、ちゃんと話さないと。エナンさんはもう歳なんだ。不死鳥は永く生きるんだろうけど‥‥」
そこまで言って、リオは言葉を止める。
(あっ‥‥そっか。私も、不老になったんだ。実感、ないけど‥‥)
リオは心の中で苦笑した。
「まあ、そんな話は良い。しかし主よ。何故、彼らを置いて来た?」
「え?んー‥‥本当は一緒に来てほしかったけど‥‥でも、やっぱりこれは私の問題だから」
リオは頷くように言う。
「そういえば、エナンさんとの過去で『不老の命を手に入れたらある目的を成さねば』‥‥とか言ってたよね?ある目的って?それは、私も?」
ふと思い出して聞けば、
「ーー伝えるのを忘れていたな。魔術を使える者は、その代償として不老になる。そして」
不死鳥は一息置き、
「後の世に起こると予測されている【争い】もしくは【宿命】に関わらねばならぬ。それは、いつの世でもだ」
「争い、宿命?」
リオは眉を潜めた。
「それは、今この瞬間もだろう。これも一種の争いであり宿命だ。魔術を手にした者は不老となり、いつ起こるか分からぬ争いや宿命を止める為、生きねばならぬ。それは、遠い昔から続く、陰の歴史だ」
それを聞いて、リオは目を丸くし、
「うーん?じゃあ、シュイアさんやカシル、ハトネとかも?」
「その者らが魔術を使えるのであればな」
「でも、カシルとロナスは世界を壊そうとしてるよ?」
「過ぎ足る力は、過ぎ足る争いを生み出す。それを止める者がいれば、それを引き起こす者もいる。魔術を持つということは、世界を揺るがす者に‥‥善にでも悪にでもなれるのだ」
なるほどと、リオは頷く。
「そして、一度、魔術を手に入れれば、その力を手放す事は不可能なのだ。死ぬまで‥‥もしくは我ら神々が潰えるまで」
「不死鳥以外にも神様がいるの?」
「そうだな‥‥また、語ろう」
少しだけ、不死鳥は困ったような口振りだった。
「そっか。世界には、色々あるんだね」
今まで知らなかった多くのことを最近になって一気に知り、リオは不思議な気分になる。
ふと、リオは足を止めた。視界に、光が映ったからだ。
先ほどまでは真っ暗で、どこを歩いているのかすらわからなかったが‥‥
いくつかの岩で出来た階段に囲まれるように、祭壇のようなものがあった。
「なんだ?これ‥‥」
リオが不思議そうに言うと、
「来たのね、リオ」
そう言われて、リオは目を見開かせ、
「レイラ!」
と、友人の名前を叫ぶ。
「リオ‥‥やっぱり来たのね。来て、くれたのね」
レイラは祭壇の中央に立ち、なぜかリオを見て涙を流し、その場に崩れ落ちたのだ。
「えっ‥‥!?どうしたんだ、レイラ!?」
「ごめんなさい‥‥私のせいで‥‥私、あなたを傷付けた‥‥」
「右目のこと?いいよ!そんなの気にしてないから」
そう、リオは微笑んで言い、レイラがそう言ってくれたことに、少しだけ安堵する。
まだ、レイラを助けれる可能性があるのでは、と。
「リオ‥‥あなたは本当に優しいのね。リオ‥‥こっちに来て。ちゃんと、謝りたいの」
そう言われて、なんの迷いも疑いもなく、リオはレイラに近付いた。
彼女の目の前まで行くと、レイラはリオの手を優しく握り、
「‥‥本当、優しいわね」
ーーと。レイラの声が、笑いを含んでいるように聞こえて‥‥
ぐいっーーと、リオは強く腕を引かれ、どすんと、祭壇の中心に投げ倒された。
レイラの、女性の力にしてはあまりに強くて、その場に尻餅をつかされたリオは唖然とレイラを見つめる。
「‥‥あなた本当に馬鹿ね。一人で来るだなんて」
レイラはクスクスと笑っていた。
それから後ろに振り返り、
「カシル様、ロナスーーこれでいいんですよね」
レイラがそう言うと、
「ははっ、上出来だな」
ロナスがバサッーーと翼を広げ、頭上から降りてきて、カシルも祭壇にある柱の後ろから出てきた。
「‥‥なんか知らないけど、やっぱり罠か」
リオは静かに言う。
「わかってて来るなんて、バカだよなぁ!まあ、あとはその祭壇に不死鳥を置けば、世界は壊れる。だからーー」
「‥‥そうか。不死鳥が必要だから、不死鳥の力を手に入れた私が必要だったのか」
「その通り!リオちゃんが不死鳥と契約してくれたお陰で楽に不死鳥を連れてこれたぜ、ありがとな!」
ロナスはそう言って笑い、
「あとは、世界の絶対の神である不死鳥を殺すだけだ!命を司る不死鳥がここで死ねば、同時に世界は滅びる」
「なら、私が死んだらダメってわけだな」
リオは立ち上がり、剣を抜いて、切っ先をロナスに向けた。そんなリオを見て、
「‥‥お前、ほんとムカつくなぁ」
と、ロナスは苦笑する。
すると、ロナスではなく、レイラが短剣を抜き、リオを睨み付けるように見て、
「リオ。お願いだから、カシル様の邪魔をしないで。大人しく世界を壊す存在になってよ」
そんなレイラの冷たい声に、リオは眉間にシワを寄せた。
真っ直ぐにレイラを見つめ、
「約束したから。レイラも、世界も救うって」
そんなリオの言葉にレイラはため息をつき、
「一人で何が出来るのよ、リオ」
と、レイラは短剣を構え直す。リオが口を開こうとしたら、
「リオ君は一人じゃないもん!!」
ーーと、リオの後ろからハトネの声がして‥‥
リオは振り返り、ハトネとフィレア、ラズを困ったように見つめた。
「なんであなたは一人で行っちゃうの!?まさかこんな時まで一人で行くなんて‥‥ビックリしたわよ!」
フィレアが呆れるように言ってきて、
「リオ君はきっと急いでたんだよね、ごめんね、リオ君の気持ちも考えないで‥‥」
ハトネ達は、カシル達をお構い無しにリオに駆け寄る。
「リオさん、僕らも一緒に戦うから、リオさんは一人じゃないよ!リオさんが僕を助けたくれた時のように、今度は僕があなたを助けるから!」
ラズは笑顔でそう言って、背中に背負った剣を抜いた。
「ははっ!人間がぞろぞろと‥‥でも、面白くなってきたな!そんなに戦いたいならとっとと始めようぜ‥‥皆殺しをな!」
ロナスは本当に楽しそうに言っている。
「‥‥私達は四人で、相手は三人。人数的にはこっちが有利だけど、私達、全然戦いの経験ないよね?逆に、リオ君の足手まといになっちゃうかな」
ハトネの呟きに、フィレアとラズはごもっともだと黙り込んで‥‥
「はは。私だって‥‥剣を持ってまだ一週間ちょっとなんだよ?でも、やれることはやるよ」
リオが笑って言えば、三人は頷いた。
「話は終わったかしら?じゃあーー‥‥私はリオと戦わせてちょうだい」
まさか、レイラがそう言うと思わなくて、リオは彼女を見据える。
「一騎打ちに持ち込むのね?なら、私はカシルと戦いたいわ」
フィレアがそう言うので、カシルは不思議そうな顔をし、
「俺はお前と関わりはないが?」
と言った。
確かにカシルからしてみれば、フィレアは全く関わりのない女性である。
「シュイア様の為ーーとでも言えばいいかしら?」
フィレアのその言葉を聞き、
「ふん、シュイアの知り合いか」
カシルは肩を竦めた。
「じゃあ、僕はお前だな」
と、ラズはロナスを見る。
「ガキかぁ‥‥」
ロナスが退屈そうに言えば、
「お前は、リオさんを傷付けたらしいからな」
ラズはそう言ってロナスを睨んだ。
「四年も前のことだろー?でもなぁ‥‥お前、やっぱどっかで見たことある気がするんだが‥‥んー、お前みたいなガキ、知らないしなぁ‥‥まあいいか!始めようぜ!」
と、ロナスは長く伸びた爪をぎらつかせる。
「‥‥え、え?え?私は?私はどうしたらいいかな!?リオ君を手伝ったらいいかな!?」
ハトネが困ったように聞くので、
「じゃあ、二人いっぺんにかかって来たらいいだろ」
と、カシルがハトネに言って、
「あっ!そっかー!」
大きく頷いてハトネは笑った。
そんなカシルに、フィレアは馬鹿にされているとムッとしたが、ハトネは役割があってホッとしていた。
そうして、戦いの幕が開ける。
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