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11、筋肉ダルマは意外といい人? その2
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どどどっ、どうしましょう。
目が覚めたらロートさんから筋肉ダルマにチェンジしてました。ドキドキです。胸が高鳴っています。生命の危機的な意味で。
「おら、どうした。寝たフリすんじゃねぇぞ?」
『起きてる!起きてるから揺らさないでー』
大きなバスケットのような籠に毛布にくるんで入れられていました。そして、その籠をこの筋肉ダルマはガタガタと揺すってきたのです。普通の赤ちゃんだったらギャン泣きですよ?というか、泣いてもいいですか?
遠い目をして筋肉ダルマを眺めていると、籠の中から取り出されました。
『なっ、何!』
思わずばたつくと、やんわりと身動きを取れないように固定されました。
「ロートんとこ連れてってやっから大人しくしとけよ」
『え…』
意外と優しい手つきで撫でられ呆然とします。…だ、誰ですかこの人。
信じられなくて思わず目を見張ります。夢の続きでも見ているんでしょうか。
働かない頭を必死に働かせていると、ロートさんが部屋に戻ってきました。
「っ!!」
筋肉ダルマの腕にだかれる私を見て、顎が外れるかってくらい口を開けて驚いています。
そうでしょうともそうでしょうとも、だってこの筋肉ダルマ私を撫でながら優しく微笑んでいますから。初めにあった時とまるで違って私でも信じられないんですから。
「あ、ロート。丁度いいところに来たな。コイツさっき寝てた時うなされてたんだわ。俺じゃあ、安心できねぇみてーだし、後は頼んだぜ。大体、こんな広い部屋に一匹は赤ん坊にはキツいだろうよ。誰かに預けるにしろ一匹で居ることをあんまりしねぇようにな。こんくらいの奴にゃあ甘えさせてやんねぇとな。じゃあな」
そんな私たちの心境も知らずに淡々と話して筋肉ダルマは私をロートさんに押し付けるように渡して部屋を出ていきました。
筋肉ダルマが出ていったあと、この部屋には沈黙が訪れました。私もロートさんもどちらも声を発しません。
「……」
『……』
思い沈黙に耐えかねていると、扉が壊される勢いで開きました。
「ブラッドちゃーん!お姉様と戯れましょう!」
それは、沈黙を破るにはあまりにも激しい登場の仕方でした。現れたのは、薄ーく化粧を施し、軍服をいい感じに気崩していて、黙ってさえいれば綺麗なお姉さんか、美人な男性で通じるのにこの残念感……エドハルトさんです。
「こっちに寄ってくんな」
両手を広げ、ジリジリと寄ってくるエドさん。ロートさんも私を心做しか先程よりも抱える力を強くして、後退します。
この攻防戦に勝利したのは……、
……ぐー
「「えっ?」」
『お腹すいたー』
私の腹の虫でした。
目が覚めたらロートさんから筋肉ダルマにチェンジしてました。ドキドキです。胸が高鳴っています。生命の危機的な意味で。
「おら、どうした。寝たフリすんじゃねぇぞ?」
『起きてる!起きてるから揺らさないでー』
大きなバスケットのような籠に毛布にくるんで入れられていました。そして、その籠をこの筋肉ダルマはガタガタと揺すってきたのです。普通の赤ちゃんだったらギャン泣きですよ?というか、泣いてもいいですか?
遠い目をして筋肉ダルマを眺めていると、籠の中から取り出されました。
『なっ、何!』
思わずばたつくと、やんわりと身動きを取れないように固定されました。
「ロートんとこ連れてってやっから大人しくしとけよ」
『え…』
意外と優しい手つきで撫でられ呆然とします。…だ、誰ですかこの人。
信じられなくて思わず目を見張ります。夢の続きでも見ているんでしょうか。
働かない頭を必死に働かせていると、ロートさんが部屋に戻ってきました。
「っ!!」
筋肉ダルマの腕にだかれる私を見て、顎が外れるかってくらい口を開けて驚いています。
そうでしょうともそうでしょうとも、だってこの筋肉ダルマ私を撫でながら優しく微笑んでいますから。初めにあった時とまるで違って私でも信じられないんですから。
「あ、ロート。丁度いいところに来たな。コイツさっき寝てた時うなされてたんだわ。俺じゃあ、安心できねぇみてーだし、後は頼んだぜ。大体、こんな広い部屋に一匹は赤ん坊にはキツいだろうよ。誰かに預けるにしろ一匹で居ることをあんまりしねぇようにな。こんくらいの奴にゃあ甘えさせてやんねぇとな。じゃあな」
そんな私たちの心境も知らずに淡々と話して筋肉ダルマは私をロートさんに押し付けるように渡して部屋を出ていきました。
筋肉ダルマが出ていったあと、この部屋には沈黙が訪れました。私もロートさんもどちらも声を発しません。
「……」
『……』
思い沈黙に耐えかねていると、扉が壊される勢いで開きました。
「ブラッドちゃーん!お姉様と戯れましょう!」
それは、沈黙を破るにはあまりにも激しい登場の仕方でした。現れたのは、薄ーく化粧を施し、軍服をいい感じに気崩していて、黙ってさえいれば綺麗なお姉さんか、美人な男性で通じるのにこの残念感……エドハルトさんです。
「こっちに寄ってくんな」
両手を広げ、ジリジリと寄ってくるエドさん。ロートさんも私を心做しか先程よりも抱える力を強くして、後退します。
この攻防戦に勝利したのは……、
……ぐー
「「えっ?」」
『お腹すいたー』
私の腹の虫でした。
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