18 / 18
協力
しおりを挟む
誰かが言った。『協力しよう』と。
たまたまその場を通り掛かっただけでちらっと声の方を見ると、二人の男の姿が目に入る。
一人の男はその場に座り込み、もう一人の男はその場に立ち尽くしていた。
よくよく見ると、座り込んだ男は足に怪我を負っているようだ。捲れたズボンからぐるぐる巻かれた包帯が見える。
立ち尽くした男は鞄の中から地図を取り出し、近くに村や町がないかを調べていた。
すると、怪我を負った方の男がこちらに気づき、声を掛けてきて、近隣の地理を尋ねて来たので、真っ直ぐ行けば村があることを伝えた。
男二人は感謝の言葉を述べ、怪我を負った男に肩を貸し、そのまま奥深い森へと進んでいった。
ーー数日後。
狂暴な獣が住む森の中。
一つの新しい骸があった。
食いちぎられた荷物や衣類の布が転がり、粉々になった包帯のようなものが散らばっている。
‥‥と言うことは、うまく協力できたんだな。
一人が犠牲になり、一人は逃げ出せたんだな。
森の先に村があるのは事実だ。
だから別に、何も嘘は言ってないだろ?
今も森の中には狂暴な獣が住んでいる。
さて、獣と言っても、動物かもしれないし、狂人かもしれないね?
気になるなら行ってみればいーじゃん!
たまたまその場を通り掛かっただけでちらっと声の方を見ると、二人の男の姿が目に入る。
一人の男はその場に座り込み、もう一人の男はその場に立ち尽くしていた。
よくよく見ると、座り込んだ男は足に怪我を負っているようだ。捲れたズボンからぐるぐる巻かれた包帯が見える。
立ち尽くした男は鞄の中から地図を取り出し、近くに村や町がないかを調べていた。
すると、怪我を負った方の男がこちらに気づき、声を掛けてきて、近隣の地理を尋ねて来たので、真っ直ぐ行けば村があることを伝えた。
男二人は感謝の言葉を述べ、怪我を負った男に肩を貸し、そのまま奥深い森へと進んでいった。
ーー数日後。
狂暴な獣が住む森の中。
一つの新しい骸があった。
食いちぎられた荷物や衣類の布が転がり、粉々になった包帯のようなものが散らばっている。
‥‥と言うことは、うまく協力できたんだな。
一人が犠牲になり、一人は逃げ出せたんだな。
森の先に村があるのは事実だ。
だから別に、何も嘘は言ってないだろ?
今も森の中には狂暴な獣が住んでいる。
さて、獣と言っても、動物かもしれないし、狂人かもしれないね?
気になるなら行ってみればいーじゃん!
0
お気に入りに追加
1
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説


(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。


もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる