息をするように、

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協力

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誰かが言った。『協力しよう』と。
たまたまその場を通り掛かっただけでちらっと声の方を見ると、二人の男の姿が目に入る。

一人の男はその場に座り込み、もう一人の男はその場に立ち尽くしていた。

よくよく見ると、座り込んだ男は足に怪我を負っているようだ。捲れたズボンからぐるぐる巻かれた包帯が見える。
立ち尽くした男は鞄の中から地図を取り出し、近くに村や町がないかを調べていた。
すると、怪我を負った方の男がこちらに気づき、声を掛けてきて、近隣の地理を尋ねて来たので、真っ直ぐ行けば村があることを伝えた。

男二人は感謝の言葉を述べ、怪我を負った男に肩を貸し、そのまま奥深い森へと進んでいった。

ーー数日後。
狂暴な獣が住む森の中。

一つの新しい骸があった。
食いちぎられた荷物や衣類の布が転がり、粉々になった包帯のようなものが散らばっている。

‥‥と言うことは、うまく協力できたんだな。
一人が犠牲になり、一人は逃げ出せたんだな。

森の先に村があるのは事実だ。
だから別に、何も嘘は言ってないだろ?

今も森の中には狂暴な獣が住んでいる。
さて、獣と言っても、動物かもしれないし、狂人かもしれないね?
気になるなら行ってみればいーじゃん!
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